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INTERVIEW

2020.05.28

安田レイ、“光と闇”をテーマに書き下ろしたTVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』EDテーマ「through the dark」リリースインタビュー

元気ロケッツでの活動を経て、2013年にソロシンガーとしてデビューし、TVアニメ『魔法科高校の劣等生』のEDテーマ「Mirror」をはじめ数々のアニメ主題歌も歌ってきた安田レイが、ニューシングル「through the dark」をリリース。現在放送中のTVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』のEDテーマとなる本楽曲は、同作の主人公の一人である白の王国の守護者・光の王アイリスの心情に寄り添った、ドラマチックかつエモーショナルなナンバー。そこには自らの「相反するものが共存し合う」という、彼女自身の現在のテーマとも重なる思いが込められていた。コロナ禍を受けての近況や好きなアニメの話を含め、話を聞いた。

ファンの皆さんとの繋がりを改めて再確認できています

──本日はリモート取材になりますが、安田さんは最近、どんなふうに日々を過ごされていますか?

安田レイ 家にこもりっぱなしですね。今まで生きてきて、こんなにずっと家の中にいるのは初めてです。私は一人暮らしなので、話し相手も誰もいなくて。だからいつも以上に人との繋がりを求めていて、最近はSNSをよく更新しています。今はみんなライブとか発散する場所がなくて、きっといろいろ溜まっているだろうなと感じるので、私はみんなでピースな気持ちを保てるように、自分でカバー動画をアップしたりしていて。音楽にはヒーリングパワーがあると思うので、少しでもポジティブなエッセンスを皆さんにパスできたらと思うし、SNSを通してファンの皆さんとの繋がりを改めて再確認できています。

──一人で過ごす時間が増えたことで、プライベートで新しく始めたこともあるのでは?

安田 料理とか。あと、洋服のDIYにすごくハマっています。普段着なくなってしまった服がかなりの量になってきたので、その服をリメイクしていて。ダイタイっていうフェスでみんなが着るようなカラフルな染め方があるんですけど、私がやっているのはそれの脱色バージョンで、漂白剤を使って、絞り染めと同じ行程で服から色を脱色するんです。そうするとイケイケな柄になって、新しいTシャツを買った気分を味わえるんですよ。それをSNSに載せたら「作り方を教えて」というメッセージがたくさんきたので、作り方動画みたいなものをInstagramに載せたら、「作ったよ!」というコメントをいただいたりもして。今の私の日課というか、楽しみになっていますね。

──自分の趣味を充実させつつ、ファンとのコミュニケーションもしっかりと深めているようですね。

安田 「レイちゃんはステイホームをめちゃめちゃ楽しんでるね」っていろんな人に言われます(笑)。料理もいろんなものにチャレンジしてみたり、いつも以上に盛り付けを頑張って写真を撮ってみたりしていて。

──ちなみにこの自粛期間に、映画などの映像作品に触れたりはしましたか?

安田 結構観ていますね。私、世の中がこうなる少し前にプロジェクターをゲットしていたので、今はそれを使って、過去に観た映画をもう一度観直したりとか、いろんな作品を観ています。画面が大きいと迫力があるし、新たな発見もすごくあるので。

──アニメをご覧になったりは?

安田 最近観直したのが『キャロル&チューズデイ』です。私はあの作品がめちゃくちゃ大好きで。ストーリーに共感できるところがたくさんあるし、私もAIとかの新しい技術が発展していくなかで、自分はどういうスタンスで活動していけばいいんだろう?って考えたりすることがあるので。でも、『キャロチュー』の二人はそういう技術とかではない、本当のリアルな部分の音楽で勝負しているから、すごくかっこいいなあと思って。全部観たんですけど、もう一回、第1話から観ています(笑)。

──アニメも結構ご覧になられるんですね。

安田 あとは『BEASTERS』も観ました。『BNA ビー・エヌ・エー』もすごくいいですね。TVではまだ途中までしか放送されていないですけど、私はNetflixで全部観ちゃいました(笑)。音楽もmabanuaさんがやっているので、めちゃくちゃかっこよくて。やっぱり音楽をこだわっている作品は観てしまいます。

(アイリスの)真っ直ぐな気持ちを歌詞にしたいなと思ったんです

──安田さんのニューシングル「through the dark」は、TVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』のEDテーマですが、作品のどんな部分を意識して作られた曲ですか?

