挑戦に満ちた新たなはじまりのステージを“ススメ☆オトメ”!! “THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Broadcast & LIVE Happy New Yell !!!”DAY1レポート

「アイドルマスター シンデレラガールズ」の配信ライブイベント“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Broadcast & LIVE Happy New Yell !!!”DAY1が2021年1月9日に開催された。

本公演は幕張メッセでの現地開催&配信が予定されていたが、昨今の状況により現地開催は中止となったため、同作初の無観客生配信ライブとして実施された。現地ライブと同様のステージを幕張メッセに設営しつつ、AR(拡張現実)演出など配信ならではの見せ方を取り入れた新しい形態のライブとなる。

今回のライブはDAY1とDAY2で出演者がすべて違う構成だ。DAY1には朝井彩加(早坂美玲役)、梅澤めぐ(辻野あかり役)、大空直美(緒方智絵里役)、立花理香(小早川紗枝役)、照井春佳(櫻井桃華役)、都丸ちよ(椎名法子役)、花谷麻妃(遊佐こずえ役)、牧野由依(佐久間まゆ役)、飯田友子(速水 奏役)、桜咲千依(白坂小梅役)、河瀬茉希(桐生つかさ役)、洲崎 綾(新田美波役)、鈴木みのり(藤原 肇役)、富田美憂(砂塚あきら役)、中澤ミナ(佐城雪美役)、ルゥティン(塩見周子役)、生田 輝(ナターリア役)、高田憂希(依田芳乃役)、深川芹亜(喜多日菜子役)、星希成奏(夢見りあむ役)、松田颯水(星 輝子役)が出演。梅澤、花谷、河瀬、富田、中澤、生田、星希といった、「シンデレラガールズ」大規模ライブには初参加、もしくは2019年9月~2020年2月に開催された“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪”にスポット出演して以来の参加となるフレッシュな顔ぶれが多いのが特徴的な編成だ。

開演前には「シンデレラガールズ」のアシスタント、千川ちひろによる新年らしい前説が行なわれた。ライブへの期待感が高まる中、琴や和楽器をまじえた和のovertureの調べと共に、扇子を手にしたダンサーたちがステージで舞いを見せる。やがてダンサーたちと入れ替わるようにアイドルたちがステージへ。衣装は和のテイストを取り入れた新共通衣装「ハピネス・エール」。袖口を広く取り、腕の動きに合わせて優雅に布地がひらひらと舞う様子や、着物風の生地にシンデレラ城の意匠をあしらったりのデザインが特徴的だ。

ステージにアイドル全員が揃うと、洲崎 綾が清涼な声音で「私たち!」と音頭を取り、「シンデレラガールズです!」と声を揃えてライブはスタート。新年らしい楽曲「Happy New Yeah!」で幕を開けた。間奏でアイドルたちが口々に「おめでとう!」の声を上げながら各所に手を振る姿が印象的だった。

揃いの和の衣装で21人のアイドルがステージに並ぶのは絢爛の一言。河瀬茉希がJK社長・桐生つかさのイメージに寄せて髪色を金にしていたり、梅澤めぐが辻野あかりの、りんごの葉っぱのようにぴょこんとはねた毛を再現しているのが目を惹く。飯田友子が髪を速水奏の青に染めていたのは、現地会場があればきっとどよめきが起こったことだろう。

オープニングMCでは立花理香の「全員最前列、全員連番」という配信ライブをうまく表現した言葉が印象に残った。全国のプロデューサーからのコメントを地域別でリアルタイムでスクリーンに表示したり、来場者の一人ひとりが画面に表示するサイリウムの色を選択できたりと、プロデューサー参加型の双方向配信ライブになるようだ。

最初の曲は立花理香、中澤ミナ、ルゥティンによる「花簪 HANAKANZASHI」。紗枝、周子、雪美という京都出身アイドルによるユニット・京都親善大使が顔をそろえた。この曲が持ち歌である立花のリードボーカルに、ルゥと中澤の歌声が合わさって溶け合っていく。立花とルゥはデュオユニット・羽衣小町としてライブに参加することも多いが、中澤というもうひとつのピースが加わることで表現に柔らかさが加わった気がする。中澤は緊張した表情も初々しく、ソロパートを丁寧に大切に歌っている様子が伝わってきた。

