降幡 愛待望のアーティストデビュー!80’sシティポップを詰め込んだミニアルバム『Moonrise』リリース記念インタビュー

声優の降幡 愛が、本間昭光がレーベルプロデューサーを務める新たな音楽レーベル・Purple One Starよりソロアーティストデビュー。デビューミニアルバム『Moonrise』を9月23日にリリースした。多趣味でクリエイティブな才能を持つ彼女が、アーティスト活動を行うにあたって選んだコンセプトは“80’sシティポップ”。実際に80年代から音楽業界に身を置くベテラン・本間昭光の制作により、当時の空気感を演出しつつも、今ならではの魅力を湛えた楽曲群は、降幡のこだわりと彼女が全曲を手がけた雰囲気たっぷりの詞世界によって、なんとなく、どころではなく、クリスタルな輝きを放っている。新たな活動に意気込む彼女に話を聞いた。

――降幡さんは本作でソロアーティストデビューとなりますが、最初にお話をいただいたときの感想はいかがでしたか?

降幡 愛 いちばん最初は、アーティストデビューのお話にプラスして、それが新しいレーベルの第1弾アーティストになるということも同時に聞いたので、何が何だかわかりませんでした(笑)。「新しいレーベル?」「第1弾アーティスト?」「これは何のことなんだろう?」という感じで、あまりイメージが浮かばなくて、ふわふわしてましたね。

――それまで、ソロでアーティスト活動をしたいという気持ちを持ったことは?

降幡 正直に言って全然イメージしたことはなかったです。いろんな声優さんのアーティスト活動も見ていましたけど、自分としてはいちファンとして楽しんでいたので、個人でステージに立つことは想像もしていなかったですし、お話をいただいてビックリしました。

――でも、やってみたい気持ちが芽生えた?

降幡 そうですね。お話をくださったのがお世話になっているスタッフさんで、それこそレーベルの立ち上げもそうですけど、「一から一緒にやっていこう」というスタンスでお話をいただいたので、「このスタッフさんとならやりたいな」という気持ちになりました。

――新レーベルの第1弾アーティストということで、自分や周りのスタッフさんを含めて、どのような方向性で活動していくか、相談しながら決めていったと思うのですが、そのなかで自分から活動ビジョンについて提案などはしましたか?

降幡 レーベルに関しては、Purple One Starという名前に決まるところから知っていましたし、出来上がっていく様子を聞いていたりもしていたので、「私はここの第1弾アーティストになるんだ……!」ということも感じていました。だからこそ自分も、アーティストとしてどういうふうに見せていこうか考えていたときに、せっかくなら自分が好きなことをやりたいなと思って、自分発信で“80sシティポップ”というテーマを提案しました。

――降幡さんは“80sシティポップ”をリアルタイムで聴いていた世代ではないですよね。

降幡 そうですね、一応20代なので(笑)。たしかに直に触れたり、当時を知っているわけではないんですけど、ただ、薄っぺらいとは思ってほしくなくて。音も本気で作っていますし、それこそプロデューサーの本間(昭光)さんは、当時から活動されていた方ということもあって、今流行っているシティポップとは音の質が違うことは、強く言いたいです。

――シティポップに対する強いこだわりがあるわけですね。逆に聞きたいのですが、降幡さんはどのようなきっかけで80年代の音楽が好きになったのですか?

降幡 一昨年ぐらいの夏に、行きつけのお店で、岡村靖幸さんの楽曲が流れているのを聴いて、めちゃくちゃ衝撃を受けたことがきっかけです。そのときは今の曲なのか昔の曲なのかすらもわからなくて、携帯のアプリで調べたら、それが「イケナイコトカイ」という曲だということがわかって。そこから岡村さんの音楽がすごく好きになって、昔の楽曲とかも聴くようになり、派生して80年代の音楽を改めて意識して聴くようになりました。なので本格的に聴くようになってからは、まだ2年ぐらいではあるんですけど。

――岡村さんの音楽のどんなところに惹かれたのでしょうか?

