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INTERVIEW

2021.08.27

【インタビュー】VTuber業界が盛り上がってくれたら――。にじさんじ所属VTuber・樋口楓「新たな挑戦になった」という最新シングル「Baddest」に込めた想いと制作過程を聞く。

【インタビュー】VTuber業界が盛り上がってくれたら――。にじさんじ所属VTuber・樋口楓「新たな挑戦になった」という最新シングル「Baddest」に込めた想いと制作過程を聞く。

2020年にシングル「MARBLE」でメジャーデビューを果たし、同年12月には1stアルバム『AIM』をリリースしたことも記憶に新しい、バーチャルライバーグループ・にじさんじ所属の人気VTuber、樋口楓。彼女が最新シングル「Baddest」を完成させた。

この楽曲はTVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』の第2シーズンのOPテーマ。自身初のアニメタイアップ曲であることに加え、同じくにじさんじの「JK組」のメンバーでもある静凛とともにアニメ本編に声優として出演したことも話題となっている。自身にとって「新たな挑戦になった」と語るこの楽曲の制作過程について聞いた。

「高槻さんがこんなに盛り上げた次のシーズンに、私がOPテーマを担当するのか……!」

――今回の「Baddest」は、TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』(以下、『俺100』)のOPテーマです。最初にタイアップの話をもらったときはどうでしたか?

樋口楓 最初は「本当に私を起用していただいていいのかな!?」という感じでした。アニメ業界とVTuber業界って、近しいようでまだ理解が乏しいというか、お互いがまだまだ寄り添えていないところもあるんじゃないかと思うので、「チャレンジングなアニメだな」というのが最初の感想で。でも、これまで色んなVTuberの方がアニメの曲を担当してきたり、声優として作品に参加してきたりという経験があったことで私にきたお話でもあると思っているので、VTuberがアニメ業界にも普及してきたことがすごく嬉しいです。

――折角の機会なので、特に好きなアニメのOPテーマがあれば教えてください。

樋口 やっぱり、『ラブライブ!』のOPの映像や音楽とストーリーやライブがリンクするところはすごく好きです。特に好きな曲は、「僕らは今のなかで」ですね。この曲は『ラブライブ!』シリーズの最初のOPテーマでしたけど、「声優さんの歌がここまでキャラクターとリンクするとは……!」と思ったのを覚えています。他には『ラブライブ!サンシャイン!!』の2期のOPテーマ「未来の僕らは知ってるよ」も思い出深い曲です。

――「未来の僕らは知ってるよ」は、メジャーデビュー以降の樋口さんの楽曲を多数手がけている音楽プロデューサー、光増ハジメさんの提供曲ですね。

樋口 そうですね。『サンシャイン!!』のほうは、全部現地でライブを観てきたオタクなので、それも相まって、衣装の細やかさがグレードアップしていたり、逆に声優さんに合わせた衣装がキャラクターにも採用されているのかな、と感じたりもして。μ’sから培ってきた声優さんや曲とキャラクターとのリンクがさらに進化したのかな、と感じた曲でした。

――そして今回、樋口さんの「Baddest」が『俺100』第2シーズンのOP主題歌となりました。樋口さんは第1シーズンの頃、でびでび・でびるさんや鷹宮リオンさんとこの作品を同時視聴する配信をしていましたよね?

樋口 元々原作も読ませていただいていて、実は第1シーズンが始まる前から、今回の主題歌のお話もきていたんです。なので、高槻かなこさんのOPを聴いて「ヤバい。高槻さんがこんなに盛り上げている次のシーズンに、私がOPテーマを担当するのか……!」と思っていました。高槻さんは私が好きな『ラブライブ!サンシャイン!!』にも出ていた方ですし、個人的にもファンなので、「マジかぁ……!ちゃんと引き継げるのかな!?」と思っていたんですよ。

――作品自体にはどんな魅力を感じましたか?

樋口 まず、第1シーズンの第1話はいらすとやさんの素材を使ったバージョンが放送されましたけど、まさかあそこまではっちゃけるとは思っていませんでした(笑)。良い意味で、色んな方々に注目してもらえるような機会になっていたのかな、と私は思っています。

――一緒に同時視聴していたでびでび・でびるさんはかなり困惑していました。

樋口 はい(笑)。私も、一応事前に知ってはいたんですけど、まさか全編いらすとやさんのイラストでアニメを作るとは思っていなかったのでビックリしました。でも、その一方で、作品自体は命の重みを描いていたりしますし、四谷を見ていて、大人になったら忘れてしまうような、自己中心的すぎる考え方を思い出したりもしました。私も昔、厨二病
的な時代があって、お風呂に入ったあとに左手から湯気が出ているのを見て、「ここから炎が出るんちゃうか?」って思ったりしていて。ああいうドキドキ感とか、「自分は誰の力も借りずに生きていける」という考え方を持っていた時期が、懐かしくなりましたね。私だったらどう行動するだろう、と、四谷の立場を自分に置き換えて考えたりすることが多かったです。

――バーチャルな存在と繋がるテーマが感じられる作品でもありますね。

樋口 そうですね。第1シーズンの12話辺りで、「所詮バーチャルの世界の住人だから、命を奪ってしまってもいいでしょ」という内容のセリフが出てきたときに、ゲームマスターが「これはただ違う世界線の話で、お前たちが殺したのは本当の人間だ」と明かすシーンがありましたけど、私たちもバーチャルな存在ではあるものの、三次元の人たちと存在としてはほぼ同じですし、「私たちにも心はあるんだよ」と思ったりしていますね。

次ページ:デスボイスも加えて表現したキャラクターたちの“葛藤”。表題曲「Baddest」の制作秘話

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