「命燃やして恋せよ乙女」は飯田友子、大空直美、河瀬茉希、洲崎綾、花谷麻妃という新鮮な組み合わせで披露。オープニングの口上を洲崎、飯田、河瀬という凛としたクールな並びで繋ぎ、大空のキュートさで一気にシフトチェンジすると花谷がふわりと曲名を告げる。二つの色を共存させつつ、キュート成分が絶妙なアクセントになっている構成だ。乙女口上が本日の参加アイドルに合わせたものになっており、「おしとやかだけど大胆に、乙女」「偶像を演じる、乙女」「JKで社長で、乙女!」といった感じ。「四つ葉を見つけます、乙女!」と大空が直球の乙女像を見せると、最後は花谷が「こずえ、おとめ?」と小首をかしげながらかわいらしく落とした。

ソロのトップバッターは都丸ちよの「プライスレス ドーナッCyu♡」。初披露ソロ楽曲だ。蜂蜜のように甘い歌声に乗せて、ステージの上空にはさまざまな種類のドーナツが浮かぶ。ドーナツが大好きな法子の世界を可視化したようなステージだ。身体をいっぱいに大きく使ってクラップを呼びこむ姿や、落ちサビのささやきかけるような歌声など、様々な表情を見ることができた。ラストの「めしあがれ」のフレーズに合わせてドーナツでハートを形作ったりと、AR演出が際立った楽曲だった。待望の初披露に都丸は「プロデューサーさんをお待たせしていたので、こうやって披露できて嬉しいです」と喜びを語っていた。

深川芹亜と牧野由依は「ギュっとMilky Way」を初披露。オリジナルメンバーであるユニット・ドリームアウェイが顔をそろえた。日菜子とまゆは様々な面を持つアイドルだが、この曲では超正統派キュートアイドルの面にフォーカス。ステージを歩きながら満面の笑顔でカメラににこっと笑いかける姿が印象的だ。「デレステ」を意識した左右対称シンメトリーな振り付けは牧野からの提案で、深川も「やりましょう!」と即答したとのことだ。

ユニット・142’sの楽曲「オレンジタイム」は、オリジナルメンバーから桜咲千依と松田颯水が歌唱。ホラー好きの小梅とステージでは誰より弾ける輝子を演じる二人だが、この曲ではウィスパー気味に誰よりもかわいいステージングを披露。輝子の狂気すら感じさせるパフォーマンスを体現できる松田が、その表現力をカワイさに全振りするとこうなるのかという1曲で、「気づくと見ていた」のフレーズでびっくりしたような表情を見せた後、小さくはにかむ表情が絶品だ。二人のかわいさが爆発するようで、ここに輿水幸子役の竹達彩奈が加わった完成形を夢見ずにはいられない。MCでは、桜咲が用意したというお揃いの指輪をふたりで嬉しそうに見せていた。

「Snow*Love」は朝井彩加、大空直美、高田憂希、都丸ちよ、牧野由依が歌唱。AR演出で大きな雪の結晶が舞い、季節にもぴったりな1曲だ。高田の慈しむような表情や、都丸の少し愁いを帯びた表情が印象に残る。朝井演じる美玲はキュートタイプながらパンクな衣装で攻めたステージングを見せることが多いが、この曲では楽曲に寄り添ったキュートな表現を見せた。朝井はライブでは限られた楽曲以外では美玲のトレードマークの眼帯をつけないことが多いが、そのことと共通衣装を逆手にとった感じだ。この曲でひときわ印象的な「もどかしくて仕方ないんだ」のフレーズでの、もどかしさを抑えきれないように飛び跳ねる5人それぞれの姿をサイドから捉えるカメラアングルが良かった。

初披露の「Sing the Prologue♪」は梅澤めぐ、河瀬茉希、立花理香、富田美憂、花谷麻妃、深川芹亜が歌唱。フレッシュな顔ぶれを多く含むメンバーが新しい始まりを歌った。オリジナル歌唱メンバーとしてこの曲に参加した花谷は「難しい振り付けですが、皆さんも頑張って覚えて一緒に踊ってくれると嬉しいです」と語っていた。

MCコーナーでは地域別コメント機能を利用して、星 輝子の出身地福島や、佐久間まゆの出身地宮城のプロデューサーに呼びかけ、当地のプロデューサーがコメントで応えるコールアンドレスポンスが繰り広げられた。