安田 今回EDテーマを歌うにあたって、まず作品について詳しく知りたかったので、プロットや声優さんが読む台本をいただいて、それを私なりに解釈して歌詞を書きました。私は女優業などの経験がないので、声優さんみたいに文字だけでいろんな景色や感情を読み取るのは難しい部分もあったんですけど、自分なりに理解して、そこで主人公のアイリス目線で曲を書きたいなと感じました。

──というのは?

安田 アイリスは私と同じ女性ですし、尊敬できる箇所がたくさんあるんですよ。彼女はとにかく真っ直ぐで、ブレがなくて、人を愛する気持ちを持っていて、一人ひとりの目を見つめて向き合う、かっこいいオーラを纏っているところが素敵だなと思って。彼女のそういう真っ直ぐな気持ちを歌詞にしたいなと思ったんです。

──タイアップの発表時に安田さんが寄せたコメントによると、この楽曲では愛する気持ちの強さを“光と闇”というテーマで表現してみたとのことでした。

安田 “光と闇”はこの作品の大きなテーマでもあるので、そのテーマを通してアイリスの気持ちを届けたいなと思いました。それにプラスして、安田レイというフィルターも通したかったので、もう一つ“遠距離恋愛”という形で、離れた相手を想う気持ちを表現してみました。作品の中にも光の国と闇の国が登場するので、その部分と遠距離恋愛を重ねていて、遠くにいる人を守りたい気持ちを言葉にしています。遠距離恋愛というのは、離れている時間が長いと余計に好きな気持ちが大きくなるパターンもあれば、迷いが生まれてしまうこともあると思うんです。「私はこの人を必要としているのかな?」って迷う瞬間があると思うんですけど、今回はその迷いの気持ちも歌詞の中に入れていて。

──1番Aメロの“会えない時間がわたしを 少し迷わせる 儚い光”という部分ですね。歌詞ではそこからの心の動きが鮮明に描かれています。

安田 Aメロ・Bメロの部分は、ちょっと不安な気持ちで、静かな街を一人で歩いている感じで。アイリスが一人で歩きながら、ぼそぼそって、つい言葉が漏れてしまっているようなイメージで書かせていただきました。その静かな展開からサビに向かってどんどん気持ちが大きく膨らんでいくところは、サウンドも壮大になっていって、サビでは「やっぱり私はあなたが好きだ!」っていう気持ちが爆発して。あなたが闇の中から抜け出せなくなって困っているのであれば、私はあなたを見つけ出したい、あなたを救いたい、あなたに触れたい、という気持ちを、ものすごくストレートな言葉で表現しました。

──アイリスの心情の流れに寄り添うような歌詞の内容と、サビに向けてどんどん高まっていくサウンドがシンクロしていて、聴き手の心にダイレクトに響くような曲構成になっていますね。

安田 この曲のサウンドプロデュースをしてくださったJeff Miyaharaさんとは、今回初めてご一緒させていただいたんですけど、Jeffさんも作品のプロットを読んだうえで曲を作ってくださったので、その全部が言葉を導いてくれた感覚があります。最初の音数が少なくて静かに始まる部分も、そのイメージを言葉にしたくて、“静まる街”っていうストレートな情景を言葉に使ったんです。アイリスはとてもピュアでストレートな方なので、あまり回りくどい言い方はぜず、全部素直に、つい漏れてしまった言葉みたいなイメージで歌詞を書きました。

──なるほど。ちなみに安田さん自身は真っ直ぐな性格ですか?

安田 私はストレートに言い過ぎてしまうタイプですね。性格的にバカ正直なので、自分でももうちょっと計算高い人間になりたかったなあと思うことがあって。でも、ウソをつけないし、すぐ本音を言ってしまうところは、アイリスとすごく重なる部分があるかもしれないです。「こういうときはちょっとした優しいウソがつけたほうがいいな」って思うこともあるので(笑)、良くも悪くもっていう感じですけどね。私はアイリスほど強くはないですけど、大切な人や愛している人が困っているときには、助けたいという気持ちがあるし、その人にもし闇の部分があったとしたら、受け入れたいという気持ちもあるので、そういうところは今回の楽曲にも出ているかなと思います。

──それと個人的に思ったのは、安田さんが今年3月に発表した3rdアルバム『Re:I』で表現していたコンセプトと、今回の楽曲の“光と闇”というテーマ性には、シンクロする部分があるのではないかということで。

安田 そうですね。私は20歳でデビューしてからずっと歌わせていただいていて、今年の7月でデビュー7周年を迎えるんですけど、その中で「安田レイ」のイメージが膨らんで定着していったと思うので、『Re:I』では「それだけじゃないんだよ」ということを知ってもらいたくて。私も同じことを繰り返すのは嫌だし、ファンの皆さんもきっといろんな安田レイを見たいと思ってくれていると思うので、その意味でも「殻を破る」というテーマで制作したのが3rdアルバムだったんです。

──その「殻を破る」というのは?

