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REPORT

2020.12.11

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:Vol.2『GAME』

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:Vol.2『GAME』

今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回フィーチャーされるアルバムは2004年に発売された『GAME』!

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■LIVE REPORT

カジノで賑わう煌びやかな街を彷彿とさせる空撮とノスタルジックな雰囲気の映像に誘われると、スロットマシーンの目がクルクルと周り出し、画面の中は「GAME」の世界へ。懐かしいMVのコラージュで綴るSE。配信ライブだからこそ映像演出で存分にFLOWのライブを堪能させる。そんななか、カウントダウンから登場したFLOWはゴージャスなカジノの一角にステージを設置したような会場で、音を響かせ始める。1曲目はメジャーシーンという海原へと漕ぎ出した、最初のナンバーであるデビューシングル「ブラスター」だ。ヘビーなビートが生み出す重厚グルーヴと唸るギターの音を轟かせると、重々しくも歌うように響くメロディアスなベースラインが印象的なヒップホップ混じるロックンロール「MC2=E」で渦を巻く音の中へとオーディエンスを誘っていく。

「今回は『GAME』。CDを持っている方はわかると思うんですけど、カジノを(モチーフにした世界観で)。なので今日はカジノをご用意しました。この企画がなかったら絶対にやらないであろう場所からライブをやれるというのも“炎の12ヶ月”ならでは」とKEIGOが言うと、KOHSHIも「カジノでライブという。ここが(“炎の12ヶ月”の)毎回楽しみなところなんじゃないかと思います」と笑みを浮かべる。オーディエンスがそれぞれの場所で、このライブを楽しむからこその、普段とは違う会場でのライブを堪能させることを告げて、ライブが再開。続いたのは「Surprise」だ。高らかに歌い上げるようなギターリフとともにアガる軽快ロックナンバーがライブを原色に染めていく。きっとファンも“Hey Boy!Hey Girl! ”と腕をあげているはず。そしてすべての音が畳み掛けるように掻き鳴らされていく「集中治療室 -I.C.U.-」でアグレッシブなサビメロを歌い上げると、ぐっと大人なメロディで甘さを滲ませる「シャリララ」ではKOHSHIもギターを手にし、実の弟であるTAKEとのツインギターを響かせ、プレイと歌でユニゾンを聴かせた。

Twitterを使ったオーディエンス参加型のGAMEコーナーを挟み、軽快なリズムの「太陽」では青空が見えてきそうな伸びやかな歌声と音とを聴かせる。オルゴールが鳴るように優しく柔らかな音にKEIGOとKOHSHIの歌が重なった「ノスタルジア」は、序盤から雰囲気を変えレゲエサウンドで歌を紡ぐミディアムチューン。『GAME』というアルバムが、彼らの楽曲のレンジの広さを感じさせていたことを改めて思い出させた。そして、世界各地で行われたFLOWのライブ映像が流れ出し、世界中でオーディエンスがFLOWとともに歌声を上げる様に胸が熱くなる。これは配信だからこそできる演出だろう。“どれだけ距離が離れていようとも俺たちは音楽で繋がっている”。そんなメッセージとともに、映像で歌われていた「流星」を実際に鳴らし出す5人。KEIGOとKOHSHIの背後にはライブ会場で撮られた写真がいっぱいに飾られている。まるで、あの日の、あの夜のライブに背中を押されるように――オーディエンスの声は彼らの力になっていく。一言一言を大切に届けるように大切に歌い上げる二人の声に世界中の歌声が重なり、繋がっていたはず。

「皆さん、まだまだいけますかー!盛り上がっていきましょーーっ!!」とKEIGOが声を上げると、アッパーなサウンドの中に表情豊かな音が散りばめられた「その先には・・・」、そしてボーカルの歌声が跳ねるご機嫌なサウンドが印象的な「Without you」と、終盤へ向けて畳み掛ける。表情豊かなギターの音で掻き鳴らすパーティロック「ドリームエクスプレス」では笑顔いっぱいのメンバーとともに、夢に向けて走る列車に乗る観客は拳を上げて画面の向こうで歌っていたことだろう。ここでカメラの前からコール&レスポンス。「今は俺たち、離れているけど心は1つですよ。音楽で繋がっているからね!」と全世界を1つにする1曲「GO!!!」へ。16年も前の曲とは言え、まったく色褪せることなく常に聴く者を鼓舞するパワーチューンに、思わずジャンプしてしまう!さらにこれまでのライブで見せてきたウェーブを映像で流し、「GO!!!」の“いつもの景色”が展開されれば、さらに熱は高まる。

「今は直接集まってライブができない状況にはなっていますけど、これもみんなと作っているライブだと思いました。直接顔は見えないし、距離は離れていると思うけど、こうやってみんなでライブを作れていることが自分たちはバンドをやっていて幸せです。ありがとう」とKEIGO。まだデビューして間もない頃に作ったアルバムだけれども、曲の世界観や歌詞の内容を見れば、今の状況に当てはまると言う。それはFLOW5人の“みんなとライブを作りたい”“音楽で繋がりたい”という根本にある想いが変わっていないからだろう。

そしてアルバムの最後を飾っていたバラード曲「Hands」へ。大地のようなおおらかな存在感と雄大な力を感じさせる1曲を、FLOWの音が、歌が、形作っていく。生命力溢れるこの曲はきっとこの先、ライブを見たリスナーの支えとなっていくだろうと思った。そんな、リスナーに寄り添い隣に立つ1曲で、『GAME』のライブは締め括られた。