続くブロックは「ススメ☆オトメ ~jewel parade~」からスタート。歌唱メンバーは飯田友子、梅澤めぐ、桜咲千依、河瀬茉希、洲崎綾、都丸ちよ、富田美憂、松田颯水で、ファーストライブ参加組の桜咲と洲崎を含む幅広い世代が顔をそろえた。クール(青)・キュート(ピンク)・パッション(オレンジ)の属性色と宝石をイメージした演出は初期シンデレラガールズライブのイメージを思い出させる。参加アイドルが変われば楽曲のカラーも変わるもので、特に都丸のボーカル質がとてもよく効いていた。懐かしい楽曲だけに、洲崎がファーストライブでクールメンバーとジャケットイラストを模したポーズを取った話や、飯田が初めてライブで歌った楽曲であることなど、思い出話にも花が咲いた。

「夢をのぞいたら」は生田 輝、中澤ミナ、花谷麻妃、星希成奏、牧野由依の組み合わせ。同曲は「第8回シンデレラガール総選挙」記念曲であり、生田演じるナターリア、中澤演じる雪美、花谷演じるこずえ、星希演じるりあむはこの総選挙でのランクインをきっかけにボイスがついたという意味でも特別な楽曲だ。同選挙でキュート3位にランクインしたオリジナル歌唱メンバー、牧野がセンターとして5人を牽引した。新規ボイス組とこの曲の組み合わせは“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪”が印象深いが、今度は揃いの共通衣装、フル参加ライブでの歌唱となった。

「Sunshine See May」を歌うのは高田憂希と鈴木みのりのユニット・山紫水明。歌い出しから鈴木の伸びやかなボーカルの仕上がりが最高だ。落ち着いたトーンの鈴木の歌声と、芳乃が乗り移ったような高田の歌声が美しく溶け合う。ステージを歩みながら「よりそっていてあげる」と歌う高田の包みこむような優しい笑顔。“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪”での披露時には二人のステージ距離が離れすぎてお互いの姿が光に霞んでいたエピソードがあったが、今回は視線を交わし、想いを重ねながらのパフォーマンスだった。

「Secret Daybreak」は洲崎 綾、飯田友子のユニット、デア・アウローラが歌唱。この二人も“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪”ではドームライブならではのお互いの距離の遠さ(霞んで見えない)を語っており、今度は並んで歌うステージとなった。心地よいリズムで絡み合う二つの歌声と、女神めいた存在感の二人のビジュアル。「優しいキスをして」のフレーズで唇にあてた指先を差し伸べる振り付けがとても印象的だった。二人が人差し指にした月と太陽のモチーフの指輪は、洲崎が用意したものとのことだった。

朝井はソロの「Claw My Heart」では眼帯をつけて登場。角の意匠のアクセサリーや眼帯で美玲の世界を主張しながらも、色合いやラメをあしらったデザインで衣装と調和させている。前傾した歌唱姿勢とひっかくぞという攻撃態勢、表情、決然とした身体の捌きのすべてが早坂美玲という個性を強く主張する。共通衣装でもこれだけの世界をまとえることを見せつけるようなステージだ。「左目には夢を映して」のフレーズで目元を指さす振り付けと表情をアップで映し出すことで、眼帯の奥にある目に文脈が生まれているように感じた。

“強い”楽曲が続くブロックだが、ここで羽衣小町(立花理香・ルゥティン)の「美に入り彩を穿つ」を持ってくるのは観客を叩きのめすような怒涛の構成だ。数多くライブ披露を重ね、デュオとして成熟した二人ならではの無敵のステージだった。ルゥは見せ方や間奏の振付をバージョンアップしたことを紹介すると、「りっかさまと一緒の安心感がすごい。和風の衣装で踊れるのも嬉しい」と語っていた。

「ダイアモンド・アテンション」は生田 輝、桜咲千依、大空直美、鈴木みのり、高田憂希、都丸ちよ、松田颯水が披露。スタイリッシュな楽曲を青いレーザーの乱舞が盛り上げる。7人の表情もクールでソリッドで、松田の挑むような目力の強さが記憶に残る。それだけに「超えてゆこう」のフレーズでアップの生田が見せたさわやかな笑顔が印象的で、そのとき、ほかの6人はどんな表情だったのか、想像するのも配信ライブならではだろうか。面白かったのはキメどころの「…共に」のフレーズで、原曲メンバーである生田と都丸の二人の叫びを2分割画面(ほぼここだけ)で見せていた。

