【インタビュー】“あえてアニソンらしくない楽曲”に――。OPを担当した五人組バンド・ネクライトーキーに、『カノジョも彼女』の魅力や「ふざけてないぜ」に込めた想いを聞く

去年1月にメジャーデビューした五人組バンド・ネクライトーキーが、9月8日に記念すべき初のパッケージシングル「ふざけてないぜ」をリリースする。今作は、ヒロユキ原作のTVアニメ『カノジョも彼女』のOPテーマとして書き下ろされた楽曲。『カノジョも彼女』の主題である、複数の女の子と交際をする主人公の破茶滅茶さと、実は好きな子に対して真っ直ぐな気持ちが楽曲で見事に昇華されている。インタビューではネクライトーキーから見た『カノジョも彼女』の魅力や「ふざけてないぜ」に込めた想いを聞いた。

『カノジョも彼女』は当たり前だと思っていた常識を考えさせられる

――TVアニメ『カノジョも彼女』のOPテーマを担当することになった経緯はなんですか?

朝日 2月末頃に「書き下ろしで楽曲を作りませんか?」とオファーをいただきまして。正直に言うとアルバム『FREAK』で力を全部を出し切った直後だったので、すっからかんの出涸らしみたいな状況だったんですよ。

カズマ・タケイ そうだったね(笑)。『FREAK』の長い制作期間を経て「やっと終わったぁ!」というときにお話しをいただいて。

朝日 ゼロから考えるのは大変でしたけど「ぜひやりましょう!」と言って決まりましたね。

――作品のことはご存知でした?

朝日 ヒロユキさん原作の「アホガール」も好きでしたし、「カノジョも彼女」もお話をいただく前から知っていました。

――どんな印象をお持ちでしたか。

朝日 いや、もうメチャクチャな……(笑)。現代でこのテーマがよく通ったなって。

――ハハハ。『カノジョも彼女』の説明をしますと、高校1年生の向井直也が、幼馴染の女の子・佐木 咲に数回にわたり告白をしてやっとの思いで交際OKをもらったと思ったら、美少女の水瀬 渚が現れて直也に交際を申し込む。悩んだ結果「二人と付き合おう!そしてみんなで一緒に住もう!」と無茶な決意するところから物語が展開していきます。彼女が二人いるだけでもすごいのに、ほかにも彼女候補が登場するという……(笑)。

藤田 私の場合は、OPテーマのお話をいただく前にTwitterで『カノジョも彼女』の情報が流れてきまして、すでに1話を読んでいたんですよ。朝日と同じく「とんでもない作品だな」と驚きました(笑)。「ええんか!?これは!」っていう。

――ちなみに藤田さんが思った「とんでもなさ」はどこですか?

藤田 それこそ今の時代にこんな内容をやっていいんかなって驚きもありますし、自分のの身に置き換えて考えたら、なんかちょっと……本当に嫌だなって思いました(笑)。

もっさ 私は逆に「こういうのも今後もアリになっていくのかしら」みたいな感じで見ちゃいました。複数人と付き合うことがダメなんだっけ?彼氏・彼女は一人に絞らないとダメなんだっけ?とか、そもそもの倫理観を考えさせられた。

中村郁香 すごい深いところまで考えてるじゃん(笑)。

もっさ 『カノジョも彼女』は当たり前じゃないところにフォーカスを当てているじゃないですか?私自身が世の中で正しいとされていることを「それが本当に正しいってなんで言えるの?」と疑問を抱くことが多いので、複数の女性と付き合うことも愛だと言える可能性もあるよね、と思えて。

中村 私は、お話をもらったときに作品を知ったんですよ。原作を読んでみたら殴り方に爽快感があって「これはイケる!」と思って、スッキリした気持ちで見れるようになりました。

タケイ 確かに、テンポの良さは印象的だよね。あとは一夫多妻制の国が実在するように、こういう恋愛の仕方って日本ではタブーとされているな……って、もっさほどじゃないですけど考えちゃいました。

――もっささんやタケイさんの言う通り、この作品は「同時に複数人と付き合うことはダメでしょ」と当たり前のことを改めて考えさせられますよね。

タケイ 日本ではNGになっているけど、本人たちが納得しているなら良いじゃんっていう考えも生まれましたね。

藤田 私は嫌だけどね(笑)。ただ、作品としてはすごく面白かった。

――主人公のように真っ直ぐな目で「二股したい!」と言われたらどうですか?

藤田 まあ、とりあえず殴りますよね。

――ハハハ、目を覚ませ!と。

藤田 ごめん殴るわって(笑)。

――だけど咲も渚も割とすんなり納得しますからね。出てくるキャラクターみんながおかしいですよね。

朝日 そのへんは作者の手腕なんだろうなって思いますね。ギャグで押し通せるパワーがアッパレだなって。

――ちなみにお好きなキャラクターとか場面はありますか。

藤田 金髪の星崎理香がすごくかわいいです。ラブコメを見る機会があまりなかったんですけど、“チョロかわいい”ってこういうことなんだと思いましたね。最初は気の強いツンデレキャラなのかなと思ったら、「こっちできたのか!いいねえ!」って。

中村 わかる!ヒロインの二人(咲・渚)がYouTuberをやっている理香ちゃんに「ばらされたくなければ屋上に来い」とかまかけて、理香ちゃんがまんまと騙されて行くところは「ああ、チョロくてかわいい!」と思って好きになりました。

タケイ 僕もちょろかわの子がすごく好きで……八重歯っ子なのが良いですよねぇ。

藤田 自分の性癖を晒していくインタビューじゃないから!(笑)。

もっさ 好きなシーンと言っていいのかわからないですけど、渚ちゃんって最初はなんでもできる子みたいな印象だったけど、実は裏で努力していたんだとわかる場面に「……ウゥ!渚ちゃん良いな」となりました。直也くんを好きになって、今までできなかったことができるようになるって「すげえな!」って。

――直也のために料理を上手くなろうとして、思いきって学校を休んじゃうくらいピュアな子ですからね。

もっさ それだけのものを見つけられたんだなって。自分の頑張れる対象を見つけられて良かったし、見えないところの努力を描いているところにグッときましたね。

朝日 二人と同時に付き合う直也を見て、最初は「なんて奴だ!」という印象だったんですけど、三人目に登場した理香のことは決して受け入れなかった。直也の「浮気はしたくないんだ」というスタンスを知ったときに「彼はふざけてないんだ。恋愛に対して真剣なんだ」と思って、これなら歌詞が書けると思ったんですよね。

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