INTERVIEW
2022.03.25
――さて、ここまでは1話と2話のドラマについてお話をお伺いしましたが、もう1つのトピックとしては音楽ですね。まずは1話で流れた「GO GO WEST」ですが……モロにザ・クラッシュ(イギリスのパンクロックバンド)ですね(笑)。
水島 めちゃめちゃ「ロンドン・コーリング」だよね(笑)。しかも結構生っぽいでしょ?女子高生がバンドをやるとなると、パンクといえばこれくらいのことしかできないかなっていうところからやってるからね。
――そこがまたリアルですよね。楽器も弾きすぎない感じというか、「GO GO WEST」の作曲・編曲を担当したエンドウ.さんもパンクバンドをやられていますけど、あそこまでスカスカな音はやったことないのかなって。
水島 最初は結構しっかりとしたものを作ってもらったんだけど、そこから音数を減らして。要はバンドを始めてそんなにキャリアのない高校生たちが学園祭でやれるくらいのレベルの曲、というふうにしてもらいました。まさにそれが狙いです、超狙ってやってます。
――ある種のチープさと、パンクっぽい投げやりなボーカルがまたマッチしていますよね。
水島 そうですね。でも本人たちはノリノリでやっているから、歌い方とかがカラオケレベルのがなり方をする。きれいに歌うんじゃなくて気持ち良く歌う。最初に中島さんに歌ってもらったときは、きれいにしっかり歌ってくれたんですよ。それに対して「あ、もっとカラオケっぽく」ってお願いして。「高校生バンドってかっこよく歌うから、自分が好きなパンクバンドのボーカリストの真似をしたりするんですよ」って。巻き舌になったりとかちょっと投げやりな歌い方になるとか、そういう遊びを入れてほしいって。音符をちゃんと再現するんじゃなくて、悪ノリしちゃってくださいって言ったらあんな感じになったという。
――酔っ払ったイギリス人の歌い方みたいな感じですよね(笑)。
水島 そうそう。そういうこと(笑)。
――そして作詞も水島監督がやられているという。しかもタイトル「GO GO WEST」ですからね(笑)。
水島 西へ向かうぞ!って(笑)。結局、ユートピアとか自分たちの作る良い世界というと、やっぱりガンダーラかなと思って。自分たちのユートピアに向かうと考えたときに、どこ行くのかなって思ったときにやっぱり「西だ」って(笑)。あとは「Go West」ってヴィレッジ・ピープル(ディスコ・サウンドの代表的な人気グループ)も歌っていたでしょ?そういうわかりやすい引用の仕方を高校生はするだろうな、みたいな(笑)。
――わかります(笑)。
水島 最初はずーっとメロを聴いていて、“くそったれな”っていうフレーズが思い浮かんだときに、そこから前後を広げていって。あとは高校生が使いそうな語彙感で、整ってちゃだめな、単に音がハマってるだけみたいなコンセプトで考えていたら、「これで作詞家に振ったらもっと気の利いた歌詞になっちゃうから……だったら俺書く」と思って。そういう意味では変なことをやろうと思っていたピークが「GO GO WEST」に帰結して。だからその先はもう少しちゃんとした音楽を作ろうとしています(笑)。
――1話で音楽でもボケる、というのを一度やって、2話で流れた「ホーム」はまたクオリティの高いサウンドになっていったと。
水島 音楽的にちゃんとしたもの作ろうとしてます。2話が配信されたときに作詞の山本メーコさんが呟いていたけど、家に帰ってほっこりする、料理がおいしいっていう歌なのに、裏テーマはメーコさんがドハマリしてるサウナで。それを聞いたらサウナの曲にしか聴こえなくなってくるという(笑)。
――完成したものはほっこりした、シチューのCM感というか。
水島 そう、ハウスシチュー感に聴こえるように最終的に直してもらった。最初は「あったかい」がシチュー感ではなくてお風呂のあったかいになっていたので(笑)。でもメーコさんも同じ事務所だから距離感がある程度わかっているので、無茶振りしても大丈夫みたい安心感も含めて楽しんでる感じがありますね。あと作曲の佐藤陽介も同じ事務所なんですが、彼はメロディメーカーとしても強いので、彼も僕のリファレンスに対して頑張ってくれた。いわゆる矢野顕子やEPOとか、そういうほっこりするような曲をお願いしたら、すごく良いものがあがってきたんです。楽器の選択も色々と話しながら詰めていったので、満足度はとても高いですね。
――あのサビのメロディは印象的ですよね。ドラマパートでも店内BGM的に使われていて。
水島 あのボーカルはメーコさんだからね。「ホーム」の仮歌なんですよ。あの歌がもう1回エンディングとしてちゃんと流れる構造にしたかったんですが、あそこでキャストの歌が聴こえると興ざめだなと思い、メーコさんの仮歌を使わせていただきました。
――音楽としてもドラマを彩りながら、楽曲としてもクオリティーが高いという、水島さんの音楽プロデューサーとしての手腕が光るお仕事ですね。
水島 しかもドラマがYouTubeで公開された直後に、フルコーラスがサブスクで聴けるっていうのもまた良くって。
――このテンポ感も今っぽいですよね。さて、今回はここまでということで、次回は3話以降のお話についてお伺いします。
水島 このボリュームをあと何回しゃべるの?(笑)。ひとまずよろしくお願いします!
