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INTERVIEW

2020.06.11

小倉 唯、12thシングルTVアニメ『シャドウバース』EDテーマ「ハピネス*センセーション」インタビュー

小倉 唯、通算12枚目となるニューシングルの表題曲「ハピネス*センセーション」は、自身も黒羽アリス役で出演するTVアニメ『シャドウバース』EDテーマ。前向きに突き進んでいくような明るく爽やかなポップチューンである表題曲をはじめ、シングル全体で作品に寄り添いつつも“小倉 唯の想い”を凝縮した内容となった今作に込める想いを聞いた。

作品愛から生まれた、“加速する気持ちに歌が追いついていく”感覚

――今年2月の“リスアニ!LIVE2020”では、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました!

小倉 唯  “リスアニ!LIVE”は初めての出演だったんですが、会場の皆さんがすごく明るくて。どのアーティストさんのときでも応援してくださる姿、その会場の温度感がすごく素敵で印象的でした。ほかのアーティストさんのファンの方も多かったと思うんですが、私のライブステージのときにも一丸となって応援してくださったので、パフォーマンスしやすかったです。私のことを知らない方々にも自分らしいスタイルを提示できたのかなと思うと、とてもやりがいのあるライブでした。

――「Destiny」「Future Strike」とクールでかっこいい楽曲から始まって「ドキドキラビリンス」「Baby Sweet Berry Love」ではダンサーを交えたパフォーマンス、そして最後は新曲「I・LOVE・YOU!!」でかわいさを全開に。小倉さんの幅広い魅力がギュッと詰まったセットリストになっていましたね。

小倉  いつもフェス的なライブだと王道の楽曲を選ぶことが多いんですが、今回は普段自分のライブでやっているようなセットリストをイメージして組みました。フェス的なライブではダンスナンバーをほとんど入れないんですけど、今回はあえて「ドキドキラビリンス」という私のライブでの人気ナンバーを入れ込んだり。ちょっとマニアックなセレクトでしたが、お客さんがついてきてくれたのがすごく嬉しかったです。この“リスアニ!LIVE”を観てくださった皆さんに今度は私のライブにも来てほしいなという想いが強くあってこうしたセットリストにチャレンジしたのですが、実際に公演が終わったあと私のイメージがいい意味で覆されたと言ってくださる方も多かったようです。フェス的なライブでこういうセットリストの組み方もアリなんだなというのも、“リスアニ!LIVE”で体験させていただきました。

――そんな小倉さんのライブにまた映えそうな楽曲が揃ったシングルが今回リリースされます。表題曲の「ハピネス*センセーション」はTVアニメ『シャドウバース』EDテーマとしてオンエアされていますね。

小倉  実はEDテーマのお話をいただいたのは、黒羽アリス役としてアフレコもかなり進んでいた段階で。自分が演じるアリスというキャラクターであったり、共に闘う主人公・竜ヶ崎ヒイロたちの『シャドウバース』に対する熱い想い、そのなかで繰り広げられる人間関係といった、作品に対する理解がすでにある状態だったんですね。元々はアプリゲームのころから携わらせていただいていた作品でしたし、今回アニメでもまた違う役を演じさせていただくことになり、アフレコをしながらキャストの方たちと一緒に作り上げてきた世界観があったので、EDテーマを歌わせていただけるのはより嬉しいなと思いましたし、思い入れもさらに強くなりました。自分が『シャドウバース』の世界観やキャラクターたちの想いを知っているからこそ、それを代表して楽曲として届けたいですし、作品のメッセージ性をしっかり表現できたらいいなという想いで歌わせていただきました。

――楽曲を受け取ったときにTVアニメ『シャドウバース』らしさを感じたところは?

小倉  この作品は主人公のヒイロをはじめとする少年少女たちが「シャドウバース」というゲームを通じて、いろいろな困難に立ち向かいながらも前へ前へと突き進んでいくという作品になっているんです。今回の楽曲は、ファンファーレが鳴り響くすごくポップで爽やかな楽曲で。明るく背中を後押ししてくれるメロディや歌詞になっていて、キャラクターたちの前向きな姿が表現されているなと思いました。

――楽曲からも『シャドウバース』らしさが溢れていて、レコーディングにもすごく想いが乗ったんじゃないですか。

小倉  そうですね。楽曲も歌詞もコンペティションをしてたくさんの候補の中から選ばせていただいたものなので、歌う前からメッセージ性、伝えたい想いというのが自分の中で明確にあったんです。そのなかでも、サビ中にある“好きと好きがとまらない”っていう歌詞や、前向きで明るい爽やかな気持ちというのを歌に込めたいなという想いでレコーディングをしました。歌っていても自分の気持ちがどんどん加速していって、そこに歌がついてくるというような感覚がありましたね。

――歌詞の中でアニメの内容やキャラクターの姿が目に浮かんできたような箇所はありましたか?

小倉  まさに歌詞を選ぶ基準がそこで。歌詞を見て、どれだけキャラクターたちの場面や心情が浮かぶかなというところを大事にしながら選びました。なので、本当に作品のワンシーンやキャラクターたちの想いがいっぱい詰まった歌詞になっているなと思います。

――そのなかでも演じられているアリスの姿が浮かぶ箇所というのは?