「Take me☆Take you」は、ユニット(仮称?)“#ユニット名募集中”の富田美憂、梅澤めぐ、星希成奏が歌唱。3人が演じるのは同期登場のアイドルであり、この3人が一緒に歌う姿を夢見てきた人も多いはずだ。クールで抑えたトーンの富田の歌声、星希のファニーボイス、そして明るく元気に歌う梅澤の笑顔が真ん中にある。トリオとしてのバランスがとてもいいユニットだ。3人がお互いに目線を送り合う振り付けが印象的だが、これらは3人自身の発案とのことだ。落ちサビのソロパートの歌い継ぎで、ここが勝負どころとばかりに豊かな情感を込める富田、まったくぶれないキャラクターボーカルで柔らかい優しさを表現する星希、少しふるえる歌声に想いの強さと気持ちの高まりを感じさせる梅澤と、三様の個性が見えた。

照井春佳は久しぶりの「シンデレラガールズ」ライブ参加で、桃華ソロ「愛の讃歌」は待望の初披露となった。ステージには薔薇の花びらが舞い散り、ステージ上には薔薇を象った飾り窓が浮かぶ。ARをふんだんに使った、桃華らしいノーブルな演出だ。照井の表現はおだやかで上品に、時にいたずらっぽく。終盤の「うふっ」の笑みに、桃華の魅力と愛情を込める強い意志を感じた。

DAY1最大のサプライズというか、予想を大きく超えるものを見せつけられた気がしたのが深川芹亜の「世界滅亡 or KISS」だった。「この中に王子さまはいませんか?」のフレーズから超早口で語られる世界観は原曲通りだが、舞台上で全身を使い、抑揚を込めた表現はまるでミュージカルの世界。キュートでコミカルな楽曲の中で、困ったような表情から満面の笑顔、喜怒哀楽の落差のコントラストが楽しめた。ステージを歩き駆ける深川の目線の先には、日菜子が遭遇する不思議な世界が見えるようだ。AR演出も世界の構築に一役買っており、炎に包まれた古の戦場跡を深紅のエフェクトで巧みに表現していた。世界が崩壊する運命の日、そして旅の行きつく先。めまぐるしく変わる曲調と物語の世界のすべてを、全身全霊で表現する圧巻のステージだった。MCでは、歌い終えた深川の舞台裏での涙と、大空がもらい泣きしていたことを照井が明かしていた。

「太陽の絵の具箱」では花谷麻妃、大空直美、高田憂希、中澤ミナ、ユニットSonoritiaのメンバーが揃った。限りなく優しい歌声の四重奏は、陽だまりのようにあたたかく幸福な調べ。時にステージの各所に腰かけながら、浮遊感のある掛け合いを見せた。歌い終えた4人は両サイドに別れてステージを下りたが、そのどちらでも「最高だったね」とステージを振り返ったとのことだ。

鈴木みのりが初披露した「あらかねの器」は、アイマスの壮大なバラード楽曲の切り札的存在・椎名 豪が手がけた楽曲だ。「くるくると流るる」をキーフレーズとした森由里子の音楽的で心地よい詞もとても魅力的。壮大で圧巻の世界を形作る詞曲に、鈴木みのりの稀有なボーカルが命を吹き込んでいく。大地の意志を感じさせるサウンドに合わせるように鈴木の歌声が、動きがダイナミックさを増し、命の脈動が力強さを増していく。歌い終えた鈴木の笑顔には、何かをやり遂げた充実感が感じられた。歌に込めた想いについて鈴木は「(技巧的なことではなく)肇の人生が込められた歌詞に気持ちを乗せて届けたいと思いました」と語っていた。

「Athanasia」は立花理香、生田輝、桜咲千依のオリジナル歌唱メンバーが揃った。立花と桜咲の柔らかな歌声に、生田の弾むような楽しげな歌声が絶妙なアクセントになっている。3 人がハミングを口ずさみ、手を振りながら階段を歩くと、衣装の袖がゆったりと揺れてどこか幻想的だ。ラスト、微笑みとともに、想いを込めてささやくような歌い継ぎが印象的だった。歌い終えた生田はオリジナル歌唱メンバーとして参加した曲を3曲歌うことができた充実感と、ナターリアと同じ「楽しい」を感じていることを語っていた。

