今だからこそ生まれた音楽の数々――。“現在”の心境と見えている景色が詰まった収録曲それぞれの想いを語る、奥井雅美『11-elevens-』リリースインタビュー!

――アルバムのリード曲は「天使と悪魔」。この曲をリードにしようと思われたのはどうしてだったのでしょうか。

奥井 『11-elevens-』というタイトルは11曲入っているから、という意味もあるんですが、「1と1」を考えると、光と闇や善と悪といった二面性のあるものも浮かぶんです。それを引用するようにアルバムのテーマにしたんですね。「天使と悪魔」は、JAM Projectで表に出している顔とも若い頃からソロで歌ってきた曲とも違ったサウンド感の曲ですし、年相応でナチュラルな感じでもあると思って。今までやったことのない感じの楽曲だからこそリード曲にしました。これまでやっていたような曲をリード曲にしたら、それこそこのアルバムが「奥井さんっぽい」と思われてしまう。そうではないアルバムにしたい、という想いがありました。それと、この曲はデモの段階からこれまでとは違った作り方をしたので、リード曲としてアルバムの顔にしたいと思ったんです。

――これまでと違う作り方というと?

奥井 リズムを録って、コードを入れて、コーラスを自分で入れてからボーカルラインを作っていったんですね。その制作方法で作った曲はこれまでになかったので、そんな新しい手法で制作したぶん自分でもすごく気に入っていたので、リード曲にしたいし、MVも作りたいと思ったんです。MVには私は出演せず絵だけで表現しているですが、そうしたほうが歌詞の世界観が伝わるかなと思ったんですね。

――そんな『11-elevens-』はすでにリリースもされ、皆さん聴き込んでいらっしゃると思うので、改めて「これを知ると楽曲をより楽しめる」というエピソードを教えていただきたいと思います。まずは「プライベートヒロイン-OTAKATSUDAYS-」のお話をお願いします。

奥井 蓋を開けるとこういう人間なんです(笑)。JAM Projectのロックなイメージも強いと思うんですが、韓流ドラマを見ているときの自分の姿を書きました。皆さんも推しの人に限らず、好きな食べ物でもキャラクターでも、夢中になれるものってあると思いますし、コロナ禍にあってもそんな推しへの想いは大切だなと感じて、この曲が完成しました。これも「天使と悪魔」と同じく、コーラスを重ねながら作ったので、ライブでやるときにはどうしたらいいかな、と悩んでいます。

――続いて「Civil war-1vs1-」。

奥井 私の好きなGOTCHAROCHAというバンドでギターを弾いているJUNさんに書いていただきました。いつかアルバムでご一緒したいと思っていた方で、大好きなサウンドで大好きなギターソロで揃えた1曲です。楽曲とアレンジの持つ世界観は歌詞に影響をするものだなと改めて感じました。ちなみにこの曲の歌詞は、コロナは関係なく、世の中を見ていて感じることを書きました。私自身、スピリチュアルなことが好きで勉強してもいるのですが、魔にやられる闇の自分と光の自分が自身の内側で戦っている様を表現しました。

――そしてアルバム唯一の既存曲である「Blood Blade -光と闇の彼方に-」です。

奥井 これは「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」というゲームの主題歌ですが、「光と闇」はたまたまなんです。元々私はこういうテーマで曲を書くことはもちろん、考えていることも多いんです。ゲームのストーリーを読ませていただいて書いた曲ではあるのですが、自分の中にある光と闇の戦いについて考えてきたものがリンクしたからこそ生まれた1曲です。

――ここまでの楽曲の並びが次曲「天使と悪魔」への1つの流れとして繋がっている感がありますね。

奥井 たしかに。「天使と悪魔」は女性目線で魅惑的な男性について書いているんですが、小悪魔な女性に翻弄される男性にも通じる曲なんです。でも闇や悪魔的な雰囲気は男女共モテにも繋がるので、そんな魅力にハマることは天国だよね、という状況を描きました。

――そしてガラリと雰囲気の違う「コトノハ」。

奥井 ピアノ1本で曲を作ってアレンジをお願いしたところ、やはりピアノ1本のアレンジになって返ってきた曲なんです。その曲に歌詞を書いたときに見えた世界は男性目線の想いでした。かつての恋人が今の相手と幸せになっている様子に後悔をしている男の人が主人公で。伝えられなかった言葉をあのときもしも伝えていたなら、という曲です。歌を入れたあとに生の弦を入れよう、という話になり弦を追加したのですが、それによってより感情が溢れて、世界が広がったと思っています。

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