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INTERVIEW

2020.08.27

ライブ映えを意識した1枚を、あらたな視点を得た歌声でより変幻自在に表現!鈴木みのり『上ミノ』リリースインタビュー

ライブ映えを意識した1枚を、あらたな視点を得た歌声でより変幻自在に表現!鈴木みのり『上ミノ』リリースインタビュー

声優・歌手の鈴木みのりが、約1年半ぶりとなる2ndアルバム『上ミノ』を8月26日にリリースした。“鈴木みのりのいちばん美味しい、上質なところだけ集めたアルバム”をコンセプトにした本作には、新曲7曲を含む全12曲を収録。ライブ映えも意識して生み出された、前作以上にバラエティ豊かになった色とりどりの楽曲を、成長著しい歌声をもって変幻自在に表現している。本稿では、そのリリースにあたってのインタビューを敢行。本作でも活かした、作詞・歌唱の両面で彼女が得た、新たな視点とは。

“オープニングナンバー”でありながら、コロナ禍を経て明確な意志がが加わった「Now Is The Time!」

――約1年半ぶりのアルバムとなる『上ミノ』ですが、まずはコンセプトからお伺いできますか?

鈴木みのり 今回はROUND TABLEの北川勝利さんとフライングドッグの福田正夫さんのお二人にプロデュースしていただいているんですが、特に北川さんは私のライブでバンマスとしてもお世話になっているので、「ライブを想定して、ライブ映えする曲をたくさん作ろう」というのがいちばん大きなテーマになりました。実は今までの自分の曲って、結構バラードとかゆったりした曲が多かったんですよ。

――その点も含め、前作『見る前に飛べ!』とまったくカラーが違う作品のように感じました。ご自身の内面や葛藤をそのまま出されていた前作に対して、今回は楽しさや明るさを前面に出した印象があって。

鈴木 そうですね。それは自分自身の気持ちが変わったというのもあると思うんですけど、元々の北川さんの楽曲の明るさみたいなものに引っ張られて、自分がどんどん前向きになれた……というのもありました。

――ちなみに今回の制作には、新型コロナの影響もありましたか?

鈴木 ありました。元々は4月の中旬にはレコーディングが終わる予定だったんですけど、何曲か録りきれないままSTAY HOME期間になってしまって。残りの曲は自粛明けに、気をつけながら録っていったんですけど、楽曲の内容にも影響しましたね。

――どんな影響があったのでしょうか。

鈴木 当初はすごく前向きで、「みんなが聴いてハッピーになれる曲しかないぜ!」みたいな感じで歌ったり歌詞も書いていたんです。でも、作詞の期間が自粛期間中にあたった曲もありましたし、自粛前に途中まで出来ていて、続きを自粛期間中に書いた曲もあったんですよ。だから最初はやっぱり「さて、どうしよう?」とはなりましたね。

――それはどの曲なのか、お教えいただけますか?

鈴木 そのうちの一つが、アルバム1曲目の「Now Is The Time!」なんです。元々北川さんが作ってくださったメロディを聴いたときに、ショータイムのイメージが浮かんだ曲で。そこから、最初は声優としてお芝居するときも人前に立って歌をうたうときもある自分になぞらえて、「どんなニュアンスでも、いろんなふうに表現できるんだよ」という気持ちを表現しようと思ったんです。でも、だんだんこのタイトルとかテーマが、このご時世にマッチしてきたことに自粛中気づきまして。そこで、書きかけだった歌詞を「より『音楽とかエンターテイメントを止めないぞ』っていう気持ちを前面に出した曲にしよう!」と方向転換していきました。なのですごく前向きではあるんですけど、今のタイミングで聴いても無理矢理感のない明るさの曲にできたのかな、と思っています。

――楽曲のテーマについては、鈴木さんから提案等はされたんですか?

