リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2022.03.30

【連載】マクロス40周年記念超時空コラボアルバム『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』特集 ~歌姫インタビューと全曲レビューからアルバムの魅力を紐解く!~ 第1回 『マクロスF』シェリル・ノーム歌担当 May’nインタビュー

【連載】マクロス40周年記念超時空コラボアルバム『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』特集 ~歌姫インタビューと全曲レビューからアルバムの魅力を紐解く!~ 第1回 『マクロスF』シェリル・ノーム歌担当 May’nインタビュー

シェリルは命を削りながら歌わないといけないと思って

――ワルキューレの楽曲を歌ってみていかがでしたか?

May’n 美雲の声って、低い部分が素敵な印象があったので、キーは低いと思っていたんです。でもいざ歌ってみるととても高くて!こんなに高いキーを、あんなに低い部分を出して歌っていたんだ、ということに気付かされたんです。

――美雲のパートをシェリルが歌うことは多かったので、2人のタイプの違いというのはよくわかりました。人気投票第2位の「僕らの戦場」は、「ライオン」のようなポジションの曲なのかなと思ったのですが、どうでしたか?

May’n タイトル通り戦場が浮かぶから、確かに「ライオン」のような気持ちで、疾走感と苦しさを大事に歌いました。ワルキューレのライブでコラボもさせてもらったので大好きな曲なんです。それとランカって、どちらかというとかわいい曲のイメージがあるけど、こういう曲を歌うランカもすごく好きで、カッコいいんですよ!

――かわいいけど、ブレない子ですからね。

May’n 芯の強さみたいなのが出ていますよね。それによってシェリルも凛と立っていられるので、2人で歌う意味を感じました。

ーー人気投票第1位の「いけないボーダーライン」は、1番はシェリルがメインで、2番はランカがメインでした。個人的には、シェリルの“いっちゃうかもね”が聴けて良かったなと。

May’n 原曲に近い歌い分けでしたね。“いっちゃうかもね”は、私もこだわりました。歌詞だけ見ると過激だし、色気もあるからシェリルとしてはやりがいがあるなと。ただ、シェリルって、いやなエロさがあるとかではないんですよね。すごい色気を出したあとに「なんちゃって」って言っちゃうタイプだと思うんです(笑)。女の子がイヤにならないセクシーさがあるというか。その感じを大事にしながら歌ったので、このテイクはとても気に入っています!

――歌っていて大変なところはありましたか?

May’n これはどの曲もですけど、やっぱり原曲をどこまで再現するかですよね。みんな原曲を愛していると思うので、そのリスペクトは忘れないことというか。特に「いけないボーダーライン」は、JUNNAちゃんの特徴でもあるけど、音を伸ばすところでフォールしていく感じがあるんです。それをどこまで再現するかは練りました。それも曲の魅力のひとつなので。そうは言ってもすべてを再現すると美雲の真似をするシェリルみたいになるから、シェリルとしては美雲を感じたくないんですよ。そのバランスというのが難しくて。

――家でMay’nとしてプランを考えているときには意識するけど、レコーディングではシェリルとして歌う、みたいな感じですかね。確かに難しそうです。「GIRAFFE BLUES」は、シェリルのソロ曲でした。すごく情感たっぷりで感動しました。この曲は、どんなシーンを浮かべて歌ったのでしょう。

May’n これはシェリルが大病を患っていて、この先も歌えるんだろうか、一番大切な歌さえも手放さなければいけないのだろうかと葛藤しながら、暗い部屋でたった一人で歌っているイメージでした。ランカちゃんに対する悔しさや寂しさ、あとはアルトに会いたい愛おしさを歌いたいと思ったんです。でもこの曲って、いろいろな歌い方ができると思うんです。ワルキューレでもいろんなバージョンがあって、どれも好きなんですよね。だから銀河の妖精として、歌姫感を出して歌うこともできたんだろうけど、曲を聴いたときに、一人の女の子としてのシェリルが浮かんだので、寂しさや弱さを大事に歌わせてもらいました。

――しかもMay’nさんが好きなh-wonderさんの曲ですしね。

May’n そうなんですよ!むしろこの曲を聴いて、やっぱりh-wonderさん最高だ!天才だ!と思って自分のアルバムでオファーをさせていただいたくらいで(笑)。そのときも「GIRAFFE BLUES」を語りまくっていました。だから歌えることになって嬉しかったです。この曲って、メロディ構成が不思議で、ずっと入り口が同じメロディなんですよ。

――ホントだ!

May’n 同じメロディだけど、転調していくことによって全然同じに聴こえない。だから耳馴染みがいいんですよね。フライングドッグ社長の佐々木史朗さんがレコーディング現場にいらしていたんですけど、「陶芸のような曲だ」とおっしゃっていて、まさしくそうだなと(笑)。ずっと周りながら変化し完成してく。「GIRAFFE BLUES」って陶芸なんだな、あらためて美しいなって思いました。

――ランカ・リー=中島 愛の「不確定性☆COSMIC MOVEMENT」も最高でしたよね。

May’n とても合っていますよね(笑)。愛ちゃんもこの曲が好きだったから、お互い好きな曲を歌えて良かったです。ランカが歌って踊っているのが想像できました。でも、ソロを入れてもらえたのはフロンティアらしいですよね。やっぱり2人はソロアーティストなので。

――そして「破滅の純情」(人気投票第3位)は、美雲の圧倒的な歌声が印象的ですけど、シェリルとしても圧倒的な歌を響かせました。

May’n この曲で美雲のキーの高さを感じたんですよね。これはもう大変で、最終的に喉がちぎれて終わる感じで。でもシェリルとしての歌姫感を大切に歌いたいと思ったので、結構フェイクとかも好き勝手入れて歌っていますね。シェリルモードで歌うと、その生い立ちから、どうしても戦場が浮かんでしまい、アナザーストーリーを浮かべて歌っていたんですけど、私は絵も付いていないのに、何でこんなに喉がちぎれんばかりに歌っているんだと思ったんですよ(笑)。でも、やっぱりシェリルは命を削りながら歌わないといけないと思って、絵はなくとも命を削って歌っていました。

――それがシェリルとして歌う宿命なのかも(笑)。

May’n 本当に!そうやって命を削ったなと、レコーディングの帰り道に思ったときに、私はシェリルとして歌えていたと確認するんです。

次ページ:「愛・おぼ」で、引っ張っていきたい、という気持ちが芽生えたかも

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP