初ワンマンで感じさせた、さらなる“新世界”への期待。“Happy Around! 1st LIVE みんなにハピあれ♪”レポート

12月13日、Zepp Haneda(TOKYO)にて“Happy Around! 1st LIVE みんなにハピあれ♪”が開催。DJを柱にしたメディアミックスプロジェクト『D4DJ』発のユニット・Happy Around!(西尾夕香(愛本りんく役)・各務華梨(明石真秀役)・三村遙佳(大鳴門むに役)志崎樺音(渡月 麗役))による1st LIVEは、元々今年の3月に開催が予定されていたもの。YouTubeで同時に無料配信(※一部を除く)という画期的な試みも取り入れ、このたび9ヶ月越しでの開催となった。そんな今回のライブは、アニメやゲームアプリ『D4DJ Groovy Mix』もスタートした今ならではのキャラクターへの接近や、メンバー同士の絆を随所に感じられるものとなっていた。
本項では夜の部にあたる、振替公演についてお届けする。

影ナレ直後の客入れBGM「Direct Drive!」のインストではクラップが巻き起こったりと、開演を今や遅しとディグラー(=『D4DJ』ファンの総称)が待ちわびるなか、開演を迎えると暗転ののちに4人が入場。

高く設置されたDJブースに各務が、他3人がメインステージについたところで、まずはTVアニメ『D4DJ First Mix』のOPテーマ「ぐるぐるDJ TURN!!」でライブはスタート。4人が一瞬で、ステージを明るく華やかなものにしていく。なかでも西尾はその華やかさの源となっているかのような咲くような笑顔を公演中輝かせ続け、パフォーマンス自体もこの曲のセンター然とした堂々たるものに。また、キャラクター性MAXで次々フレーズをつないでいくDメロのしりとりにもハピアラらしいにぎやかさがいっぱい。そのパートも含め、これまでの『D4DJ』のライブや音源よりも歌声や表情が柔らかめになっていた志崎からは、特にキャラクターへのさらなる接近を感じることができた。

曲のラストからは、各務が次の曲へとDJプレイでつないでいく。これもこのコンテンツならではの光景。この日は幾度となく、彼女のプレイが観客のボルテージをさらに高めて次の曲へとつないでいく。その最中のインストで、フロアからクラップが巻き起こるなか、西尾が「みんなハッピーになってねー♪」のMCから「君にハピあれ♪」のタイトルをコール。前曲に続いて担当キャラクターらしさをにじませつつ、ダンスも揃えて4人の一体感も感じさせるステージングで、1年強駆け抜け続けた4人の“今”がそのまま投影された曲になったようにも感じられた。

さらに続く「Happy Music♪」は、以前の『D4DJ』のライブでも上映されたアニメMVを背負っての披露。この曲では特に、三村のパフォーマンスが視線を奪う。イントロのラストで一段と高く跳ね視線を引きつけたかと思えば、歌唱の合間に自分のポジション側の観客に笑顔で手を振ってみせる。これもまた、ステージ上の彼女がむにと重なった瞬間だったように思う。

こうしてオリジナル曲を3曲続けたところで、各務がスタイリッシュに魅せるDJプレイタイムを挟み、今度はカバー曲を2曲披露。センターを取った志崎に合わせて「DIVE TO WORLD」ではステージの照明は青メインのものと変わると、「バラライカ」では再び西尾の突き抜けるような明るい歌声に改めてりんくらしさを感じさせられたところで、序盤のブロックは締めくくられたのだった。

そしてステージが暗転するなか、メインステージにもDJブースが登場。そこに入場してきたのは、Photon Maidenで出雲咲姫役を担当する、紡木吏佐!昼の部での高木美佑(Peaky P-key・犬寄しのぶ役)の登場に続き、観客からは思わずどよめきも起こる。ここからは同時配信されない会場限定のパートで、紡木は完全に咲姫としてのステージを展開。『グルミク』の主題歌「LOVE!HUG!GROOVY!!」から始まるスペシャルなDJ TIMEでは、ハピアラ以外のユニットのキラーチューンを次々とプレイ。ときには歌詞に合わせた振付も交えながら、他の5組のユニットを代表してハピアラを応援する。なかでもPhoton Maidenとしてカバーする「Synchrogazer」では、2番に入るとAメロに生歌も交えつつのパフォーマンスで現地のディグラーを魅了。あっという間のDJ TIMEを終えた紡木は、“共感覚”をもつ咲姫らしく、「フロアの色が、とても輝いて見えます!」との言葉を残して怒涛のステージを締めくくった。

そしてハピアラがステージに戻ると、西尾がりんくとして「咲姫ちゃん、ありがとー!」と礼を述べたのに続き、初披露となる新曲「Happy around Days」でライブ再開。ミドルテンポというサウンド感もあって、特に脚運びを中心にしなやかさ強めに感じる振付の曲でもある。この曲は特に西尾のパフォーマンスが印象的で、身体の軸をしっかりもたせて、左右を逆に入れ替える振付を非常にスムーズに行なっていた点が目を引いた。この曲もアニメやゲームのシナリオとリンクして、エモさ増し増しになることを期待してならない。

新曲に続いては、カバー曲を3連続で披露。ハピアラ4人の姿も織り込まれたリリックVを背負いながら「PARTY☆NIGHT」を歌えば、「ムーンライト伝説」のイントロで三村が中心となって煽る姿には“うさぎ”を感じてニヤリ。また、すっかりタオル曲としておなじみになった「ココロオドル」の突入直前には、「ENJOY!」のフレーズのサンプリングが響くなか、「タオルを持ってる人はタオル出してくださーい!」との西尾の煽りに続き、ステージの三村や客席はもちろん、DJブースの各務もタオルを回してボルテージをさらに高めていく。

そして気づけば三村もブースにつくと、アニメの中でのハピアラが初めて4人で披露した「Make My Style」から、アニメ楽曲の披露へ。イントロ中にピンクのペンライトを振る三村と各務がブースの中で視線を交わしたり、志崎がショルキーを提げてのステージングを行なったりと、アニメ同様の配置で披露されていく光景も非常に胸を熱くさせる……という余韻をいい意味でぶち壊してくれたのが、むにがフィーチャーされる「ぎぶみーAwesome!!!!」。瞬時にピンクに染まった客席を前に、センターで躍動する三村。コロナ禍でなければすさまじいコール・アンド・レスポンスが会場を包んでいたはずのこの曲で、早くさらなる熱狂を目の当たりにしたいものだ。また、Bメロでワルツになる間の志崎のソロの歌声には、ここでも柔らかさが。これまでクールな表情や歌声の印象の強かった彼女がこの日感じさせた成長が、最も顕著に表れていた瞬間だったように思う。

西尾の煽りを経て、今度は「Direct Drive!」がスタート。この曲もリリックVを背負いながらパフォーマンスしていく。サビの終盤では恒例の腕振りでステージと客席の垣根を超え一体感を生み出すと、イントロ同様に各務がスタイリッシュなラップをみせる。また、直前に西尾が鋭いスピンを決めて突入したDメロでは、普段行なわれる「D・4・D・J!」のコールを「J」に合わせてのジャンプへとアレンジし盛り上がって、ライブ第2ブロックを締めくくった。

ここでDJブースには、再び紡木が登場してDJ TIMEへ。さらにその隣には西尾も登場し、りんくと咲姫としてのMCを経て、ふたりのコラボによるDJ TIMEがスタートだ。冒頭ミスしてしまった西尾だが、その際自然に飛び出した「わー!待ってぇ!もう1回やるよー!」の言葉が、テンション含め完全にりんく。図らずもステージ上では常にキャラクターと一心同体であることを示すと、再スタート後は紡木と交互にハピアラ以外の5ユニットの楽曲をプレイし、会場を沸かせていった。

DJ TIME後は、ライブTシャツに着替えた西尾以外のハピアラ3人が登場。ここではキャラクターを外したMCを展開し、それぞれがようやく実現した1st LIVEへの喜びを口にする。特に各務は終始言葉や表情から直接コミュニケーションできる喜びをにじませ、「手を振ったら振り返してくれるのが嬉しい!」とも口にしていた。また、ライブ終盤のコメントでも自ら触れてはいたが、それを前に三村が、開演前に志崎が緊張から泣きそうだったとポロッと暴露する一幕も。そんな志崎は、この日携えたショルキーがKORGの協力により制作された本編で麗が用いているモデルであることに言及。麗のカラー・青で刻印されたHappy Around!のロゴも含めて、心から嬉しそうに紹介していた。