安田 ここからもう一歩前に進んでいくためには、自分のもっと深くてコアな部分、それはもしかしたら闇の部分だったり、恥ずかしくて人には見せたくないと思っていた部分を、楽曲にしていくのが近道なのかもと思って。アルバムのために自分で作詞作曲した曲は、今までの4つ打ちでキラッとしたポップな楽曲とは真逆で、レーベルの人にも「今までとは全く違う、ダークでウェットでミステリアスな楽曲を作りたいです!」と言って作らせてもらったんです。自分にとっては大きなチャレンジだったので、受け入れてもらえるか不安もあったんですけど、驚きの声もありつつ、「こういう曲ももっと聴いてみたい!」という声もたくさんいただいたので、やっぱりやって良かったなと思っていて。

──そういった流れを受けて、今回の「through the dark」のリリースがあったわけですね。

安田 「through the dark」は、今までの楽曲とはサウンドも違いますし、自分の歌い方も違っていて。というのもJeffさんのボーカルディレクションが独特で、いつものレコーディングだと技術面のことを言われることが多いんですけど、Jeffさんの場合は精神面、メンタル的な部分でディレクションをしてくださったんです。面白かったのは「レイちゃん、うまく歌わないで」と言われたことで、そんなことを言われたのは初めてでした(笑)。とにかく全部を削ぎ落してほしいということで、「レイちゃん、今から5歳になって」って言われたんですよ。「5歳のレイちゃんだったらどんなふうに歌う? 技術なんて何もないでしょ、もっと素直に正直に歌えるんじゃない?」って。私もその言葉にハッとして、もっといろんなことを引き算して歌ってもいいのかなと思って。アイリスの気持ちのように真っ直ぐに歌えたのも、Jeffさんのディレクションが大きかったです。

──歌の話で言うと、ラスサビの部分でコーラスが分厚くなるところは、非常にアイリスっぽさを感じたんですよね。何重にも重なった綺麗なコーラスが、光に包まれているような雰囲気を演出していて。

安田 私もあの部分はすごく好きです。いろんな大きさの粒の光が、自分の周りにいっぱい光っているような感じで、アイリスから光がブワーっと出ているようなシーンが浮かぶ音かなと思います。この曲では、後半に向けていろんなコーラスを重ねていて、自分の声がどんどん分厚くなっていくんですよね。特にDメロからラスサビにかけては、迫力が一気にバーンと増すので、アニメではワンコーラスまでしか聴けないですけど、ぜひ楽曲の最後まで聴いてほしいです。

──EDアニメは、アイリスともう一人の主人公である闇の王子をフィーチャーした内容ですが、自分の曲に映像が付いたものをご覧になった感想はいかがですか?

安田 すごく綺麗だなあと思いましたし、最初のアイリスが街を歩いている風景とか、映像と歌詞がリンクしていたので、自分で歌詞を書いていることもあってものすごくうれしくて(笑)。「私の歌詞が映像化されてる! ヤバい!」と思って、すごくテンションが上がりました。あとは何よりもアイリスが美しい! 透明感とオーラがありますよね。

自分自身も世界に向けて大きな気持ちでモノづくりができる

──安田さんは自分で作詞する機会が増えていますが、今回のように作品タイアップのある曲の歌詞を書くことに、どのような醍醐味を感じますか?

安田 まずは作品を理解することから始めたいので、原作があればチェックして、その作品に寄り添うようにするんですけど、自分のフィルターを通して理解をして、自分の意思も混ぜ合わせながら表現するところは、毎回タイアップでないと絶対に生まれないものになるので、うれしいなと思います。あと、ワクワク感がありながらも、作品を愛するファン皆さんがどう受け取ってくれるかなっていう不安も少しありますね。そこは実際に作品とコラボレーションしてみないとわからないことなので。今回も、第1話の放送のときは、ずっとツイッターをチェックして、皆さんの反応をドキドキしながら見ていました(笑)。でも、皆さん良い評価をしてくださっていましたし、YouTubeにアップしているMVにも、日本の方だけでなく海外からもたくさんコメントしてくださっていて、世界中で愛されてる作品なんだなって改めて思いました。

