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INTERVIEW

2021.01.17

『転スラ』待望の第2期がスタート!オープニング主題歌「Storyteller」担当 TRUEインタビュー

『転スラ』待望の第2期がスタート!オープニング主題歌「Storyteller」担当 TRUEインタビュー

これまでも『響け!ユーフォニアム』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』をはじめ、数多くのアニメーションとのコラボを果たしているTRUEが、それらの作品と同じく関係を深めているのが、1月より第2期の放送がスタートした『転生したらスライムだった件』。普通に日常を過ごしていた会社員の三上 悟は不慮の事故によって命を落とし、気づけばスライムとして魔物の生きる世界に転生していた――! スライムであるリムルに転生し、人間としての記憶を持ったまま、奇跡のような出会いを繰り返しながら魔物の国を建立し生きていく。そんな『転スラ』のアニメ第1期でエンディング主題歌「Another colony」を歌っていたTRUEが、待望の第2期ではオープニング主題歌「Storyteller」で物語を爽快に彩る!『転スラ』愛に溢れたニューシングルについて話を聞いた。

――『転生したらスライムだった件』第2期の告知が出たのが2020年5月のこと。それから今日まで長かったですね。

TRUE ほんとうに。私も第2期オープニングである今回の「Storyteller」を作ったのが2019年の冬のことでしたから。

――温めてきましたね(笑)。

TRUE 本当に。ようやくです。念願のリリースになります。

――そんな『転スラ』とはだいぶお付き合いも長くなったかと思います。これまでに第1期エンディング「Another colony」、第1期挿入歌だった「僕の中の君へ」と制作してこられていますが、まずは『転生したらスライムだった件』という作品の印象を教えてください。

TRUE とても爽やかで前向きな作品だなという印象は、出会った頃からありました。でもまさか第2期でオープニングを担当させていただけるとは、関わりはじめた頃には夢にも思っていなかったです。第1期エンディングのイメージが皆さんの中では強いのではないかとも思っていましたが、第1期後半での挿入歌も作らせていただきましたし、絶えず関わってこられた作品で思い入れも深いので、こうしてお話をいただけたことは嬉しいなと思っています。

――「Another colony」も「僕の中の君へ」も、常に対象やテーマを『転スラ』へと向けて作ってこられているのでしょうか。

TRUE 「Another colony」と「Storyteller」については、「自分の曲を作ろう」と思って制作しています。もちろん作品を読み込んで、理解したうえでの制作ですし、作品へのリスペクトがいちばんなのですけれども、今、わたしが伝えたいメッセージに重きを置いて、どちらかというと、作品へというよりも作品の向こう側にいる皆さんへ向けての想いを届けています。

――作品の世界観や信念がTRUEさんの中にありつつ、伝えたい気持ちが乗って来てるように感じます。

TRUE そうですね。共通するものが多いと感じているので。

――特に共感する、共通だなと感じるのはどんなところですか?

TRUE リムルの強さですね。

――強さとしてはチートですよね!?

TRUE チートではあるんですけど(笑)、でも彼自身の、三上  悟自身の魂の強さがないと、ああいう選択をしてはいかないと思うんです。やっぱり憧れます。リムルの優しさや強さ、心の広さに。

――それは作品の魅力でもありますよね。そんな中で第2期のオープニング曲を、というお話が来たときにはどのような想いがありましたか?

TRUE 2019年の夏か秋くらいにお話をいただいたんですけど、ちょうど海外のイベントに出演するときで。その現場に『転スラ』チームもいたのですが、日本ではなく海外でサプライズとして伝えていただきました。本当に、叫ぶくらいに嬉しかったです。今までも『響け!ユーフォニアム』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など、同じ作品に長く関わらせていただけることは多かったですが、『転スラ』ともそういう関係になれたことが嬉しかったし、信じて委ねてくれたぶん、わたしも誠実に楽曲を作ろうという想いがありました。

――第1期の反響はありましたか?

TRUE 「Another colony」だけの反応ではなくて、作品自体にすごく強さがあるので、そういった反響はいただいていたのですが、「Another colony」自体は歌う回数を重ねるごとにどんどん成長していった曲だと思っていて。特にコロナ禍に入ってからは、意識的に、出演するすべてのイベントで「Another colony」を歌っていたんです。わたしが当時込めた「負けちゃいけない」という想いが、ファンやリスナーの方々の中でも育ってきていたことを実感していたので、そういった意味ではわたしの想いだけでは成り立たない曲になったと感じます。きちんと『転スラ』があったからこそ成長していった曲だと思っています。

――前回がエンディング、そして今回はオープニング。今回は最初の一音からパワーが漲っていて、聴いている人を鼓舞するような力のある曲です。オープニングだからこそという意識で制作されたのでしょうか。

TRUE もちろんです。やっぱり『転スラ』の作品としてのイメージは、すごく明るくて爽やかで、という寺島拓篤さんが第1期のオープニング主題歌(「Nameless Story」「メグルモノ」)で作ってくれたものがあると思うんです。その流れの中にいたいなと思いつつも、第2期ではシリアスで受け止め難いシーンも出てくるので、そこで感じる「命の重み」やストーリー自体の重厚感も楽曲が包んであげられるようにしたかったんです。強いだけではない、深さも必要だと思って作りました。

――ご自身の中でエンディングとオープニングの位置づけに違いはありますか?

