今だからこそ生まれた音楽の数々――。“現在”の心境と見えている景色が詰まった収録曲それぞれの想いを語る、奥井雅美『11-elevens-』リリースインタビュー!

――「21世紀サバイバー」はいかがでしたか?

奥井 影山ヒロノブさんにお願いした曲です。メロとコードとリズムでシンプルな感じで作ってくださったので、アレンジをどうするか迷ったのですが、影山さんも韓流ドラマやK-POPがお好きなので、「ダンサブルな曲にしてほしい」とお願いしてアレンジをしてもらいました。コーラスもハモを増やして、影山さんが作ってくださったシンプルなケーキに自分でデコレーションをしていきました。歌詞はコロナ禍の中で生き抜きたいね!という気持ちを綴っています。JAM Projectの映画のタイトルが「GET OVER」(※今年公開された初のドキュメンタリー映画)なので、歌詞の中にも入れてシンクロさせるギミックを入れています。

――そしてJAM Projectメンバー・きただにひろしさんが手がけた「JUDGMENT」ですね。

奥井 だにーくん(きただに)のはデモからガーッと勢いのあるロックでした。だにーくんの曲のイメージを残しながら黒須克彦さんがアレンジをしてくださいました。これからのAIによる監視社会をイメージして皮肉った歌詞にしました。ちゃんとしないと知らないよ?みたいな感じかな(笑)。私は陰謀論や都市伝説の本も読むので、そういった発想で書きました。

――続いては「秋桜」です。

奥井 ピアノを弾きながら作ったのですが、その音を残してもらっています。自ら未来を断ってしまう人が今、多くなっていますし、コロナ禍にそんなニュースが溢れているのを見ていたときに出来ました。残された人の想い。後悔と共にそれでも生きていかなければいけない、生きていって欲しいという想い。そこに私が勉強しているスピリチュアルな想いも込めました。

――そんな1曲のあとは、こちらもJAM Projectのメンバーである福山芳樹さんが手がけた「Sylphide」。

奥井 タイトルは「風の精」という意味です。本当は福ちゃん(福山)にシェリル・クロウみたいな曲を作ってってお願いしたんです。大人の女性が野外で歌うようなゆったりした曲がいいなって言ったらザ・ビートルズみたいな曲が上がってきて。デモで福ちゃんが歌っているから余計にビートルズ感があったと思うんですけど(笑)。男の人らしいメロディだったので、アレンジで儚げに女性的なものをお願いして、上がってきたところに歌詞を書きました。モチーフは「人魚姫」です。人魚姫は恋をして、声を失っても脚を手に入れて王子に会うけれど想いを遂げることはできずに泡になってしまう。そのあとに風の精になったという説もあると聞いて、それなら幸せだし、ずっと自由に生きていけるといいなと思って書きました。

――そして「Beautiful Life」です。

奥井 コロナ禍の中でアーティストが自分のできる範囲で曲を作ったり、映像を作ったりして発表する「MIX UP」というものをランティスさんが企画してくださったんです。私はこの曲をワンハーフ作って、事務所のチームでアレンジをして動画を作ってもらって発表して。この曲が先ほどお話しした、人の動きが止まったことで空気がきれいになったり海のゴミが減ったり、というニュースで気づいたことや感じたことを書いた楽曲です。さらに家にいることで家族との時間や料理とか改めて自分の周囲での気付きなどもあったと聞いて。そういったことも楽曲にしました。

――ラストは「手をつないで」です。

奥井 本当は「Beautiful Life」で終わらせるつもりだったんですが、遠藤正明さんがお忙しくてお願いできなかったことでもう1曲私が作ることになったんです。その時点でほとんど曲が出来ていたので、どういう曲がいいかなと考え、最後に大団円エンドな曲を作りたくて制作に入りました。これもコロナ禍を意識していますが、孤独を感じている人も「繋がっているよ」と言いたくて。歌詞を書こうと思っていたときに窓から空を見たら雲が1つ浮かんでいたんです。その雲がどんどん周りの雲と繋がって大きな塊になっていく様をじっと見つめていたら、きっと人も一人ではなくこうやって繋がっているんだと思って。一人だと思わないでほしい、ということを歌いました。これまでにも“Animelo Summer Live”のテーマ曲でもこのようなテーマで書いたことがあるんですが、辛いなと思っている人がいたら手を伸ばせる人でありたい。そんな私の想いを込めました。

――貴重なお話をありがとうございました。奥井さんの様々な想いが込められたこのアルバムがリリースされた今、やはり皆さんが楽しみにされているのはアルバム発売記念ライブかと思います。意気込みをお願いできますか。

奥井 5月22日に国のガイドラインに沿って有観客ライブを行います。もうずっとみんなに会っていないですし、JAM Projectでのツアーがなくなってしまいましたし、ソロのライブでは2019年のクリスマス以来なんです。わぁー!と声は出せなくても楽しめるはずですし、今、自分が一番ライブを楽しみにしています。制限があるなかですが、そんななかでも楽しんでいただけるようなアイテムを作ろうと絶賛企画中なので、来てくださる皆さんにはそこも楽しみにしていてもらいたいです。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち


●リリース情報
奥井雅美 ニューアルバム
『11-elevens-』

発売中

品番:LACA-15868
価格:¥3,000+税

MV Illustration:中村綾花

<INDEX>
1.プライベートヒロイン-OTAKATSUDAYS-
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:長田直之
2.Civil war-1vs1-
作詞:奥井雅美 作曲・編曲:JUN(from GOTCHAROCKA)
3.Blood Blade -光と闇の彼方に-
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:山崎 淳
4.天使と悪魔
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:長田直之
5.コトノハ
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:安瀬 聖
6.21世紀サバイバー
作詞:奥井雅美 作曲:影山ヒロノブ 編曲:長田直之
7.JUDGEMENT
作詞:奥井雅美 作曲:きただにひろし 編曲:黒須克彦
8.秋桜
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:黒須克彦
9.Sylphide
作詞:奥井雅美 作曲:福山芳樹 編曲:長田直之
10.Beautiful Life
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:森田純正
11.手をつないで
作詞・作曲:奥井雅美 編曲:黒須克彦

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