ブロックを締めくくる「君のステージ衣装、本当は…」は、星希成奏、洲崎綾、飯田友子、ルゥティン、中澤ミナ、朝井彩加、牧野由依が歌唱した。同曲は俊龍が作詞作曲を手がけており、僕と君、アイドルとの関係性を歌う楽曲は2010年代のアイドルの文脈を感じさせる。この曲をシンデレラガールズのアイドルたち、そしてリアルアイドルとしても活動する星希が歌っているのがとても面白い。歌詞の世界に対するそれぞれの解釈が表情にも出ているようで、ラストの「涙越しに見た最後の笑顔」のフレーズでの、ルゥの淡い淡い微笑みがとても印象的だった。

ラストブロックの先頭を飾る「Brand new!」は、富田美憂、梅澤めぐ、河瀬茉希が歌唱。3人が演じるあきら、あかり、つかさは昨年開催された投票企画「ボイスアイドルオーディション」のトップ3であり、3 人がボイスと共に勝ち取ったのがこの曲「Brand new!」だった。梅澤は辻野あかり役がほぼ最初の役と言ってもいい新人だが、大舞台で歌うこの曲の歌い出しで、見ている側も笑顔になってしまうほどのスマイルを浮かべられる心の強さが素晴らしい。

同日に歌唱した「#ユニット名募集中」とメンバー二人が共通したユニットだが、河瀬のビターで大人なパワフルボイスが1枚加わることでガラリと印象が変わる。クールボーカルの二人に挟まれることで、笑顔で歌う梅澤の初々しさとかわいらしさがより強調される感じだ。面白かったのは演者の頭上にボックス型のスクリーンをARで投影する技術で、仮想のスクリーン上に演者の表情やエフェクトを映し出していた。現実のライブでもありそうな(そして大掛かりなセットを組む必要がある)演出をARで代替するのは新しい可能性を感じた。

周子のソロ曲「青の一番星」は、ルゥティンに高田憂希と鈴木みのりが加わったトリオで披露。京都生まれの周子に、山紫水明のふたりが加わった和のコラボレーションだ。一口に「和」と言っても表現はいろいろあるもので、それが現れていたのが扇子の扱い方。扇子の捌き方も活発でメリハリがあるルゥ、雅に扇子と共に舞うような高田、扇子の扱いがきっちりと丁寧な鈴木というイメージだ。ソロ曲を統一感のあるトリオユニットの楽曲であるかのように昇華させたステージで、ラストの音に合わせてザン! と見得を切った3人の立ち姿がとても美しく鮮烈だった。

夢見りあむのソロ曲「OTAHEN アンセム」では、星希成奏と朝井彩加、生田 輝、深川芹亜、松田颯水がステージに立った。この日は「花簪 HANAKANZASHI」や「青の一番星」などソロ曲をトリオ曲として解釈しなおしたステージがいくつかあったが、「OTAHEN アンセム」のパート割やカメラワークは星希のソロがメイン。では共演者たちはというと、後半のオタクによる口上のパートで全力で星希(りあむ)を盛り上げるのがいちばんの見せ場という感じだ。彼女たちと一緒にステージを盛り上げたのがAR演出で、会場のオタク(プロデューサー)のコールや、歌詞に合わせた映像を過剰なまでの物量で画面いっぱいにぶちこんだ。観客との掛け合いを前提に作られた楽曲を、圧倒的な物量と仲間のサポートでエンターテイメントとして成立させた形だ。中でも「うんCALL」のフレーズに合わせて会場にイメージが降り注ぐさまはすさまじいインパクトだった。

しかし真に注目すべきは、注意が分散してもおかしくない演出の中で、一貫してステージの焦点であり続けた星希の存在力だろう。りあむとしての歌声の圧倒的な安定感といい、彼女がとてつもないことをさらりとやってのけるからこそ、これだけの要素を画面いっぱいにぶちまける大人のおもちゃ箱のようなステージが可能なのだろう。夢見りあむというアイドルが真に受肉した瞬間を見たような気がした。

