高橋李依、楠木 ともり、芹澤 優が演じるアイドルキャラクターたちと、実際に手紙のやりとりができる話題のキャラクターコンテンツ「Princess Letter(s)! フロムアイドル」(以下、「プリレタ」)。リスアニ!WEBでは、声優×ポエトリーリーディング楽曲という新鮮な試みを含め音楽面でも見逃せない本作を全5回にわたって特集。第2弾となる今回は、誰かに“笑顔”を届けられるアイドルを目指す透明感溢れる少女・雁矢よしの役を担当する声優の高橋李依にインタビューを実施。彼女から見た本コンテンツの魅力やよしのを演じる際のこだわり、初のアイドル楽曲となる新曲「リトル・シークレット」などについてたっぷり語ってもらった。
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――高橋さんは「Princess Letter(s)! フロムアイドル」のお話をいただいたとき、どんな印象を抱きましたか?
高橋李依 ゲームやアニメから始まるのではなく、「お手紙」をコンセプトにしたコンテンツということにワクワクしました。最初にお話をいただいたとき、作品の企画書と一緒に私宛のお手紙をいただきまして。そこで私のことをたくさん褒めてくださっていて(笑)、私のどういう部分を求めて声をかけてくださったのかが書かれていたんです。そのことがすごく嬉しくて「ぜひ力になりたい!」と思いました。そのお手紙から人柄みたいなものが伝わってきましたし、言葉で気持ちを伝えること、人と人とのやり取りを大事にされているチームなんだろうな、と感じました。
――「プリレタ」では、アイドルのキャラクターたちから“直筆のお返事”が届く「アイドルとの文通サービス」が展開されています。こちらについてはどんな印象を受けましたか。
高橋 最初は「これはどこまで私が担当するんだろう?」と思いました(笑)。役者で一括りにすると、私が直接お手紙を書くというのも変ではないのかな?とも思ったのですが、そこは私ではなくきちんと「雁矢よしのちゃん」が書いてくれるみたいで。私は声に集中できるなと思って安心しました(笑)。
――たしかに今どきの声優さんは色んなことに挑戦する機会が増えていますものね(笑)。ちなみに以前、キャスト3名による配信番組「常和歌学園 #プリレタ ホームルーム」で、ご自身の担当されているキャラクターからサプライズでお手紙を受け取っていましたが、どんなお気持ちでしたか?
高橋 あのときは本当に不思議な感覚でした。夢を見させてもらっているような感じもありましたし……。もちろん私が普段演じさせているのはキャラクターで、創作物ではありますが、常にその子がどこかで本当に生きていると思っていたい。あの手紙を受け取ったとき、そういう部分を物理的に感じることができて、すごく幸せな瞬間でした。
――やはり手紙のやりとりには特別なものがあるのかもしれませんね。
高橋 そうだと思います。私自身の声優活動を応援してくださっている方のなかに、よくお手紙を送ってくれる方がいるのですが、その方も見事に「プリレタ」にハマり、よしのちゃんと私の活動を掛け持ち応援してくれているみたいなんです(笑)。
――高橋さんは職業柄、手書きのファンレターをいただく機会も多いと思いますが、やはり嬉しいものですか?
高橋 嬉しいです!特に今はコロナ禍の影響で事務所的にお手紙以外のプレゼントを受け取れなくなって、皆さんとの物理的なやり取りは手紙だけという状態なので、本当に「プリレタ」の世界みたいだなと思うこともあるのですが(笑)。文字から人柄が感じられたりもしますし、なかには便せん数枚にわたってお手紙を書いてくださる方もいて。私はTwitterもやっているのですが、お手紙だとシンプルな140文字のやりとりだけでは伝わりづらい、「こんなにも想いが詰まっていたんだ」ということが伝わってくるので嬉しいです。
――高橋さんが声を担当する、雁矢よしのという女の子についてお聞かせください。第一印象はいかがでしたか?
