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INTERVIEW

2020.05.01

【北川勝利・藤村鼓乃美 ボーダーズの“音の場” season2】~#28 田町編~

ボーダー柄のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。
「ボーダーズの“音の場”season2」第28回となる今回の舞台は田町。東海道沿いの武家屋敷と芝浜に代表される海岸が近接しています。さらにさまざまな日本初のものが多いのも特徴。そして連載があと2回で終わるというこのタイミングで、ボーダーズTシャツが完成。収録が夏だったこともあり、おふたりに着ていただいています。このTシャツを着ながらふたりは一体どんな音楽を聴くのでしょうか?

――ボーダーズ連載、山手線の旅もいよいよクライマックスです! 今回は田町駅に降りてみました。田町は山手線のほかに京浜東北線、また都営三田線の三田駅もある港区の町になります。まずは江戸開城 西郷南洲 勝海舟会見の地を通って、雑魚場架動橋に向かいました。

藤村鼓乃美 あの、雑魚場ってなんですか?


――雑魚場というのは魚市場のことで、幕府へ納魚する日本橋魚河岸に対して、雑魚場は庶民が食べる魚を中心に扱っていたようです。田町には芝雑魚場というのがあったんですよね。

藤村 庶民派のお魚屋さんだ。

――そんな雑魚場跡地のあとにはジュリアナ東京の跡地に行きました。

北川勝利 ボーリング場のところだ。ジュリアナ行ったことありますか?

――僕らはまだ子供でした。世代的にはバブル真っ只中なので、行っていた人となると50代以上とかですね。

藤村 もちろん私も行ったことないんですけど、ワンレンボディコンですね。

北川 あそこまであの格好で行ったのかな?

――いわゆるジュリアナに行く女性の格好ですね(ワンレングス、ボディコンシャスの略)。今でもバブル期の映像でよく見られますね。

藤村 あとなんだっけ、アッシーメッシー。

――そうした女性の移動係(足)をアッシー、ご飯を奢る人(飯)をメッシーと呼んでいた時代です。

藤村 すごい時代だ。いわゆるクラブみたいなものですよね?

北川 ディスコだね。扇子を振って。そういえばテレビで観たんですけど、葉加瀬太郎さんのコンサートのグッズではジュリ扇が売っているらしい。

――ジュリアナで女性が踊りながら振る扇子のことですね。

藤村 そういう曲ありましたっけ?

北川 「情熱大陸」で振るの?(笑)。ステージのメンバーもみんなでジュリ扇振るらしい。それはいいなって。

――編集部調べによると、「ハカセンス」というグッズで売っているそうです(笑)。

北川 それにしてもあの扇子、誰が始めたんだろう? ふさふさしてるんだよね。

――再び編集部調べによると、渋谷スペイン坂とかにある雑貨屋「大中」がその発祥らしいです。

北川 ああ~! あそこか! あそこでカンフーシューズ買ったことあるもん(笑)。生ジュリアナ観たかったなあ。もう残ってないなよあ。

――ジュリアナなどバブル期のディスコはなくなりましたが、六本木などでたまに昔のリバイバル的にイベントが開催されているようです。

北川 え、行きたい! みんなに合わせてステップ踏みたい(笑)。

藤村 男の人はどんな格好していくんですか?

北川 やっぱりスーツじゃない?

――イメージとしては肩パッドの入ったダブルのスーツ、という印象ですよね。

藤村 でた! トイレのマークみたいなやつ(笑)。北川さんは肩パッド入れてました?

北川 着たことはないなあ。紺のブレザーは着てましたよ。

――金ボタンの紺ブレは、90年代ファッションの代表格ですよね。

藤村 紺ブレっていうんだ! キンブレみたい(笑)。

北川 「コンブレ持ってないと盛り上がらないよねー」みたいな(笑)。大学生はみんな紺ブレって感じだった。

――このチームで誰も行ったことのないジュリアナでここまで盛り上がりましたが、散歩に話を戻しましょうか(笑)。

藤村 ジュリアナから、コカ・コーラ行ったのか。

――日本のコーラ発祥の地ですね。

北川 発祥の地? 湧いてくるの?(笑)。

――油田のようにコーラが湧いてきた(笑)。ではなく、コカ・コーラの日本での会社である東京飲料株式会社(のちの東京コカ・コーラボトリング(株))が創立された場所だそうです。ちなみにおふたりはコーラを飲まれますか?