「絶対特権主張しますっ!」は桜咲千依、大空直美、洲崎 綾、立花理香が歌唱。パッション属性曲をキュート&クールアイドルオンリーで歌唱するアプローチだ。特に「絶対」や「宣戦布告」などのフレーズの連呼では大空演じる智絵里のキュートさが爆発する感じで、歌唱アイドルの属性による色の変化を堪能することができた。

パッションを代表するトリオユニット・ポジティブパッションの「情熱ファンファンファーレ」は、朝井彩加、飯田友子、鈴木みのり、牧野由依、松田颯水、ルゥティンが歌唱。ある意味パッションを体現する存在である星 輝子役の松田は参加しているのものの、こちらもキュート&クールが目立つ人選。エールを届ける本公演のコンセプトに合わせて、シンデレラ屈指の燃えるエール&応援ソングとしてクライマックスに選ばれた感じだろうか。6人とも普段歌うことが多いタイプとは楽曲の毛色が違うこともあり、新鮮な表情と歌声を楽しむことができた。曲中には新年ならではの煽りが入っており、朝井が「ウチらに、ついてこーい!」と力強く締めくくった。

「GOIN’!!!」は生田 輝、梅澤めぐ、河瀬茉希、都丸ちよ、富田美憂、中澤ミナ、花谷麻妃、深川芹亜、星希成奏が歌唱。同曲は2015年に放送されたTVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲だが、今回の歌唱メンバーはアニメ放送後のアイドルデビュー組が中心。新世代にとっては歴史の中にある楽曲を追体験するようなステージだ。色の強い個性が揃った新世代のアイドルだが、この曲では一つになって全体曲を一緒に奏でた。とても色の強い個性が集まって調和した一つの音楽を奏でる様子は、「シンデレラガールズ」という作品が原点に持つ魅力と混沌そのものであるように感じた。

ライブ本編のラストナンバーは出演アイドル全員による「Wish you Happiness!!」。ARがステージに祭り舞台を作り上げると、洲崎の「全国のプロデューサーさんに、幸せが届きますように!」の声と共にスタート。和のテイストを織り交ぜつつ、心沸き立つ楽曲とパフォーマンスは、画面の向こうの全国へとエールを届ける、このライブを象徴するような締めくくりだった。

アンコール中には、様々な新情報が発表された。「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」7巻&8巻は4月30日頃に同時発売されることとともに、7巻の特別版CDに龍崎薫オリジナルソロ楽曲が収録されることが明かされた。8巻特別版CDの「オルゴールの小箱」(佐城雪美歌唱)や「アタシポンコツアンドロイド」(遊佐こずえ歌唱)なども見逃せないところだ。

また、同日4月30日頃には、「アイドルマスター シンデレラガールズ After20」5巻6巻も発売される。限定版にはオリジナル日本酒がつくことが告知されていた。

変わり種としては「シンデレラガールズ」と備前商工会議所のコラボによる備前焼の商品化が発表された。もちろん備前の陶芸を愛するアイドル、藤原肇を軸としたコラボだろう。その他発表の詳細は公式サイトなどを確認してほしい。

告知映像が終了すると、ステージには既にアイドルたちが立ち位置についてスタンバイしている。このテンポは配信ライブならではだろうか。客席に巨大なフラッグの幻像がたなびき、流れるドンドンパンのリズムは「青空エール」の特徴的なイントロだ。最初は「シンデレラガールズ」とサガン鳥栖のコラボソングとして誕生した楽曲だが、歌われてみると今回のライブコンセプトにぴったりだ。歌い出しの曲名コールは生田が元気いっぱいに担当し、河瀬がプロデューサーからのエールに感謝を伝えた。

DAY1の締めの挨拶は、大型ライブ初参加メンバーが代表して行なった。河瀬は「GOIN’!!!」の歌い続けたいという歌詞で涙をこらえたことやライブの楽しさを伝えると、「これから先もつかさといろんな歌をうたっていけたら」と未来を語っていた。梅澤は初めての大きなステージで、たくさん練習して準備した時間があっという間にすぎてしまうさみしさを語り、「いい時間を一緒に過ごせて、私がエールをもらった気持ちです。次はいつか画面の向こうのプロデューサーさんたちの前で歌えることを信じています」。富田は前夜緊張で一睡もできなかったことを明かし、「緊張を超えるぐらい楽しみで、あきららしい、自分らしいパフォーマンスを披露できたと思います。次は目と目を合わせてお届けしたいです」と語っていた。