今回も、Vol.01(Vol.1のURL入れます)で披露された新曲「衝動」を演奏。前回とは形を少し変えているというこの曲は“炎の12ヶ月”で育てていくと言う。今のFLOWの想いを込めたエレクトリックと融合したヘビーロックの攻撃力こそが、この状況を吹き飛ばそうというFLOWの想いであるのだと力強く放ち、“炎の12ヶ月”のVol.2は幕を閉じた。

<セットリスト>
01. ブラスター
02. MC2=E
03. Surprise
04. 集中治療室 -I.C.U.-
05. シャリララ
06. 太陽
07. ノスタルジア
08. 流星
09. その先には・・・
10. Without you
11. ドリームエクスプレス
12. GO!!!
13. Hands
14. 衝動

■DISC REVIEW

『GAME』

アーティストにとってのメジャー1stアルバムが“バンドのこれまでの軌跡”であるなら、2ndアルバムは「1stで見せたもの以外にこんな曲もあるよ」とバンドの幅を披露するものだ、とよく聞くけれど、FLOWにとっての『GAME』はまさしくそんな1枚だと感じる。

実際にはこのアルバムに“1stフルオリジナルアルバム”と銘打たれているものの、いわゆる “これまでの軌跡”は本作の1年前にリリースされた『SPLASH!!! ~遙かなる自主制作BEST~』に色濃く出ており、そこからの広がりある音楽と進化した遊び心と音楽への熱が本作には宿っていると感じる。

今ではまさしく世界に誇る彼らの代名詞曲となった「GO!!!」から幕を開ける『GAME』は、当時の音楽シーンを席捲していたスカコア、メロコア、青春パンクといったパンキッシュなビートロック要素の疾走感あるロックンロールのみならず、ジャンルに偏らないパワー感あるナンバーが並ぶ。バンドが面白いと思うものを感情のままに作っていくジャンルレスな音楽について、当時は“ミクスチャーロック”と呼んでいたが、FLOWの姿勢は何1つ変化していない。今も当時も、「これがやってみたい」と感情の赴くままに音楽を紡ぎ、真っ直ぐな言葉を乗せていたのだ。だからこそ収録されているシングル「ブラスター」「ドチームエクスプレス」「流星」「シャリララ」、そして「GO!!!」という曲は今も世界中で愛されているのだろう。

約1年分のシングル曲と共に表情豊かでライブ感に溢れたアルバム曲は、ヘビーロックからレゲエ調のもの、スカロック、さらにはしっとりと聴かせるナンバーまで、非常に直情的なロックンロールが様々なサウンドと肩を組み化学反応を起こして並ぶ。

ジャケットはカジノの煌びやかで眩しい世界を思わせるギラギラしたイメージ。「いつか大きな偉業を成してやる!」と言わんばかりのアルバムは旅路の1枚でもある。

飛び出していく1曲に始まり、手を取り合う「Hands」へと向かうなかで、君の存在を想い、空を見上げ、驚きに満ちた出会いをし、懐かしく故郷を想い、ちょっと寄り道もするけれど、未来へと想いを馳せ、夢の列車に乗り込む。当時のFLOWが夢中で駆けている様が浮かぶアルバムの構成に、力強く地を踏みしめ、空へと音を放つ彼らの想いを感じる。足踏みするくらいなら前へと踏み出そう。そんなメッセージが息づく、若きFLOWの雄たけびを聴け!

TEXT BY えびさわなち

『GAME』
2004年5月26日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:KSCL-777~778
価格:¥3,048+税

【通常盤(CD)】
品番:KSCL-862
価格:¥2,800+税

<CD>
01. GO!!!
02. ブラスター
03. 流星
04. Without you
05. 太陽
06. Surprise
07. ノスタルジア
08. シャリララ
09. 集中治療室 -I.C.U.-
10. MC2=E
11. その先には・・・
12. ドリームエクスプレス
13. Hand

<DVD>
2002~2003年のFLOW LIVE HISTORYを収録


●公演情報
FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
Vol.2「GAME」
10月26日(土)配信

FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
2020年9月26日(土)配信:SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~
2020年10月26日(月)配信:GAME
2020年11月26日(木)配信:Golden Coast
2020年12月26日(土)配信:アイル
2021年1月26日(火)配信:#5
2021年2月26日(金)配信:MICROCOSM
2021年3月26日(金)配信:BLACK&WHITE
2021年4月26日(月)配信:FLOW THE MAX!!!
2021年5月26日(水)配信:26 a Go Go!!!
2021年6月26日(土)配信:#10
2021年7月26日(月)配信:TRBALYTHM
2021年8月26日(木)配信:???

●リリース情報
FLOWニューシングル
「新世界」
1月13日発売

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1679
価格:¥1,200+税

【初回生産限定盤(CD+Blu-ray+グッズ)】
品番:VVCL-1676~1678
価格:¥3,000+税

TVアニメ『シャドウバース』OPテーマ
「新世界」
先行配信中
配信はこちら

●ライブ情報
FLOW THE CARNIVAL 2021 ~新世界~
2021年1月16日(土)
会場:LINE CUBE SHIBUYA
OPEN/START:17:00/18:00
チケット代・券種:指定席チケット:前売り6,600円 当日7,100円
配信チケット:3,300円

<指定席チケット>
受付日時:2020年12月5日(土)10:00 〜 2021年1月5日(火)22:00
受付はこちら

<配信チケットスケジュール>
受付日時:2020年11月26日(木)10:00 〜 2021年1月17日(日)18:00
受付はこちら

※イベント詳細はFLOW 公式サイトにてご確認ください

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