リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2020.10.26

HoneyWorks初の両A面シングル3枚リリース!2枚目となる「シス×ラブ feat. 成海聖奈×成海萌奈(CV:雨宮天・夏川椎菜) / 水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈(CV:雨宮天)」リリースインタビュー

10代の胸躍る青春模様をハートフルな恋愛を、“告白実行委員会”シリーズのキャラクター群像劇を軸に届けてくれるHoneyWorks。Gom、shitoが綴るポップで心に響く楽曲と、ヤマコが描くキュートでハートウォーミングなイラスト&MVは、“青春”を知る全世代の人々を共感させている。そんなHoneyWorksが、8月からユニット史上初めての両A面シングル連続リリースを敢行中。10月21日にドロップされた第2弾シングルは、成海聖奈・萌奈の姉妹愛を描いた「シス×ラブ feat. 成海聖奈×成海萌奈(CV:雨宮天・夏川椎菜)」と、聖奈と濱中翠カップルの恋愛模様を聖奈視点から描いた「水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈(CV:雨宮天)」を収録。作詞・作曲を手がけるGomとshito、そしてイラストを手がけるヤマコの三人に楽曲制作エピソードを聞いた。

――9月にリリースされたCHiCO with HoneyWorksの最新アルバム『瞬く世界にiを揺らせ』のリードナンバー「幸せ。」に続いて、HoneyWorksのシングルも成海家キャラクターが主役になりましたね。

shito そうですね。

ヤマコ 成海家が過ぎますよね(笑)。

shito いや、それは(苦笑)。それには理由があって、チコハニの新曲も含めて連続でストーリーを楽しんでいただきたかったというのが一番ですね。僕らがずっと創作し続けてきた“告白実行委員会”シリーズは、ある学校を中心にした群像劇なので、今ではキャラクターがすごく増えているんですね。なので、推しキャラの曲が発表されるのを待っていると、1年、2年かかってしまうこともあるんです。なので、今回は短期間に聖奈、萌奈と成海家にまつわる楽曲を短期間でお届けしてワクワクしてほしくて……。

Gom 両A面にあえて、成海家の曲をカップリングしたんです。

――では、まずは「シス×ラブ feat. 成海聖奈×成海萌奈」のお話から。聖奈ちゃん、萌奈ちゃんの姉妹のデュエット曲は、初めてですね?

shito はい。今まで聖奈、萌奈一人ずつの曲はたくさんあって、それぞれのMVでも二人が絡んでいるシーンは描かれてきたんですけど、1曲で共演しているものはなかった。前からやりたかったんです。

――その聖奈、萌奈一人ずつの曲などでも、姉妹のお互いに対する愛情は端々に描かれていましたけど、皆さんは二人の関係性、どう感じてます?

ヤマコ モゲラッタが萌奈ちゃんを主人公にしたコミック「私、アイドル宣言」を描くときでも、たまに私にも相談してくることがあるんですね。聖奈ちゃんはアイドルとして頑張っている妹の萌奈ちゃんをとても応援しているし可愛がっていて、萌奈ちゃんはモデルの仕事も恋愛も頑張っているしっかり者のお姉ちゃんを尊敬していて……兄弟姉妹がいる人から見ても、憧れの姉妹だと思うんです、あの二人は。でも、モゲラッタとも自分がもしも萌奈ちゃんの立場だったらどうだろう?という話はよくしていて。可愛いお姉ちゃんにはすごく憧れるけど、完璧すぎてやっぱりちょっと悩むよなぁとか。

shito 比べられちゃいますからね、姉妹って。

ヤマコ そうなんです。憧れではあるけど、もやもやする感覚もある。そこがすごくリアルな関係だなと思いますね。萌奈ちゃんにもどこかお姉ちゃんに対するコンプレックスはあるし、その逆もあると思うけど、そういうなかでお互いに自分を見つけて強くなっていく過程が、かっこいい。自分は自分なんだと、意思を強く持って成長していくところが見られる二人っていいなと思います。

Gom それはありますね。

ヤマコ 「シス×ラブ feat. 成海聖奈×成海萌奈」のMV でも少し語られているんですけど、聖奈ちゃんも実は完璧じゃない。萌奈ちゃんが勝っているところもあるんですね。そこで二人の関係性のバランスを、描いていけたら楽しいなと思っています。

shito 僕もGomも男兄弟なんですけど、姉妹と兄弟ではまた付き合い方も違いますよね。成海家姉妹のような恋愛相談なんか、もってのほかですし(笑)。

Gom そうそう。男兄弟は仲が良くても、何でも話をする関係性じゃないよね。

ヤマコ そうですよね。私も兄が二人いますけど、ひっそり連絡を取るくらいで。私の友達の姉妹なんかは、めっちゃ仲良し。男の子からも、成海姉妹には憧れちゃうかも知れないですね。

