REPORT
2020.11.10
「アイドルマスター シャイニーカラーズ」の有料無観客配信イベント「THE IDOLM@STER SHINY COLORS MUSIC DAWN」が2020年10月31日~11月1日に開催。今回は1日に開催されたDAY2をレポートする。
DAY2にはイルミネーションスターズより櫻木真乃役の関根 瞳、風野灯織役の近藤玲奈、八宮めぐる役の峯田茉優、アンティーカより月岡恋鐘役の礒部花凜、田中摩美々役の菅沼千紗、白瀬咲耶役の八巻アンナ、三峰結華役の成海瑠奈、幽谷霧子役の結名美月、放課後クライマックスガールズより小宮果穂役の河野ひより、園田智代子役の白石晴香、西城樹里役の永井真里子、杜野凛世役の丸岡和佳奈、有栖川夏葉役の涼本あきほ、アルストロメリアより大崎甘奈役の黒木ほの香、大崎甜花役の前川涼子、桑山千雪役の芝崎典子、ストレイライトより芹沢あさひ役の田中有紀、黛 冬優子役の幸村恵理、和泉愛依役の北原沙弥香、ノクチルより浅倉 透役の和久井 優、福丸小糸役の田嶌紗蘭、市川雛菜役の岡咲美保が出演。DAY2の司会進行は283プロダクション事務員・七草はづき役の山村 響と「シャイニーカラーズ」高山祐介プロデューサーが担当した。
前説にはメインスクリーンに七草はづきがシルエットで登場。おそらく会場からの生ナレーションで、第一声の前にすぅっと息を吸う息づかいまで感じられる。のんびりした口調で諸注意を行なうと、協賛企業紹介を経てカメラは現実の会場へ。
司会進行の高山Pと山村は、ステージの上手下手から歩いて登場。大規模なホールに現実のライブさながらのセッティングを行なった会場の様子や、音楽の夜明けという番組コンセプトを紹介した。山村のなめらかなトークは耳に心地良く、前日の津田健次郎のウィットに富んだ深い低音とのギャップが楽しい。DAY2のステージには6ユニット23人のうち22人が参加。前日のDAY1が初ステージとなったノクチルの土屋(樋口)がいないことで、DAY2はどう変化するのか。オープニングに出演者が揃うと、関根が代表して「プロデューサーさんの声と想いをたくさん届けてくださいね。約束ですよ!」と力強く、頼もしく挨拶を行なった。
ライブトップバッターは前日に続きストレイライトから。楽曲は初披露の「Hide & Attack」! ソロパートを歌唱するアイドルの姿がスクリーンに電光の描線で描き出される。3人の不敵とも言える強く鋭い表情が印象的で、瞳を爛々と輝かせた北原の躍動は美しき肉食獣を思わせた。背中を向けたダンスのバックショットや、見下ろすような幸村の表情にはつややかさも覗く。そして、田中の堂々たる歌唱に漂うエースの風格。間奏のダイナミックすぎるサイドキック一閃からのダンス無双は圧巻と言ってもいいクオリティだった。
激しすぎるパフォーマンスから、息次ぐ間もなく「Transcending The World」へ。2曲目も前日にはなかった楽曲で、DAY1・DAY2で別のセットリストを作ってきた。3人の強さ、かっこよさの質の違いがストレイの魅力で、活き活きとした表情の北原がパフォーマンスを牽引していく。カメラに寄っていって、シャウトした北原がレンズを蹴飛ばすようなアクションの鮮やかさたるや。カメラワークも攻めていて、ドローンカメラの不安定なゆらぎが臨場感に繋がっていた。カメラが引くと、あまり映ることがないサイドの2階席までびっしりと並べられたサイリウムの発光が遠隔でコントロールされていることがわかる。畳みかけの前、幸村のささやくようなキャラクターボイスの“いつまでもそばにいるよ”のフレーズがとても印象的で、絶妙なアクセントと緩急を生んでいた。
トークでは幸村が、「Hide & Attack」の和テイストのかっこよさの中にセクシーさや優雅な舞といった多彩な魅力があることを紹介すると、「2年目の新しいストレイライトを見せられたと思います」と宣言。北原は“魅せる、かっこいいをどれだけ突き詰められるか”がコンセプトだったと語り、司会陣からかっこよかったと言われた3人は本当に嬉しそうな笑顔を見せていた。
DAY2のアンティーカは、彼女たちの代名詞とも言える楽曲「バベルシティ・グレイス」から。歌い出しの表情と歌声、存在のすべてを使って世界と空気を作れる礒部花凜という存在はやはりスペシャルだ。そこから成海と八巻の力強さ、菅沼と結名の表現力がアンティーカの旋律を形作っていく。2番は結名の繊細で芯の強い歌声から入ることで雰囲気ががらっと変わる。前日は菅沼の叫びに驚かされたが、今度は八巻が「準備はいいかい? いくぞ!!」と鮮烈な煽りを響かせていた。
「ラビリンス・レジスタンス」はこれまでリリースイベントのみで披露されていた曲で、多くのプロデューサーにとってはライブ初見だろう。暗転した照明の中、フォーメーションを変える5人の衣擦れの音が聞こえてくるのは無観客ライブならではだ。パフォーマンスはメリハリの効いたダンスと情念と感情を濃く感じさせるボーカルが印象的で、かっこよさの中に切なくなるような訴えかけるニュアンスがある。縦一列に並んでのシンクロしたダンスを花道から抜いて映し出したり、ソロパートを担当するアイドルのシルエットをスクリーンの額縁に収めたりとアンティーカらしい演出も。ラスト、カメラに背を向けてキメる5人の後ろ姿がとてもスタイリッシュだった。
トークでは高山Pからスチームパンクというアンティーカのコンセプトの話も。「ラビリンス・レジスタンス」については結名が、ダンスの難度の高さや絶望というテーマについて、振付や表情をメンバー同士で相談しながら作り込んだことを語っていた。そして、「頑張ったね、よくできました」といった具合に、仲間たちのトークに礒部が声をかけていたのが印象的だった。
アルストロメリアはユニット名を曲名に冠した「アルストロメリア」を披露。アルストロメリアの花言葉には“幸い”“気配り”といったものがある。腰に手を当て、スカートをつまんだ3人が美しい立ち姿を見せると、三様の満開の笑顔のアップへ。DAY1に比べて少し柔らかくリラックスした表情をしているようにも見える。センターステージのユニットロゴの上でキュートに歌い踊る3人の可憐なパフォーマンスはキャラクターボイスでの歌唱の1つの完成形で、“ニヒリズム”や“ペシミズム”といった単語をかわいく一生懸命に歌う甜花や、悪戯っぽく歌う甘奈の姿が目に浮かぶようだ。落ちサビでソロを歌いきったあとの芝崎が全身で楽しそうにリズムを取っている様子からは、ちょっとはしゃいだ千雪が感じられた。アルストロメリアはセンターステージでのパフォーマンスが多いが、3人の並びを近距離で見上げるアングルがすごく絵になる感じや、ぎゅっと寄り集まってダンスを見せる表現はセンターステージで見せたくなるのがわかる気がする。
「Love Addiction」のサウンドは一言でいえばおしゃれ。足元のサークルにハートが乱れ飛ぶなか、キュートでポップなステージを繰り広げる。歌詞の世界を表情や身振りで表現することにかけては黒木の独壇場という感じだ。間奏で芝崎が二人を呼び寄せると、3人一緒にちょこまかと可憐なステップで魅せていた。甘い魅力を凝縮したようなステージを山村は「上質なミルフィーユみたい」と表現していた。
トークで芝崎が息が上がってしまうのを抑えていたと語っていたが、本番ではそれをまったく感じさせないことに努力を感じた。黒木が「(「シャニマス」は)ライブってもっとしたほうがいいと思います。また来週やりたい!」と無邪気に語っていたが、観ているプロデューサーたち誰もが同じ気持ちだったのではないだろうか。
放課後クライマックスガールズは「夢咲きAfter school」から。曲頭の河野の“えびばでぃれっつごー!”がいつも以上に弾むようにリズミカルで、“喜”の感情が溢れてくるようだ。無観客をものともしないパワーいっぱいの5人。一度目の“なんばーわん!”は河野の叫びのキラキラのエナジーが会場をいっぱいに満たした。カメラはパート割に合わせてソロパートやデュオパートを丁寧に拾っていき、涼本と永井の背中合わせのキメの見せ場もバッチリフォローしていた。
この曲で2度目の“なんばーわん!”は本来会場のプロデューサーが大合唱するのだが、河野の「せーの!」の声に合わせて5人の叫びを薄くオケに乗せることで、空白ができる寂しさを消しながら、画面の前でプロデューサーたちが一緒に叫ぶ余地を残していた。間奏の上体を反らすようなダンスはぐいーんと雄大。無敵の熱さにエモさをひとさじ、まさに五色爆発のクライマックスだった。
「よりみちサンセット」はラップテイストの楽しくも切ない楽曲で、翌日の楽しい1日に向けたキラキラの期待感と、楽しい1日が終わってしまう寂寥感の両方がこもっている。2日間通して5人が熱くて楽しい楽曲を歌ってきたことが、そのままこの曲の前振りになっている感じだ。オレンジに染まった街並みをバックに歌い踊る姿はまさに「放課後」の終わりの時間をそのまま切り取ったよう。この黄金色の時間が、ずっと続けばいいのに。やがて日は落ち、空には星が。ラップすらも優雅な丸岡が、凛世なりの気持ちの高まりを弾む歌声に込める。やがて空に輝く星が、5人のイメージカラーの5色の星になる。言葉にするのが難しい喜怒哀楽を駆け回った4人は、エアギターとちょっと気取ったキメポーズでステージを締め括った。
トークで涼本が、今日の2曲を周りに楽しさを伝えたくなる曲、自分の中で楽しかったと噛みしめるような曲、と表現していたのが印象に残った。丸岡が「よりみちサンセット」について語った「お別れの時間の寂しさが、もう終わっちゃうんだというライブの時間の気持ちとリンクしてるみたい」という言葉がまさにそれと膝を打つ感覚だった。
真っ暗な中から、関根の光に満ちたウィスパーが響き渡り、スクリーンにイルミネーションスターズのロゴが浮かび上がる。「ヒカリのdestination」だ。3人で円陣を組み、近藤と峯田の顔を見回す関根の表情がとびっきり嬉しそうで、大きな瞳がこぼれ落ちてしまいそうに表情豊かだ。何かが始まる期待感で躍動するようなパフォーマンスは、作品を牽引する立場からはちょっと離れた、等身大の3人の輝きを感じさせた。二番で近藤と峯田がソロパートをリードすると楽曲のカラーがまた変わるのは、イルミネの魅力の1つだろう。
スクリーンに流れ星が舞う中「トライアングル」へ。温かくおだやかな楽曲の中で、かすかな寂しさと、その先に続いていく何かを感じさせるところは、放課後クライマックスガールズの「よりみちサンセット」にもどこか通じる気がする。歌詞に合わせてちょっとふくれっ面で歌っていた峯田が“当たり前になってく”のフレーズのあとにこぼす微笑みがあまりにも柔らかく優しい。近藤の眼差し高く、遠くを見つめるような瞳。落ちサビの関根のソロはとてもおだやかで楽しそうで、語りかけるように歌うという表現がぴったりくる感じだった。
トークでは3人がお互いに「とびっきりの笑顔をありがとう」と笑い合う姿がとても幸せな光景だった。3人の言葉からはずっと歌い続けてきた「ヒカリのdestination」への思い入れの深さが感じられた。近藤が3人の始まりに絡めて、「またここから、ノクチルという新しい色が加わったシャニマスが始まっていくんだなと実感しました」と作品全体を見渡したコメントをしていたのが印象的だった。
ユニットラストはノクチル。前述した通りDAY2は、樋口円香役の土屋李央がいない、和久井、田嶌、岡咲3人のステージだ。
ノクチルのステージは会場に響く樋口の「ずっと、ずっと一緒にいられるよ。ステージに出なくたって」と独白するようなモノローグからスタート。樋口が「浅倉、小糸、雛菜。任せた」と続けると、ピンスポットに照らし出された和久井が微笑みながら「任された」とシンプルにさっぱりとアンサー。メンバーの不在そのものにフォーカスして物語に昇華させる演出にゾクリとさせられた。何か、すごいステージが始まろうとしている。
「いつだって僕らは」は4人対称の立ち位置やパート割を3人に振り直すのではなく、立ち位置はそのまま、土屋と樋口の不在をあるがままに見せていく。土屋の担当ソロパートでは、オケに彼女のボーカルを薄く乗せた。4人から3人になり、バランスとして高音成分が増えることで、サビ全体のバランスがくっきりと変わる。田嶌と岡咲という声質と歌声のキャラクター性がとびきり強い2人の歌声が際立つが、それでもなお、和久井のソロパートののびやかさと透明感は鮮やか。浅倉 透という存在がどれだけ特別であるかを伝えてくる説得力がある。
間奏で顔を見合わせた3人は全力疾走で、花道をセンターステージへと駆けていく。LEDによる映像を仕込んだセンターステージでは水面が揺れる。あ!と声が出てしまったのは、前日4人を内側から映し出していたカメラが、この日はステージにいないもう一人、土屋(樋口)の視点から3人を映し出していたことだ。そして俯瞰のクレーンカメラが、一人欠けたノクチルが歌い合う姿をあるがままに映し出す。3人を上空から映し出すドローンカメラの映像が白飛びした感じがまるで光り輝いているようで、そこに3人の“光れ!!”の歌声が重なったのは最高の演出だった。
ノクチルのロゴとともに「あの花のように」へ。土屋のパートは小さめにオケに乗せてあるのはそのままだが、隣り合った立ち位置の田嶌の口元が一緒に歌う形で動いているのがグッとくる。ノクチルの4人を誰よりも大切に想っているのは多分雛菜だし、円香がいなければ誰よりも頑張るのは小糸だろう……というような物語が、ステージの向こうに見える。それは誰よりも時間をかけて初ステージに辿りついた彼女たちの特権と言えるかもしれない。
ノクチルのトークでは、「円香の存在を一番感じながらやるんだ!と決めていました」「昨日よりもっとという気持ちを込めて歌いました。円香ちゃんに任されたので、任せろ!という気持ちで」と、もう一人のかけがえのない仲間への想いが伝わってくる言葉が多かった。和久井の「(3人だからこそ)今日は昨日以上の絆を見せられたんじゃないかと思います」という言葉が心に残った。
告知のコーナーでは、様々な発表が行われた。なかでも大きなトピックは、ソロ楽曲を収録したCDアルバムの制作決定の発表だろう。23人のアイドルをTeam.Stella、Team.Luna、Team.Solの3チームに分けてアルバムを制作する。『THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Stella-』が2021年1月20日、『THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Luna-』が2021年2月17日、『THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -So-l』が2021年3月10日に発売される。また、今回の番組を収録した映像商品が2021年春にリリースされることが明かされた。
告知を挟んで後半戦は、今回の番組のためにユニットを越えて結成された混合シャッフルメンバーによるメドレーだ。背中にMUSIC DAWNのロゴが入ったミリタリー風ジャケットの共通衣装に着替えたアイドルたちがフルサイズでメドレーを行った。
「SWEET♡STEP」は近藤、礒部、八巻、白石、幸村、田嶌の6人で、近藤と八巻、白石と幸村、礒部と田嶌の2人ずつがペアのような動きを見せる。ユニットのイメージはコミカルキュートな感じ。楽曲に寄せていくことで、特に普段と違う表現を感じさせたのが近藤と八巻で、普段はクールでかっこよさを感じさせる二人がとびっきりのかわいさを見せた。“ねえこっち来て”のフレーズに合わせて上手に、下手に、そして正面にアピールする様子をカメラを切り替えながら丁寧に追っていく。振付や見せ方にもキュートさが散りばめられていて、落ちサビの歌い継ぎで幸村が見せたウィンクがバチッと決まっていた。最後は全員が手元でハートを作ったポーズを見せたのだが、近藤だけ両腕全体を使って大きなハートを作っていたのがちょっと面白かった。
「Let’s get a chance」は峯田、成海、黒木、涼本、岡咲の5人編成で、飛び跳ねるようにステージに登場。峯田がセンターで、黒木と岡咲、成海と涼本がペアの動きを見せる。ペアの二人が見つめ合ってから、自分たちを追うカメラに気づいて一緒にアピールするわちゃわちゃした感じが楽しい。印象的だったのは峯田があまりにセンターにハマっていて、キラキラした太陽のようなめぐるは真ん中がとても似合うということだ。終盤のソロパートで峯田の背後にあるスクリーンにめぐるが映っていたのだが、望遠レンズの圧縮効果もあって、峯田が八宮めぐるという存在を背負って歌っているように見えた。ラストは5人が合唱する“wow wow yeah yeah”の声が、広大な会場の隅々まで響き渡っていた。
「SNOW FLAKES MEMORIES」は菅沼、芝崎、永井、田中、和久井の5人編成。前日初ステージを踏んだばかりの和久井がセンターなことに驚くが、和久井と浅倉という存在にはそれが自然に感じるだけの説得力がある。キャラクター(アイドル)目線で見れば引率の千雪の苦労がしのばれる個性派集団だ。
鐘の音の中、白い光の中おごそかに歌う始まりは舞台劇のようで、歌い出しは永井から菅沼へと歌い継いでいく。樹里はボーイッシュなイメージが強いが、聴かせるエモーショナルなパートもこなせるのは放課後ファンにはお馴染みだろう。菅沼は肩を出すアレンジをしたジャケットの着こなしが印象的で、“オシャレをするみたいに”のパートでソロを担当していたのはにやりとさせられた。田中はニコニコしながら楽しそうにパフォーマンスしていて、ストレイライトでのソリッドなパフォーマンスとの落差が新鮮だ。芝崎は彼女のキラキラの笑顔がそこにあるだけで温かく、冬の曲にほっとするような体温を与えてくれた。和久井はこの5人の真ん中で一見涼しい顔でセンターをしているのがまさに浅倉という感じで、Pa! Pa! Pa!に合わせて楽しそうにポーズを取る姿が印象的。白いピンスポットの中ソロパートで透明感のある歌声を響かせていた。
「FUTURITY SMILE」は関根瞳、結名美月、前川涼子、丸岡和佳奈、北原沙弥香、河野ひよりの6人編成。前日土屋李央が担当したパートに河野が入った。歌い出しが落ち着いたトーンの土屋から、元気さと純粋さにあふれた河野に変わることで楽曲全体の雰囲気が変わる。河野はしんみりと優しく、気持ちのこもった歌声を響かせた。北原のあたたかく優しく笑いかけながら歌う姿は普段の等身大の愛依を感じさせる。舞うような動きが誰より似合う丸岡の優雅な微笑み。「どうすれば変われるのかを考えて過ごしていたの」の甜花の心情を感じさせるパートを歌う前川には特に気持ちが入っているように見えた。結名のソロパートの優しく包み込むような歌声。関根は全体としてはどちらかといえば控えめと言っていいぐらい、6人の一員として溶けこんでいるのだが、落ちサビのロングソロでカメラに抜かれると存在感が一気にふくらむ。カメラを優しくのぞきこみ、語りかけるような歌唱から、花が咲くように笑顔がこぼれた。
「FUTURITY SMILE」終わりのトークパートでは、DAY2で初めてメドレーに参加した河野が「昨日歌った李央ちゃんから受けついで同じパートを歌ったので、果穂ちゃんらしさを考えながら歌いました」と語っていた。
最後の衣装チェンジの間には、山村による応援メッセージの読み上げや、ライブ(番組)の1日を振り返る輝かしい思い出の映像が流された。映像では本番前に全員で円陣を組む姿やアイドルたちの足元をアップで抜いた印象的なカットなど、本番とはまた違う光景の数々を楽しむことができた。
現地に映像が戻ると、メインステージに22人のアイドルが勢揃い。衣装は2周年を記念したサンセットスカイパッセージだ。曲は「シャイニーカラーズ」始まりの全体曲である「Spread the Wings!!」。楽しそうな笑顔の花が咲くステージ。その真ん中で、いつもおだやかに強く、優しく笑っているのが関根と櫻木のセンターとしての在り方なのだろう。スクリーンでは空から花びらのように羽が舞い散り、雲のハートの向こうに星々がきらめく。ステージの22人からは、待ち続けたステージで仲間たちと一緒に歌う喜びが輝きになって放たれていた。
代表して意気込みを聞かれた関根は、これからも最高を更新し続けていきたいと宣言すると、「プロデューサーさん、精いっぱいの先に、一緒に羽ばたいていきましょう!」と締め括った。