鈴木 あまり細かいものはなかったんですが、北川さんには“オープニングナンバー”という感じでお願いしていました。そうしたら「まさにオープニング!」という感じの曲をいただきまして。アルバムはもちろん、歌詞ができる前から「ライブの1曲目で歌うの、ホント楽しみだね」ってずっと言っていたんですよ。きっとツアーでも1曲目なんじゃないかな……というか、逆に「1曲目以外にどこ入れるの?」みたいな感じがしています。

――そういった幕開け感ドンピシャのこの曲、歌うときにはどんなイメージで歌われたのでしょう?

鈴木 ステージに立っているイメージで歌っていました。ただ歌詞のとおりに、序盤はステージに立つまでの出来事を思い浮かべながら、ステップを踏むように歌っていきまして。サビでお客さんの前に立つ……みたいな想像を膨らませながらでした。

――先ほどのお話にも結びつくかもしれませんが、やはりDメロの“毎日が毎日で 変わらないけど 心ひとつで簡単に 変幻自在”というフレーズは、今だからこそすごく刺さるように思います。

鈴木 それは常日頃思っていることですし、自粛期間中にも感じたことではあるんですけど、実は歌詞に取り入れたきっかけはすごくしょうもないことで……小清水亜美さんがいいねを押してくださった、私のTwitterのつぶやきがもとなんです(笑)。

――どんなつぶやきだったんですか?

鈴木 「振り返ると、毎日が素敵な日!自分次第だ!いぇい」みたいなもので、見返すと「おっ、我ながらいいこと言ってたな」って思うんですけど(笑)。あのときはただ、お仕事終わりに皆さんでごはんに行って、それがおいしくて楽しかっただけだった気がするんです。でも、それだけで心がめちゃくちゃルンルンってなったりするのも、やっぱり自分の心持ち次第で世界が変わって見えているのかなと思えて……それがすごく心に残っていて、この曲に取り入れました。

――でもそれは、こういう状況でなくともすごく大切なことですよね。

鈴木 そうですよね。今のこの状況もですけど、たとえば何か緊張する日の前とかに、「どうせ緊張するんだったら、前向きに捉えたほうがいいでしょ?」とも考えられたりもするでしょうし。最近の自分の課題というか、心に掲げていることでもあります。

――今回のアルバムは、新曲が計7曲収録されています。そのほかの曲についても、鈴木さんからアイデアや希望は出されたのでしょうか?

鈴木 はい。具体的なものだと、「まいっちゃう」という堂島孝平さんに書いていただいた曲です。声優デビュー前に、坂本真綾さんを観に行ったフェスで堂島さんのことを初めて知ったんですけど、そこで聴いた「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」っていう曲で、「こんなにライブが楽しいアーティストさんがいるんだ!」とすごくびっくりして。楽しくて、その勢いでアルバムを買ってサイン色紙をいただいていたんです。なので、自分やワルキューレに楽曲を提供していただけていることにすごくご縁を感じていたんですけど、いつかその曲みたいなめちゃくちゃ盛り上がる、堂島さん節の曲を書いてほしいな……という想いが自分にも福田さんにもあったので、今回お願いしました。

――さて続いては、「Now Is The Time!」以外にも作詞を手がけられた新曲2曲についてお聞かせください。まず、北川さんも携わられたキュートなラブソング「わからないのよBABY」ですが。

鈴木 この曲は北川さんがメロディを作った段階で、サビの“わからないのよBaby!”のフレーズだけは決まっていたんですよ。なので「この曲すごくかわいいけど、なんだかわからないモヤモヤした感じの歌詞にしなきゃ……」って思っていました。そんななかで「夜空」のリリースイベントの移動中に飛行機でメロディを聴いたら、ふと「『hey boy』……あ、『hey boy』!」って最初のフレーズを閃いて、メモしだしまして(笑)。そこから妄想が始まっていきました。

――全体として、少女漫画のような世界観の曲になっていますね。

鈴木 私、たぶん普通の人よりも多く少女漫画を読んで育ってきたからか、恋の曲を書くと少女漫画みたいになってしまうんですよね。ポエムを書くのも好きでしたし。もう、かゆくなっちゃうぐらいでもいいんじゃないかなと思って(笑)。

――そもそもサウンド自体が、そういう世界観の浮かぶものですからね。

鈴木 そうなんです。だから歌詞を書くのも楽しかったです!ただ、この曲も含めて今回のアルバムでは、今までと歌詞の書き方が少し変わったんですよ。

――どう変わったんですか?