TRUE 実はあまり考えていなくて。わたしがその作品のために出来る精一杯を作っているつもりで。もちろん監督をはじめとしたアニメの制作側の皆さんとたくさんのディスカッションを重ねますが、「オープニングだから、エンディングだからこうしなければいけない」というのは『転スラ』に限らず考えていないです。それに『転スラ』の楽曲についてはどの曲もわたしに任せていただけているので、自分が今作りたいものを素直に表現した感じです。

――今回の「Storyteller」を作るときにはまずどういったことを目指されたのでしょうか。

TRUE この6年間くらい、アニソンシンガーとして活動をさせていただいて、リムルがあちらの世界に転生したように、わたしも転生してきたようなものだなと感じているんです。第二の人生を、本当に幸せに過ごさせてもらっているなと思っていて。でもこの6年間で、わたしがなにもせずにこの場所に辿り着いたのではなくて、本当にいろいろな経験をさせてもらっていて、その中にはいい経験も忘れてしまいたいような経験もあったけれど、その時々でファンの皆さんに強さをいただいていたなと思っていて。わたしを上に押し上げてくれて、成長させてくださっているのはファンの皆さまの応援の声なんです。この6年間を通していただいた強さみたいなものを、今度はわたしから皆さんへ、楽曲を通してお返ししたいなという、その想いで制作をしました。

――今回の楽曲にはどんなTRUEさんが息づいていますか?

TRUE タイトルからも出ています。『転スラ』第2期のオープニングを書こうと思ったときに、まずはイメージや想いをバーッと言葉として走り書きしていくんですね。そのときから「Storyteller」という言葉があったんです。みんながいてくれて、わたしはこうして活動をしている。そんなわたしの人生はわたしにしか作れないし、わたしにしか決められない。こういう今、わたしが抱えている自信や想いの強さを、少しでも皆さんの元にお返しできたらいいなと思っていて。みんなにも「自分の人生だ」と思いながら生きてもらえたら、お互いがパワーを届け合えるんだと思って。そういう意味でも「Storyteller」という言葉が自然と出てきていましたし、それこそがわたしの想いです。

――そんな想いを乗せた「Storyteller」は非常にドラマティックな1曲ですが、楽曲の世界観や雰囲気に対してご自身からのリクエストはあったのでしょうか。

TRUE 発注の段階からしっかり出したので、それもあって、結構コンペも大変でした。そもそも漠然と「Another colony」を超える曲を作りたい、という気持ちから始まって。あの頃よりももっと強く今抱えている想いをきちんと載せられるような音を。よりよい曲を、と探していたんです。その中で本当にたくさんの作家さんが素晴らしい楽曲を書いてくださったのですが、たとえば1年後のわたしにはぴったりくるような素晴らしい楽曲もあったし、1年前なら……!と思えるような曲もあったけれど、今のわたしの気持ちに応えてくれる楽曲になかなか出会えなくて。100曲に近い曲を聴かせてもらっていたときの、最後の最後に出会ったのが津波幸平さんに書いていただいた楽曲でした。

――ご自身の伝えたいものを歌うとお話されていましたが、今回の「Storyteller」についても前作「Another colony」についても、『転スラ』の世界、リムルの想いにリンクされていく世界観が印象的です。意識せずとも作品と繋がっていくのはどうしてなのでしょう。

TRUE わたしの楽曲は、ほかのタイアップの曲もそうなのですが、わりと自分のために書いていることが多いです。それは『響け!ユーフォニアム』との出会いくらいからなのですが、それまでは「アニソンシンガーって作品のために曲を作っていくんだ」というわたし自身の勝手な考えがあって、そこに囚われていたんです。でも『ユーフォ』との出会いから、わたし自身がもっと音楽を楽しんで作ったらいいのではないかって感じるようになって。そうしたことで作る楽曲にも広がりが出て来ましたし、わたし自身の想いを楽曲や歌にきちんと載せられるようになってきたなとも思います。わたしはいつも自分自身の言葉で自分自身の気持ちを歌っているのですが、聴いてくださる方は毎回作品の曲として受け取ってくださるので、自然と繋がっているのかも。ただ、作品の中に自分を見つけるのは得意なので、それが作品とリンクされているのかもしれないです。

――「Storyteller」で、作品を意識しなかったとはいえ自然とリンクしたな、と感じるのはどんな部分ですか?