小倉  アリスはアイドルという決められた世界の中で葛藤している子なんですが、仲間と出会って価値観が大きく変わっていくんですね。ネタバレになってしまうので詳しくはお話しできないのですが、そういう部分で大きく捉えると、この楽曲の歌詞の中にもアリスの気持ちが一致しているところはあると思います。

“アリス”に重なるプロ意識、そして“小倉 唯”として魅せる艶やかさ

――ちなみに、小倉さんが演じられる黒羽アリスは本渡 楓さん演じる天宮ミモリと対になっているようなキャラ設定でもありますけど、そういった部分で意識して演じられたところや本渡さんとお話しされたことなどはありましたか?

小倉  まさに、ミモリとアリスは物語の中ですごくキーになってくるキャラクターなんです。お互いにないものねだりというか、女の子同士いろいろな葛藤があるんだろうなと思いつつも、お互いにとってすごく大事な存在、なくてはならない存在なんだろうなと思って演じています。

――アリスに対して共感するところはありますか?

小倉  アリスはアイドルとしての活動を大人にすべて決められて葛藤している子ですが、私は常に自分が楽しいように表現しているのもあってそこは違うなと思うんです。でも、表に立つからには常にお客さんの期待に応えないといけないとか、どこかプレッシャーみたいなものはあると思うんですね。表に立つ人なら誰でもそうだと思います。そういうプロ意識というか、プレッシャーの感じ方は近いものがある気がしました。彼女もプロとして仕事をしていて、それがもちろん楽しいっていう前提ではあるけれど、だからこそしっかりとやり遂げなきゃいけないっていう。そうした想いをあの年齢で持てているというのはすごいなと思いますし、私も割と幼い頃からこういう仕事をしているので、その気持ちは共感できますね。

――今回のシングルには、そんなアリスのキャラクターソング「瞳の国のアリス」をセルフカバーして収録しています。こちらのレコーディングはいかがでしたか?

小倉  この曲はキャラクターソングの収録が先にあったので、どうしてもそのイメージが強くて。それを自分に落とし込んで歌うというのがこれまでにないことだったので、最初はかなり戸惑いました。どうしても脳内にアリスが浮かんできてしまってすごく苦戦したんですが、最終的には自分が楽しみながら楽曲に寄り添うことで、自然に出てくる声だったり気持ちで歌うのが正解なのかなと思いながら歌唱しました。

――“Dance Music Edition”ということで、また小倉さんだからこそ表現できたキュートなダンスチューンになりましたね。

小倉  アレンジにはすごくこだわっていて、オシャレでリズミカルな音質になっていると思います。オリジナルとは方向性が違う感じになるよう、ガラッと雰囲気を変えて作っていただきました。一緒にMVも撮影したのですが、今回の「小倉 唯」としてはダンスをフィーチャーした楽曲にしているので、MVも観ていただき、ダンスを含め映像と一緒に楽しんでいただけるといいんじゃないかなと思います。この曲のダンスはすごく大人っぽくなっていて、艶やかさとか女性らしさというのを意識して踊っているので、ぜひ観ていただきたいです!

――ダンスといえば、表題曲「ハピネス*センセーション」のMVはいつもライブに出演しているダンサーさんたちと撮影されたそうですね。

小倉  この楽曲ではとにかくハッピーに、明るく爽やかにというのをテーマにダンスをしているので、「瞳の国のアリス – Dance Music Edition-」とはまたまったく違うものを楽しんでいただけると思います。今回は外で撮影したので風がすごく強くて、前髪が乱れないようにするのがのがとても大変でした。これは裏技なんですが、風でなびかないように化粧用のノリで前髪を固定してダンスに臨んだりしています(笑)。

――ダンスシーン以外でも、小倉さんの楽しそうな笑顔がたくさん見られますね。

小倉  『シャドウバース』は一つの目標に向かってみんなで突き進んでいくというお話なので、そこに紐づけてダンサーさんたちと女子旅をして、目標となる最終地点に向けてみんなで冒険・探検するというシーンを撮影しました。私一人では見られない、仲間たちと一緒にいるからこそ見られる自然な表情が見どころになっているかなと思います。ダンサーズのことは結構わかっているつもりだったんですが、一日中一緒にいて改めて本当に楽しいメンバーだなと思いました。あと、お互い撮影期間中だけのニックネームを付け合ってその呼び方で呼び合ったのもあって、距離がより縮められましたね。

今だからこそ表現できるものを――ファンへの感謝と9年目への想い

――楽曲の話に戻りますが、今回はもう1曲「Look@Me♡」が収録されます。

小倉  この楽曲は、アリスと私自身に共通する部分、ステージに上がるうえでお客さんに向けて大事にしたい想いや、届けたい想いというのを表現できるようなポップな楽曲にしようと思い気持ちを込めて制作しました。ライブ映えする曲にもしたかったので、盛り上がりそうな要素をとにかくたくさん詰め込みました。サビ前やサビ中に、お客さんに入れていただきたいコールが散りばめられているので、ライブで盛り上がる様子を想像しながら楽曲制作ができたのはとても楽しかったです!