MC中には西尾もライブTシャツに着替えて登場し、ライブもラストスパートに突入。そのショルキーを用いたシンセソロから始まる「SHUFFLE HEART BEAT」から、ハートいっぱいの映像を背負いながら、再びハッピーに満ちあふれたステージを届けていく。この曲から始まるカバーメドレーゾーンは、続いてアニメの物語にて重要な役割を担った「気分上々↑↑」へ。ここでは三村がとにかくステージを大きく使ってさらに会場を沸かせれば、こちらも定番カバー「行くぜっ!怪盗少女」では西尾による「変身!」のフレーズで、ステージ上の3人がダンスをピタリ合わせて魅せる。また、比較的チルめなアレンジの「恋愛レボリューション21」では再び観客がタオルを回し、声なしでも会場のアガリ具合が感じられる形に。そしてカバー曲としてはこの日ラストとなる「Yes! BanG_Dream!」では、各務が頭サビ後のDJプレイをバッチリ決めて魅せる。一方で、サビでの盛り上げ方は四者四様。その核として、明るさいっぱいの歌とダンスをみせていたのは、やはり西尾だった。

そんなカバーメドレーに続けたのは、オリジナル楽曲「Cosmic CoaSTAR」。切なくキュンとさせるメロディをもつ曲をカバーの先に、最終盤に置くのは正直ズルい。初期から披露してきたこともあってか各メンバーの練度も高く、ショルキーによる制約もある志崎も含めてステップや動きをしっかり合わせる。ステージ上の4人に合わせて揺れる色とりどりのペンライトやバングルも、背景映像とともに宇宙のような空間を形成していたように思う。

ラストが近づくなか、曲明けにはステージに4人揃ってひと言ずつメッセージ。「真秀ちゃんと一緒に、彼女が憧れていたようなステージを見られるよう、これからも精一杯頑張ります!(各務)」「本番前、久々に涙が出るぐらいに緊張したんですが、皆さんのおかげで、そして4人で頑張ってきたからうまくいったと思っています(志崎)」「この一瞬一瞬が、むにちゃんと過ごす日々が幸せでたまりません!(三村)」とこの瞬間の想いを言葉にすると、最後に西尾が「曲数も増えて熟練度も上がって、絆も強くなって……成長したハピアラをおみせできて嬉しかったです!」と今日の総括と喜びを言葉に。さらに、この1年ほどの思い出が脳裏をめぐったのか、「『D4DJ』の1st LIVEのときよりも、ハピアラが好きって言ってくれる人が増えて……」と思わず涙。すかさず支えに行く3人の間の絆が、ここで改めて見られた気がした。
そして、立て直した西尾が「“Dではじまる新世界”、行きますよー!」と歌詞を引用して、ラストナンバー「Dig Delight!」がスタート。ハピアラにとって、『D4DJ』にとっての大事なナンバーの名をりんくに戻った西尾がコールした瞬間、客席はオレンジに染まる。それを前にした4人は、最後の最後まで力いっぱいのパフォーマンスを展開。声は上がらなくとも、揺れに揺れたオレンジの輝きが、ハピアラがすべてのディグラーの心を高まらせていたことを示していた。

パフォーマンスが終わると、最後に改めて全員集合してから観客へと挨拶。降壇の際に西尾が「来年も再来年も、その先もよろしくお願いしまーす!」との言葉を残して、待望すぎる1st LIVEは大満足のまま幕を下ろしたのだった。

昨今の情勢を踏まえて椅子出しではあったものの、ライブハウスでの1st LIVEをついに実現させたHappy Around!。会場に集ったディグラーも、配信で見守ったディグラーも、すべての人が今の彼女たちのパフォーマンスや1年強での成長に新世界を見出していたに違いない。そしてその輪はこれからも大きくなり続け、たくさんの人をつなげ続けていくことだろう。彼女たちの発信するハッピーなら、それはきっと可能なはずだ。

TEXT BY 須永兼次

“Happy Around! 1st LIVE みんなにハピあれ♪”振替公演
2020.12.13@Zepp Haneda(TOKYO)
【SET LIST】
M01.ぐるぐるDJ TURN!!
M02.君にハピあれ♪
M03.Happy Music♪
M04.DIVE TO WORLD(カバー)
M05.バラライカ(カバー)

☆DJ TIME by 紡木吏佐☆

M06.Happy around Days(※初披露:新曲)
M07.PARTY☆NIGHT(カバー)
M08.ムーンライト伝説(カバー)
M09.ココロオドル(カバー)
M10.Make My Style
M11.ぎぶみーAwesome!!!!
M12.Direct Drive!

☆DJ TIME by 紡木吏佐×西尾夕香☆

M13.SHUFFLE HEART BEAT
M14.気分上々↑↑(カバー)
M15.行くぜっ!怪盗少女(カバー)
M16.恋愛レボリューション21(カバー)
M17.Yes! BanG_Dream!(カバー)
M18.Cosmic CoaSTAR
M19.Dig Delight!

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