降幡 岡村さんは当時流行っていた音楽とはまた違ったベクトルの方なので、見せ方としてはシティポップとは違うと思うんですけど、すごく好きなアーティストの一人なんです。ステージに立っているときと、普段の控えめな姿とのギャップに母性本能をくすぐられて、「なんて可愛らしい人なんだろう……」という見方をしてしまって(笑)。歌詞にも「僕を見てよ」みたいなフレーズが多くて、応援したくなる人ってこういう人なんだろうなと思いますし、「またベイべとか言っちゃってるよ」とか思ったり(笑)。かっこよく見せようとしている姿が、すごく愛らしい方だなと思います。

――自分も岡村靖幸ファンなので、そのお話、よくわかります(笑)。

降幡 それこそ去年の11月に初めて岡村さんのライブを観に行きまして。2階席でステージから距離はありましたけど、岡村さんの音を生で感じられただけですごく嬉しかったです。今でもめちゃくちゃ踊ってらっしゃったので、すごいと思いましたし、私も負けてられないなと思って(笑)。MCでひと言もしゃべらなかったのも衝撃的でした。いろんな刺激をもらえました。

――岡村さんと言えばTVアニメ『シティーハンター2』のEDテーマ「SUPER GIRL」を歌われていたので、アニメソングとの繋がりもありますが、降幡さんはそこからどのように80年代の音楽の趣味を広げていったのでしょうか?

降幡 私がやっているラジオ番組でも80年代にフォーカスを当てた企画を立てたり、自分で勉強をしていった感じなんですけど、元々昔のアニメも好きだったので、そこからの繋がりもありました。私は高橋留美子先生が大好きで、昔から『めぞん一刻』や『らんま1/2』も観ていましたし、カラオケでも普通に80年代の楽曲を歌っていたんです。斉藤由貴さんの「悲しみよこんにちは」(『めぞん一刻』OPテーマ)とか、『うる星やつら』の曲もそうですし。あと『きまぐれオレンジ☆ロード』も好きで、中原めいこさんの楽曲(「鏡の中のアクトレス」「Dance in the memories」)とか、アニメソングだけど大人な歌をうたわれている人たちの曲をよく聴いていて。同じ『きまぐれオレンジ☆ロード』だと、最近は和田加奈子さんの曲(「夏のミラージュ」「悲しいハートは燃えている」ほか)も好きです。

――では、アニメを通して自然と触れていた80年代の音楽に、改めて耳がいくようになったわけですね。

降幡 それにプラスしてレコードも好きなので、いろんな盤を見ていくうちに、「このアーティストさん、知ってるな」という感じで広がっていきました。それこそ中原さんの作品を見つけたら買ったりしていて。最初はお洒落なイメージから買い始めたんですけど、番組の企画で約10万円ぐらいするレコード針で聴かせてもらったら、「めちゃくちゃ音がいいじゃん!」と思って。いわゆるホコリが乗っているときのプツプツ音も心地良く感じますし、まだ初心者ですけど楽しんでいます。

――レコードはジャケットが大きいですし、モノとして持っていたくなりますよね。

降幡 ですよね。中原さんの『Mint -ミ・ン・ト-』というアルバムをレコードで持っているんですけど、それはジャケットがミント色で、中原さんもミント色の恰好をしていて、すごく可愛いしインパクトもあって。今回のデビューミニアルバムはアナログレコードでもリリースするんですけど、そちらはいろんな人の目に留まるように、昔の雰囲気っぽい写真を撮ってもらって、ジャケ買いしたり、集めたくなるようなデザインにしてもらいました。

――アナログレコードや80年代の文化に対するリスペクトがあってこその、“80’sシティポップ”という音楽性なわけですね。

降幡 今は海外でも日本のシティポップが和モノとして流行っていますし、その波にも乗りつつ、ただ「本気だよ」ということは、ほかとは違う差異をつけたいところではあります。

――海外発信の和モノブームみたいなものも追っていたりするのですか?

降幡 はい。それこそ韓国のDJの方でNight Tempoさんという、80年代の日本の音楽が好きな方がいらっしゃるんですけど、昔からインスタで結構見ていたりして。なのでNight Tempoさんからの影響もあったりしますし、実際に(Night Tempoの)リミックスとかも「おーっ!」とか思いながら聴いてます(笑)。すごくお洒落なサウンドだなと思って。

――いいですね。いつか降幡さんの楽曲のNight Tempoリミックスも実現してほしいところです。

降幡 いや~、やってもらえたら最高です!(笑)。やっぱり若者の方たちへの入り口としては、新しいものがいいと思うので。Night Tempoさんにも私の音楽が届いたらいいなって思いますね。

――さて、今回のミニアルバム『Moonrise』は、本間昭光さんが全楽曲の作編曲・プロデュースを手がけています。作品全体のコンセプトは、どのように決めていったのですか?

降幡 80年代の楽曲には夜のドライブとか大人のイメージが強くあるので、それが基本にありつつ、1曲ごとのサウンドイメージは雑談のなかで決めていった感じで、自然に出来上がっていったところはあります。とはいえ、自分でもある程度のイメージはお伝えして。(CD版の)ジャケットも夜のドライブのイメージから、当時の雰囲気を感じさせるイラストにしていただきました。ソロアーティストとしてのデビュー作となると、普通は自分の写真をジャケットに使うと思うんですけど、でも、このほうがわかりやすいじゃないですか(笑)。これならアニメとか声優を知らない方にも、手に取ってもらえるかなと思いまして。

――たしかにこのイラストは、シティポップ好きな人なら誰でも、その匂いを感じ取ると思います。ちなみに今回の作品は降幡さんが全曲の作詞を担当していますが、全体的に物語性のある内容に感じました。

降幡 頭の中でいろいろ構築していたりもしていて。なので物語という意味でいうと、その都度、自分の中でドラマっぽく作っているような気はします。ただ一貫しているのは、どの曲も“実らない恋愛”を描いているので、それは作品全体の一つのテーマにもなっていると思います。

――その“実らない恋愛”というテーマ性は、どこから生まれてきたものなのでしょうか?

降幡 それこそ最初に作った「CITY」は、自分のインスピレーションで歌詞を書いたんですけど、そこから本間さんに「もっと恋愛の情念やドロドロしたものを入れ込んでほしい」というお話をいただいたので、5曲目の「プールサイドカクテル」は“そばにいてほしい”とか“ついてゆくわ”とか、しつこい女の人をイメージできるような言葉をたくさん入れたりしました(笑)。この曲は(主人公が)無理心中するようなイメージで書いたので、最後もワーって昇天するような終わり方になっていて。なので今は歌詞を書いても自然とバッドエンドになってしまって、明るい曲が書けないのがちょっと悩みではあります(笑)。意識してそう書いていたぶん、それが染みついてしまったみたいで。

――哀愁漂う恋愛観が全体に漂っていたので、それはもしかすると降幡さんの性格的な部分に起因するのかもと思ったのですが。

降幡 滲み出てしまうんですかね……そんなことはないと思いたいんですけど(笑)。でも、80年代のドラマもドロドロした三角関係みたいなものが描かれることが多いので、そういうイメージもあって、一つのドラマを作るうえで起承転結をつけるためにこうなったんだと思います。

――ここからは1曲ずつお話をお聞かせください。リード曲「CITY」に関しては、今までの降幡さんのイメージにはない世界観だったので、先行配信されたときにいろんな反響があったと思うのですが、いかがでしたか?

降幡 アーティストデビューの発表と同時にMVも公開したので、応援してくださる人たちも追いついてなくて、私も「ごめんなさい!」っていう思いもあったんですけど(笑)、見ていると、私の好きな音楽を知っている人からは「妥当だよね」という声もあったりして。あとは演じている役柄のイメージがあるぶん、そことは声色も全然違うので「別人だと思った」とか、曲の内容的に「声優が歌っているとは思わなかった」という意見もありました。いろいろ反響をいただけた意味では、普通とは違ったデビュー作品になったかなと思います。

――声優の楽曲とは思わなかったという感想は、降幡さんのことを知らず、単純に楽曲に惹かれて耳にしたということですものね。

降幡 「CITY」に関しては、80sシティポップの代表作と言えるようなものをわかりやすく全部詰め込んだ曲になったと思うので、いろんな方に聴いてもらいたいですし、聴いて好きになったという声も聞くので、受け入れやすい楽曲になったと思います。それこそ同じ声優の工藤晴香さんが、わざわざインスタのDMでこの曲を聴いていることを伝えてくださったので、「若い人たちや女の子にも刺さる曲なんだ!」と思って、とても嬉しかったです。

――この曲は昔ながらのシンセを中心としたサウンドや跳ね感のあるビートが、まさに80年代のシティポップという感じですね。“袖をつまんで甘えていたい”という歌詞も雰囲気があって。

降幡 自分のイメージでは、女の子が年上の男の子に恋い焦がれているけど、付き合ってはいない関係性で、どっち付かずのまま終わるという歌詞なんです。私の好きなフレーズは、2番の“右肩に感じて”というところで、そこで日本車に乗っている状況というのを表現していて(笑)。他にも“シートベルト高鳴りだしたの”とか、車でドライブしているようなフレーズを意識して入れました。“袖をつまんで甘えていたい”というのも心情的に上手く描けたと思います。

――これまで作詞の経験はあったのですか?

降幡 この曲が初めてだったので、こんなに素敵な曲にしていただいて「本当にありがとうございます!」という感じです(苦笑)。タイトルで直接的に「CITY」と言ってしまってるので、稚拙と言えば稚拙ですけど、素敵なサウンド感で補ってもらいました。

――そこは80’sシティポップなりトレンディドラマなりのイメージしやすい対象があったからこそ、想像しやすかったのかもしれないですね。

降幡 そうですね。妄想することが好きで、漫画も描いたりしていたし、物語を作ることは小さい頃からやっていたので、1曲1曲を主人公がいる物語と考えたときに、結構スラスラと書けるところはありました。

――2曲目の「シンデレラタイム」もミッドグルーヴの哀愁漂うナンバーですが、こちらはどんなイメージで歌詞を書きましたか?

降幡 この曲はまず“(Ta・ra・ra)Cinderella Time”というフレーズが思いついて、そこから深夜12時の手前の男女の場面を想像して書き始めました。シンデレラはキラキラした印象がありますし、タイトル的にもキャッチーになるかなと思って。アニメとかドラマのエンディング曲に似合う曲かな?と思ったり、思わなかったり……(笑)。

――似合うと思います(笑)。この曲の主人公は、今まさに大人の階段を昇っていく状況への恥じらいも見せつつ、意外と余裕のある感じもしますね。

降幡 序盤は幸せな二人の感じが伝わってくると思うんですけど、最後の最後で“ふたりを繋ぐ時間は永遠じゃなかった”というフレーズが出てきてガツンと終わってしまって(笑)。あどけない大人の階段を昇る女性から幸せを感じさせつつも、最後は別れまで感じさせることができて、その意味では恋の上手くいかない感じを、この1曲で表現できたと思います。おませな楽曲だと思いますね。

――レコーディングのときは、歌詞で描いた主人公をイメージして歌うのですか?

降幡 そうですね。自分で作詞しているぶん、イメージもしやすいですし。「シンデレラタイム」の場合は、サウンドイメージが山下達郎さんだったので、出来ているかどうかはさておき、達郎さんを意識して歌いました(笑)。「CITY」はMVも含めて竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」のイメージが私の中にあったので、歌うときに少し意識したり。そういうイメージは1曲ごとにあります。

――3曲目のタイトルは「Yの悲劇」ということで、曲調は全然違いますが薬師丸ひろ子さんの「Woman “Wの悲劇”より」を彷彿させる曲名ですね。

降幡 そうですよね(笑)。このタイトルはスタッフさんとのお食事会で決まったもので、特に「Wの悲劇」を意識したわけではなくポンと出てきたんですけど、そのタイトルからイメージして歌詞を書いてきました。サウンドもすごくパンチがあって、70年代の歌謡曲っぽいところもあるし、サックスがバリバリ入っていて。自分の歌声とサックスソロが重なるところも素敵ですし、実際に楽器のRecも見学に行ったりして、レジェンドの方々の演奏に刺激をもらったうえでレコーディングをしたので、歌もイメージしやすかったです。

――「Yの悲劇」というタイトルから、サビの印象的な“YADA・YADA”というフレーズが生まれたのですか?

降幡 それも一応ありますが、これはスタッフさんの恋愛話を聞いて出来た曲でもありまして。この“YADA”にも実は仕掛けがあって、曲のなかで言っている“YADA”の回数を数えてもらうと、煩悩の数だけあるんですよ(笑)。本間さんはそういう遊び心もお持ちなんです。たぶん気づいた人はゾッとすると思いますけど(笑)。

――この曲は女性同士による彼氏の取り合いみたいな状況が描かれていますよね。最後の勝ち誇ったような微笑みも、ちょっと怖いぐらいの女優感があって。

降幡 ありがとうございます(笑)。実際にこういう人っているじゃないですか、恋に落ちて周りが見えなくなっている人と言いますか。レコーディングでも、最後の部分で笑ってるように歌ってみたりとか、Dメロのところもサックスに合わせてグワングワンと歌ってみたりして、女性のただ強い部分だけではないところが、歌でも成立するように意識しました。レコーディングのときは、スッとその人になりきるので、終わった後は憑き物が取れた感じで、フラフラになるんですよ(笑)。そういうドロドロした感じも含めて、どれもパンチのある曲になったので、もう全部シングルカットしたいぐらいです。

――全曲7インチシングルにしてボックス化しますか(笑)。

降幡 それ、いいですね(笑)。出来たら最高です!

――次の「ラブソングをかけて」はラテン風味のトロピカルポップで、先ほど話題にあがった中原めいこさんの楽曲にも近い印象を受けました。

降幡 「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」とかですよね(笑)。この曲はまず「ラブソングをかけて」というタイトルを思いついて、そこから、失恋してお星さまになってしまう女の子のお話を、柔らかくポップに、サウンドも含めて直接的な内容にならないように、可愛いらしく作っていただきました。最後のほうに“輝いてはずせない指輪”というフレーズがありますけど、もう結婚前提だった彼に振られた絶望感をちょこちょこ入れていて。音だけで聴くとラテン系の爽やかな楽曲なんですけど、歌詞を見ると「お星さまになるってどういうこと?」っていう、いろんな仕掛けがあるので、ぜひ歌詞にも注目してほしいです。

――その重たい歌詞の内容に反し、歌声はほかの曲に比べて幼めな印象で、明るいイメージがありますけど、そういったアプローチにしたのは?

降幡 そこはそのとき自分がよく聴いていた曲のイメージが強いです。この曲は『うる星やつら』の「ラムのラブソング」をイメージして本間さんに作っていただいたんですけど、パンチのある大人っぽい曲が並んでいるなかに、こういう異質な可愛いらしい曲があるのもいいなと思いまして。なのでノリと勢いで録った部分もありますけど(笑)、女の子の可愛らしい部分を出したかったので、キャラクターソングにならない範囲で高めに可愛く歌うように意識しました。あと、コーラスの「ラララ~♪」という部分は、Purple One Starの皆さんが歌ってくださって、私はその様子をずっと動画で撮ってました(笑)。ぜひライブでも皆さんと一緒に「ラララ~♪」が出来ればいいなと思っています。

――先ほど軽くお話した「プールサイドカクテル」も、80年代感たっぷりのクリスタルなシンセポップ。タイトルや歌詞からも当時のバブリーな情景が浮かんできます。

降幡 この曲こそ大人たちのノリと勢いでタイトルが決まりました。皆さんとMVのイメージについて雑談をしていたときに、アイドルたちの水泳大会みたいにワイプで歌う感じだと絶対楽しそう!とか盛り上がっていたんですけど(笑)、そこで「プールサイドの曲っていいよね」という話になりまして。そのタイトルを受けて自分が歌詞を書いたんですけど、私が思っていたサウンドイメージとは全然違う切り口の曲になって、リバーブがすごくかかっている壮大な楽曲になりました。

――このスケール感のあるサウンドが非常にいいですね。80年代のデヴィッド・フォスターを彷彿させるというか。

降幡 日本のポップスというよりかは、海外のサウンド感がありますよね。全然チープじゃないですし、すごくキラキラしていると思います。

――その意味では歌のアプローチもほかとは違うものだったと思うのですが、いかがでしたか?

降幡 歌詞の“Lonely Night swimming…”のところはボコーダーを使ったり、結構な数の声を録って重ねています。歌い方としては、未練がましい女の人を意識して歌ったり、最後の“私もついてゆくわ”のところは本当に昇天しているように「ワ~~♪」って歌いましたし(笑)、すごくたくさんリバーブをかけていただいて、広がりのある歌にしていただきました。

――そして最後の曲「OUT OF BLUE」は切なさがたっぷりのバラード。コーラスや泣きのギターソロなど、ツボを押さえまくった仕上がりです。

降幡 どバラード過ぎて、レコーディングはめちゃくちゃ緊張しました(笑)。これは本当にストレートな失恋ソングを書きたくて、歌詞もあえて短めに作りました。たぶんこのミニアルバムの最後の楽曲になるだろうと思っていたので、「CITY」に合わせて車をモチーフにした曲で終わらせようと思って、歌詞に“マフラー”という単語を入れたんですけど、若い世代の人は車のマフラーのことをあまり知らないみたいで、もしかしたら冬の曲と勘違いするかもしれないんですけど(笑)。

――哀愁のある歌声が印象的ですが、歌唱面でのこだわりは?

降幡 ほかの曲に比べて音数も少ないので、歌が抜けて聴こえるじゃないですか。バラードなのでテンポ感もゆっくりですし、自分は一歩待つリズム感が苦手なので、この曲に関しては待つ歌い方をすごく意識して、ベースやドラムの音を上げて、集中して歌いました。ただ、この曲に限らず、どれも自分の好きな曲調なので、音に聴き入ってしまって、歌うことを忘れてしまうんです(笑)。嬉しい悩みなんですけど、レコーディングは気をつけようと思います。

――その意味ではご自身がやりたい“80’s シティポップ”の世界観を描き切った作品になったわけですが、今回の制作作業を経て、新たな気づきや挑戦したいことは生まれましたか?

降幡 出し惜しみのない作品ができたと思いつつも、80年代に活躍されていたアーティストの方々の曲を意識して聴くようになったこともあって、やりたいことがどんどん増えていってます。今は切ない、実らない恋愛の曲ばかりですけど、いつか明るい、メジャーっぽい曲を作りたいなと思います(笑)。80年代には常夏感やトロピカルな雰囲気のある曲もたくさんあるので。

――ということは、今後も80年代の音楽やシティポップを軸にアーティスト活動をしていきたいと。

降幡 はい。今はこうした自分の好きなことができる環境にあるので、だからこそどんどんやっていきたいですし、本間さんがいるからには、本間さんのテクニックを存分に出していただいて、みんながうらやましがるようなサウンド感をどんどん出していきたいです。

――最後に、11月にはBillboard Live YOKOHAMA / OSAKAでスペシャルライブ“Ai Furihata “Trip to ORIGIN””を控えていますが、こちらはどんなライブになる予定でしょうか?

降幡 タイトルが“Trip to ORIGIN”ということで、自分の今までの生い立ちという意味も込めているので、自分が触れてきた音楽だとか、デビューミニアルバムからの楽曲も歌うと思います。今回は「CITY」のMVに出演していただいたミュージシャンの方々とステージに立つので、来て損はない贅沢な空間になると思いますし、今はこういう状況ですけど、音楽で皆さんが元気になればいいなと思うので、そういう空間を楽しく作ることができればと思います。まだ持ち曲が6曲なので、カバーもきっとやるのではないかと思いますし、楽しみにしていてほしいです!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
降幡 愛デビューミニアルバム
『Moonrise』
9月23日発売

【初回限定盤(CD+BD)】

品番:LAPS-35000〜35001
価格:¥3,800+税
※20Pフォトブック、スリーブ付

【通常盤(CD)】

品番:LAPS-5000
価格:2,300円+税

<CD>
01.CITY
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)
02.シンデレラタイム
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)
03.Yの悲劇
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)
04.ラブソングをかけて
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)
05.プールサイドカクテル
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)
06.OUT OF BLUE
作詞:降幡 愛/作曲・編曲:本間昭光(bluesofa)

<Blu-ray>
01.「CITY」Music Video
02.「CITY」Music Video (Band edition)
03. Music Video & Photo Shoot Making

