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INTERVIEW

2020.11.03

『キミ戦』らしさと自分らしさを両立させた5thシングルをリリース!石原夏織「Against.」インタビュー

『キミ戦』らしさと自分らしさを両立させた5thシングルをリリース!石原夏織「Against.」インタビュー

声優・石原夏織が、11月4日に5thシングル「Against.」をリリース。表題曲は、自身も音々・アルカストーネ役で出演する、TVアニメ『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦(以下、キミ戦)』のOPテーマに起用された、ダンサブルでシリアスなナンバー。楽曲のみならずMVからも作品にも寄り添った一方で、“石原夏織”らしさも大事にしたというこの曲や、来年2月に控えるワンマンライブなどについて、じっくり語ってもらった。

楽曲もMVも……今まで以上に作品と接近した1曲に

――まずは「Against.」がオープニングを飾る、『キミ戦』という作品への印象をお教えいただきたいのですが。

石原夏織 胸にぐっとくるところもありつつすごく笑えるところもあって、緊張と緩和のバランスがいい、観ていてすごく楽しい作品だなと感じています。『キミ戦』は国同士が長年争っているなかで、イスカとアリスという二人の登場人物が戦いをとおして、お互い惹かれ合っていく作品です。戦いのなかで切なさを感じたりもする一方で、その二人のやり取りが結構コミカルだったりします。あと、私が演じさせていただいている音々ちゃんも属しているN07部隊というチームにも戦いのシーンや悩んだりしている場面はありますが、いい塩梅で朗らかで楽しそうにやっている印象です。

――「Against.」は、そんな『キミ戦』とガッチリ結びついた曲という印象です。

石原 今回は、楽曲の中に作品の要素を組み込めたらと思って制作に入っていきました。なので、イスカとアリスのちょっと切ない関係性と戦いのかっこよさの両方を表現できるような曲を、まずコンペで集めさせていただきました。

――最初に聴いたとき、最初に作品との繋がりを感じたのは楽曲のどんな部分でしたか?

石原 私も曲を選ぶ段階から入らせていただいていたので、最初に聴いたのは1コーラスだけでしたが、サビの伸びやかに歌い上げる部分で切なさを爆発させられそうだなと思いました。そういう部分から、作品の切ない想いを表現できそうだと感じられました。それにこの曲は、自分の楽曲でもあるので、“石原夏織らしさ”という視点からも考えて選ばせていただいた曲です。

――ご自身らしさは、どういう部分から感じられましたか?

石原 ダンスが映えそうだったり、あとは自分の中で結構大事にしている、ちょっと懐かしさがあったりするところです。

――そのほかにも、お気に入りの部分はあるのでしょうか。

石原 冒頭や間奏に何度か出てくる“Shalala…”というフレーズが、すごくお気に入りです。作品との結びつきのほかに、“1回聴くだけで忘れられなくなる”というのがとても重要だなと思っていまして。仮歌詞の段階から、ここのフレーズはすごく印象に残っていました。

――そして曲を選ばれたあとに、正式な歌詞がつけられたわけですが。

石原 歌詞も、『キミ戦』のOPとして書いていただきました。イスカとアリスの関係性や心情を描いていただいているので、今まで以上に、作品に寄り添った曲を作れたんじゃないかなと思っています。

――この「Against.」というタイトルには最後に「.(ピリオド)」がついていますが、「Against」で終わる文って珍しいですよね。

石原 そのピリオドには、戦いを終わらせることが目的の『キミ戦』という作品になぞらえて、「抗った結果、終わらせる」という意味があるんです。音にはまったく乗らないものではありますが、作品要素を入れていただいています。

――そんな楽曲を表現する際、レコーディングでは特にどんな部分にこだわられましたか?

石原 それこそ先ほどお話した“Shalala…”の歌い方です。「かっこよさ」のバランスにはこだわりました。

――その部分、イントロで入ってくるシンセストリングスと合わさったときのバランスが、非常にいいように感じました。

石原 ありがとうございます!ちょっとゆるめにしてみたり、3~4パターンぐらい歌ってみて、そのあとチームのみんなで意見をすり合わせていった結果、レコーディング前から自分からイメージしていたような、強すぎず弱すぎずというところを意識する方向に決まったんです。あとは「Against.」の“st”の言い方も、こだわったところです。

――“t”を立てたりとか?

石原 そうですね。最初は完成したものよりももうちょっと強めに歌っていたんですけど、こちらも同じようにいろいろなパターンを実際に歌っていきまして。押さえ込むにしても押し付けるんじゃなくて、軽やかに耳に入っていく感じを意識していって、若干聴こえるけど目立たないように……というのを目指していくことになりました。

――これら2つの部分も含めて、全体的に歌声から凛とした印象を感じました。それも歌う際に意識されたポイントだったのでしょうか?

石原 そうです!やっぱり、ただかっこいいだけの曲ではないとも思っていたので、端々で歌声をちょっとだけ抜いたりして、切なさとかいろいろな要素を出したかったんです。『キミ戦』の物語が進んでいくにつれて、もっと作品にハマってくれたら嬉しいです。

――そうしてアニメにも寄り添う曲でもあるのと同時に、先ほど“ご自身の楽曲でもある”というお話もあったので、曲として気に入られているポイントはあるのでは?

石原 そうですね、いろんないいところがあるけど……1サビと大サビに出てくる“叶えるためにそうAgainst. 迷いはしないそうAgainst.”というフレーズが、特に好きです。夢とか目標を叶えるなかで、例えば一瞬不安になったり迷ったりしたとしても、お風呂の中とかで「でも最終目的はこれだから、これは合ってる!」みたいに考えることが多いので、歌いながら自分の感情にすごく近いなぁ……って感じたので、この歌詞はすごく刺さりました。

――迷っても最後には貫いていく芯の強さみたいなところが、もしかしたら石原さんに結びつく要素なのかもしれませんね。

石原 そうかもしれないです。だからいつも以上にレコーディングまでにイメージをつけやすかったり、歌いやすかったりしたのかもしれないです。

――そしてこの曲のMVにも、『キミ戦』に寄り添った要素が多いとお聞きしたのですが。

石原 戦ったりしているわけではないんですけど(笑)、抽象的に抗ったり対抗するような表現を取り入れていまして。MV中の赤と青は『キミ戦』のカラーでもあるんです。

――アニメにも寄り添ったという点で、これまでのMVとの違いを感じた部分はありましたか?

石原 ダンスと演技が一緒になったような振り付けになったのは、今回が初めてだったように思います。今までだったら1曲まるごと振り付けパートがあったんですけど、今回はサビに決まった振り付けがある以外は、歌詞に沿ったものになっています。

――例えば、2サビ明けのダンスシーンでダンサーさんとのやり取りがある部分とか?

石原 そうなんです。あそこは完全に抗っている部分なんですけど、振付というのか演技というのか……という感覚で、なんだか不思議な気持ちになりました。

――不思議な気持ちですか?

石原 はい。踊っているけど演技しているような感じもして、だんだん舞台に立っているような気持ちになってきて……すごく好きな部分です。

――それ以外の部分の振付のイメージも、“抗う”という要素がメインに?

石原 そうですね。ダンスの先生も作品の雰囲気をお伝えしたら、『キミ戦』をチェックしてくださいまして。それで抗うような部分や、二人の関係がうまくいかない感じを汲んで、振り付けをつけていただきました。

――その切なさといった要素は、石原さんの表情にもかなり表れていたように感じました。

石原 元々そういうふうに表現しようと考えてもいたんですけど、歌詞を頭に入れていくなかで、セリフじゃないですけど言葉からその時々の気持ちを考えていったらすごく気持ちが入って……自然と、ああいう表情になっていました。

カップリング曲は、かわいいけれど等身大で、ちょっとリアル?

――一方、カップリング曲「You & I」は表題曲とだいぶテイストの違う、ポップでキュートな曲になりました。

石原 夏に出させていただいたアルバム『Water Drop』でたくさん新曲を歌わせていただいていたので、逆にすごく悩みました(笑)。それでチームのみんなと話し合って、「『Against.』ではかっこいい姿を見せたけど、かわいいのもできるよ」というところを見せたかったという気持ちから、かわいい曲を歌うことに決めました。

――ただ、ひとくちに“かわいい”といってもいろいろあるじゃないですか?この曲のようにストーリー性も持っていて少しリアリティもあるラブソングというのは、石原さんからのリクエスト?

石原 はい。今回の歌詞は「自分の年齢とかけ離れていないほうがいいな」と思ったんですよ。自分自身も、ファンのみんなも自分の年代と近かったりするので、できれば「あ、わかる!」と共感してもらいたかったんです。なので“リアルだけど、リアルじゃない”みたいな、絶妙な塩梅のものをお願いしました。

――特に女性ファンからは、共感の声がたくさん返ってきそうですね。

石原 発売前に試聴用のショートバージョンがUPされたんですけど、「今まさにこういう状況で、自分のことかと思いました!」みたいなコメントをいただいたりしています。そうやってリアルなところに共感して「ちょっと楽になったな」とか「すごく嬉しかった」と感じてもらえたならこの曲を制作した甲斐があるなと思うので、私も「なんてうれしいコメントなんだろう!」っていう気持ちです。

――石原さんご自身として、お気に入りの部分を挙げるなら?

