アニソンカバーシングル「King of Anison EP1」をリリース!高槻かなこインタビュー

声優として人気を集める傍ら、ダンスボーカルユニットのBlooDyeでメインボーカルを務め、昨年10月にシングル「Anti world」でソロアーティストとしての活動を本格スタートさせるなど、実力派シンガーとしての顔も持つ高槻かなこ。そんな彼女の多彩な歌唱表現を味わうことのできる作品が、今回リリースされたアニソンカバーシングル『King of Anison EP1』だ。アニソンを心から愛し、「アニソン歌手になりたい」という目標を達成したばかりの彼女が、情熱と愛情をたっぷり注いだ本作について、話を聞いた。

――高槻さんは、2020年10月クールに放送されたTVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』のOPテーマ「Anti world」でデビューし、昔から公言していたアニソンシンガーになる夢を叶えたわけですが、感想はいかがでしたか?

高槻かなこ やっぱり、テレビから自分の歌声が流れてきたのを聴いたときは、とても実感が沸きました! 周りの方々からも「アニメ観てるよ!」と言っていただけたり、「あの曲、かなこちゃんだったんだ!」と気付いてもらえたりして。今まで高槻かなこを知らない方にも、私のことを知ってもらえるきっかけになりましたし、「私は今、夢を叶えている最中なんだなあ」と感じました。

――エッジの効いたロックサウンドや反骨精神を感じさせる歌詞を含め、ちゃんと作品性に寄り添うアニメソングになっているように感じました。

高槻 歌詞は自分で書いたので、自分自身の作ったものがテレビから流れることにやりがいを感じましたし、毎週アニメを観ているうちに、自分の作ったものというよりも「このアニメの主題歌なんだ」という感覚が強くなって、自分の手から離れた感じがすごくしました。サウンド感も含めて作品に寄り添えたと思いますし、ライブでアニメ映像を背負って歌う機会があったときも、ばっちりハマっているなと思いました。

――しかもアニメの第11話「マジハよ永遠に」では、劇中劇『ふたりはマジハナイト』のマジハパープル役として、マジハピンク役の降幡 愛さんと一緒にキャラソン「Dear My MAJIHA Sisters」で特殊OPテーマも歌われました。

高槻 はい、全体的に攻めている作品でしたけど、あれもなかなか攻めてましたよね(笑)。私もビックリしましたけど、アーティスト・高槻かなことしてだけでなく、声優としても楽曲を歌わせてもらったことで、高槻かなこのアイデンティティを出させていただくことができてありがたかったです。

――そんな高槻さんが、今度はアニソンのカバーシングル『King of Anison EP1』をリリース。これはどういった経緯で企画されたのでしょうか?

高槻 私はデビューが決まるずっと前から「いつかアニソンのカバー集をリリースしたい!」と言い続けていたのですが、それが実現する形になりました。最初はイメージ的に「アルバムがいいのかな?」と思っていたんですけど、EPなら自分が今歌いたい曲をどんどん出していけるメリットがあるということで、今回EPという形にさせていただいて。タイトルの『EP1』は“エピソード1”とかけていて、これからエピソードをどんどん重ねていけたらと思っています。

――ということはシリーズ化を見据えた作品ということですね。ちなみに『King of Anison』というタイトルは、高槻さんが2019年に開催した初ソロライブ“高槻かなこ 1st Cover Live ~King of Anison~”と同じものですが、これは?

高槻 そのライブのときは、「王道のアニソンを歌う」をコンセプトにしていたのと、私のあだ名が「きんぐ」なので、「王道」と「きんぐ」をかけて“King of Anison”というタイトルをつけさせていただいたのですが、私はそのカバーライブ自体も今後シリーズ化していきたいなと思っていまして。それなら今回、作品も含めて、アニソンカバーの企画に関しては『King of Anison』として展開していきたいなと思って、CDも同じタイトルにしました。

――“アニソンシンガーの王者を目指す!”という覚悟を示す意味合いにも取れますし、いいタイトルですね。

高槻 私もわかりやすくハマってるかなと思います。最初の頃は「きんぐ」と呼ばれるのが、ちょっと恥ずかしかったんですけど、今となっては良かったですね。

――アニソンカバーを集めた作品やライブは、高槻さんのライフワークになっていきそうですね。

高槻 そうですね。それと私にアニソンカバーのイメージが付いたら、もし海外にライブに行く機会があったときも、自分のオリジナル曲だけでなく、その地で人気のアニソンを歌って一緒に盛りあがったり、ステージの幅が広がるなあと思ってます。せっかくアニソンが好きで、たくさんの楽曲を歌えることが自分の取り柄の一つなので、「アニソンと言えば高槻かなこ」と呼ばれるのが私の目標なのですが、その意味合いでも大事なものになると思ってます。

