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INTERVIEW

2021.12.30

【インタビュー】「あの瞬間は私のすべてでした」――茅原実里、夏の野外ライブ“SUMMER CHAMPION 2021~Minori Chihara Final Summer Live~”DAY2と“Minori Chihara ORCHESTRA CONCERT 2020 -Graceful bouquet-”が収録された「Minori Chihara Live Re:Collection」をリリースした彼女に話を聞く

【インタビュー】「あの瞬間は私のすべてでした」――茅原実里、夏の野外ライブ“SUMMER CHAMPION 2021~Minori Chihara Final Summer Live~”DAY2と“Minori Chihara ORCHESTRA CONCERT 2020 -Graceful bouquet-”が収録された「Minori Chihara Live Re:Collection」をリリースした彼女に話を聞く

2004年のデビュー以降、声優・歌手として活動を続けてきた茅原実里が、歌手活動休止前ラストライブを目前に「Minori Chihara Live Re:Collection ~SUMMER CHAMPION 2021 & ORCHESTRA CONCERT 2020 Graceful bouquet~」をリリース。13回という歴史を紡いできた河口湖ライブのファイナル公演とオーケストラコンサートを改めて振り返ってもらった。

毎年夏恒例の野外ライブは「間違いなく私の生きがいでした」

――毎年夏恒例の野外ライブですが、今年の“SUMMER CHAMPION 2021 ~Minori Chihara Final Summer Live~”は活動休止前最後の野外ライブとなりました。このライブが決まったときの率直なお気持ちを教えてください。

茅原実里 長い歴史に幕を閉じる大切な2日間になるので、無事に開催できるように、祈るような気持ちでした。

――リハーサルではどんなお気持ちで歌われていましたか?

茅原 2009年から夏を過ごしてきたあの場所には思い出がたくさん詰まっているので、歌っていると色んな景色や気持ちが蘇ってきたんです。だから「歌っていて楽しいんだけど、気づいたら泣いてる」みたいな感じで……リハーサルでは1人でよく泣いていました(笑)。自分でも自分の感情がよくわかりませんでしたね。正直、本番できちんと歌いきれるのか心配でした。でも、久しぶりの有観客ライブでみんなに会えるということが本当に嬉しかったですし、とにかく当日が楽しみでした。

――ちなみにこれまで河口湖で過ごしてきた夏の思い出の中で、印象深い出来事はありますか?

茅原 会場に向かうまでの時間も、現地リハーサルも、前夜祭のバーベキュー大会も、公演日の河口湖駅巡りも、本番も、打ち上げも……。思い出がたくさんありすぎて絞ることができませんが、ある年の打ち上げ後に、バンドメンバーがホテル前で大喧嘩したことがあって(笑)。あのときは本当にどうしたらいいのかわからなくて泣くことしかできなかったのですが、今振り返るととても良い思い出ですね。青春でした。

――そんなことがあったんですね(笑)。当日のセットリストは茅原さんのキャリアを丁寧に追った構成でしたが、セットリスト作りはどのようにして進められていったんでしょうか?

茅原 「ファンのみんなが喜んでくれる内容にしたい」というのが一番にあって、それを実現できるようにセットリストを考えていきました。ステラシアターに育てられた茅原実里と、楽曲たちと、ファンのみんなが、笑顔で1つになれる。そんなライブで締め括れたらいいなと思っていました。

――歓声NGというレギュレーション下での開催となり、「We are stars!」では掛け声の事前募集もありました。

茅原 そうなんです。ほかにも、初回である< Minori Chihara Live 2009 “SUMMER CAMP” >のSEやセットリストをトレースしたり、この野外ライブで誕生したサマ鳥を久しぶりに登場させてみたりして、色々な制約はありましたが、そのなかでできることを考えていく過程は勉強になりました。

――ライブの前日はどのように過ごされましたか?

茅原 久々にファンのみんなに会ったときに自分がどうなっちゃうのか想像できなくて、とにかく不安だったんです。だからリハが終わってホテルの部屋に辿り着いてからもまったく眠れなくて、友達に付き合ってもらって夜中まで電話していましたね。ライブとはまったく関係のない他愛もない話をしていると不思議と眠たくなってくるもので、友達に感謝です(笑)。

――2DAYS初日、ステージセンターに立ってあの景色を見たときのお気持ちはいかがでしたか?

茅原 本っ当に嬉しかったです。だって目の前にみんながいるんですよ。それまで当たり前だった光景が当たり前じゃなくなっていたから、夢なんじゃないか、嘘なんじゃないかって、そう思いました。あの瞬間は私のすべてでしたね。ライブ中ずっと、「この時間が永遠に続けばいいな……」と思っていました。でもライブはあっという間に終わっちゃって、2日目の最後、恒例の花火を「あぁ、今年も綺麗だなぁ。みんなと一緒に見てるんだなぁ……」って思いながら見つめていました。心の中は空っぽだったのかも。無事に歌いきることができてよかったです。

――当日はライブ配信が実施され、ドローンを使った映像も届けられましたね。

茅原 あの映像も圧巻でしたね!河口湖の自然、そしてステラシアターは、本当に本当に美しいんですよ。あの場所ならではの開放感を味方にしながら、いつも通りの、いつも以上の愛に溢れた、素敵なライブになりました。夏の河口湖ライブは間違いなく私の生きがいでした。

――そんな生きがいであるライブをここまで一緒にやってきたCMBは、茅原さんにとってどんな存在ですか?

茅原 空気みたいな存在ですよ。私にとって歌ううえでなくてはならない存在で。現CMBの4人は本当に仲が良くて家族みたいで、私自身も不思議に思うくらい、ありのままで一緒に過ごせるメンバーなんです。多分、今後5人で普通に旅行とかできますもん(笑)。去年から今年にかけての悩んで考えて大きな決断をした大変な時間も支えてもらいました。歴代のCMBファミリーのみんなにも感謝していますし、誰か1人でも欠けていたら今の茅原実里はなかったと思っています。どの時代も素晴らしいミュージシャンの皆さんにサポートしてもらえて本当に幸せでした。

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