TVアニメ『魔道祖師』前塵編OPテーマの「千夜想歌」に込めた想い、善悪とは何なのか――。CIVILIAN・コヤマヒデカズ インタビュー!

3ピースバンド・CIVILIANが手がけたTVアニメ『魔道祖師』前塵編OPテーマ「千夜想歌」は、鋭利なロックサウンドと琴、笛を取り入れた大陸的な音像が1つになった壮大なナンバー。「善悪とは何か?」という根源的なテーマを掲げた歌詞も、アニメの世界観と強く結びついている。バンドの新たな表現を切り開いた「千夜想歌」について、コヤマヒデカズ(vo、g)に聞いた。

――まずは昨年以降の活動について聞かせてください。2020年はロックバンドにとって非常に厳しい1年になりましたが、振り返ってみるとどんな年でした?

コヤマヒデカズ 2020年の前半、6月くらいまでは何もやる気が起きず、家にこもっていましたね。曲もそんなに作ってなくて、「ライブ活動ができないとこんなにも表現の場所がなくなるんだな」と改めて気づいて。ライブがあるという状態が当たり前だったのに、それが全部なくなって、でも時間だけは膨大にある……。ただ、僕らの場合は運よくTVアニメ『魔王学院の不適合者』のOPテーマ(「正解不正解」)が決まっていて、バンドの活動もなんとか止まらずに済んだんですよ。新しい曲も出せたし、そこは良かったですね。その後は少しずつ曲を作り始めて、レコーディングもやって。結局、ワンマンを3本くらいやっただけでほとんどライブができなかったんですけど、水面下では色々と進めてました。

――楽曲を生み出すことがモチベーションに繋がった、と。

コヤマ そうですね。今も状況は厳しいですけど、それを嘆くのではなくて、適応していかないと。メンバー(純市/b、有田清幸/ds)もほかのアーティストのサポートやレコーディングに参加したり、自分も楽曲提供をやったり、せっかく時間があるんだから、できることをやっていこうという気持ちになっています。バンド自体もライブができない以上、制作やファンクラブの運営――ウェブ上でファンの皆さんとコミュニケーションを取ったり――今の基準に合わせた活動をしていこうと思っていて。前向きに動けてはいますね。

――「千夜想歌」からも、現在のCIVILIANのコンディションの良さが伝わってきました。TVアニメ『魔道祖師』前塵編のOPテーマとして話題を集めていますが、まず、アニメの印象について教えてもらえますか?

コヤマ OPテーマのお話をいただいときに初めてこの作品の存在を知って、中国版のアニメ、ドラマもすべて観ました。単純にめちゃくちゃ面白かったし、「なるほど、これはヒットするよな」と納得しましたね。あと、僕らがこれまで音楽で表現してきたことと、それほど遠くないメッセージを感じたんですよ。『魔道祖師』という作品は、“人間の善悪は、誰が決めるのか”がテーマの1つになっていて。主人公の魏 無羨は自分の正義を信じて行動しているんだけど、周りの人から「お前、何やってるんだよ」と言われてしまうこともあって。物事の価値観は人や場所によってまったく違うし、「こいつは良いヤツなのか、悪いヤツなのか」も立場によって変わってしまう。善悪は誰が決めて、どうやって裁くべきなのかということも、この曲の中で表現したかったんですよね。

――そのテーマは、現代の社会にもリンクしてますね。善悪の捉え方が大きく揺らいで、考え方の違いから分断が起きていたり……。

コヤマ そうかもしれないですね。歌詞を書いている最中は、8割、9割くらいアニメのことだけを考えていたのですが、そのときの自分の日常だったり、置かれた状況にも影響されているので。結果的に今の時代や状況にも通じる曲になったんだと思います。

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