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INTERVIEW

2021.10.20

【スペシャル鼎談】 完全新作アニメーション『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』公開直前記念!松岡禎丞×戸松 遥×水瀬いのり撮りおろしクロストーク!

【スペシャル鼎談】 完全新作アニメーション『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』公開直前記念!松岡禎丞×戸松 遥×水瀬いのり撮りおろしクロストーク!

川原 礫原作による人気作『ソードアート・オンライン(以下、『SAO』)』シリーズ。その始まりの物語である〈アインクラッド〉編の軌跡を作者自ら新たに描き、完全新作アニメーションで映画化した『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』が10月30日に公開される。『SAO』の主人公・キリト(CV:松岡禎丞)とヒロインのアスナ(CV:戸松 遥)――二人の出会いの物語がアスナ視点で描かれる本作には、アスナの友人である新キャラクターのミト(CV:水瀬いのり)が登場。これまでとはまた違ったアングルから『SAO』シリーズの世界を体感できる今回の劇場版について、メインキャスト3名に話を聞いた。

新キャラクター・ミトがアスナ視点の“始まりの物語”にもたらしたもの

――まずは松岡さんと戸松さん、『SAO』シリーズの始まりの物語となる〈アインクラッド〉編のキリトとアスナを改めて演じたことについて、お気持ちはいかがでしたか?

松岡禎丞 (TVシリーズを演じた)当時のお芝居を今の僕が演じようとすると、全く違うものになってしまうのですが、当時の自分の演技をなかったことにはしたくなかったので、最初はどう演じればいいのかすごく悩みました。ですが、関係者の方に「当時のモノマネを求めてはいないし、今の松岡くんができることを出して」と仰っていただいたことで吹っ切ることができ、僕の中では当時の自分と今の自分の良いとこ取りをする形で演じさせていただきました。今回の劇場版には、TVシリーズの〈アインクラッド〉編でも描かれたシーンが出てくるのですが、僕が当時演じて「ここはこうしておけば良かったかな」と気になっていた箇所も、良い感じに演じることができたので、完成した映像を観たときは思わずガッツポーズしました(笑)。迫真のお芝居で塗り替えることができました。

戸松 遥 自分でハードル上げてるけど大丈夫?(笑)。

松岡 いや、今回に関しては自分に「グッジョブ!」と言いたいくらいの出来になっているので。

戸松 私も(アフレコにあたり)アスナの声の年齢感の参考としてTVシリーズのアニメを観返しはしましたが、それのモノマネになってしまうと違うかなと感じていたので、改めて演じ直す気持ちで、全部のセリフをイチから構築していきました。物語の時系列的にも、アスナ自身が『SAO』に関する経験値がリセットされたところからのスタートだったので、そこはある意味難しさでもあり、逆にありがたい部分でもあって。アスナとはもう10年近くの付き合いになりますけど、新しいアスナを演じる気持ちで臨めたのは新鮮でした。ただ、(TVシリーズと)同じセリフを演じるときは少し緊張しました。もしスタッフさんに「当時とまったく同じ感じで演じてください」と言われたらどうしよう?と思って(笑)。でも、今回はアスナ視点で物語が描かれているので、同じシーンやセリフでも見せ方や演出が変わっていますし、スタッフの皆さんも今の私が演じたらどうなるかを見てくださったので、その意味では同じセリフでも新しい気持ちで演じることができました。

――TVシリーズを踏まえたうえで、より力が入ったシーンやセリフはありましたか?

戸松 「たとえ怪物に負けて死んでも、このゲーム……この世界には負けたくない」という、アスナがそれまでの感情を捨てて気持ちを切り替えるシーンのセリフがあるのですが、このセリフはTVシリーズにもありましたし、さらに遡るとオーディションでも演じた、アスナにとってすごく大切なセリフなんです。このセリフを(オーディションから)10年近く経った今、もう一度演じるときには、すごく色々と思うものがありました。(アフレコの)ディレクションでも「このセリフはより緊張感をもって演じてほしい」とおっしゃっていただいて、アスナ的にも一人でやっていく覚悟を決めるセリフなので、ここは特に緊張感をもって演じました。

――水瀬さんは、これまでにも『SAO』シリーズのオーディションを受けた経験があるとのことですが、今回念願叶ってミト役で参加できたお気持ちはいかがでしたか?

水瀬いのり 過去にも何度かオーディションに呼んでいただいていて、まずそのこと自体が嬉しかったのですが、今回縁のあったミトは(『SAO』シリーズの)始まりの物語である〈アインクラッド〉編に関わるキャラクターということで、すごく報われたような気持ちになりました。ファンの皆さんにとっては一度体験したことのある時系列の物語に新しく加わった存在、新・旧のちょうど真ん中の要素を持つキャラクターなので、新しさもありつつ新しくない感じでいなくてはいけないことがすごく難しかったのですが、松岡さんや遥さん、音響監督さんをはじめとした『SAO』シリーズに長く携わっている皆さんのリードのもと、私も自信をもってミトというキャラクターに声をあてることができました。収録自体はスムーズに録り終えることができたのですが、すごく緊張していて、久しぶりに自分の手汗で台本がパリパリになってしまって(笑)。「私、まだこんなにドキドキできるんだな」と改めて感じられたのは、『SAO』だったからなのかもしれないです。

――TVシリーズには存在しなかった新キャラクターのミトが登場することで、松岡さんと戸松さんが感じたことは?

松岡 アスナとミトの現実世界での関係値もしっかりと描かれていますし、ミトという人間が加わることによって、物語にまた深みが出たと思います。あと、今まで慣れすぎて忘れていたのですが、改めてキリトとアスナが初めて対峙したときは、お互いの間にアクリル板かコンクリートの壁が挟まっているくらいの距離感があったことを如実に感じました(笑)。

戸松 今回は時系列的に一番過去のお話になっていて、アスナとしての『SAO』に関する知識や経験値、人との出会い、キリトとの関係も含めて全部がゼロのところから始まっているので、ミトが加わることによる変化というよりも、むしろ、ミトのおかげで今のアスナに繋がっていくところが描かれているように感じました。

――水瀬さんは今回『SAO』の世界に飛び込んでみていかがでしたか?

水瀬 改めて本作の「これは、ゲームであっても遊びではない」という世界観に、自分もミトというキャラクターと共に入ることができて、ゲームの中で自分の命が計りにかけられて、自分のアバターのHPが危険になれば現実世界の自分の命も危ないという緊迫感を感じることができました。そんな世界の中でも、ミトとアスナは現実世界での友人同士だからこそ、希望を見つけられている関係性がすごく大切に描かれていて。今回、遥さんのお声を聞いてお芝居をすることで、より一層ミトの存在意義を感じることができましたし、それと同時にミトにとってのアスナの大きさも体感できたので、アスナにとって始まりのきっかけになる新キャラクターを演じられたことの重みを感じるアフレコでした。

次ページ:「懐かしさと新しさの融合」「成長」「これは、ゲームであっても遊びではない」

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