【完全数量生産限定盤(LP)】

品番:LAPS-1000
価格:3,500円+税
※完全数量生産限定

<A面>
01.CITY
02.シンデレラタイム
03.Yの悲劇

<B面>
01.ラブソングをかけて
02.プールサイドカクテル
03.OUT OF BLUE

※全形態初回生産特典:2020年11月開催・スペシャルライブチケット最速先行抽選申込券

●ライブ情報
降幡 愛スペシャルライブ
「Ai Furihata “Trip to ORIGIN”」

11月14日(土) Billboard Live YOKOHAMA
1st 開場15:30/開演16:30
2nd 開場18:30/開演19:30

11月15日(日)Billboard Live YOKOHAMA
1st 開場15:30/開演16:30
2nd 開場18:30/開演19:30

11月21日(土)Billboard Live OSAKA
1st 開場15:30/開演16:30
2nd 開場18:30/開演19:30

11月22日(日)Billboard Live OSAKA
1st 開場15:30/開演16:30
2nd 開場18:30/開演19:30

出演者
Vocal:降幡 愛
Drums:江口信夫
Bass:根岸孝旨
Guitar:町田昌弘
Keyboards:nishi-ken
Chorus:会原実希

チケット料金
サービスエリア ¥7,900(税込)
カジュアルエリア ¥6,900(税込) ※1ドリンク付き

お問い合わせ
・Billboard Live YOKOHAMA:0570-05-6565
・Billboard Live OSAKA:06-6342-7722
※降幡 愛デビューミニアルバム『Moonrise』にチケット最速先行抽選申込券が封入されます。
※詳細は後日お知らせいたします。
※昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、政府・自治体等による指示や要請、また天候・災害等の諸事情により、止むを得ず中止になる場合がございます。本公演の開催につきましては、今後も慎重に協議を重ねてまいります。

チケット情報
最速先行
降幡 愛デビューミニアルバム『Moonrise』の初回生産特典として、チケット最速先行申込券を封入します。
受付期間:9/23(水)12:00〜9/28(月)23:59
抽選結果発表〜入金期間:10/3(土)13:00〜10/5(月)21:00

Club BBL会員・法人先行抽選受付
受付期間 10/13(火)10:00〜

一般発売
10/27(火) 10:00〜

●イベント情報
降幡 愛 「Moonrise」リリース記念イベント (第1回)
10月31日(土)15:00開演(予定)
イベント内容:トークイベント(生配信予定)
配信プラットフォーム:Stagecrowd
イベント参加応募シリアル配布対象店舗:Purple One Star公式オンラインショップ(A-ON STORE&A!SMART)/全国アニメイト(通販含む)/セブンネットショッピング/ソフマップ (CD取扱店、及びドットコム)・アニメガ/ネオウィング/楽天ブックス

イベント参加応募シリアル配布期間:2020年9月22日(火)~※商品引き渡し時にお渡しします
イベント参加応募申込締切:2020年10月12日(月)まで

降幡 愛 「Moonrise」リリース記念イベント (第2回)
10月31日(土)17:00開演(予定)
イベント内容:トークイベント(生配信)
配信プラットフォーム:Stagecrowd
イベント参加応募シリアル配布対象店舗:Amazon.co.jp/玉光堂・バンダレコード・ライオン堂/ゲーマーズ全店(オンラインショップ含む)/タワーレコード(一部店舗を除く)/TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)・TSUTAYAオンラインショッピング(予約のみ)/とらのあな全店(一部店舗除く)・通信販売(予約者のみ) /WonderGOO/新星堂(一部店舖除く)・新星堂WonderGOOオンライン

イベント参加応募シリアル配布期間:2020年9月22日(火)~※商品引き渡し時にお渡しします。
イベント参加応募申込締切:2020年10月12日(月)まで

イベント参加方法など詳細はこちら

降幡 愛オフィシャルファンクラブ「AI OPENER」
開設決定!
2020年秋頃のオープンを予定。詳細は追ってお知らせいたします。

<PROFILE>
降幡 愛 Furihata Ai
2月19日生まれ、長野県出身。
2015年に『ラブライブ!サンシャイン!!』の出演が決まり、黒澤ルビィ役で本格声優デビュー。
同作品のスクールアイドルグループ、Aqoursの、メンバーとして活動し、2018 年には東京ドーム2Daysのライブにて、国内外ライブビューイングを含め15万人を動員。
同年末の第69回NHK紅白歌合戦に出演を果たした。

声優以外にも多岐にわたって活動しており、2017年からは『フォトテクニックデジタル』にて「降幡写真工房」の連載を行なっている。
2019年には、自身初となる写真集『降幡愛写真集 いとしき』を発売。5/6付オリコン週間BOOKランキングジャンル別写真集(集計期間:4月22日〜4月28日)では、初登場1位を獲得した。

多彩な才能を持ち、ファンからは“職人”とも呼ばれる彼女が2020年9月23日、満を辞してのソロアーティストデビュー。ソロアーティストとして、80’sシティポップを発信していく。

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