──たしかに日本のアニメは今や世界中で観られているので、その意味では、自分の歌が世界に届くチャンスでもあるわけですね。

安田 今までもいろんなアニメ作品とコラボレーションさせていただいていますけど、自分のライブに海外から来てくださる方もいたりするので、アニメってすごいなあと思いますね。日本のアニメ作品とコラボレーションできるのはすごく幸せなことで、楽曲の幅も広がりますし、自分自身も世界に向けて大きな気持ちでモノづくりができるので、今回も楽しかったです。

──先ほどお話にあがった「through the dark」のMVは、大自然の壮観なロケーションで撮影された、見ごたえのある映像に仕上がっていますね。

安田 安田レイのMV史上、いちばん壮大でパワフルな映像になったと思います。ずっと山や自然を感じながら撮影したんですけど、今まであそこまでがっつりロケをしたことがなかったので、すごく楽しかったです。でも、今年の2月に撮影したので、めちゃくちゃ寒くて(笑)。リリースが春なので、私は春っぽい衣装を着て撮影したんですけど、周りのスタッフはモコモコのダウンとかヒートテックとかをたくさん着ていたんですよ。だからMVもよく観ると私の息が真っ白なんです(笑)。ドローンも使ったりして、2日間かけてずっと、朝から晩まで撮影していたので、睡眠時間が1時間半ぐらいしか取れなくて。でも、寒いし、いいものを撮りたい気持ちが強いというので、いろんなアドレナリンが出ていて。私も一生忘れられない撮影になりました。

──白い衣装と黒い衣装の安田さんが登場して、映像的にも楽曲のコンセプトを表現されています。

安田 白の私と黒の私が交互に出てくるシーンは、背景と衣装とメイクは違うけど私の動きは同じなので、ワープしたように見える映像になっていて。その部分は、「白と黒」という二つの存在が表と裏にあること、すごく遠くにあるように思えて実はすごく近くにあって共存し合っていることを表現したくて作ったんです。今回のシングルのジャケットのアートワークも、白と黒がお互い見つめ合って求めあっていることを表現していて。白が良くて黒が悪いというイメージを持ちがちですけど、白があるから黒が際立つし、黒があるから白が際立つ、そういう切っても切れない関係性があると思うんです。

──なるほど。

安田 それと自分自身もそうですけど、優しくていい安田レイもいれば、本当にだらしなくてダメダメな安田レイもいて(笑)。その両方のバランスをうまく取ることで、人間らしさみたいなものが生まれているんだと思うから、だらしない自分を常に否定し続けるのではなくて、受け入れて共存することも必要だと思うんです。またアニメの話に戻りますけど、あの世界でも白の国と黒の国が、お互いに認め合って、許し合って、最終的には共存し合って生きていける世の中になればいいなっていう、個人的な希望があって。まだどうなっていくのかはわからないですけどね。

──加えて、アルバムで表現していた「自分の弱い部分もさらけ出す」というテーマともリンクしますね。

安田 そうですね。今までは、変なところで完璧主義者なところがあって、自分のダメなところを否定していたんですよ。私も人間なので、自分の嫌いな部分があるんですけど、それを人に見せないで、いいように見られたいっていう気持ちがすごく強くあったんです。けど、安田レイとしてのいろんな経験や、年齢を重ねていくなかで、ちょっとぐらい自分のダメなところを見せても、別に誰も逃げてはいかないなって思うようになって。だから最近は、できないことはできないって素直に言ってもいいんだろうし、ダメなところは別に隠さなくてもいいと思うようになっていて。だから「白と黒が共存し合う」というのは、自分の中でも大きなテーマですし、作品にとっても光になる部分だと思います。

──その意味ではすごくいいタイミングでいただけたお話ですよね。

安田 そうですね。自分自身で「こういう自分でありたい」と思っていたタイミングで、ちょうどいいテーマの楽曲だったので、新たに自分のことをいろいろ見つめ直すきっかけになりました。

新しい場所に慣れることができずに悩んでいる人にも、プラスなエッセンスが届けば

──せっかくなのでカップリング曲のお話も。「true colors」は清涼感のあるミディアムナンバーで、こちらも安田さんが自ら作詞を担当。先ほどお話されていたアルバムのテーマとも地続きの印象を受けました。

安田 この曲は、実は何年か前にメモしていた言葉から、もう一度組み立て直して歌詞を作ったんです。なのでそのときの自分の悩みが出ていますね。この歌詞には「鳥かご」というワードは出てこないんですけど、「かごの中に閉じ込められた私」というテーマがあって。本当は向こう側の世界に触れたい、飛んでいきたい気持ちがあるけど、誰かに「君にはできない」って決めつけられてかごから抜け出せない、もしくは自分自身で「自分には無理だ」っていう勝手なルールを作ってしまって納得してしまうことがあると思うんです。でも、世界が日々移り変わっていくなかで、自分は何も変わらずにただそれを見ていることがもどかしくて。だから、そこから逃げ出して新しい街に飛んでいく、というのがこの歌詞で描いていることなんです。

──自分の殻を破りたいという気持ちにも重なりますね。

安田 最初は自分の悩みが鮮明に思い出せたので、結構ヘビーな歌詞になってしまったんですけど(笑)、スタッフと話し合っていくなかで、このシングルのリリースがちょうど新生活の時期でもあるから、ポジティブな気持ちになれる楽曲にしようとなって。サウンドにも軽やかな部分があるので、もう少し希望を感じられる部分を入れて、書き直したのがこの歌詞なんです。新しい場所に慣れることができずに悩んでいる人にも、プラスなエッセンスが届けばいいなと思います。

──「鳥かご」のお話を聞いて納得しましたけど、この曲の安田さんの歌には、鳥かごから広い空に放たれたような開放感があるなと思って。

安田 狭い世界から、自分の意志で抜け出して、広い世界に飛び立つ、自分の人生ってこんなにも楽しく生まれ変わることができるんだ!っていううれしい気持ちをサビで表現していて。この曲の歌詞を書いているときに思い出したのは、私も小さい頃からシンガーになりたいと言っていたんですけど、みんなは音楽の世界が厳しい場所であることを知っているので、今まで何度も「歌を諦めなさい」ということを言われてきたんですよ。でも、私は自分の人生を自分でコントロールして生きていきたい気持ちが、昔からすごく強くあって。もちろん大人の意見に耳を傾けることも大事だと思いますけど、そればかり信じて生きていくと、「自分の人生」が「誰かの人生」になってしまうことに気づいて。なので今、そういうことで悩んでいる人がいたら、自分の意志で自由になってほしいなと思います。

――そういった自分の経験も踏まえて歌詞を書かれているからこそ、しっかりと心に届く曲になっているんでしょうね。

安田 自分で歌詞を書くときは、なるべく自分が経験したことを書くように意識していますね。そのほうが歌っていて伝えやすいですし、傷ついたことだったら、それが直に伝わると思うので。

──「true colors」という曲名もいいですよね。シンディ・ローパーにも同タイトルの名曲がありますし。

安田 そうなんですよ。ファンの皆さんからも「この曲はシンディ・ローパーのカバーですか?」って聞かれることがあって、私はそのときに「そっか同じタイトルだった」って思ったんですけど(笑)。でも、この楽曲をひと言で表すのにぴったりな言葉だし、今回の楽曲では「色」が大事なキーワードになっているので、何個か案があったなかで、このタイトルにしました。

──改めて今回のシングルは、安田さんにとってどんなシングルになりましたか?

安田 どちらの曲も自分で詞を書いているので、今の自分の気持ちを全部書き出せたと思いますし、最近は自分で作詞作曲する機会が増えて、今年の2月にはワンマンライブをやらせていただいたり、そういった経験一つひとつのすべてが、このシングルに結び付いているなと思っていて。私は失敗も多いですけど(笑)、だからこそ生まれる気持ちや歌詞もあるから、今までの自分に対して「ありがとう」と言いたくなったし、特に「through the dark」はこれからの安田レイが見える楽曲に仕上がったと思うので、この楽曲を聴いて「また新たな安田レイを見たいな」って感じてもらえるような作品になっていたら嬉しいです。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
「through the dark」
発売中

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

価格:¥1,636+税
品番:SECL-2575~SECL-2576

<CD>
1.through the dark
2.true colors
3.through the dark -Instrumental-
4.true colors -Instrumental-

<DVD>
「through the dark」Music Video
「through the dark」メイキング映像

【通常盤(CD)】

価格:¥1,091+税
品番:SECL-2577

<CD>
1.through the dark
2.true colors
3.through the dark -Instrumental-
4.true colors -Instrumental-

【期間生産限定盤(CD+Blu-ray)】

価格:¥1,364+税(税込)
品番:SECL-2578~SECL-2579
※アニメ絵柄描き下ろしデジパック仕様

<CD>
1.through the dark
2.through the dark -アニメサイズ-
3.through the dark -Instrumental-

<Blu-ray>
TVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』ノンクレジットエンディング映像

(C) COLOPL/Shironeko Animation Project

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