【3週連続インタビュー:第1回】笑顔の連鎖をずっと続けていけるファンとの関係でありたい――櫻川めぐがコンピレーションアルバム『キボウマイロード』に込めた想いとは?

声優・歌手として活躍する櫻川めぐの10年以上に及ぶ楽曲を集めた、櫻川めぐ×Elements Garden コンピレーションアルバム『キボウマイロード』が10月20日に発売となる。歌い手・櫻川めぐとしての“生きた証”ともいえるこのアルバムの発売を記念して、3回連続でインタビューをお届け。

第1回は櫻川めぐの単独インタビュー。彼女がこのアルバムに託した想いや、修業時代から現在までの生い立ち、そして彼女が大事にしている歌への強い想いを語ってもらった。決して平坦な道ではなかった櫻川めぐの歌い手人生。Roseliaで彼女を知ったというファンにも、歌い手としての彼女の歴史をぜひ知ってもらいたいと思う。

――今回、コンピレーションアルバムという形で櫻川さん名義のアルバムがリリースされますが、どんなお気持ちですか?

櫻川めぐ 今、すごくドキドキしてます。嬉しい気持ちと、ここからもう一度始められるんだ、という気持ちもありますね。最近私のことを知ってくださった方には、私の元気な部分や明るい部分だけでなく、過去に歌ってきた楽曲のかっこいい部分も激しい部分も受け取ってもらえるんじゃないかなと思います。でも、どのように受け取ってもらえるんだろうっていう期待とドキドキはすごくありますね。

――良い意味で、現在の櫻川めぐの印象を覆すような楽曲も入っているかもしれないですね。

櫻川 そうですね。ありがたいことに、スーパー音楽制作集団・Elements Gardenの皆さんに書いていただいたコンピレーションアルバムですので、アニメソング、ゲームソングに捉われない多彩なジャンルをお聴きいただけると思います。29曲の中に絶対好きなジャンルの曲があるはずなので、ぜひ好きな曲を探してほしいですね。

――しかも今回、未発表曲も収録されていますし、1曲1曲が美少女ゲームなどの色々な作品の主題歌だったりするので、作品のファンにとっても思い出深い楽曲たちになっていますね。

櫻川 歌い手・櫻川めぐとして美少女ゲームのライブイベントに呼んでいただく機会が多かったんですが、ファンの皆さんは、メーカーさんへの愛やゲームへの愛がものすごいじゃないですか。

――わかります。あの熱狂って独特ですよね。

櫻川 それを彩る楽曲たちを歌わせていただいている私も、作品の一部になれているという喜びをすごく実感していました。そういったゲームのファンにも喜んでもらえるアルバムになっていたらいいなと思いますね。

――今回、櫻川さんの歌手としての歴史が詰まったアルバムの中で、「キボウマイロード」は声優や歌手になる前の想いも詰まった曲ですよね。せっかくの機会なので、そもそもこの業界になぜ興味を持たれたのかを聞かせていただけますか?

櫻川 小学生時代、元々すごく引っ込み思案で、勉強が友達みたいな私にとって、友達を作るきっかけが歌だったんです。当時流行っていたアイドルグループさんの曲を歌って踊るグループを作って、お楽しみ会で歌ったりして(笑)。中学生のときはバスケ部に入っていたんですが、あまり上手くなかったので、よくある女子のいじめにあってしまったんですね。でも、それを抜け出すきっかけが歌でした。もう記憶は曖昧ですけど、バスケの試合に負けてしまった帰りのバスで、誰かに「おい、なんか面白いことやれよ」って言われて、小学校で披露した歌とダンスをやったら、ちょっと場が明るくなった。そんなことだったと思います。でも、面白いと思ってもらえたのが嬉しくて、最終的にはそのメンバーとは普通に仲良くなって卒業できたんです。

――いじめって自分を否定されてしまうことじゃないですか。でも、自分を肯定してくれるきっかけが歌だった。それが、なぜ櫻川さんがここまで歌にこだわるかという歴史に繋がっているんだなと思いました。

櫻川 本当にそうだと思います。高校生になっても、クラスの子とカラオケに行ったら、「あ、めぐちゃん歌上手だね」って言ってもらえて、そこから週5でカラオケに通うようになりました(笑)。

――それはかなりの頻度ですね(笑)。

櫻川 でも、週5で行くと歌える曲がなくなってくるわけですよ。それでレンタルCD屋さんでCDを色々借りて全部覚えて(笑)。その中で私の琴線に触れたのがアニソン、声優アーティストの方の楽曲だったんです。でも、歌ってみたら難しくて全然歌えなくて、悔しくて歌えるようになりたくてアニソンの世界にのめり込んでいきました。

――どんな曲に心惹かれたんですか?

櫻川 水樹奈々さんの歌でした。家でもMDコンポから流れる奈々さんの曲を、繰り返し聴いては熱唱していましたね。大学生になって、軽音部には入らず社会人のバンドをいくつか経験するんですけど、音楽性の違いもあって長くは続かず……。デモテープをレコード会社さんに送って、それを上松(範康)さんに聴いてもらったところから運命が変わりだす……というところなんですが、実際はそんな劇的な感じではなくて、いきなり上松さんのところに連れていくと言われて、最初は詐欺なんじゃないかと思っていました(笑)。まだ大学1年だったので上京するのもドキドキでしたし。でも、大学の放課後に東京に出てきたら、私を見つけてくださった女性のプロデューサーさんとお会いして、スタジオで歌わせていただいて「君の声は声優にも合うと思うから、歌と同時に声優活動もやってみませんか」ということで、プロ・フィット声優養成所に入り、同時にElements Gardenさんたちの元で仮歌やコーラスの修業が始まったわけです。

――そこがすべての始まりですね。

櫻川 私、アニソンは好きだったんですけど、アニメはあまり見たことがなかったんですよ。兄と弟がいるんですけど、兄は『To Heart』、弟は『アイドルマスター』が好きで。

――それは素晴らしい(笑)。

櫻川 家に帰って「私はこういう世界に飛び込もうとしているらしい。協力してくれ。曲を教えてくれ」と言ったら、実は兄が隠れて美少女ゲームをすごくやっていて(笑)。特典の初回CDがわんさか出てきて、半分ぐらいがElements Gardenさんの曲だったんですよ。それですごくElements Gardenさんのファンになってしまって、仮歌を歌わせていただけて光栄でしたね。

――そんな修業時代を振り返ってどう思われますか?

櫻川 当時は茨城の実家から大学に通って、東京に行くための交通費のために家庭教師と塾のバイトを掛け持ちして、お仕事をいただいたら放課後東京に行って歌わせていただいて、養成所で勉強して、終電で帰って……という日々だったんです。今考えると、そのバイタリティはすごかったなって思います。今になってありがたいなと思うのが、Elements Gardenの皆さんに仮歌を録っていただいたことですね。厳しい言葉もかけていただいたことで、もっと頑張ろうという気持ちになりましたし、褒めていただいたこともものすごく嬉しくて、録音した仮歌を移動中の電車の中でずっと聴いていました。

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