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
●リリース情報
VOISCAPE アルバム
『まだ、世界の果てじゃない』
出演:VOISCAPE<飯森みちる(CV:中島由貴)、中沢 栞(CV:鈴代紗弓)、太田 希(CV:
大野柚布子)>
3月30日(水)発売
【通常盤】
品番:GNCA-1613
価格:¥3,850(税込)
【あにばーさる限定盤(飯森みちる盤)】
品番:GNCT-0033
価格:¥7,700(税込)
【あにばーさる限定盤(中沢栞盤)】
品番:GNCT-0034
価格:¥7,700(税込)
【あにばーさる限定盤(太田希盤)】
品番:GNCT-0035
価格:¥7,700(税込)
発売元・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
<CD>
・CD1
*ピクチャーボイスドラマ「まだ、世界の果てじゃない」各話主題歌
*本商品のみ収録のオリジナル楽曲
(合計8曲)
・CD2
*本商品のみ収録のオリジナルボイスドラマ(2本)
<あにばーさる限定盤特典>
・特典CD収録
*CD1収録曲の各キャラクターによるソロバージョン(合計8曲)
・特典DVD-ROM収録内容
*ピクチャーボイスドラマ「まだ、世界の果てじゃない」映像データ 他
・特製スリーブケース仕様
●配信情報
第1話主題歌
「GO GO WEST」
配信リンクはこちら
歌:VOISCAPE(飯森みちる(CV:中島由貴)、中沢 栞(CV:鈴代紗弓)、太田 希(CV:大野柚布子)
作詞:水島精二
作曲・編曲:エンドウ.
MIX:石塚陽大
第2話主題歌
「ホーム」
配信リンクはこちら
歌:VOISCAPE(飯森みちる(CV:中島由貴)、中沢 栞(CV:鈴代紗弓)、太田 希(CV:大野柚布子)
作詞:山本メーコ
作曲・編曲:佐藤陽介
MIX:石塚陽大
●作品情報
ピクチャードラマプロジェクト「VOISCAPE」
まだ、世界の果てじゃない
<作品概要>
どこの「世界」にでもいる3人の女子高校生。
この3人でしか作れない「世界」の中で、刹那のキラメキを
どこまで笑い飛ばしながら生きていく日常系コメディ
<キャラクター>
飯森みちる(CV:中島由貴)
まっすぐで真面目。面倒見が良く、仲間思いの元気ムスメ。
頑固だけど理屈に弱く、長い時間かけて説得されると納得してしまうことがある。
学級委員長などを任されるタイプだが、本人は地位や権限にさほど興味はない。
運動能力が高い。
苦手なものは「特にない」
好きな食べ物は「ごはん」
中沢 栞(CV:鈴代紗弓)
考える前に動くポジティブガール。
行動力が高いが、衝動的でツメが甘い部分もある。
その行動から周囲を混乱させるところがあるが、純粋さと優しさで不思議と人が集まってくる。
「お笑い」や「占い」などのカルチャーを人一倍リスペクトしている。
苦手なものは「おばけ」
好きな食べ物は「何かに入っているイチゴ」
太田 希(CV:大野柚布子)
直感が鋭く、常識に囚われない不思議な優等生。
物怖じせず、周囲を冷静に見渡すことができる。
成績優秀で運動神経も高く、どんなことでも少し練習すればできてしまう。
占いが得意。
苦手なものは「大勢の子供が同じ歌を歌っている景色を見ること」
好きな動物は「悪夢を食べるバク」
【スタッフ】
エグゼクティブプロデューサー:水島精二
クリエイティブプロデューサー:荒木 悟
シナリオ:麻草 郁・高垣雄海
キャラクター原案/キャラクターデザイン:いぬもと
背景・彩色:鴨鳴アヒル
動画:おれお
音響ディレクター:水島精二
音楽:グシミヤギ ヒデユキ
音楽プロデュース:水島精二・Hifumi,inc.
映像制作/音楽制作:Hifumi,inc.
総合プロデュース:Hifumi,inc./NBCユニバーサル
●ラジオ番組情報
文化放送・超!A&G+「RADIO VOISCAPE」
放送局/放送日時:文化放送・超!A&G+にて毎週月曜日23:30-24:00
(リピート放送:毎週火曜日11:30-12:00)
出演:VOISCAPE
<中島由貴(飯森みちる 役)、鈴代紗弓(中沢栞 役)、大野柚布子(太田希 役)
©VOISCAPE
「VOISCAPE」オフィシャルTwitter
https://twitter.com/voiscape_PR
水島精二 公式Twitter
https://twitter.com/oichanmusi
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