石原 私、管楽器のアレンジが結構好きで、「もっと管楽器をふんだんに使った曲を歌えたらいいなぁ」という想いを叶えられたのが、まず嬉しかったところですね。あとは、「楽しくなれるし耳残りもいいし、みんなとライブで歌ったらすごく楽しいんだろうなぁ」という印象を受けた、何度も出てくる“Question Question …”っていうフレーズです。そこが、この歌を選ぶ決め手になりました。

――たしかに、ライブにはすごく似合う曲になりそうですよね。それも終盤に。

石原 私もこの曲、アンコールにすごく向いてそうって感じてます。ただこれは私の印象なので、どうなるかはライブを楽しみにしていてほしいです(笑)。

――そういった華やかなサウンドも頭に入れてレコーディングに臨まれたと思うのですが、歌うときにはどんな部分を意識されましたか?

石原 「この歌詞の主人公になろう!」と思い、喋るように歌おうと決めてレコーディングに臨みました。だから「一生懸命歌おう!」というよりは、曲に寄り添って歌っていく、というところを結構意識していたかもしれません。

――となると、ライブでお客さんを前にしたときには、気持ちの流れや歌い方も少し変わってくるかもしれませんね。

石原 この曲はテンションが上がってきそうなので、だんだん「たのしー!」っていう気持ちのほうにシフトしていっちゃうかもしれないですけど(笑)。

次のワンマンでも、ファンとの心の距離の近い演出ができたら

――ライブといえば、来年2月にパシフィコ横浜で2nd Live” MAKE SMILE”を開催されることが発表されました。

石原 パシフィコ横浜という会場は今まで何度も立たせていただいたすごく思い入れのある場所なので、まずはそこに立てること自体が嬉しいです!

――ワンマンライブは1stツアー以来約1年ぶりとなります。少々先のお話ではありますが、今やってみたいことはありますか?

石原 えー!?何ができるんだろう……?火……?

――火!?

石原 1stツアーのときにチームのみんなで、「ファイナルの中野サンプラザで、火を出したいなぁ」みたいなことを言っていたんです。でも、まずはファンのみんなとの心の距離が近いアーティストになりたいという想いがあるので、みんなが「嬉しい!」って感じてくれるような演出をできたらいいなぁ……と個人的には思っています。

――ツアー以降リリースも重ねられているので、持ち歌の数もだいぶ増えました。

石原 アルバム『Water Drop』と今回の「Against.」で合わせて10曲も楽曲が増えているので、その曲たちだけでも今までと違う雰囲気が出せるんじゃないかな?と思っています。何より、まだ歌えていない新曲たちを歌えること自体がすごく楽しみです。……曲を覚えるのが、大丈夫かな?って心配なところもありますけど(笑)。でも新曲を披露するとファンの皆さんが曲ごとにどんな反応をするのかを直接知ることができるので、すごく楽しみです。

――石原さんは、いろいろセットリストに意見を出されるほうですか?

石原 いや、私自身はそこまで言うタイプではなくて、最初にたたき台をいただいてから「この曲を入れたいです」というように意見も出させていただきます。なので、私自身もどんなセットリストになるか楽しみにしています。皆さんもぜひ、ライブを楽しみに待っていていただけたら何より嬉しいです!

INTERVIEW &TEXT BY 須永兼次


●リリース情報
5thシングル
「Against.」
11月4日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:PCCG-01945
価格:¥1,750+税

<収録内容>
M1. Against.(TVアニメ『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』OP主題歌)
作詞:藤林聖子 作曲:浦島健太・H.Shing 編曲: TETTA・H.Shing
M2. You & I
作詞:日南田あおば 作曲:本田正樹 編曲:やしきん
M3. Against. Instrumental
M4. You & I Instrumental

<DVD>
・「Against.」MUSIC VIDEO
・「Against.」MUSIC VIDEO MAKING 収録のDVD付き

【通常盤(CD)】

品番:PCCG-01946
定価:¥1,250+税

<収録内容>
M1. Against.
M2. You & I
M3. Against.TV size ver.
M4. Against. Instrumental
M5. You & I Instrumental

初回限定盤・通常盤 共通特典(初回製造分のみ)
2021年2月20日(土)開催!石原夏織 2nd LIVE 「MAKE SMILE」チケット優先販売申込券 封入!
※応募者多数の場合は抽選となります。
※応募〆切は、2020年12月22日(火)23:59となります。

●ライブ情報
2nd LIVE「MAKE SMILE」
2021年2月20日(土)
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
チケット:¥7,200(税込)
※全席指定
※両公演共通
※未就学児童入場不可

開場 / 開演
[DAY] ※決定次第お知らせ致します。
[NIGHT]※決定次第お知らせ致します。

5thシングル「Against.」にチケット優先販売申込券封入!

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