――ライブ映えもしつつ、ステージに立つまでの努力や裏側にある気持ちみたいなものもしっかり表現されていますね。

小倉  ただ元気で明るいだけではなく、少しセンチメンタルな感情や、努力をすることで開ける未来ということをテーマにしているので、ステージに上がるうえでの光と陰が垣間見える、メッセージ性の強い曲になっていると思います。歌詞は、このテーマが決まってから真っ先に大森(祥子)さんにお願いしました。いただいた歌詞を見たら、本当に自分の姿がそのまま反映されていて驚きました。

――これまで何度かインタビューさせていただいたときにお聞きした、ライブやファンに対する小倉さんの想いがそのまま詰まったような歌詞だと感じました。大森祥子さんには歌詞についてどのようなリクエストをされたんでしょうか?

小倉  それが、実は事前にそこまで細かいお話しはしていなくて。ざっくりとしたテーマと、こんな歌詞にしたい!という願望をお伝えしただけだったんですが、見事に私のことを見抜いた歌詞に仕上げてくださっていてとても驚きました。

――特に“好きを追い続けるって 痛みや汗も要る けどだから素敵だね”という歌詞は、小倉さんが妥協せずに歩み続けてきたこれまでの道のりを美しく表現した、大森さんからの温かい賞賛の言葉にも感じてとてもすてきだなと思いました。

小倉  そこは私もすごく印象に残っているフレーズで、はじめに読んだときは感動してキュッと心が動いたような気がしました。歌うときも、今まで見てきた光景を思い浮かべて情緒豊かに表現することを心がけました。大森さんの歌詞も相まって、すごくお気に入りの楽曲になりましたね。

――“離れて過ごす日 届くMention(エール) パワー湧くよ 私、この道を往(ゆ)ける”の歌詞は、現在のような状況下で聴いていると余計に心に響くものがありました。小倉さんご自身も困難な状況で不安な想いを持ってらっしゃると思いますが、改めてファンの皆さんから元気をもらっていること、そういう部分で今回の作品を通して皆さんに届けたい想いなどあればメッセージをいただけますでしょうか。

小倉  私自身もやはり、今だからこそ歌っていて表現できる気持ちがあるなと思いました。普段は当たり前だったことが、そうではなくて、とても尊いものに感じる。今の日常の中でのもどかしさや、そうしたなかでも伝えたい想いを全力で表現させていただきました。このような状況でもこうして楽曲を歌うことで、少しでも誰かの気持ちを救えるような存在になれていたら嬉しいです。

――それでは最後に、このシングルを発売後7月でデビューから丸8年、そして9年目が始まります。まだまだ先が見えない状況ではあると思いますが、改めてアーティスト活動に込める今のお気持ちを教えてください。

小倉  私がここまでアーティスト活動を続けてこられたのは、ひとえにいつも応援してくださっているファンの皆さんのおかげです。ありがとうございます! 8年という期間はあっという間だったけど、すごく長い時を過ごしている感覚もあるので、少し不思議な心地です。今は先が見えない毎日で不安もたくさんありますが、努力した先にはいつかまたキラキラと輝く未来が待っていると思います。こんなときだからこそ、一緒に乗り越えて素敵な未来を目指していきたいですね。これからも、応援よろしくお願いします!

INTERVIEW & TEXT BY 髙橋裕美


●リリース情報
「ハピネス*センセーション」
6月10日発売

【期間限定盤(CD+DVD)】

品番:KICM-92048
価格:¥1,800+税

<CD>
01. ハピネス*センセーション(作詞:Kamy 作曲・編曲:鶴﨑輝一)
02. Look@Me♡(作詞:大森祥子 作曲:三井真一 編曲:塚田耕平)
03. 瞳の国のアリス -Dance Music Edition-(作詞:磯崎輪太郎 作曲:川崎智哉 編曲:SHIBU)
04. ハピネス*センセーション(off vocal ver.)
05. Look@Me♡(off vocal ver.)
06. 瞳の国のアリス -Dance Music Edition-(off vocal ver.)

<DVD>
・「ハピネス*センセーション」MUSIC VIDEO MV
・「瞳の国のアリス -Dance Music Edition-」MUSIC VIDEO MV
・<ハピネス*センセーション>MAKING

【通常盤(CD)】

品番:KICM-2049
定価:¥1,200+税

<CD>
01. ハピネス*センセーション(作詞:Kamy 作曲・編曲:鶴﨑輝一)
02. Look@Me♡(作詞:大森祥子 作曲:三井真一 編曲:塚田耕平)
03. 瞳の国のアリス -Dance Music Edition-(作詞:磯崎輪太郎 作曲:川崎智哉 編曲:SHIBU)
04. ハピネス*センセーション(TV size)
05. ハピネス*センセーション(off vocal ver.)
06. Look@Me♡(off vocal ver.)
07. 瞳の国のアリス -Dance Music Edition-(off vocal ver.)

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