2日間のラストを飾るナンバーは「シャイノグラフィ」。最新の、これからの「シャニマス」を象徴する全体曲だ。夜明けのオレンジの空をバックに、イルミネーションスターズ、アンティーカ、放課後クライマックスガールズ、アルストロメリア、ストレイライトがユニットごとに順番に映し出されていく。ノクチルは2番で満を持して登場。22人の歌唱の中でも、田嶌と岡咲の特徴的で魅力的な歌声はしっかりと効いている。ステージサイドから歌っているメンバーの背後へとぐいんと回り込み、22人のバックショット越しに大会場を見せるカメラワークは新しい視座だ。
スクリーンの映像は美しい空に、そして夜明けのオレンジに。印象的な歌詞の数々を映し出すスクリーン。いつしか会場に真っ白な羽が舞い散る中、スクリーンに「My Shinography 光空記録」の文字と番組ロゴがバーンと現れる様子は、まるで劇場映画のクライマックスのようだった。
約1年ぶりの会場でのライブ。5月の“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 2ndLIVE STEP INTO THE SUNSET SKY”で見ることが叶わなかった夕暮れから半年、新たな仲間と共にまたここから始めるという決意を感じる夜明けの番組だった。
最後は、関根が音頭を取っての「これからもアイマスですよ、アイマス!!」の大合唱で締め。祝福の銀テープが会場に舞うなか、ステージではありがとうの声とともににぎにぎしく大騒ぎ。峯田や北原が遠くまで届けとばかりにぴょんぴょんと飛び跳ねる姿を遠くに見ながら、番組は幸せに幕を閉じた。
TEXT BY 中里キリ
THE IDOLM@STER SHINY COLORS MUSIC DAWN DAY2
2020.11.01.(ONLINE) セットリスト
01. Hide & Attack/ストレイライト(田中 有紀、幸村 恵理、北原 沙弥香)
02. Transcending The World/ストレイライト(田中 有紀、幸村 恵理、北原 沙弥香)
03. バベルシティ・グレイス/アンティ―カ(礒部 花凜、菅沼 千紗、成海 瑠奈、八巻 アンナ、結名 美月)
04. ラビリンス・レジスタンス/アンティ―カ(礒部花凜、菅沼 千紗、成海 瑠奈、八巻 アンナ、結名 美月)
05. アルストロメリア/アルストロメリア(黒木 ほの香、前川 涼子、芝崎 典子)
06. Love Addiction/アルストロメリア(黒木 ほの香、前川 涼子、芝崎 典子)
07. 夢咲きAfter school/放課後クライマックスガールズ(河野 ひより、白石 晴香、永井 真里子、丸岡 和佳奈、涼本 あきほ)
08. よりみちサンセット/放課後クライマックスガールズ(河野 ひより、白石 晴香、永井 真里子、丸岡 和佳奈、涼本 あきほ)
09. ヒカリのdestination/イルミネーションスターズ(関根 瞳、近藤 玲奈、峯田 茉優)
10. トライアングル/イルミネーションスターズ(関根 瞳、近藤 玲奈、峯田 茉優)
11. いつだって僕らは/ノクチル(和久井 優、田嶌 紗蘭、岡咲 美保)
12. あの花のように/ノクチル(和久井 優、田嶌 紗蘭、岡咲 美保)
13. SWEET♡STEP/近藤玲奈、礒部花凜、八巻アンナ、白石晴香、幸村恵理、田嶌紗蘭
14. Let’s get a chance/峯田茉優、成海瑠奈、黒木ほの香、涼本あきほ、岡咲美保
15. SNOW FLAKES MEMORIES/菅沼千紗、芝崎典子、永井真里子、田中有紀、和久井優
16. FUTURITY SMILE/関根瞳、結名美月、前川涼子、丸岡和佳奈、北原沙弥香、河野ひより
17. Spread the Wings!!/SHINYCOLORS
18. シャイノグラフィ/SHINYCOLORS
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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