まったく違うふたつの表題曲で提示した、8人の二面性と進化。DIALOGUE+ 2ndシングル「人生イージー?」&3rdシングル「あやふわアスタリスク」インタビュー

田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が音楽プロデューサーを務める、新人女性声優8人によるグループ・DIALOGUE+が、2月3日にCDシングルを2枚同時にリリースした。いずれもTVアニメ『弱キャラ友崎くん』の主題歌に起用されている。2ndシングルにあたるOPテーマ「人生イージー?」は1stシングルに引き続き編曲に田中秀和(MONACA)を迎えたアッパーチューンであるのに対し、3rdシングルとなる同作のEDテーマ「あやふわアスタリスク」は、編曲に広川恵一(MONACA)を起用。浮遊感のある広川節炸裂のデジタルチューンを生み出した。今回はそれらのシングルの話題に加え、1月10日に有観客で開催したばかりの全曲披露ライブ“ぼくたちの現在地”の感想など、活動全般についてメンバー全員から存分に語ってもらった。

叱咤も優しさも込められた、とびきり元気なナンバー「人生イージー?」

――まずは、1月10日に開催された「DIALOGUE+PARTY 2021“ぼくたちの現在地”」を終えての感想をお教えください。

内山悠里菜 私は、感動しました。1曲目の「はじめてのかくめい!」が始まる前、暗転中にメンバーが板につくときに拍手が起こったのがとても印象的で。その瞬間「始まるんだなぁ」みたいな気持ちが起こりましたし、歌っている最中に「私たちは、この曲で始まっているんだなぁ」というのを改めて実感していたら、ちょっと涙が出そうになってしまったんですよ。

村上まなつ 早い早い(笑)。

内山 私もさすがに早いなぁと思って我慢はしたんですけど、やっぱりログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)の皆さんと顔を合わせられると「全然違うなぁ」と感じましたし、皆さんの気持ちが表情から全部伝わってきて、「私、幸せだわぁ」と思っていましたね。

稗田寧々 私も、同じ空間で直接私たちの伝えたい歌や気持ちが伝わっているのが強く感じられました。もちろん、配信を通じて観てくださる方にも感じていただけたものがあったとは思うんですけど、実際にお客さんがいると会場の空気感や熱量も全然違いますし、目の前の皆さんの反応でこちらの表情とかも変わるんですよ。そういった機会が実現したこと自体がとてもありがたかったですし、いつかみんなで会場を満員にして、声も出せる状態で思いっきりライブがしたい!と改めて強く思いました。

守屋亨香 私は2021年の始まりに皆さんの顔を見てライブできたことが純粋に嬉しかったです。私たちはライブの合間にトークを挟んでいないので、この1年ちょっとの間に増えてきた持ち曲を全部披露するというのは、体力面での不安もちょっとあったんですよ。でも、これまで発表してきた順に曲を披露させていただいたことで、ライブを通して私たちの歴史を感じているようで、すごく嬉しくって。私も曲ごとの思い出が頭をよぎって、感動で感極まってしまう部分もありました。

緒方佑奈 そもそも1つのライブで全曲を披露すること自体が初めてのことだったので、「できるかな?」という不安もありました。ただ、今までセンターボーカル制の曲など配信でしか届けられていない歌もたくさんあったので、それを直接お客さんに届けられる機会が来たという気持ちにもなりまして。なのでそういう曲は特に力を入れて、「どの曲も改めて好きになってほしいな」と思いながら、皆さんに届けることを意識しながら歌わせていただきました。

鷹村彩花 情勢的に有観客でできるのかという不安もあったんですけど、50%でもお客さんの顔を見られたことで、私たちも安心できたようなところがありました。なかでも私は「あたりまえだから」で、特に皆さんが涙を流されて歌詞や歌を噛み締めていたのを見て、自分もお客さんと一緒にライブができることって、当たり前じゃないけど当たり前にしていかないとなと改めて思えた、とてもいい機会にできたように感じています。

宮原颯希 私、去年の新曲発表公演で披露した曲みたいに、今まで配信ライブでしか披露できなかった曲を今回生で観ていただけたことがすごく嬉しかったんですよ!それは、前回の配信ライブのときに「歌っていないメンバーが全力でダンスをしている姿も観てほしいな」という気持ちになっていたからで。それを初めて観ていただけたことが嬉しかったので、今回配信で観てくださった方にも、いつかぜひ生で、全体のパフォーマンスを観ていただきたいです。

飯塚麻結 私も最初「はじめてのかくめい!」で感無量になったんですけど、その次に心が動いたのが「あたりまえだから」のときで。この曲は去年の緊急事態宣言のときに、みんなでリモートで歌を録ったりダンス映像を撮った曲だったのもあってか、落ちサビの最後に「話聞かせてほしいな」の内山のソロで7人が内山を見て、そのあと全員が前を向いて“もちろん君の声で”と歌った瞬間、「止まっていた時が、動き出した……!」みたいな気持ちになって。

