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INTERVIEW

2020.06.10

この魂の物語に寄り添わせていただけることが嬉しい――。ReoNa、TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』最終章のOPテーマ「ANIMA」を語る。

“絶望系アニソンシンガー”として、2018年にソロデビューして以降、アニメ作品はもちろん聴き手の心に寄り添う歌を届けてきたReoNa。この春に予定していたワンマンツアー“A Thousand Miles”が残念ながら中止となり、ニューシングルの発売も延期となるなか、彼女はどんな思いを抱きながら日々を過ごしているのか? 近況と、7月に放送開始予定のTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』最終章、そのOPテーマ「ANIMA」について語ってもらった。

「あなたに会えるのなら、あなたにお歌を届けられるのであれば、どんなに長い距離でも歩いていくよ」

――今年2月からの開催を予定していた全国ツアー<“ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2020 “A Thousand Miles”>が、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

ReoNa  すごく残念でしたし、本当のことを言うと、無理やりにでも開催したい気持ちもありました。ライブのときは毎回思うんですけど、きっとその1日にかけて来てくださる方が絶対にいらっしゃると思うんです。もしかしたら、受験生になるのでしばらく来れないという方もいれば、最近私のことを知って初めてお歌を受け取りに来てくださる方もいると思いますし。皆さんの大切な1日をいただいて、準備していただいたのに、予定通りにお届けしに行くことができなくなってしまって……。

――やはり歯がゆさはありますよね。

ReoNa  SNSで皆さんからの「チケットを取ったよ」という報告を身近にいただいていましたし、私自身も最終リハーサルを終えて「もうすぐ初日、さあ!」というところだったので。ただ、今回不思議だなと思ったのが、ツアータイトルの“A Thousand Miles”なんです。このタイトルは「あなたに会えるのなら、あなたにお歌を届けられるのであれば、どんなに長い距離でも歩いていくよ」という意味を込めて付けたものだったので、その意味の重みみたいなものが、偶然ですけど、今の私の想いとも重なるものになっていて。“A Thousand Miles”のその先には、いつか会える「あなた」がいるはずなので、この状況がいつか終息して、あなたの街にお歌を届けに行ける日になるまで、というストーリーに運命的なものを感じました。

――これだけの期間、ライブから離れることはデビュー後なかったと思いますが、その状況に対して、今、どんな思いを抱いていますか?

ReoNa  ずっと家にいると、未来の想像がこんなにも難しくなるんだなって思います。やっぱり人と話すことで未来の想像ができると思うので。だから、ライブが出来るようになったときのためにどう準備しておこう?ということは、意識して考えるようにしています。あと、私はライブというものからたくさんのエネルギーをもらっていたんだなということは、改めてすごく感じています。やっぱり公演予定日のたびに「本当だったら……」って思います。

――自粛期間中は、ご自宅でどのように過ごされていましたか?

ReoNa  デビューしてから今まで、こんなに長い時間、家にいることがなかったので、今まで触れることのできなかった作品に触れたり、進められていなかったゲームを進めたり……。それとヨガマットを買ったんです。やっぱりずっと家にいると体がなまるじゃないですか。私はほっとくと四六時中寝ちゃうので……。

――ネコみたいですね(笑)。

ReoNa  本当にネコと一緒に寝てしまうんです(苦笑)。なので、毎日少しでもと思って、ストレッチや筋トレを続けていて。今は一人だからこそ、自分自身と向き合わなくちゃいけない時間だと思うんです。私は甘やかそうと思うと無限に自分のことを甘やかしてしまうので、じゃあ改めてお歌を届けに行くことになったときに、後悔するのは嫌だなと思うので。実は家で練習するために、エド・シーランのシグネチャーモデルのギターを新しくゲットしたんです。お家だと大声でお歌をうたえないので、今はギターに触れる時間も増やしていけたらと思っています。

――ReoNaさんはYouTubeの公式チャンネルで、先ほどのツアータイトルのインスパイア元でもあるヴァネッサ・カールトン「A Thousand Miles」など、洋楽のアコースティックカバーを公開していますが、例えば自分で弾き語りした動画とかも面白そうですね。

ReoNa  弾き語りも長い目標の一つなので、いつかその姿をお見せできるように頑張りたいです。エド・シーランの楽曲もいくつか弾けるようになりたいので、練習します(笑)。

――ちなみに最近よく聴いている音楽は?