ラストナンバーはシンデレラたちの原点である「お願い!シンデレラ」。歌い出しの台詞は、もっとも新しいシンデレラのひとりである梅澤が「みなさーん、最後の曲ですけど、そのぶん盛り上がりーんご♪ あはっ」と決めた。ここぞというところで意外に肝が据わって芯が強い感じが辻野あかりらしい。曲中、普段ならフリームーブで演者同士が手を取り合いはしゃぐ時間帯で、列を整えて動く姿がこの時期ならではに感じた。ラストの「もういっかい!」は、洲崎が満面のスマイルと共に届けた。

ライブDAY1は洲崎が音頭を取っての「これからもアイマスですよ、アイマス!」の合唱で幕となった。DAY1は顔ぶれ的に楽曲的にも、懐かしい時代と新しいはじまりが交差する感じがあった。MC中に立花が口にした「新しいメンバーが増えて曲も変わっても、シンデレラガールズとしての変わらない何かがあるのは嬉しいな」という言葉が記憶に残った。

TEXT BY 中里キリ

「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Broadcast & LIVE Happy New Yell !!!」DAY1
2021.01.09.online セットリスト
M01:Happy New Yeah!(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M02:花簪 HANAKANZASHI(立花理香、中澤ミナ、ルゥティン)
M03:命燃やして恋せよ乙女(Long Intro Ver.)(飯田友子、大空直美、河瀬茉希、洲崎綾、花谷麻妃)
M04:プライスレス ドーナッCyu♡(都丸ちよ)
M05:ギュっとMilky Way(深川芹亜、牧野由依)
M06:オレンジタイム(桜咲千依、松田颯水)
M07:Snow*Love(朝井彩加、大空直美、高田憂希、都丸ちよ、牧野由依)
M08:Sing the Prologue♪(Long Intro Ver.)(梅澤めぐ、河瀬茉希、立花理香、富田美憂、花谷麻妃、深川芹亜)
M09:ススメ☆オトメ ~jewel parade~(飯田友子、梅澤めぐ、桜咲千依、河瀬茉希、洲崎綾、都丸ちよ、富田美憂、松田颯水)
M10:夢をのぞいたら(Long Intro Ver.)(生田輝、中澤ミナ、花谷麻妃、星希成奏、牧野由依)
M11:Sunshine See May(鈴木みのり、高田憂希)
M12:Secret Daybreak(飯田友子、洲崎綾)
M13:Claw My Heart(Long Intro Ver.)(朝井彩加)
M14:美に入り彩を穿つ(立花理香、ルゥティン)
M15:ダイアモンド・アテンション(生田輝、桜咲千依、大空直美、鈴木みのり、高田憂希、都丸ちよ、松田颯水)
M16:Take me☆Take you(梅澤めぐ、富田美憂、星希成奏)
M17:愛の讃歌(照井春佳)
M18:世界滅亡 or KISS(Long Intro Ver.)(深川芹亜)
M19:太陽の絵の具箱(大空直美、高田憂希、中澤ミナ、花谷麻妃)
M20:あらかねの器(鈴木みのり)
M21:Athanasia(生田輝、桜咲千依、立花理香)
M22:君のステージ衣装、本当は…(Long Intro Ver.)(朝井彩加、飯田友子、洲崎綾、中澤ミナ、星希成奏、牧野由依、ルゥティン)
M23:Brand new!(梅澤めぐ、河瀬茉希、富田美憂)
M24:青の一番星(Long Intro Ver.)(鈴木みのり、高田憂希、ルゥティン)
M25:OTAHEN アンセム(朝井彩加、生田輝、深川芹亜、星希成奏、松田颯水)
M26:絶対特権主張しますっ!(Long Intro Ver.)(桜咲千依、大空直美、洲崎綾、立花理香)
M27:情熱ファンファンファーレ(朝井彩加、飯田友子、鈴木みのり、牧野由依、松田颯水、ルゥティン)
M28:GOIN’!!!(Long Intro Ver.)(生田輝、梅澤めぐ、河瀬茉希、都丸ちよ、富田美憂、中澤ミナ、花谷麻妃、深川芹亜、星希成奏)
M29:Wish you Happiness!!(Long Intro Ver.)(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
-encore-
EN1:青空エール(Long Intro Ver.)(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
EN2:お願い!シンデレラ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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