内山 わかるー……。

飯塚 しかも向いた先に、カメラじゃなくてログっ子の皆さんの顔がたくさん見えたので、その瞬間「はーっ!」ってなりました。

村上 あと「ぼくらは素敵だ」という曲も、目の前でログっ子の皆さんが観てくださったことで歌い方が変わった曲だと思います。以前の配信ライブのときは、8人で向かい合ってお互いに視線を交わしながら歌っていたんですけど、今回は目の前にいる皆さんに向けて「この歌よ、届け!」って気持ちで歌いました。

――一体感の出し方や感じ方が、内向きから外向きに変わったというか。

村上 はい。皆さんが目の前にいてくれたことで、歌い方だけじゃなくて歌が持つ意味や伝えられることも変わっていくのを実感できて。なんだかあったかくて、いいなぁと思いました。

――そして今回、2nd・3rdシングルが同時発売になりました。まずは2ndシングルになる「人生イージー?」から、楽曲のお気に入りの部分や歌うときにポイントにされた部分などをお聞きしたいのですが。

村上 私のお気に入りは……2-Aメロの村上のソロです!

一同 (笑)。

村上 まず、歌詞に自分の名前が入ったこともびっくりだったんですけど、そのあとの「なんちゃって」のニュアンスを、田淵(智也)さんと一緒に試行錯誤したんですよ。あまりヘラヘラもブリブリもしなくて、思わずみんなが「もー!」とか「こらー!」って言いたくなっちゃうようなそんなニュアンスを突き詰められたのかな?って、すごく気に入っています。

稗田 私も2-Aの自分のソロが推しポイントといいますか、一番こだわって収録したところなんです。私のソロは村上のソロの前なんですけど、ここは最初から「絶対に思いっきり遊んでやろう」という気持ちで挑みまして(笑)。村上と違って弱気で不安で、「どうしよう?おろおろ」みたいにふにゃふにゃさせていて、音源にならなかったテイクではもっと崩していたものもあったんです。その度合いは、私も細かく田淵さんたちと相談しながら収録していきました。あと、みんながまなつと私に対して名前を呼んでくれるところがあるんですけど、そこはそれぞれの普段の呼び方を反映しているので、そういうところを聴き分けてみるのも楽しいと思います。

守屋 私たちそれぞれの個性が強めなので、DIALOGUE+の曲にはそれを生かした遊び心が入っていることが多いんですけど、今回はそういう要素が特に詰まっているように思うんです。カッコ書きの部分も多いですし、そういうところが本当にかわいくて、元気が出る曲なんですよね。

稗田 きょんちゃん(=守屋)の「再起動しまーす」は、オーディションだったよね?

鷹村 うん。

守屋 私たち“オーディション”っていう、録ってみて、良かった子が選ばれるシステムがほとんどの曲にあるんですよ。それで私が選ばれたのが、「再起動しまーす」の部分なんです。

――サウンドも、非常に華やかでポップな曲ですよね。

稗田 それにゲームっぽい音もいっぱいあって、オープニングになっている『弱キャラ友崎くん』の世界観にすごく合っているんですよ。だから聴いていて楽しいですし、インストを聴くと音数の尋常じゃなさもよくわかります(笑)。

内山 私、2サビの“ポジティブ対話”と書いて「ポジティブダイアローグ」と読む部分が好きで。ここから、「ログっ子の皆さんも人生にちょっと疲れちゃったときでも、私たちと話をしたり私たちの何かを聴いたりして1回休息して、ちょっとセーブ。これから頑張ってみよう!」みたいなメッセージ性が感じられるんですよね。

稗田 歌詞は、すごく背中を押してくれると思います。ただ「頑張れ!」と甘やかすだけじゃなくて、2サビで“がんばってないのは君の甘えだ!”って叱咤もしてくれて。

飯塚 すごい言葉だよねぇ……ハッ!となっちゃうよね。

宮原 逆に私は人生に対してだいぶネガティブなので(笑)、私みたいなタイプの人にとってはキツいところもあると思うんですよ。でも、たとえばDメロでは“コツだけもらって 理想にアレンジして作り替えちゃおう?”って逃げの部分も用意してくれているし、そもそもゲームってどうしても無理なときには前のセーブポイントに戻ってやり直せるじゃないですか?なので、そこの部分も人生に絡めて救いも入れられるように、私はレコーディングでは優しさも込めて歌うよう意識しました。

飯塚 落ちサビで一旦落ち着いたあとの、ラスサビ最初の“もういっちょ!”っていうフレーズからの勢いもすごいんですよ。でもここ、ラスサビなのにTVサイズに入ってるんです。これはきっと、DIALOGUE+の曲のBPMが速いからできたことだと思うんですよね。

――しかも、映像も歌詞にリンクしていますし。

飯塚 めちゃめちゃかわいいですよね!なので、その“もういっちょ!”からのラスサビも詰め込めたところが、TVサイズで好きなところです。

――MVは白バックのシーンが多くて。色合いも非常にポップですよね。

村上 DIALOGUE+にとって初の室内撮影でのMVだったので、また新しい気持ちになりました。あと、さっき言った2-Aのねねさんと私のパートにはぜひ注目していただきたくて。ねねさんは本当に壊れちゃってるっていう設定なので、「おっか」のリピートは歌もMVも1回歌ったりやったものを繰り返し使っているんですけど、私は冗談で“壊れたフリ”をしているので歌も映像も全部違うものになっているんです。そういう遊び心も、面白いところなんですよ。

緒方 スクロールしていくところとか、白バックのカットは結構自由だったよね?

守屋 「遊んでいいよ」みたいな感じでした。それで私たち、ダンスのシーンよりも疲れちゃったんだよね(笑)。

内山 しかも個々の動きが強すぎて、だんだん「これを超すものをやらなきゃいけない」みたいになっていったんです(笑)。

――そんな遊び心がふんだんに散りばめられたMVですが、YouTubeにUPされているものって実は完全版じゃないですよね?

村上 そうなんです!

鷹村 実はもうちょっとだけ続きがあって、「(楽曲は)Full Size」なんです(笑)。

――ラストシーン、皆さんの間と鷹村さんの表情が絶妙すぎだと思います(笑)。

鷹村 あれ、8人でタイミング合わせるのを頑張ったんですよ。みんなが私を見るタイミングとコンセントを見るタイミングをパッ!パッ!って揃えなきゃいけなかったので、そこを監督さんが「やかん!(=鷹村)コンセント!やかん!」って合図を出して……(笑)。

宮原 途中からやかんなしでそのシーンを撮ったりするときもあって、「向こうの壁のあの一点をやかんだと思ってください」って、壁を活用して撮ったりもしました(笑)。

鷹村 私はそれを、外から見てました(笑)。

――そしてこちらのカップリング曲としては、稗田さんと鷹村さんのセンターボーカル曲「走れ!」が収録されています。

稗田 先ほどお話にも出た新曲発表会で披露した、2人センターボーカル制の曲のうちの1つなんですけど、なぜかこの曲だけがピックアップされて。

鷹村 「えっ?『走れ!』だけ?」みたいにびっくりしちゃいました(笑)。

稗田 私も最初驚いたんですけど、「あれ?もしかして……」って気づいたことがあって……。

飯塚 気づいたこと?

稗田 「走れ!」はZAQさんが作ってくださった曲なんですけど、この曲がカップリングになると、「はじめてのかくめい!」と作家さんの顔ぶれが同じになるんですよ!本当にこれが狙いなのかはわかんないんですけど……。

内山 でもたしかに!

村上 名探偵だー!

緒方 私、音源聴いてふたりの歌声が「かっけー!」って思った。本当に力強い歌声で引っ張ってくれているから、「DIALOGUE+って、こんなに強い2人がいたんだ!」って改めて気づいてもらえるでしょうし、8人全員で歌っているサビではその2人の強さに負けずに頑張ろうと素直に思えるぐらい、力強く引っ張ってくれているんですよ。

内山 たしかに。やかんのかっこいい面って、私はあまり知らなかったんですよ。いつも無邪気でかわいくて、「えへへへぇー♪」みたいなイメージなんですけど……。

鷹村 バカにしてますか?(笑)。

内山 してないしてない!(笑)。でもこの曲では、初めてイケメンなやかんの歌声を聴けたことが嬉しかったというか。ねーね(=稗田)がかっこよくできるというのは知ってた部分もあったんですけど、それと並べるなんてすごいな!って尊敬しました。

稗田 「走れ!」のやかんは、歌い方もですけどライブでの表情がすごくよくって。スッと大人っぽいクールな表情とか真剣な顔を見せるのが、すごく新鮮なんですよ。

鷹村 ありがとうございます……えへへ(照)。

飯塚 素直に照れてる(笑)。

鷹村 私自身、今までの人生の中でここまでかっこよさに振ったことがなかったのもあって、レコーディングでは田淵さんから「普段の鷹村さんが出ないように、とにかくかっこよくてちょっとにらみを効かせるような」みたいなディレクションをいただいていたんですよ。そうやって頑張って歌ったのがうまくいっていたみたいで、嬉しいです……。

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