――作曲はshitoさんが手がけたそうですが、こだわったところは?

shito 姉妹曲のデュエットなので、テンポ感にはこだわりましたね。速すぎず、遅すぎず、リズムを重視して。特にサビは交互に歌うので、メロディは同じように動いて、交互に歌うのがよりキャッチーですし。

Gom ハニワの曲で、ここまで交互に短いフレーズで掛け合っているのは、初めてかもしれないですね。Aメロ、Bメロではなく、サビで掛け合いをしている曲も珍しいと思います。

shito イメージしたのはSNSのやり取りで。

ヤマコ MVでもそういう演出をしていますね。

shito 個人的には、聖奈・萌奈を主役にした二次創作とかもやってほしい(笑)。

――可愛い姉妹のお話、楽しそうですね。歌詞のフレーズもテンポ感を意識しました?

shito そうですね。「~して」「~て」という韻を踏みつつ。

Gom パート分けはすごく気にしながら作りましたね。サビの交互の掛け合いの言葉は特に。

――聖奈ちゃん、萌奈ちゃんの似ているところと違っている性格、両方がわかる歌詞になっていますよね。初めて二人のキャラに触れる人への自己紹介にもなっているような。

shito そうですね。あえてそれぞれのキャラクターが、わかりやすいようには書いてます。今までも萌奈を主人公にした「No.1」や聖奈を主人公にした「ワタシノテンシ」で、二人のキャラクターをはっきりさせるために、「神様うざいっ」て言っている萌奈と「神様はいる」と言ってる聖奈という対比はしてきたんですけど、初めて一緒に歌う曲なので、よりわかりやすい会話調で、性格の差を表現しました。

――女子目線で、ヤマコさんが好きなフレーズは?

ヤマコ セリフで“可愛いね”を一緒に言うのが、めっちゃ可愛いですね。違うところも多い二人だけど、気持ちが一致していて、ときめきますね。ここは、お互いについて可愛いと言い合っているフレーズなんでしょうけど、外から見ると、可愛いのはあなたたち二人だよ!って言いたくなりますね(笑)。

Gom 今回の2曲は、shitoくんがボーカルレコーディングのディレクションをしているんですけど、今そのときのメモ書きを見たら、「セリフバージョンも」という一文が書かれてるんだよね。

shito そうそう。本当はそこのフレーズは“可愛いねって”という歌詞で、雨宮さんと夏川さんに一緒にメロディを歌ってもらうつもりだったんです。で、夏川さんが先に歌録りをしたときに、現場で思い付いて、メロディなしのセリフバージョンももらっておこうと思って、「って」の言葉を抜いて喋ってもらうバージョンも録りました。

――歌とセリフの2パターンが存在するんですね。

shito はい。その両方をずっと聴き比べて、トラックダウンのときにセリフバージョンにしようと決めました。

Gom なぜセリフのほうを採用したの?

shito ただただ可愛かったから(笑)。

Gom 実は僕も音源が完成するまでそれを知らなくて、「こっちで来たか!」という驚きがあったんですよ(笑)。

ヤマコ そのセリフが、私の胸を貫きました(笑)。

――歌のほうのバージョンも、いつか聴きたいですね。

shito そうですね、機会があれば。

――雨宮さん、夏川さんのレコーディングはいかがでした?

shito “告白実行委員会”シリーズを演じてくださっているキャストさんは皆さんそうなんですが、今回のお二人もキャラクターを演じて長いので、悩むところはまったくなく。ただ語尾のノートの長さだったりで、会話の印象は変わるので、そこの確認くらいでしたね。会話調なので、テンポよく語尾は短くしましょうか、くらいの感じでした。あと、先に録音した夏川さんのときは、まだMVの絵コンテは出来上がっていなかったんですけど、雨宮さんのレコーディング時にはもうあったので、絵コンテを見てもらって「こういう表情をしています」というオーダーはさせてもらいました。

――改めて、雨宮さん、夏川さんの歌の魅了をどう感じました?

shito そうですね。お二人とも表現力が素晴らしいのは当然ですが、雨宮さんはご自分のアーティストとしてのソロ曲とまったく歌い方を変えて、キャラクターありきで歌を表現してくださるところが素晴らしい。夏川さんはすごくアーティスト性があって、歌詞に寄り添った力感やブレスの表現力がすごい。それぞれのアプローチの仕方は少しずつ違う感じはするんですけど、お二人とも歌手としてもとても魅力的です。

――同じTrySailというグループでも長年一緒に歌われているからか、ハーモニーも素晴らしくシンクロしていますよね。

shito レコーディング中も、あうんの呼吸を感じましたね。雨宮さんも先に録音した夏川さんの声を1回聴いて、「こういう感じなんですね」と、すぐにデュエットの方向性を掴まれていた。夏川さんの歌声に寄り添いながら、聖奈を表現してくれていました。

――MVも発表済みですが、ヤマコさんはどうご覧になりました?

ヤマコ この曲はイラストがみっ君さん、 動画はえむめろさんに作っていただいたんですが、とにかくめちゃめちゃ可愛い。可愛い要素を最後まで本当にこだわっていますよね。CDのジャケットは私が描いているんですが、その衣装もみっ君さんがデザインしてくれたもので、そこもすごくこだわっている。お洒落で最大限に可愛い聖奈ちゃん、萌奈ちゃんを見てもらえますね。萌奈ちゃんがお姉ちゃんの彼氏に嫉妬するシーンとか、スマホを使った演出とか、今の時代らしいリアリティのある映像になっていると思います。

――もう1曲の「水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈」は、聖奈ちゃんにスポットを当てた楽曲ですね。

shito はい。これは翠視点でGeroに書き下ろした「水曜日の約束 feat.濱中翠(CV:Gero)」と対になる楽曲で。実は、Geroから夏くらいに直接連絡があって、「アルバム(『TOKYO HAZE』)を出すので1曲書き下ろしてくれないか?」という依頼があったんですね。僕はぜひ翠くんの曲を書きたかったので、「翠くんの曲を書いちゃダメ?」と逆提案をしたら、彼も同じことを考えていて(笑)。そのタイミングから、カップルの聖奈視点のアナザーを作ると決めていました。なので、作詞をするときも、翠バージョンを書きながら、聖奈バージョンに盛りこみたいことを箇条書きにして、Gomと一緒に同時進行で作っていったんです。なので、Geroバージョンの「水曜日の約束」が公開されたときにも、リスナーさんから「アナザー待ってます!」というコメントがたくさんあったんですけど、「すみません、実はもうできてるんですよ!」と思いつつ、こっそりドヤ顔してました(笑)。

――「水曜日の約束」は、聖奈ちゃん、翠くんが片思い同士だった「金曜日のおはよう」、二人の気持ちが通じ合っていった「日曜日の秘密」からまた一歩踏み出して両思いになってからの歌ですね。

ヤマコ そうですね。もうラブラブですよね。 片思いしてたときのモヤモヤだったり、一歩踏み出せないときのもどかしさとは真逆の感じで、ハッピーな曲になってますね。恋が成就された後の華やかな気持ちがすごく溢れている。だから、今「金曜日のおはよう」を聴くと、すごくギャップがあって面白いです。

――過去の“告白実行委員会”シリーズの楽曲は、完全な片思いや両片思いの曲が多いイメージですが、両思いの歌詞を書くときと片思いの歌詞では、書き方に違いはありますか?

Gom 片思いと違って、両思いになった後は、キャラクターを改めて深掘りしていく感覚があるので、よりキャラクターの内面を想像しながら書いていきますね。翠くんなら、聖奈がほかのタレントと仲の良い演技をしてたら嫉妬するみたいな歌詞がありますし。恋愛曲は付き合うまでを描くことが多いですけど、そこから新しい人生が始まるじゃないですか。キャラクターの人生そのものと言うか、その先のパートナーとの関係性を書いていけるのは、群像劇を続けているHoneyWorksの強みだと思いますね。

ヤマコ 付き合ったら付き合ったで、リアルでも相手の違う一面が見えてくる。そこから愛情が深まるというのもリアルだと思います。

――それを極めていったら、CHiCO with HoneyWorksの「幸せ。」のように、成海家のお父さんとお母さんの恋愛から始まって、娘達が生まれて……と壮大な一家のストーリーにも繋がっていますしね。

Gom 人の成長が感じられますよね。

shito あと、今回の「水曜日の約束」はベースはもちろん聖奈と翠の恋愛なんですけど、曲のテーマとしては芸能人の聖奈と一般人の翠の恋愛が描きたかったんです。この二人については。

Gom そこから生まれる葛藤が、よりキャラクターを深掘りするというか。芸能人と恋をすると、普通のようには会えないじゃないですか。歌詞にも“会えなかったらきっと死んじゃうかも”とか“触れられなかったらきっと死んじゃうかも”とありますけど、ある意味、余裕の無さがありつつも、“後悔なんてしない”と言いきってる。その葛藤が両方あるから、キャラクターが生きている感じがするんですね。そこに人間的な成長とリアル感の両方があるのかなと。