ReoNa  改めて自分がよく聴いている曲のプレイリストをサブスクでまとめていました。amazarashiさんの楽曲で自分が好きなものだとか。それと「私、小さい頃にどんな音楽を聴いていたっけ?」と思って、昔聴いていた、個人的にルーツになった洋楽のプレイリストをまとめている最中です。そういえばセレーナ・ゴメスとかここ数年聴いていなかったけど、久しぶりに聴き返したりしていて。そういう懐かしい気持ちに浸れる時間がすごく好きなんです。「そういえばこういう曲が好きだったな」っていうことを思い出すと、ちょっと嬉しくなったりとかして。

――いいですね。そのプレイリストにはほかにどんな楽曲が入っているのかも気になります。

ReoNa  自分の中では音楽のジャンルをまったく意識していなかったんですけど、改めてまとめるとカントリー調の曲が多いなあと思いました。テイラー・スウィフトとか、それこそエド・シーランの楽曲の中でもカントリーっぽいものだったりとか。あとはザ・バンド・ペリーとかの「THE カントリー」みたいなものを、知らず知らずに好んで聴いていたんだなと思って。たぶん私自身、ギターの音色とか生のピアノの音とか、アコースティックっぽい音が好きで癒されるんだと思います。

――それと先ほど、新しい作品にも触れているとのことでしたが、その中で特に印象に残った作品を挙げるとすれば?

ReoNa  最近だと「SHIORI EXPERIENCE~ジミなわたしとヘンなおじさん~」というマンガが印象に残っています。主人公の女の人にジミ・ヘンドリックスの幽霊が乗り移ってしまうお話なんですけど、ほかにもニルヴァーナのカート・コバーンとかが登場して、洋楽が好きな人に刺さるような内容なんです。実はそれまでバンドを取り扱っている作品にあまり触れたことがなかったんですけど、ステージの描写もマンガだとこういうふうになるんだと思って、一気読みしちゃいました。お薦めのマンガです。

――いろんなものをインプットする時間にもなっているみたいですね。

ReoNa  はい。ゲームも7月に「ソードアート・オンライン Alicization Lycoris」が発売されるので、その前に「(ソードアート・オンライン)フェイタルバレット」を全部終わらせなくちゃいけないという使命感に駆られて。集中して「Lycoris」に臨める体制を整えようと思います(笑)。

改めて耳から入る言葉の表現をすごく大切にしていきたいと思いました

――それとReoNaさんの最近の動きで個人的に印象的だったのが、FM802のラジオ番組「802 Palette」の「小説家になろう Novel on Radio」というコーナーで、朗読に挑戦されていたことで。あれ、すごく良かったです。

ReoNa  嬉しいです!

――ReoNaさんの声質と、落ち着いたトーンで読み聞かせるようなスタイルが絶妙にハマっていて、いわゆるASMR的な効果もあるなあと思いながら聞きました。

ReoNa  深夜帯のラジオ番組なので、これを聞きながら寝落ちしてしまう人もいるだろうな、と思いながらやりました(笑)。DJの豊田穂乃花さんとブースで向かい合うような感じで読み上げさせていただいたんですけど、相手のトーンを聞きながら、交互に読み上げる形だったので、相手の声にもものすごく耳を澄ませましたし、自分の言葉も一つひとつ注意しながら読んで。私は普段から小説をよく読むんですけど、声に出して読むと、情景を思い浮かべる感覚も、またいつもと違う感じになるんです。言葉を読み上げることでさらに新鮮に絵が浮かぶんだなあと思いました。

――ReoNaさんはこれまでも「こえにっき」などで声を使った表現活動を行ってきましたが、朗読にはまた別の魅力や可能性を感じましたし、あのアプローチは今後の音楽活動にも活かせそうな気がして。

ReoNa  元々物語を読んでその世界に浸るのが好きなんですけど、その物語に向き合う体力や心持ちというのが私の中にはあって。でも、朗読はそんなのは関係なく、物語の世界にググっと浸らせてくれるし、目だけでなく耳という感覚が増えることで、深度がすごく深まるんだなと思いました。それがお歌にも通じると思いますし、「こえにっき」もそうですけど、改めて耳から入る言葉の表現をすごく大切にしていきたいと思いました。

作品と共にこのお歌がいられているんだなということを感じて、すごくびっくりしました

――さて、7月にはTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』の最終章が放送開始予定ですが、そのPVでReoNaさんによるOPテーマ「ANIMA」が初公開されました。PVをご覧になっていかがでしたか?