鈴木 これまでは書きたいことをバーっと書いたり、曲のメロディに合わせるよりも想いを優先するようなところが多かったんです。でも今回の作詞曲はちゃんとメロディを聴いて、作詞するときから歌うことも気にして、音も注意しながら楽曲全体を見て取り組むようにしたんですよ。あとこの曲、編曲には北川さんの他にSASUKEさんという方が加わられているんですけど、まだ高校生らしいんですよ。

――そうなんですか!?

鈴木 はい。歌手活動で自分が最年少じゃないことってワルキューレ以外ではなかったので、びっくりしちゃって。「し、しっかりしなきゃ!」みたいな気持ちになったのを覚えています。

――ちょっとまた、新しい自覚みたいなものが芽生えたと。

鈴木 そうですね。それに、去年から今年にかけてたくさんのすごい作家さんや演奏者さん、歌手の方とご一緒する機会が多かったので、「もっとプロの自覚を持たなきゃ!」と感じることがすごく増えたんです。なので、もっとこだわりを持ちつつ知識もちゃんと持った歌手になっていきたいんですけど、楽器も弾けないし曲も作れないので……なんか「ごめんなさい」っていう気持ちになるんです。気持ちは全然、ポジティブなんですけどね(笑)。

――でも作詞に関しては「音を気にするようになった」とおっしゃっていたので、ひとつステップを登られているように感じましたし、そのなかできっとまたやりたいことややれることも増えていくと思います。

鈴木 はい、頑張ります!

――そしてもう1曲の作詞曲は、7曲目の「月夜の夢」ですね。作編曲はmyuさんが手がけられていますね。

鈴木 私、myuさんの曲が大好きで!『ローゼンメイデン』がすごく好きなんですけど、そのEDテーマやイメージソングをだいたい手がけられているので、元々福田さん発のお話ではあったんですけど「ぜひ!」となりました。しかも自分がよく聴く音楽のタイプも、myuさんがよく作られているような静かな楽曲が多いんですよ。「夜空」のカップリング曲「まぼろし」もですけど、ちょっとずつ自分の好きなタイプの曲もCDに入れられるようになって、お客さんの反応も楽しみの一つになってきているので、この曲の作詞はすごくドキドキしましたね。福田さんから作詞を提案されたときには「書けるかなぁ?」って思いましたから。

――あまり自信がなかった?

鈴木 はい。さっきも言ったんですけど、私は自分自身の経験や妄想をもとにした、読んですぐわかるような歌詞を書くことが多かったので。でも、それってこの曲の世界観には合わないので、もっと幻想的で抽象的な歌詞にしなきゃと、いろいろ試行錯誤を重ねました。

――まさに幻想的で神秘的な曲になっていますが、鈴木さんはどんなテーマで歌詞を書かれていったんでしょう?

鈴木 実は、これもちょっとした経験がもとというか……なかなか眠れなかった夜に、ふとカーテンを開けたらすごくきれいな光が差し込んできて。それをぼーっと見ていたことだけを覚えているんです。そのときの一瞬のイメージと、自分が元々持っていた「今年はいい年になる気がする!」という予感をミックスして、「その月の光に導かれるようにどんどんどんどん進んでいったら、より強く月の光が差してきて、なんだかいいことが起こる予感がする」みたいなイメージで書いていきました。

――その思い描いたビジョンを歌で表現されていくうえで、こだわられたのはどんなところですか?

鈴木 私は普段は立って歌う派なんですけど、この曲に関しては歌っているかつぶやいているかわからないぐらいの雰囲気で歌いたくて、座ってずっとマイクのすぐ近くでウィスパーで歌いました。もう“歌う”というよりも、ぽつぽつと独り言のように“喋る”という感じのほうが近かったと思います。

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