――しかも今回のEPは、ただのカバー集ではなく、全曲スタジオセッションでレコーディングしたとのことで、かなり珍しい制作スタイルですよね。

高槻 そうなんです(笑)。歌も全部一発録りで、本当に生の感じをそのままパッケージングしています。私はライブ感のある歌が自分の取り柄だと思っていて、レコーディングよりもライブのほうが、自分的にいい歌をうたえたと感じることが多いので、今回はライブセッションでやってみることになりました。

――ライブのほうが歌が上手くうたえる実感があるんですね。

高槻 私自身、パッション系なので(笑)。生音が好きなので、ライブで楽器隊の皆さんと一緒にグルーヴ感を作るほうが、自分の声もノッていく感覚がいつもあるんです。それをそのままCDにするのは、自分でも結構挑戦的だったなと思いますけど、その分、音を聴いてるだけで映像が浮かぶような作品になったと思います。すごく自分に合っているやり方だと思いました。

――ここからは収録曲について1曲ずつお話をお聞かせください。まずは高槻さんのデビュー曲「Anti world」を早くも取り上げていて。

高槻 めちゃくちゃ早くセルフカバーしちゃいました(笑)。これは私の音楽プロデューサーから提案していただいたのですが、今後、自分の(オリジナル曲の)リリースがあるたびに、この『King of Anison』シリーズでカバーできたらいいなと思っていまして。私がアニソンシンガーになった楽曲でもありますし、今回は自分にしか表現できない、また違う一面を見せられたと思います。

――激しく力強いロックサウンドが肝だった原曲とは違って、今回はピアノや弦楽器をフィーチャーしたバラード調のアレンジになっています。

高槻 ストリングスが本当に素敵なアレンジになりました。原曲はロック調のサウンドに合わせて歌詞や韻を考えたし、どちらかと言うと勢いで歌う曲だったので、正直「この曲をバラードとして歌うのは難しいかも……」と思っていたんですけど、歌い始めたらやっぱり自分の曲だからか、どう歌ってもハマって聴こえるなあと思って。自分にとってもすごくいい発見になりました。

――バラード調にしたのは、この楽曲の新しい一面を見せたかったから?

高槻 そうですね。私のなかでは、セルフカバーするならバラード調しか思い浮かばなくて。アニメを観ているとたまに、シリアスなシーンで特別アレンジの主題歌が流れたりするじゃないですか。ああいうのがいいなあと思って(笑)。それと今回は、ペルシャ絨毯が敷いてあるようなスタジオで綺麗な映像を撮りたいというのがあったので(初回限定盤にはスタジオセッションの映像を収めたBlu-rayが同梱)、「Anti world」も綺麗なアレンジで歌ってみたかったんです。

――原曲にも含まれていた儚い要素が、より前面に出ているように感じましたが、歌のアプローチについては、どのように変化を付けましたか?

高槻 やっぱり原曲とは全然違いましたね。「Anti world」は自分自身の過去と、『100万の命の上に俺は立っている』の世界観を混ぜ合わせて歌詞を書いたんですけど、バラードになると、情景を一つ一つ思い浮かべながら歌うことができるので、歌い方もどんどんエモーショナルになっていきました。

――より哀切感が感じられる歌唱で、素晴らしかったです。

高槻 よかった! 私は普段バラードをあまり歌わないので、結構ドキドキしていたんです。バラードを聴いてると早送りしたくなるタイプなので(笑)。原曲のときは、深い歌詞をあまり深く歌いすぎないことがロックには大事かなと思いながら歌ったんですけど、今回はより深く考えながら歌うほうがかっこよくなると思って、一つの物語を演じるように歌いました。

――歌詞からは、世界に歯向かいながら何としてでも自分の望む夢や未来を掴もうとする意志を感じますが、今回のセルフカバー版は、その「何が何でも……!」という切実さが、さらに強まっているように感じまして。

高槻 おーっ! たしかにちょっとすがり付いている感じというのはあって。でも、それで言うと、歌詞を書いているときの気持ちにより近かったかもしれないです。私が中学生の頃に感じていた理不尽なことに対して、それを壊したり、這い上がっていきたいという気持ちを込めて書いていたので、その気持ちをより引き出して歌えたと思います。私は割と反骨精神で生きてきたので(笑)。

――ちなみにこの楽曲には女性コーラスも入っていますが、バンドを含めどのような編成でレコーディングを行ったのですが?