ReoNa  実は先にラフの状態の映像を見せていただいていたのですが、そのときから観るたびに涙してしまいました。『ソードアート・オンライン』には「forget-me-not」のときから携わらせていただいて、スタッフの皆さんが《アリシゼーション》編にかける想いを近くで見てきましたし、そのうえで「ANIMA」という楽曲を、あのPVの時間の中で、あれだけストーリーや作品と密接に使っていただけたのを観ると……。自分自身もそれに対してどれだけ応えられるのか?ということを再確認して、身が引き締まるような思いもしましたし……でも、やっぱり、嬉しいですよ。最終章に向けて、あのPVは、たまらないものがあります。

――『SAO』という長期シリーズの中でも白熱のエピソードとなる、《アリシゼーション》編の最終章ということで、そのOPテーマに対する期待感はすごく高いと思うんですよ。でも、その期待に見事に応えることのできる曲だということを、このPVを観て改めて感じました。

ReoNa  この楽曲は同じLIVE LAB.の毛蟹さんが作詞・作曲・編曲をすべてしてくださったのですが、『SAO』全体に対してのアンセムというか、作品に対する一つの答えのような楽曲になっていると思うんです。それは、ReoNaとしても、ReoNaチームとしても、そして毛蟹さんとしても、『SAO』という魂の物語に対しての一つのアンサーという気持ちがあって。キリトが《アインクラッド》編からずっと背負ってきた、命があって、魂があって、その意味がどんどん深まっていくなかで、この《アリシゼーション》編の物語を通して、一つの魂の存在を問いかけるような。皆さんのコメントやリプライを見ていると、歌詞の“魂の色は何色ですか?”という一節を、すでにものすごく大きく受け止めてくださってる方がいらっしゃることを感じていて。私自身もこの言葉自体が、『SAO』物語に向き合う、すごく重たく、大切な一言だと思いますし、それがお歌で皆さんに届いていればいいなと思います。

――しかもPVの終盤、キリトが目を開くシーンに合わせて、その“魂の色は何色ですか?”というフレーズが印象的に使われていて。

ReoNa  あそこで使っていただいているお歌は、本来ならば(TVサイズVer.にはない)部分なんです。それに、あのシーンは本当ならば無音でもよかったかもしれないのに、あえて楽曲のその部分を当てはめてくださっていて……本当に作品と共にこのお歌がいられているんだなということを感じて、すごくびっくりしました。

――TVアニメの放送が始まって、OPアニメをご覧になったときは、また泣いてしまうんでしょうね。

ReoNa  あの……すでに泣きました(笑)。まだ絵コンテに近い状態のラフを見せていただいたんですけど、それが動くのを想像しただけで嗚咽するぐらい泣いてしまって……。その後も何度思い出し泣きをしたか、というぐらいです。

――放送が楽しみです。

ReoNa  「ANIMA」というタイトルには「魂」という意味があって。「forget-me-not」から続けて「ANIMA」で、この魂の物語に寄り添わせていただけることが嬉しいですし、楽曲全体を通して、ユージオの存在にも思いを馳せてほしい、という気持ちも込めているので、早くフルでこの曲をお届けしたいです。今は待ち遠しいことばかりですね。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
「ANIMA」(アニマ)
7月22日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD+Photo book)】
品番:VVCL1680-1681
価格:¥1,600+税

・撮りおろしフォトブックレット付
・「ANIMA」ミュージックビデオ映像収録DVD同梱

【期間生産限定盤(CD+DVD)】
品番:VVCL1683-1684
価格:¥1,600+税

・TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」2ndクールノンクレジットOP映像、家庭用ゲーム「ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス」ノンクレジットOP映像収録DVD同梱
・描きおろしアニメイラスト使用三方背ケース仕様&ミニポスター付

【通常盤(CD)】
品番:VVCL1682
価格:¥1,200+税

<CD>
M1:「ANIMA(アニマ)」
M2:カップリングA
M3:カップリングB(初回生産限定盤・通常盤に収録)
M3:「Scar/let(スカーレット)」(期間生産限定盤に収録)
※クリエイター情報など、詳細は後日発表

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