【ライブレポート】22/7、“22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021”昼夜公演で全曲ライブ!9人でのラストステージ・夜公演をレポート

22/7にとって“ANNIVERSARY LIVE”はデビュー日を記念した特別なライブだ。2021年の9月20日はオンラインでの開催となったが、そこでは新メンバーオーディションを開催することや、単独公演として過去最大規模の東京国際フォーラムホールAという会場での有観客ライブの開催が発表され、ナナニジ“第二章”の幕を開ける希望に満ちていた。しかし9月30日に、海乃るり、倉岡水巴、武田愛奈の卒業が発表され、さらに11月に入ってから1人が突然グループを去る事態となり、卒業予定者3人を含む9人で11月14日のライブ当日を迎えることとなった。胸中様々な思いを懐きながら昼の部に赴いたファンはステージの展開に驚く――この日、彼女たちは1stシングルからカップリング曲を含めてすべての楽曲を順番に歌い踊るというのだ。前代未聞のセットリストで、3人を送るまさにこの4年間の集大成のステージが繰り広げられようとしている。全51曲の後半、25曲を歌った夜公演の模様をレポートする。

ステージ上には中央に大きな階段が2段構えで、スモークの中その最上段に9人が登場すると会場は割れんばかりの歓声が沸き上がり、総立ちになる。ファンが振るペンライトは11色。誰もがこのライブの意味を共有している様子がうかがえる。9人はゆっくりと階段を降り、3×3のトライアングル形状で5thシングル「ムズイ」から歌をスタートさせた。振付は同じでもこれまでにないフォーメーションで歌っていく。シリアスな心情を歌うナナニジの楽曲の中でもこの曲は特にセリフパートが痛切で、特に海乃と倉岡のパートは、観ていて様々な想像が頭をよぎってしまうほどだ。続いてカップリングの「願いの眼差し」に進むと会場は重苦しい雰囲気を払拭するかのように手拍子で盛り上げていく。ライブではレアな「僕らの環境」ではアーティスティックな振付で運動量の多いダンスで見せていく。一筋の希望の光を感じさせる「空のエメラルド」では天城サリーや宮瀬玲奈が早くもフルスロットルのパフォーマンスを見せる姿が印象に残った。

序盤のMCでは元気いっぱいに挨拶。「4年間の集大成」の話の中で、白沢かなえはオーディション合格後の様子を語る。「受かった直後に人見知りを発揮してしまって、『どうしよう』と思っているうちに22/7のグループLINEができて、そこに1人だけ入れなくて困っていたら、なっち(武田)が『グループLINE入ろ』って言ってくれたのがすごく嬉しくて」と、この場での嬉しいエピソードを語ってくれた。また、涼花萌、天城サリー、海乃がツアーでの思い出話で「ご飯が美味しかった」話で盛り上がるなか、河瀬詩は冷静にツッコミを入れて喝采を浴びていた。そんな河瀬は2019年末の加入のため、すべての曲を2年間かけて振付などを覚えていったという。「夜公演(5thシングル~)は私が加入してからブロックなのでホーム感・実家感がすごい」と強い意気込みを語る。そこから6thシングル表題曲「風は吹いてるか?」で伸びやかな歌声を響かせ、「ポニーテールは振り向かせない」は切ないメロディにエモーショナルな想いを載せていく。

こうしてリリース順にセットを組むライブは、まさにそれまでの歩みを年表のように思い起こさせてくれる。約1年前にはグループ内ユニットで新たな風を吹かせてくれた。奇しくも今回が最後のライブとなる倉岡・海乃・武田の3名で構成された“晴れた日のベンチ”は、ナナニジ屈指のコミカルな曲でファンのみならず広く知られた「半チャーハン」ではアップテンポな曲にステップを多く踏んで盛り上げ、最後は背中を向けてキメのポーズをクールに決めた。

西條 和・天城・涼花からなる“気の抜けたサイダー”の「ソフトクリーム落としちゃった」は、ゆるふわな雰囲気を曲に載せつつ、左右の小さなサイドステージまで使って広々と見せていく。

河瀬・白沢・宮瀬玲奈による“蛍光灯再生計画”は「タトゥー・ラブ」で情熱的に聴かせ、改めて彼女たちの可能性を見せてくれた。

曲の終わりに重なるように6人が登場し、そのまま「好きと言ったのは嘘だ」を切なく歌い、7thシングル「僕が持ってるものなら」では1人1人が花のような振付のパフォーマンス。続くスピード感溢れる「タチツテトパワー」ではビートに合わせてメンバーがケンケンをするハードなパフォーマンス。それに合わせてファンが手を振りかざし、ホール全体が揺れていった。このときのシングルでも新たな試みが行われ、メンバーを2組に分け、紅組はロックチューン「雷鳴のDelay」を、白組は「キウイの主張」を歌った。前者はアグレッシブでギターサウンドに負けない存在感を示し、後者ではラップを含めたキュートな歌い方やメンバー揃っての横ジャンプで可愛らしく見せた。

1stアルバム『11という名の永遠の素数』のゾーンはまだライブで披露された回数も多くなく、どの曲も新鮮な響きだ。リード曲「ヒヤシンス」はクワイアから始まるとたちまちメンバーが入れ代わり立ち代わり、リズムに乗せてセリフを発していく圧巻の楽曲。それぞれが込めた切実な感情が仕草と表情に表れ、広い会場で包まれて聴くと高揚感が大きく高まる楽曲だ。この日のハイライトの1つだったことに疑いの余地はない。「空を飛んでみよう」ではまたもアーティスティックなパフォーマンスで魅せてくれた。彫像のように固まるメンバーと動きのあるメンバーでコントラストを見せたあと、羽をイメージした一体感のある動きが印象的だ。そして再び3つのユニットが新曲を繰り出し、いずれも最後を笑顔で締め括った。驚くべきことに、ユニットごとの入れ替わりはあるもののこの間の15曲分はノンストップ。しかもシングルその時々に合わせた衣装チェンジまで行うステージ上の凄まじいプロフェッショナルぶりだ。そして、いよいよ未リリースの8thシングル「覚醒」のゾーンへと到達した。センセーショナルなイントロからメロディアスな展開を経てサビの“走り出そう”というポジティブな歌詞にはまさにそのままの振付がなされ、ナナニジの未来をかける思いが乗る。西條を中心としたパズル的な振付とともに構成力が高いパフォーマンスが力強かった。続いて紅組・白組とも新曲を披露し、それぞれ前回とは逆転したイメージでまた新たな可能性を示してくれた。カップリング曲の「Just here and now」はキビキビとしたダンスナンバーで宮瀬と白沢がセンターを担い、真正面から恋愛に向き合った楽曲を歌い上げた。サイドでは海乃のハイキックがビシッとキマり曲のかっこ良さに華を添えた。

歌が終わりMCの準備に入るときの会場拍手はこれまでのナナニジのライブのなかでも記憶にないほど長く大きいものだった。それはあと1曲を残して、これからステージで何が起こるのかを予見してのものだった。武田がマイクを取り挨拶の声を発するとようやく収まり、彼女の声に耳を傾ける。中央に立つ武田・倉岡・海乃の目下にはすでに光の筋が輝いていた。いよいよその時がやってくる。

武田はまず、「卒業発表をしてから思ってもないことがあったりしたのですが、そんななかでも良いライブにしたいなと思って練習に励んでいたらあっという間に今日が来てしまいました」と語る。続けて「今日お昼の部で『神様に指を刺された僕たち』(TVアニメ『22/7』 第13話EDテーマ)を萌ちゃんと2人で歌ったんですけど、そのときに紫色のペンライトがいっぱいあったのがすごく嬉しくて。昨日、実は『メンバーと(東条)悠希ちゃんとファンに皆さんと過ごした時間は全部嘘じゃないから、全部心の奥にしまっておくよ。今までありがとう』という連絡も預かったりして、すごく心がキュッってなりました」と、“3人”ならではの関係を窺わせる言葉を涙を堪えながら紡ぐ。さらに「私自身も卒業の決断を自分でしたのに、いざこの時間が来たらものすごく苦しいです。だけど、新しい道に進むためにこの景色を目に焼き付けてずっと宝物にさせてください」と、自身の一歩を踏み出す決意を表明した。

倉岡は「本当にこのライブで最後だという実感が全然なくて、練習しているときも必死でやっていたら、『これからなくなったら何を目的として生きていけばいいんやろ』みたいなことをボーって考えていたら振り間違えてて(笑)。ライブ中に将来のこと考えるなよって(笑)」と、最後まで笑わせてくれるキャラクターだ。「自分で卒業を決めたんですけど、今終わってみてこんなきれいな景色を見せてくれて温かい拍手をくれて、これから何か嫌なことがあっても『私、あんなきれいな景色見たんだったらこれからも生きていけるやろ』みたいな」と、ポジティブに語る。「今までナナニジのために生きてきたってこの4年間だけにすべてが凝縮されていて、本当に素晴らしい経験をさせてもらったなと思っています。ありがとうしかないし、『恩返しする』って言っていて、まだ恩返ししきれていないので、これからも恩返しの続きはしていきたいです。だから、また笑顔で会える日まで待っててください」と、涙を交えつつも明るい声で話しきった。

最後に海乃は自らの過去を振り返りつつ、こう述べた。「5年前の私って声優さんになりたくてアイドルさんが大好きな、本当に普通の女の子で、オーディションにも落ちて落ちて落ちまくって、『もうどうしよう。向いてない。本当にどうしよう』と思っていたときに出会ったのが22/7でした」と語り、22/7への愛情と感謝を述べる。「このライブのリハが始まってからも、ライブもうちょっとあとで良いんじゃないかなとか、リハもっと続けたいなって。体しんどかったけど思っていました。何もなかった私に出会ってくれて、本当にありがとう。ずっとこれからもメンバーのみんなのことが大好きです。今まで出会ってくれた総勢11人のメンバーが大好きです!これからは友達として末永くお願いします」。また、ファンに向けても「今こうやって見せてくれている笑顔が本当に私の元気なんです」と感謝を述べ、最後に自身が演じた戸田ジュンにも言及した。「明るくて前向きで元気で一生懸命で、ジュンちゃんの生き方がいつの間にか私の人生のお手本になりました。個人的にキャラクターソングが大好きで声優さんを志した私に夢を叶えてくれて本当にありがとう。これから遠くで応援させてください」。そして自身の未来について「これからは1人で歩き出します。でも、5年前みたいに独りぼっちではなくて、いっぱいの宝物を持ってこれから歩き出したいと思いますまた出会えるよう精一杯頑張ります。そして22/7の応援もよろしくお願いいたします!」と語り締め括った。

そしてオーラスの曲「いつの間にSunrise」は、まさにこの3人のために書かれたかのような未来への歩みの歌。ステージ上でもこの3人がそれぞれメンバーと向かい合い花道を歩くかのようなパフォーマンスで歌う。ステージ上で互いに目線を交差させるメンバー。泣きじゃくっている者もいれば、笑顔で顔を近づける者もいる。出会ってから過ごしてきた濃密な時間が凝縮されたステージングを見せ、最後は記念写真のように全員で収まりポージング。ステージには花吹雪が舞い、3人へそれぞれ花束が贈呈された際に倉岡は「私が一番前で踊るって初めて見たやろ?」と笑いを誘い最後まで彼女らしさを残してくれた。9人でのラストステージを経て、22/7はオーディションで新メンバーを迎え入れ、卒業メンバーはそれぞれの道を行く。このメンバーで歌った限界を超えたレベルのステージは、それぞれの人生に大きな足跡を残したことだろう。なお、武田は12月いっぱいでの卒業となるため、12月26日に開催されるキャラクターソングライブ“22/7 5TH BIRTHDAY LIVE 2021 ~Colors of Flowers~”に柊つぼみ役として出演し、歌声を聞くことができる。

なおこの「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021」公演は11月21日(日)20:00 まで以下のサービスで有料配信を見ることができる。
https://nanabunnonijyuuni-mobile.com/s/n110/page/anniversary-live-2021

写真提供 :ソニー・ミュージックレーベルズ
TEXT BY 日詰明嘉

22/7「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021」
2021年11月14日 夜公演 セットリスト

M1. ムズイ
M2. 願いの眼差し
M3. 僕らの環境
M4. 足を洗え!
M5. 空のエメラルド
M6. 風は吹いてるか?
M7. ポニーテールは振り向かせない
M8. 半チャーハン / 晴れた日のベンチ
M9. ソフトクリーム落としちゃった / 気の抜けたサイダー
M10. タトゥー・ラブ / 蛍光灯再生計画
M11. 好きと言ったのは嘘だ
M12. 僕が持ってるものなら
M13. タチツテトパワー
M14. 雷鳴のDelay / 紅組
M15. キウイの主張 / 白組
M16. ヒヤシンス
M17. 空を飛んでみよう
M18. 交換条件 / 蛍光灯再生計画
M19. 好きになるのは自由だし… / 気の抜けたサイダー
M20. To goでよろしく! / 晴れた日のベンチ
M21. 覚醒
M22. 今年 初めての雪 / 紅組
M23. ヘッドフォンを外せ! / 白組
M24. Just here and now
M25. いつの間にSunrise

関連リンク

22/7 オフィシャルサイト
http://www.nanabunnonijyuuni.com/

22/7 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/227_staff

22/7 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/227SMEJ

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