TRUE ワンコーラス目から『転スラ』の明るさがあるなって感じています。オープニングの絵からすごく動いてもらいたいという気持ちがあったので、躍動感も『転スラ』らしさになったのかなと思います。アニメ側も絵を楽しんで作ってくださっているなってことがわかりますし、お互いにいいもの作りが出来たのではないかと思います。

――歌っていてご自身の中でぐっと来たのはどの部分ですか?

TRUE 全部です!泣いちゃいそうだもん。まだこの曲は披露したことがなくて、これからライブでも歌っていくことになると思うのですが、「Another colony」でもサビの最後はみんなで歌うパートにしていて、今回も全部のサビを同じ歌詞にして同じフレーズをつけたので、お互いに言い聞かせるみたいにみんなと一緒に歌えたらいいなぁ、と思いながら歌いました。今後もみんなで一緒に歌っていく中で「Another colony」同様に進化していく曲になるんじゃないかなと思っています。あとは節々が私自身すぎて!ぐっときますね。

――そんな1曲と共にシングルに収録されている「黎明」は、2020年5月公開の『転スラ』のPVに使用されている楽曲です。どのように制作をされたのでしょうか。

TRUE この曲については作品の前奏曲なので、作り方が少し違っています。「Storyteller」はあくまでもわたしの想いを綴った1曲ですが、「黎明」に関しては100%作品のために、作品に寄り添いながら作った楽曲です。作品の幕開けにふさわしいように、少しずつ期待値があがっていくような壮大な楽曲を制作しましょう、ということで生まれました。

――最も伝えたかったのは『転スラ』のどんなところですか?

TRUE 第2期のストーリーをなぞっているわけではないのですが、一話一話見ていく中でこの楽曲に記された言葉が少しずつ紐解けていくような作り方をしています。前奏曲としてはそうあるべきだと思いましたし、第2期を全話見た後に再びこの楽曲に立ち戻っていただいたら「そういう意味だったんだ」と感じてもらえる、第2期の数か月間を共に歩んでいけるような楽曲にしました。

――シングルにはもう1曲「memento」も収録しています。この曲はまたガラリと雰囲気を変えますが、なぜこの曲を収録したのでしょうか。

TRUE ここ最近のわたしのシングルだと、2曲収録して、その曲のインストを含めて全4曲収録が主流になっていたのですが、今回は自粛期間に出来た新曲も収録させていただきました。自粛期間をどう過ごすかは今後のわたしのアーティスト人生にも関わってくるなと感じたので、とにかくたくさんの曲を制作したんです。そのときに作った1曲で。本当に素敵な曲が出来たので、収録をしました。

――ステイホーム期間でなければ生まれなかった曲だと思いますが、今、あの時期に作った曲からどんなご自身を感じますか?

TRUE わたしはよく「強いアーティストです」と言いますが、それは強くいたい、という想いでもあるんです。心が折れたくないし、わたしはわたしで自分の力で突き進んでいきたいからこその言葉です。でもあのステイホーム期間は自分の中でも、今後の音楽や人生について考えることになったんですね。一度立ち止まって考える時間があったからこそ2021年のわたしにはいろんな変化が起こると思っていて。その葛藤しているときのもやもやを曲に残しておきたいと思って作った曲なんです。明るく爽やかな曲だけれど、もやもやした想いを乗せました。

――そんなシングルで2021年の幕開けを告げます。TRUEさんはこの一年をどんな時間にしたいですか?

TRUE これまで本当に忙しく走ってきたのに、一度止まってしまった2020年でしたが、止まることで見える景色は大きかったんですね。そのときにちゃんと怖がらずに自分と向き合って、とにかく音楽制作をして、意味のある時間を過ごせたのかなと思うので、あの2020年があったからこそ2021年に意味が出て来ると思っています。自分にとってやるべきことと選びたい道を自分自身で選択して歩んでいきたいです。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち


●リリース情報
TRUEニューシングル
TVアニメ「転生したらスライムだった件 第2期」オープニング主題歌
「Storyteller」
1月13日発売

品番:LACM-24066
価格:¥1,300+税

<収録内容>
01. Storyteller (TVアニメ「転生したらスライムだった件 第2期」オープニング主題歌)
作詞:唐沢美帆 / 作曲・編曲:津波幸平
02. 黎明(TVアニメ「転生したらスライムだった件 第2期」前奏曲)
作詞:唐沢美帆/ 作曲・編曲:兼松衆
03. memento
作詞:唐沢美帆 / 作曲:久保田真吾(Jazzin’park) , 栗原暁(Jazzin’park) / 編曲:久保田真吾(Jazzin’park)
各Instrumental 計6曲収録

●ライブ情報
「TRUE Live Sound! vol.4 〜Progress〜」
1月17日(日) @中野サンプラザホール
オンラインチケット発売中
PIA LIVE STREAM
Streaming+
聴可能期間
2021年01月17日(日)17:30~2021年1月31日(金)23:59

「TRUE Live Sound! vol.5 〜Acceleration〜」
11月23日(火) @TOKYO DOME CITY HALL

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