高橋 この作品には「わたし(たち)には、秘密がある」というキャッチコピーがあるのですが、最初によしのちゃんのイラストを見たとき、明るそうで、そんなに秘密を抱えているようには見えなかったんですよ。でも、実は昔は暗い表情でいることが多くて、とある「手紙」がきっかけで感情を見つけていって、自分も誰かに「笑顔」を届けられるようなアイドルを目指すようになって。その活動のきっかけがすごく魅力的に感じました。なので元気で明るい表情のなかにも、その裏側に歴史があることを感じながら意識して演じています。
――ただ明るいだけではない女の子、というわけですね。
高橋 後天性の明るさと言いますか。3人のキャラクターたちのバランスを考えると、「明るい」や「かわいい」は金魚鉢たよりちゃんのほうが適任だと思いますし、あやめちゃんには「透明感」や「落ち着いている」部分があるかなと感じたので、そうなるとよしのちゃんの振れ幅としては、性格をピンポイントにし過ぎないこと、等身大で自然体のナチュラルさをいかに出すかを考えました。
――キャラクターデザインで魅力に感じるポイントはありますか?
高橋 もう全部かわいいと思います!(笑)。森倉 円先生の描く女の子の瞳には、目に未来が宿っているようなキラキラ感があると思うんです。そのキャピキャピとは少し違うキラキラを(声に)乗せたいなと思える輝きが瞳の中にありますし、髪の毛のフワッとした感じにも、風を纏っているような爽やかさが感じられて。それとピンク色を爽やかに着こなしつつ、そこに紫が入っているところも、キュートに振り切りすぎてなくて、すごく魅力的なバランスだなと感じました。よしのちゃんがアイドルになる前のことを書いたシナリオ(「雁矢よしの ポエトリーノベル#0 『名無しの桜』」)があるのですが、それを読んだときに絵とシナリオがすごく一致していると感じたんです。きっと森倉先生も私も、よしのちゃんの過去を意識して(キャラクターを)作っていったんでしょうか……。気になります。
――よしのはとある手紙のやりとりをきっかけに笑顔の感情を知ったわけですが、例えば高橋さんは誰かとのやりとりをきっかけに自分自身が変わった経験はありますか?
高橋 私は自分が大変なときに、できればすぐ他人に頼りたいのですが、弱ってしまうと誰に頼るべきかも考えられなくなってしまうので、「こういうことがあれば頼ってね」と言ってくれた人のことをメモしているんです。例えば「仕事のことで悩みがあったら私に言ってね」と言ってくれた人がいたら、「わかった!」ってすぐメモして(笑)。何かで悩んだときがあったら、毎回そのメモ帳を頼りに誰かに連絡を取っているので、自分の声優人生は周りの人の助言なしでは生きてこられなかったと思います。いつも「今日はこの人に話して正解だった!」と思いますし、そういう方たちに本当に救われています。
――その意味ではもしかしたら、高橋さんとよしのには通じる部分があるのかもしれませんね。
高橋 そうですね。私は普段よく「明るいね」と言っていただけることが多いぶん、自分の明るさについて見つめ直す機会もよくあるので、よしのちゃんが根っこから明るいだけではない部分があったのは嬉しかったです。自分の明るさがあるのは人のおかげということを、ちゃんと自覚して笑えているのが、すごく好きだなあと思います。
――高橋さんも、ただ明るいだけではない部分をお持ちだったりするのですか?
高橋 別に暗いわけではないんですけど、ただただ根っこから明るい感じでもないと思うんですよね。性格的にも色々と考えがちだし、今のお仕事をやらせていただいていることを当たり前だと思わないように、自分で自分を戒めたり、自分に反省するクセもついていて。
――もしかして、根が真面目というかストイックな部分があるのかもしれないですね。
高橋 そう言われることも多いです(笑)。「明るさ」と「真面目さ」の両立って難しいですね。
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