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INTERVIEW

2021.11.05

【インタビュー】今年3クール連続のタイアップとなった最新シングルを自身の誕生日にリリース!鈴木このみ「命の灯火」インタビュー

【インタビュー】今年3クール連続のタイアップとなった最新シングルを自身の誕生日にリリース!鈴木このみ「命の灯火」インタビュー

ゲーム版「リゼロ」新主題歌で見つけた“自分らしさ”をめぐる出口

――カップリング曲についても詳しく聞かせてください。まず「Mirror,Mirror,Mirror」はスマホゲーム「Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories」の新主題歌。こちらも草野華余子が作詞・作曲を担当しています。

鈴木 これも「命の灯火」と同じタイミングでご相談して、喫茶店での密会を経て生まれた曲です(笑)。華余子さんは私の何気ないひと言から曲を作ってくださることが多いんですけど、このときはたしか「色んな人と会いすぎて自分がわからなくなることがある」みたいな話をして。例えば人から「鈴木さんって人見知りだから」みたいに言われると、自分から話しかけちゃダメなんだって思ってしまったり、「優しい人だね」って言われると怒っちゃダメって思うところがあって、昔から人前では優等生でいなくてはいけないコンプレックスみたいなものが自分の中にあるんです。それと「Lost in Memories」のスバルたちの物語をかけて、自分の表情を探しに行く曲になりました。

――なるほど。鈴木さんは人からの見られ方を気にしてしまう性質なんですか?

鈴木 そうですね。みんな大なり小なりあると思うんですけど、私は家族だと末っ子ですし、小さいときから割と大人や年上の人に囲まれて育ってきたからなのか、人が自分のことをどう思うか気にしてしまうところは結構あります。それはいいところでもあり、もうちょっと我がままでもいいのかなって思うところでもあって。

――自分でもそう感じているんですね。

鈴木 だから逆に自分のことを全然知らない人と話すのがすごく楽しいときがあるんですよ。相手が自分のことを知らないからこそ、どんな自分にもなれるというか。でも、色んな人と会うたびに「鈴木さんって〇〇だよね」っていう属性が増えていくから、結局どの自分が本当なのかわからなくなるし、結局人を通してしか自分のことは知れないし、自分だけで自分のことを知るのは多分できないっていうもどかしさもあって。でもこの曲を通じて、相手と話すなかで見つけた自分らしさでいいことを感じたし、それを見つけられたからあなたともっと話したい、っていう出口に辿り着けたと思います。

――楽曲的には、「Redo」「Realize」といった鈴木さんがこれまで歌ってきた『リゼロ』曲に通じる熱さを感じさせつつ、ちょっと爽やか寄りのギターロックという印象を受けました。

鈴木 そうですね。最初に見せていただいたキービジュアルが光に向かって歩いていくようなイラストで、作品側のスタッフの方からも「今回はキラキラした感じでも大丈夫です」というお話をいただいたので、いつもの鈴木はもがき苦しむ担当ですけど(笑)、今回は爽やかな方向で制作を進めていきました。イントロの始まり方も気持ち良くて、この間、オンラインライブで初披露したんですけど、自分のなかでもすごくブーストがかかる曲でした。

――鈴木さん自身、この曲を通して自分自身を信じる気持ちが強まったのではないでしょうか。

鈴木 でも“自分らしさ”って永遠のテーマだと思うんですよね。昔、田村直美さんとご一緒したときに、「私、全然自分らしさがわからないんです」って号泣したことがあって(苦笑)。そのときに田村さんから「私も全然自分らしさなんてわからないから、そんなの大丈夫!」ってギュッと抱きしめてもらって、余計に泣けてきたっていうエピソードがあるんですけど(笑)、そのときの自分は必死で悩んでいたんだと思うし、いまだにわからないということは、これからも同じことで悩み続けるんだと思うんです。でも、今回この曲を歌うことで少しスッキリしましたし、「悩み続けていいんだな」と思えたのは自分の中でも進歩でした。まあ、もうちょっと我がままを出してもいいのかしら?とも思いますけど、きっとこれからも真面目に生きていく気がするし、悩んでいること自体も別にいいやって思えるようになりました。

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