高槻 コーラスの方が二人とギターが二人、ピアノ、ベース、ドラム、バイオリンのフルバンドになります。ギターは「Anti world」を作曲してくださった睦月周平さんと、宮崎 誠さんが参加してくださって、「Anti world」は睦月さん、残りの2曲は宮崎さんが編曲してくださりました。最強のお二人なので、安心感しかなかったです。

――2曲目は、坂本真綾さんの名曲「プラチナ」。まさに王道のアニソンカバーになりますが、この曲を選んだのは?

高槻 この曲も、音楽プロデューサーから「プラチナ」を歌ってほしいとリクエストいただきました(笑)。私もこの曲は大好きで、いつもカラオケでも歌っているのでいいなあと思いまして。「プラチナ」は私が歌うと絶対に元気なイメージになるだろうなと思っていたんですけど、宮崎さんが原曲よりもバンド系のガールズロックみたいなアレンジにしてくださったので、あまり深く考えず、音に乗ってそのまま歌いました。

――でもそれが良かったんだろうなと思います。明るくハードなギターポップにマッチした、すごく楽しそうな歌声で。

高槻 そうですね、本当に楽しかったです!もちろん全曲楽しく歌ったんですけど、この曲はその中でもストレートに「楽しい」を出せる楽曲でした。音程の上下がかなり難しいんですけど、昔からずっとカラオケで歌ってきただけあって、自分の中にすでに沁み込んでいるものがあって。本当に無になっても歌えるぐらい歌ってきた曲なので、芯から楽しんで歌えました。それは映像を観ていただけるとわかると思いますし、多分、歌声からも「楽しそうだなあ」と思っていただけると思います。

――特に1サビ後半の“きっときっと驚くくらい”の箇所のピュアな響きが素晴らしかったです。

高槻 たしかにこの曲は、自分の中で「まっすぐ」というイメージが強いので、そこまで意識はしてなかったんですけど、自然とあまりクセを付けないで歌っていたんだと思います。楽曲に引っ張られたというか、本当に曲のパワーがすごいです。

――この曲は『カードキャプターさくら』のオープニングテーマですが、高槻さんはアニメもご覧になっていましたか?

高槻 私が幼稚園か小学生ぐらいの頃に放送していたので、TVにかぶりつく勢いで観ていましたね。まだ自分がアニソン好きと意識していないときからずっと聴いてきた曲なので、一緒に育ってきた感覚があります。改めて歌詞をちゃんと読むと、女の子の切なさや儚さが詰め込まれている曲で、さらに大好きになりました。

――3曲目はガラッと趣向を変えて、TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』のOPテーマ、TK from 凛として時雨「unravel」のカバーです。

高槻 この曲は私自身で選ばせていただきました。まず男性が歌う曲をカバーしたいと思っていたのと、私は普段バンドサウンドが好きで、この曲も普段からずっと聴いていたり、カラオケでもよく歌う曲なので。この曲は原曲キーのまま歌わせていただいたのですが、すごく難しいんです。儚さと強さが合わさった、声質で押していく曲というイメージを損なうことなく、私なりの儚さと強さの二面性を出したいなと思いました。

――二面性という意味では、まさに人間と喰種の両側面を描いた作品の内容にマッチしたアプローチですね。その二面性をより表現できたと思う部分は?

高槻 サビに入る前までのウィスパーで儚い感じと、サビでガラッと強くなるところもそうですし、自分の中にある心の弱さと、叫びたくなるような強さの駆け引きみたいなところを表現できればと思いまして。この曲も元々歌い込んでいたので、そこまで深く考えはしなかったんですけど、歌っているとどんどん勝手にエモさが出てくるので(笑)、楽曲の力をすごく感じながら歌いました。

――たしかに消え入りそうな儚さから一転、がなるような歌声になるパートには心を掴まれました。

高槻 TKさんも息なのか声なのかわからないぐらいの感じで歌ってらっしゃいますけど、私の中では「誰にも聴かせたことのない声で歌う」というイメージがあって。歌いながら自分にすごく刺さる曲で、自然と感情的になっちゃって、なんだか泣きそうになるし……歌いながら「私、消えそう……」っていう気持ちになりました(笑)。

――今回のEPは3曲とも歌のアプローチが全く違いながらも、スタジオセッションで完全に歌いこなしているところに、高槻さんのシンガーとしてのすごみを感じました。その歌唱表現の多彩さは、どのように培ってきたのですか?