ヤマコ だから、曲を聴いていてすごく感情が忙しいんですよね(笑)。すごくリア充!……本当の意味でリアルが充実している感じがします。本人たちは、聖奈ちゃんの仕事が忙しくて会えないとか、隠れて付き合う大変さはあるだろうけど、そこも楽しそうだなと。お互いがお互いを大好きな気持ちもすごく伝わってくる曲ですね。

Gom 芸能人と一般人だからじゃなくても、10代の恋愛ってそれくらい一生懸命じゃないですか。クラスが違うだけでも、向こうの異性の友達に嫉妬したり。この二人のシチュエーションは特別ではありますけど、好きな気持ちはみんなに共感してもらえると思います。

shito あと、この曲の中にも聖奈が翠を家族に紹介するシーンがあるんですけど、そこは他の成海家の楽曲、特にCHiCO with HoneyWorksの「幸せ。」ともしっかりリンクさせています。両方楽しんでいただけると嬉しいですね。

――雨宮さんのボーカルレコーディングはいかがでしたか?

shito こちらも、しっかりと聖奈ちゃんになりきっていただいて。僕からは特に何も言うことがない(笑)。

Gom 素晴らしいですよね。聖奈の可愛いらしさ、しっかり者だけど甘えているところ、一生懸命さを歌でもしっかり感じていただけると思います。

shito 曲調も、Geroが最初に歌う楽曲ということで、より元気よく、より明るいコード進行でキャッチーさを心掛けました。サウンドも華やかさにこだわりました。MVはモゲラッタのイラストなんですが、翠バージョンのイラストを部分部分描き直して、聖奈目線になっています。MVも見比べながら楽しんでほしいですね。

ヤマコ MVのシーンでいうと……一番好きなのは2番のサビで、聖奈ちゃんが翠くんの手をちょっと握って、翠くんがギュッと握り返すシーン。実は私とモゲラッタで手を握るシーンをふたりで実際にやって、録画したのをもとに描いたんですね。

Gom へえ! そうだったんだ。

ヤマコ 二人で聖奈役と翠役を交代でやってみたんですけど、私が演じたほうはどっちも採用されなくて、両方、モゲラッタの手になってます。

shito そういえば、みんなで一緒にいると、俺もよく写真撮られるよね。

ヤマコ あれは、shitoが自らポーズをとるから(笑)。

shito 「ちょっと待って!」っていろんなアングルから写真を撮られるんですよ。

ヤマコ そうそう。実は「ヒロインたるもの!」のMVで、(涼海)ひよりちゃんが、 よよよよっと落ち込んでるポーズをしてるんですけど、あそこはshitoの演技を参考にしています。

Gom いや~、ひよりファンの皆さんの夢、壊さないですかね、そのエピソード(笑)。

ヤマコ shitoをぜひ、温かい目で見守っていただければ(笑)。

――そしてHoneyWorksファンとして気になるのは、聖奈ちゃんたちの“曜日”シリーズ楽曲は今後も増えるのか?

shito いや~、今、金曜、日曜、そして水曜ときて、実は天月くんに楽曲提供したアイドルの萌奈のファンになる男の子をモチーフにした「月曜日の憂鬱」というのもありまして……ぜひ1週間全部を制覇したいという野望はあります!(笑)

Gom 正直、火曜日と木曜日って、モチーフが難しそうだなぁ(苦笑)。今回の水曜日は、週の真ん中って元気がなくなる曜日だから、好きな人を思い浮かべて頑張ろう、というのが曜日選択のきっかけになりましたけど。

ヤマコ 火曜と木曜って特徴ないかも(笑)。

shito 心の中では、土曜日のほうはちょっと思い浮かぶテーマがあるので……発表できる日を楽しみに待っていてほしいですね!

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香


●リリース情報
「シス×ラブ feat. 成海聖奈×成海萌奈(CV:雨宮天・夏川椎菜) / 水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈(CV:雨宮天)」

発売中

【初回生産限定盤(CD+グッズ)】
品番:SMCL-680~681
価格;¥1,500(+税)

【通常盤(CD)】
品番:SMCL-682
価格;¥1,000(+税)

01. シス×ラブ 成海聖奈×成海萌奈(CV:雨宮天・夏川椎菜)
02. 水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈(CV:雨宮天)
03. シス×ラブ 成海聖奈×成海萌奈(CV:雨宮天・夏川椎菜) 【Instrumental】
04. 水曜日の約束-another story- feat. 成海聖奈(CV:雨宮天) 【Instrumental】

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP