声優・近藤孝行&小野大輔によるテクノロジック・ヴォーカルユニット、TRD始動!

2021.06.15

20年近く前のアニメ作品で初共演を果たし、同じ年であることや共通の趣味を通して絆を深めてきたという近藤孝行と小野大輔。共に音楽を聴いて、共にライブへと足を運んで、尽きない話をするためのお茶飲みユニットを作ろう、という話にもなっていたという二人が、自身がこれまで築いてきた音楽観を胸に抱いたまま、2021年を席捲する新時代の音楽とも融合しながらtraditional(伝統)とmodern(現代的)を融合していく、そんなユニットを結成した。その名もTRD(トラッド)。デビューミニアルバム『TRAD』で示すのは彼らの未来を照らす歌。そんなTRDの結成秘話からミニアルバムへの想いを聞いた。

――2003年の「神魂合体ゴーダンナー!!」での共演で出会い、意気投合されたというお二人ですが、当時の印象深いことというとどんなことですか?

近藤孝行 (小野は)いつも隅っこに座っている大人しい青年という感じで。僕から話しかけにいきました。最初の頃は僕のことをベテランだと思っていたらしくて、僕に対してすごく恐縮していたけれど、同じ年ですし、スタジオから一緒に帰るようにもなって親交を深めていきました。

小野大輔 俺より年齢は上の人なんだろうなって思ってましたね。だって檜山修之さんとあんなに仲良さそうに話していたから! 近藤くんは基本的に空気が柔らかい人なので、接しやすいなと思って、それを機に色々と話すようになっていきました。同じ年ですし、共通の好きなことも多くて、音楽の話はもちろん、当時はプロレスの話なんかで盛り上がったりもしました。

近藤 そうなんだよね。好きなアーティストさんやジャンルが一緒で。

小野 近藤くんから教えてもらったアーティストにハマっていくこともよくありますね。

――お二人がハマるのは、どのようなグループや音楽なのでしょうか?

小野 僕にとっては「ダンス」が重要なファクターでしたね。ダンスのパフォーマンスで圧倒的なシンクロ率を見せてくれたりするものが好きです。特にK-POPの世界にハマったんですが、あのシンクロでのパフォーマンスの圧倒的な美しさに惹かれます。K-POPで一番美しいなと思うのは、センターが次々と入れ替わるところです。それぞれにちゃんと見せ場がある。ラップが得意なメンバーはラップのところでグッと前に出てくる。誰がセンターとかなくて、ひとりひとりがそれぞれに見せ場をもっていて、それが1つの楽曲を作っている。そこが好きです。基本的に箱推しですね。

近藤 基本的にヒップホップが好きなんです。心から元気が湧いてくるような音楽が好きで、テクノもリズムにノれるところが大好き。そういう意味で、僕はリズムを注視しているところがありますね。リズムが気持ちよければ好きになります。あとは小野くんと一緒にハマったK-POPでは、彼らのプロ意識が印象的ですね。チームワークを養うために私生活でも一緒に暮らしていたり、考えられないような状況でも夢を突き詰めていっている姿を見ると「すごいな」と思うし、胸にくるものがあります。
小野 努力をしているしすごく頑張っているんだけど、最終的にステージではそれを見せずに、ひたすら美しくパフォーマンスをするところに感銘を受けました。

――TRD結成以前にもお二人は一緒に音楽活動をされていました。改めて今回のユニット結成、そしてデビューはどういった流れだったのでしょうか?

小野 そういえば、ずっと前、まだ音楽活動に至る前に一緒に遊びながら、「TDK」っていうユニットやろうってよく言っていたよね。「吉祥寺でただお茶をしながら駄弁る」だけのユニットをやろうぜって。

近藤 そんな名前だったね。孝行(T)と大輔(D)が吉祥寺(K)でお茶して駄弁るユニット(笑)。

小野 今思うと今回のTRDも似たような響きがある。

近藤 本当だ(笑)。どこかにずっと残っていたのかもしれないね。

小野 TRD結成について話を戻すと、ポニーキャニオンさんが声をかけてくれた。それがすべてだと思います。「やりませんか」と言ってくれたのがとても嬉しかったですし、「だったらやろう」「気持ちに応えたい」と近藤くんと話をして始まりました。声優という仕事はどこまでいっても自分で仕事を作れないんです。こちらがいくら「やりたい」と言っても、選んでもらってお声がかからないとお芝居はできない。どこまでいっても役者は選んでもらわないとできない職業。だから、心からありがたいな、と。音楽活動って、どこまでいっても“自分”でしかないんですよね。自分の命を削ってやるしかないものだと思うし、だからこそ燃える。やっている最中や終わった直後は「こんなしんどいことは二度とできない! もう無理!」って思うけど、またすぐに音楽をやりたいと思う。エンターテインメントだけじゃなく、色々な職業や経済活動が停滞しがちなこのご時勢に、声をかけてくださったことに感謝すると同時に燃えました。自分だけで何かをやりたいと思ってもできないんです。「ステイホーム期間」と言われた去年の春あたりの自粛期間の流れは本当にきつかった。僕も近藤くんも家にいて悶々としていましたから。声をかけていただいたのは、「エンターテインメントに関わる人間には何ができるのか?」と自問自答を重ねていたその時期をちょっと過ぎたあたりでした。

近藤 そうです。そんなときにお話をいただいたので、それぞれに葛藤はありましたが、やるしかない!と想いを固めました。

――これまでにもD.A.TやDABAなど、お二人がこれまで一緒に、音楽を通して発信してきたこと=点が線となって今へと至ったんだなと感じました。

近藤 実際に僕らは受け身でしかないことは当然なんですけれど、それでも気持ちはやっぱり前のめりで。何か新しいことをしよう。前を向いていこうという想いを、去年より強くしていました。だからTRDを発表するときには、そういった音楽に向ける想いを存分に放とうと思いました。

――そしてTRD結成へ。ユニット名はどのようにして決まったのでしょうか? 祖となったTDKにも通じるユニット名ですが。

小野 TDKでもよかったんだけど、吉祥寺でしか活動できなくなるからね(笑)。

近藤 ローカルユニットとしての活動になるよね(笑)。最初は僕のほうから何個か候補を出させていただいたんですが、小野くんがTRDを出してくれました。

小野 車を運転しているときにポンとTRDというユニット名が降りてきて。本当に閃きだったんですが、それを言ったときに近藤くんが「いいね」って言ってくれたので、とんとん拍子に進んでいって。まず思ったことは伝統(Traditional)=「普遍のもの」だということ。ずっとそこにあるもの、美しく存在し続けるもの。これまで俺たちがやってきたことを捨てずに未来へと進みたい。そして枠組みやしきたりを取っ払って、今までに見たことのない景色が見たいと思いました。そういうTraditionalと新しいものへの想いを込めて、アルファベット3文字で表したかったんです。とても意義のある名前になったんじゃないかなと思っています。孝行のTも大輔のDも入ってますからね!

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