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INTERVIEW

2021.11.25

【インタビュー】曲の想いを届け寄り添うための、前向きな“挑戦”を詰め込んだニューシングル! 石原夏織「Starcast」リリースインタビュー

【インタビュー】曲の想いを届け寄り添うための、前向きな“挑戦”を詰め込んだニューシングル! 石原夏織「Starcast」リリースインタビュー

みんなで作り上げ、突き詰めていくことに楽しさ感じたレコーディング

――となると、逆に歌で表現したいものを伝えるためにイメージを固めていくなかで難しい部分もありましたか?

石原 やっぱり最初は、どういうテンション感で歌っていくのが正解なのか悩んだりもしました。序盤は楽器の数も少ないから張って歌うのも違うし、でも抑えすぎると今度は負けちゃうし、暗くなりすぎちゃう。なのでそのバランスを取りながら、最後にどうやって膨らませて持ち上げていくか……ここに最初、すごく難しさを感じました。でも逆に、今まで抑えながら「ここは出して、ここは引いて」みたいに歌うこともあまりやってきていなかったので、今回はそれに挑戦できるなと思ったんです。なので、サビのフレーズを1個1個突き詰めて考えていったり、ゆったりした部分の語尾を伸ばさずにパツパツ切って歌ってみたりといろいろなことを試してみて。そのなかでなんとなく感覚が掴めたら、あとは自由に伸び伸び楽しく歌わせていただく、というような形で……研究しながらみんなで作り上げていくことに、すごく楽しさを感じたレコーディングでした。

――ということは、楽曲自体がもつ流れが歌ったりイメージを作るうえで助けになったりも?

石原 しました。特にサビの盛り上がる部分は自然とメロディが引っ張ってくれるような感覚があったので、そこは身を委ねて。音が静かなところでは自分でコントロールしながら歌うことに難しさも感じたんですけど、そこでは歌詞が想像を補ってくれたんです。だから歌っているのにお芝居をしているような気持ちになれて、歌詞やメロディが私を助けて引っ張ってくれているとすごく感じました。逆に、家でいろいろ考えているときがいちばん歌いづらかったかもしれないぐらいです(笑)。もちろんそのなかで考えていたことも頭の片隅にありながらのレコーディングではあったんですけど、「切り替えよう」と意識しなくても身を任せて歌っているうちに、いつの間にか曲の主人公になって夜の森にいる……みたいな感覚でした。

――加えて、サビ明けのコーラス部分も印象的なポイントでした。

石原 実はそのコーラスが、レコーディングでいちばん悩んだところだったんです。あまりにも地声すぎるとメインボーカルを潰してしまいそうで、割とファルセット寄りで歌ってみたり。でも曲と合わせて聴くと、楽器の音もボーカルも結構強いから足りないように感じたりもして……なのであのコーラスは、試しながら何本も録っていました。これもあまり経験のないことだったんですけど、コーラスによって曲の壮大さやきれいさを膨らませられるので、こだわって録っていきました。

――そしてこの曲のMVが、苔むす樹海の中や満天の星空の下など、どのシーンを取っても本当に美しい映像作品になっていますね。

石原 そうなんです!今回は曲の世界観もあって自然の中でロケをして、映像美みたいなものを突き詰めたMVになったんです。最初のシーンの苔も、カメラのレンズを通して見ると肉眼とは違った感じの緑に見えたり、奥行きを感じられたりして……撮影中から「これは絶対いいMVになる!」と思いました。

――それ以外にも、お気に入りのシーンはありますか?

石原 そうだなぁ……2番の最初のほうの、ダンサーのNAOちゃんと一緒に森の中のステージで踊っているシーンの緑の青さとか、少しスモークを焚くことでモヤッとして見えるような雰囲気が、個人的にはすごく刺さりました。

――すごく神秘的ですよね。

石原 そうなんです!しかも、ちょっと自分で言うのは恥ずかしいんですけど(笑)、まわりの方が「森の妖精みたいだね!」って言ってくれたりもして。自分でも雰囲気がナチュラルな感じなので、「あ、いいな」と思いました。

――そのペアダンスのシーンは他よりも笑顔多めだったので、それもあっての妖精感なのかもしれませんね。

石原 たしかに!他のシーンではせつなくしていたんですけど、ダンスの部分は距離の離れたふたりの心が、近づいたり離れたりするのを表現しているので、「ちょっとテンション変えてもいいかな?」と思って。実は、こっそり笑ってみたシーンなんです(笑)。

――石原さん発信のアイデアだったんですね。

石原 そうなんです(笑)。逆にせつないシーンでは、歌詞を頼りに表情を作っていきまして。今回は歌詞を口ずさむカットが今までのMVよりも少なかったんですけど、なるべく心の中で歌って、その世界に入り込むことを意識していました。

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