また新たな表情を見せる2ndシングル「翼と告白」が完成!富田美憂インタビュー

Kleissis、Studyといったユニットでの活動を経て、昨年11月に待望のアーティストデビューを果たした声優・富田美憂が、ニューシングル「翼と告白」を完成させた。デビューシングルとなった前作「Present Moment」では、自身もキャストとして出演したTVアニメ『放課後さいころ倶楽部』のOPテーマとして、作品の世界観にも寄り添う楽曲になっていたが、今作は初のノンタイアップ作品に。より等身大の自分らしさを追求した、希望と不安、光と影の両方をしっかりと受け止めて前に進む彼女の真っ直ぐな歌声が胸を打つ楽曲に仕上がった。20歳になり、ひとりの人間としてもますます輝きを増す彼女に話を聞いた。

――新作のお話に入る前に、前作のデビューシングル「Present Moment」をリリースして以降の変化についてお聞かせください。ファンの方や周囲からの反応・反響はいかがでしたか?

富田美憂 「声優としての活動以外にもずっとアーティストとして歌を出してほしかった」と言っていただけることが多くて、嬉しさと同時に驚きました。イベントの特典会などの際に「ずっと待ってました!!」とニコニコしながら言ってくださる方がたくさんいて、もっと頑張ろうという気持ちも増しましたし、嬉しかったです。ファンの方以外にも、スタッフさんからも作品でのレコーディングの際に「上手くなったね」と言っていただくことが多くて、ソロのアーティストでの活動で得たことが、ほかの仕事にも役立っていると実感しています。

――同シングルの発売直後となる昨年11月には、ライブイベント“ANIMAX MUSIX 2019 YOKOHAMA”に出演。ソロアーティストとしては初の大舞台に立たれました。

富田 まさかデビューしてすぐ、「富田美憂」として横浜アリーナという大きなステージに立たせていただけているとは思っていなかったので、純粋に嬉しかったです。“ANIMAX MUSIX”の前に『少女☆歌劇レヴュースタァライト』のライブ(2019年11月3日に行われた「3rdスタァライブ“Starry Diamond”」)で横アリでのライブは経験していたのですが、この日はステージにひとりという状況だったので余計に会場が大きく感じましたね。シークレットゲストということもあり「私が出ていったことによってお客さんが盛り下がってしまったらどうしよう」と思っていたのですが、本番はすごく大きな歓声をいただけて安心して歌うことができました。この日の経験が私に度胸をつけてくれた気がしています。

――また、富田さんは同シングルのリリースと前後して、20歳の誕生日を迎えられました。改めて普段の生活や気持ちのうえで変化したことはありますか?

富田 学生の頃は20歳ってすごく大人に見えていたのですが、実際自分が成人したらそこまで大人じゃなくて(笑)、20歳になったからって急に大人になるわけじゃないんだなと。ただ15歳から仕事をしていたので、先輩方やスタッフさんがたくさんお祝いしてくださって、やはり20歳って特別だなと思いました。あとは現場でも自分より年下の子が増えてきたので、自分も精神的にいい意味で余裕が出てきたこともあり、面倒を見たくなってしまっています(笑)。

――そのようにアーティストとしても個人としても着実に歩みを進めるなか、今回、待望のニューシングル「翼と告白」をリリースされます。今作を制作するにあたって、最初にご自身のどんな一面を表現しようと思われましたか?

富田 ベースとしては「たくさんの人から共感してもらえるような歌がうたいたい」と思っています。そのためには、あまり気取りすぎず、ありのままのナチュラルな感じを見せる、私の「今」だから表現できる等身大な感じでいたいなと思っています。等身大から生まれる歌のリアルな魅力があるのではないかと。私のファンの方は私と歳が近い方も多いので、ファンの方との距離も遠すぎず、手が届きそうな距離の近い感じでいたい、それが富田美憂ならではの心地いい距離感なのかなと思っています。

――今回は初のノンタイアップシングルになりますが、楽曲に関して、富田さんから何か意見なりアイデアを出したりしましたか?