高槻 うーん……昔から「演じるように歌いたい」というテーマが自分の中にあって、10代の頃からずっとその気持ちで歌い続けているので、どの楽曲でもその曲の世界観を演じながら歌っている部分はあると思います。それと私は歌い方や声だけで「高槻かなこ」とわかるぐらい個性があると思っているので、私としてはどの曲も原曲を思い浮かべたり、リスペクトしながら歌っているんですけど、私が歌うとその特殊な部分が相まって、自然と自分の世界観になるのがいいところなのかなと思います。

――ちなみにジャケットはマーブル模様になっていますが、こちらのコンセプトは?

高槻 この先も第2弾、第3弾とEPをリリースしていきたいので、ジャケットのデザインは、パッと見たときにそれがEPの第何弾なのかがわかる、シンプルなものにしたくて。マーブルカラーにしたのは、収録している3曲のテーマカラー的なものを決めて混ぜ合わせたんです。今回で言うと、「Anti world」は赤・青、「プラチナ」がピンク・水色、「unravel」は紫。そこに“King”を意味する王冠マークを散りばめてみました。なので、次にEPをリリースするときは、そこに収録される楽曲のイメージカラーを混ぜたものにして、EPごとに色が変わっていく予定です。

――いろんなカラーのアニソンを楽しめるという意味で、高槻さんのシンガーとしての幅広さと、アニソンの幅広さを同時に見せられる作品になりましたね。

高槻 趣味でアニソンをたくさん覚えて、毎日歌っていたことが、今の自分に返ってきたと感じていて。自分が今までやりたいと思っていたこと、妄想してきたことが、そのまま実現できました。言い方は良くないかもしれませんが、趣味の集大成と言いますか(笑)。でも、それが自分にしかできない作品として世に出せるので、本当に好きなことを夢中にやってきてよかったですし、自分の生き方をちゃんと示せている作品だと思います。

――高槻かなこという人の生き様、アニソンにかける信念を形にした作品なわけですね。話によると、高槻さんは1500曲ものアニソンを歌えるらしいですね。

高槻 そうなんです!アニソンカフェでバイトしていたときに、歌本みたいなものを自分で手書きで作って、それをお客さんに渡して好きな曲をリクエストしてもらっていたんです。それで多いときは月に40曲ぐらい覚えたりしていたら、いつの間にかどんどん増えていって。店内でもアニメの楽曲がずっと流れていたから、自然と覚えてしまって、「あとはDメロさえ覚えたら全部歌える!」みたいな感じでレパートリーが増えていきました(笑)。

――しかも先述のソロライブでは、鮎川麻弥「Z・刻を超えて」(『機動戦士Ζガンダム』OPテーマ)や橋本 潮「ロマンティックあげるよ」(『ドラゴンボール』EDテーマ)など、高槻さんが生まれる前に放送されていたアニメの楽曲もカバーされていて、歌える楽曲の幅が広いですよね。

高槻 ライブはいろんな年代の方が観に来ていただけるので、昭和から現代まで全部フォローすることで、どの世代の方でも全員楽しんでいただきたいという気持ちがあって。みんなで世界観を共有しながら楽しめるのはアニソンならではだと思うので、またライブもやりたいですね。今も、今後カバーしたい楽曲をメモしつづけています!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
アニソンカバーシングル
「King of Anison EP1」
3月3日発売

【初回限定盤 (CD+BD)】

品番:LACM-34086
価格:¥3,000+税

【通常盤】

品番:LACM-24086
価格:¥1,300+税

<CD>
1. Anti world (King of Anison ver.) [TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』OPテーマ]
作詞:高槻かなこ 作曲・編曲:睦月周平
2. プラチナ(NHK『カードキャプターさくら』オープニングテーマ)
作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子 編曲:宮崎 誠
3. unravel(TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』OPテーマ)
作詞・作曲:北嶋 徹 編曲:宮崎 誠

<BD>
1. Anti world (King of Anison ver.)
2. プラチナ
3. unravel
4. 「King of Anison EP1」Behind The Scenes (メイキング映像)

YouTubeプレミア公開決定!
Anti world
※3/3(水)21:00〜
プラチナ
※3/6(土)21:00〜
unravel
※3/7(日)21:00〜

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