富田 歌の方向性として「キラキラした希望や夢だけを歌うんじゃなくて、人の心の陰な部分も交えてリアルな感情を歌いたい」というリクエストをさせていただきました。夢を追いかけたり、何かに向かって頑張ったりするのって、必ず不安とか葛藤が伴うと思うんですよ。そういうところを歌ったらもっと、歌のいい意味での生々しさが増すんじゃないかと思ったんです。

――よりリアルで等身大の作品を目指されたわけですね。

富田 辛いことを乗り越えた先の希望や夢ってすごくキラキラしていると思うんですよね。私も今までの人生、そういった歌に何度も救われました。マイナスな感情を歌うのって勇気がいるけど、きっと皆さんもそんな歌に勇気をもらってくれるんじゃないかと思い、そういったアイデアを出させていただきました。

――そのようなリクエストを経て制作された今回の楽曲「翼と告白」を初めて聴いたときの印象はいかがでしたか?

富田 自分で言うのもどうかと思うのですが、すごく「私っぽい」と思いました。「Present Moment」に引き続き、睦月周平さんに書き下ろしていただいたのですが、「Present Moment」との繋がりも感じられて、いわば“進化系”ですね。爽やかだけどどこか温かいような、不思議な魅力のある楽曲だなと思いました。

――睦月さんの作られる楽曲のどんなところに惹かれますか?サウンド面でお気に入りの部分についてお聞かせください。

富田 トラックダウンのときに気づいたのですが、オケにベルのような音が入っていて。その音にすごく惹かれました。なんて温かくて素敵な音なんだろうって。皆さんも「この人の曲が好き」とか「この音が好き」とかってあると思うのですが、私にとって睦月さんが書く曲がまさにそうで、上手く言えないのですが、なんかこう本能的に好きな音楽というか……!きっと今回の「翼と告白」も、作曲家を伏せられた状態でも「この曲が歌いたい!」と選んでいたと思います。こういうのも音楽の面白いところですよね。

――「翼と告白」の歌詞を書かれた只野菜摘さんと言えば、富田さんが初めて主演を務めたTVアニメ『アイカツスターズ!』の楽曲で間接的にご縁がありますね。

富田 『アイカツスターズ!』の曲は大好きなので、作詞を只野さんにお願いすると聞いたときから「只野さんだ!」と自分の中で盛り上がっていました(笑)。

――只野さんにはどのようなイメージで歌詞をお願いしましたか?

富田 先程お話しした「苦難やマイナスな感情を乗り越えた先の希望」が歌いたいですというリクエストをまさに表現してくださって!かなり私的に刺さる歌詞でした。いただいた歌詞を見て「ここはどんな表情をつけて歌おうかな」とずっとワクワクしていましたね。

――歌詞で特に刺さったフレーズ、自分自身の気持ちにフィットした部分などあれば教えてください。

富田 “思っているほど いい子ではないよ”や“みせないだけ 葛藤を”などのフレーズが刺さりました。私自身、「期待してるよ」や「頼みます」と言われることが本当に苦手で……。プレッシャーにすごく弱いんですよ。期待していただけて嬉しい反面、不安もその分大きくなるんです。そういったマイナスな気持ちって誰しもが持っていると思うんですよね。だから私はすごく共感できましたし、この曲を歌って、そんなプレッシャーも乗り越えて強い自分になりたい!とさらに思えました。

――個人的にサビの“正直な自分になる”というフレーズは、アーティスト活動を行ううえで指針となるような言葉にも感じました。富田さんは自分が「正直な自分」ではないと感じたことはありますか?そして今、ご自身は「正直な自分」として活動できていると思いますか?

富田 私は比較的若い頃から仕事をさせていただいていたこともあって、周りの同級生の子たちよりも大人と話す機会や人前に出る機会が多かったので、「私も早くもっと大人にならなきゃ」とずっと思っていました。なので、当時は周りの子と比べて少し冷めていた部分もあったかもしれません。もちろん自分を良く見せるのって大事なことだと思うんですけど、いろんなものに壁を作ってしまっていたなと感じることもあったんです。だけど学生の頃から社会に出ていたからこそ得られたものも多くあったし、楽しいこともたくさんありました。今はファンの皆さんを含め、周りの方のおかげで「背伸びしなくてもいいんだ」ということに気づけたので、今はもちろん正直な自分だなと思っています!

――レコーディングではどのような部分にこだわりましたか? 歌い方や表現などで気をつけたポイントなどをお聞かせください。

富田 力強さは出したかったのですが、最初に曲を聴いたときに感じた「温かさ」も表現したいなと思ったので、鋭く歌うというというよりは大きなスケールで歌うことを心がけました。歌うときにイメージって大事で、抽象的だけど「空みたいに広い歌い方」とか「雲が見えるような柔らかい感じ」とか、そんなことを頭の片隅に置いて歌っています。あと、私は歌い方のイメージを歌詞カードにイラストでメモするのが癖で(笑)、この曲のレコーディングの時も歌詞カードに鳥とか描いてました……。

――シングルの初回限定盤には「翼と告白」のMVを収録したDVDも付属しますが、MVはどんなコンセプトで制作されましたか?

富田 「光と影」がテーマになっています。鳥籠に閉じこもっていた自分が翼を得て羽ばたいていく、というストーリーです。特に今回は、暗い自分から光に向かっていくにつれて変わっていく表現を大事にしていただきました。ですので、映像的にも顔のアップが比較的多めですね。あとは今回のMVの優しい明かりがすごく好きで。スタジオで撮影したのですが、窓から差し込んだ光のような温かさも今回のMVの魅力のひとつかなと思っています。

――MVやアーティスト写真で着ていらっしゃる衣装のこだわりポイントをお聞かせください。

富田 背中のリボンと、太めのコルセットベルトが可愛くてお気に入りです!あとアー写の撮影のときに、1stシングルのアー写よりも表情が大人っぽくなったと言っていただけて嬉しかったですね。歌のほかに写真やMVからも成長を感じていただけたら嬉しいです。

――カップリング曲の「砂の世界」は、爽快でロッキッシュな「翼と告白」から一転、クールかつ意志の強さを感じさせるダンストラックに仕上がっています。こちらはどのようなイメージで制作した楽曲になりますか?

富田 ファーストシングル発売直後に表題曲とカップリング曲(「Ageha Twilight」)のギャップに驚いてくださった方がすごく多かったんですよ。「こんなかっこいい歌い方もできるんだ」って。今回もカップリングで、また新しい富田美憂としての顔を見ていただきたいなと思っています。ファンタジーでリズミカルだけどちょっと重厚感もある不思議な世界観が魅力です。「砂の世界」でまた皆さんに驚いていただける自信があります!

――作詞のhotaruさん、作曲のTom-H@ckさんとは『メイドインアビス』、編曲のZAQさんとは『荒野のコトブキ飛行隊』のキャラクターソングで、それぞれご縁がある方々ですね。

富田 御三方が紡ぐ音楽や言葉が大好きなので、またいつか一緒にお仕事ができたらなと思っていたので本当に嬉しいです!hotaruさんとは実際にお会いさせていただくことが初めてだったのですが、すごく繊細だけど力強い歌詞がとても好きで……!ずっとご一緒させて頂きたいと思っていたので今回念願叶いました!

――Tom-H@ckさんとZAQさんの印象は?

富田 Tom-H@ckさんは今回の楽曲制作時にお会いすることはできなかったのですが、『メイドインアビス』のOP曲(「Deep in Abyss」)レコーディングのときにディレクションをしてくださっていたんですよ。初めてお会いしたときに当時高校生だった私に「その年齢でこんなに歌えるなんて、将来が楽しみ」と言ってくださったんです。ですので、20歳になった今の歌をぜひ聴いていただきたいなとずっと思っていました。ZAQさんは『荒野のコトブキ飛行隊』のレコーディングやイベントでお世話になっていたのですが、今年の『コトブキ飛行隊』のイベントのライブコーナーで初めてZAQさんが歌っている姿を生で見て、そのパワフルさに圧倒されたんです。まさか編曲を担当していただけるとは思っていなかったので本当に嬉しかったです。

――「砂の世界」を初めて聴いたときの印象はいかがでしたか?

富田 とても華やかで、今までに聴いたことのない新しいタイプの楽曲だと思いました。譜面の音符の並びを見て「はたして私に歌いこなせるかな……」と少しだけ不安もあったんですが、それ以上に歌ったことのないタイプのメロディを歌えることにワクワクして!1回聴いたら頭から離れない、そんな曲です。

――サウンド面でお気に入りのポイントをお聞かせください。

富田 聴いた瞬間に情景がぶわっと頭に浮かぶ音楽で、まさに「砂の世界」が目の前に広がるようなサウンドです。本当に砂が吹き荒れているような音や、水が滴り落ちるような音、そしてなにより間奏の綺麗なピアノの旋律。綺麗で幻想的だけどヒップホップのような色も感じる新感覚な音楽です。

――歌詞はいかがですか?

富田 歌詞には砂が吹きあれて、何もかも失ってしまったかのような乾きや絶望を乗り越える圧倒的な強さを感じました。その他にも砂の世界情景を書き綴ったかのような歌詞にすごく魅力を感じましたね。音楽と歌詞、2つが合わさって圧倒的な世界観が出来上がっています。

――この曲では、いつも以上に大人っぽい歌唱をされている印象を受けました。歌入れでこだわった部分などをお聞かせください。

富田 私の声の持ち味であるハスキーな中音域を聴いていていただける曲かなと思います。オケがとても華やかなので、声にも華やかさが乗るように、私の歌の癖であるしゃくりやビブラートもいつもよりマシマシです(笑)。あとはとくにDメロによく出ていると思うのですが、コーラスやハモをたくさん録っていただきました!音に厚みが出ているかなと思います。ただ、ハモも音程がすごく難しかったので、レコーディング中は譜面とにらめっこでしたね。でもハモやコーラスも主旋律と同じくらい好きなのでとても楽しかったです!

――2曲とも富田さんの歌声が映える楽曲になりましたが、今回のシングルで、ご自身のアーティストとしてのどんな一面を表現できたと思いますか?

富田 今回の2曲で「温かさ」「こういう歌も歌えるんだというギャップ」の2つが、また新しい一面として皆さんに見ていただけるのではないかと思います。これは1stシングルでの活動で得た経験値で増えた、私の新しい引き出しだと思っています。この「引き出し」をもっと増やしていきたいというのが私の目標の一つです。新しい歌を歌うたびに、私の歌の引き出しを一つずつ開けて、これから先も皆さんにたくさんの富田美憂を見せていけたらなと思っています。

――最後に、今はイベントやライブなどの開催が難しい時期が続いていますが、また富田さんと会える日を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをいただけますでしょうか。

富田 今回もこんなにも素敵な曲をいただいて、たくさんの方の力があったおかけで素敵な歌が出来上がりました。早く皆さんに直接ライブで届けたくてたまらない気持ちでいっぱいです。ですが、今はその準備期間だと私は思っています。より素晴らしい歌を届けられるように、より皆さんの心に響く歌を歌えるように頑張っていきますので、楽しみにしていてください!

INTERVIEW & TEXT BY  北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
富田美憂 2ndシングル
「翼と告白」
6月3日発売

【CD+DVD】

品番:COZC-1663~4
価格:¥1800+税

【CD only】

品番:COCC-17772
価格:¥1200+税

<CD>
1.翼と告白
作詞:只野菜摘  作曲・編曲:睦月周平
2.砂の世界
作詞:hotaru 作曲:Tom-H@ck 編曲:ZAQ、RINZO
3.翼と告白(Instrumental)
4.砂の世界(Instrumental)

<DVD>
「翼と告白」ミュージックビデオ +メイキング

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