藤村 コーラは酒で割るぐらいですね。ラムコーク。

北川 最近はあまり飲まなくなったなあ。

――昔はコーラといえば飲み物としてもそうですが、あのロゴがポップなアイコンとして扱われていましたよね。ひとり暮らしの大学生の家には、コカ・コーラの巨大な王冠とかありましたよね。

北川 あった!

藤村 あとフラワーロック(笑)。

北川 昔はコカ・コーラって、テレビでさ、すごいCMしてたけど、今はどうなんだっけ?

藤村 今だと綾瀬はるかさんですね。

――スポーツ関連のCMでよく観ますよね。昔はスポーツというより、オシャレな若者が飲むものでしたね。

北川 コーラのCM曲とかガンガン流れていたのにね。

藤村 そうなんだあ。そんなにすごかったんだ。

北川 コーラのCMのキャッチコピーとかあっとねえ。

――「スカッと さわやか」とか「さわやかテイスティ」ですね。

北川 そうそう、観たら一気に思い出すよね。「あった!」って。若者が海ではしゃいでいて、ゴクゴクゴク! って。

藤村 そんなゴクゴク飲めますか?

北川 昔は小さかったもんね。映画館で買うんだけど、始まる前に飲み終わっちゃう(笑)。

藤村 みんなコーラに思い出あるんだ……。

北川 昔はさ、コーラの瓶の王冠の裏をめくるとスターウォーズの絵があって、それを集めてた。

――今回は懐かしい話ばかりになっていますが(笑)、ちなみに藤村さん、王冠ってわかります?

藤村 わかりますわかります。コロナとか飲むので。

――また昔のコーラの自販機は、栓抜きがついていて、その場で瓶のコーラを開けられたんですよね。

北川 そうだそうだ。うちの親戚が雑貨屋さんで、そこに自販機が置いてあったんですよ。そこで開けると王冠が自販機に溜まっていくんだけど、そのたまったやつをもらって、洗って保管していたなあ。『スター・ウォーズ』のキャンペーンのときは友達から超うらやましがられてた(笑)。ビニール袋にパンパンに入れて。

藤村 ちょっと前だとボトルキャップみたいなやつ? 私も『ファイナル ファンタジー』のときはめちゃくちゃ集めてました。でも今はそんなに飲まないなあ。

北川 俺も昔は飲んでたけどね。高校生の頃は炭酸ばっかり飲んでて、コーラの500mmリットルの缶を一気飲みしてた。

――500mmリットルの缶ですから、蓋できないんですよね。

北川 開けたら飲むしかない(笑)。

――今だと飲み物の選択肢も増えましたから、コーラだけとはならないですよね。今の若者が飲むとなると……。

藤村 タピオカタピオカ(笑)。

――それが近いかもしれませんね。コーラを飲んでいるのがクールというか。

北川 あとは今はお茶なのかな? やっぱり学生にはコーラを飲んでいてほしい(笑)。

藤村 あと紙パックのいちごミルクとかね。リプトンの紅茶とか。


――さて、コーラ話も大いに盛り上がりましたが、散歩に戻りましょう(笑)。続いては芝浦ふ頭の近くに、南極大陸探検隊発祥の地があります。

北川 ここから探検隊が船で出たと。第一回が明治なんだよね。書いてあった。ペンギンの石碑があった。そういえば「南極物語」って映画があったね。高倉 健さん。藤村は知ってる?

藤村 犬のやつですか?

北川 そうそう。困って置いてきちゃったんだよね。そのあと戻ってきたら生きていたっていう。

――そして日本プロ野球発祥の地もここにあります。おふたりは野球は好きですか?

藤村 サッカー派です(笑)。

北川 知らない、全然(笑)。

藤村 打つ、投げて打つ(笑)。野球興味ないって言ってるのに、雑誌の連載が「がんばれ!ボーダーズ」っていう(笑)。


――これ以上話すとアレなので、次の場所に行きましょう。次は北川さんにとってはお馴染みの、芝浦スタジオです。いわゆる大型フェスなどのリハーサルというとこの芝浦スタジオか、世田谷スタジオが有名ですが、北川さんもよく行かれるんですよね?

北川 そうですね。でも自分的にはちょっと遠いので、セタスタのほうがいい(笑)。芝浦スタジオには田町から歩いていくんですよ。天気がいいときはいいんだけど、天気が悪かったり連日のリハだとつらい(笑)。

――田町からはちょっと歩くんですよね。今日みたいな天気のいい日だと……。

北川 気持ちいい。

藤村 観光しに来たみたいな感じで楽しかったですね。

――ではそんな田町篇で、おふたりおすすめの楽曲をお伺いします。

★北川’s Select★
「宇宙への記憶」坂本真綾

北川 僕は坂本真綾さんの「宇宙への記憶」。

――椎名林檎さんが提供して話題になった一曲ですね。

北川 これは今年の”ROCK IN JAPAN”でライブ初披露した曲で、そのリハをちょうど田町の芝浦スタジオでやっていたんですっていう曲です。演奏するのに簡単な曲ではなかったので、ものすごい緊張してやった気がします。

――たしかに楽曲としても複雑ですしね。

北川 真綾ちゃんもステージでちゃんと歌ったことがなかったから、「歌詞のひとことでも飛ばした瞬間、全部ひっくり返りそうで怖い」ってなって、少しでも慣れておこうってリハで何回もやったのが印象的でした。

――まさに田町にぴったりな1曲ですね。

★北川’s Select★
「プライド」今井美樹

北川 もう1曲は、今井美樹さんで「プライド」。

藤村 えっ、なんで?

――北川さんが自分に関係しない曲をプレゼンしたのも久々ですね(笑)。

藤村 ほんと、思わず「なんで」って言っちゃった(笑)。

北川 これはね、田町の近くにMIT STUDIOっていうのがあって、僕にとって田町ってMITに行くか、反対側の芝浦に行くかっていうぐらい馴染みのある駅だったんです。

――なるほど、そこと今井美樹さんが関係しているんですね?

北川 で、MITの近くに仏教伝道センタービルっていうのがあって、その2階に菩提樹っていう中華料理があるんですよ。そこはすごくおいしいんですけど、そのMITに行くときに菩提樹っていう看板を観るたびに、僕のなかでは今井美樹さんの「プラ~イド~♪」のメロディで「ぼだ~いじゅ~♪」ってなるんです。

藤村 ……えっ?(笑)。

――それだけですか?

北川 (無視して)MITの自動ドアを潜るたびに、「ぼだ~いじゅ~♪」って思い浮かんじゃって、スタッフさんにも言い続けているんですけど、みんなピンとこなくて(笑)。

――この話はカットしていいですか?

北川 残して!(笑)。田町に来たら絶対言おうと思ってたのに! もうこれ聞いたらみんなそうなるから! 最近もMIT行った知り合いが言ってたもん、「意味わかった」って!(笑)。

――この流れで恐縮ですが、藤村さんのおすすめをお願いします(笑)。

★藤村’s Select★
『ラーメン大好き小泉さん』オリジナルサウンドトラック

藤村 私もMITということで、ここで録った『ラーメン大好き小泉さん』のサウンドトラックを。私、コーラスで参加したんですけど、一曲と言わず全部と言いたい。このサントラを作ったのが田中 貴さんと細野しんいちさんで、田中さんは私がアイドル活動をしていたときのプロデューサーだったんですね。アイキャッチとかで歌っているのが私です。

北川 それ、テレビで流れたの?

藤村 テレビのアイキャッチは出演している声優さんが歌っています。これはサントラしか入っていません。ラーメン食べながらぜひ聴いてください!

――MITから2作おすすめをいただきました。

北川 MITというより菩提樹ね。あそこを通るたびに思い出してもらえると……(笑)。

藤村 共感できる日は来ない気がするなあ(笑)。

Interview & By 澄川龍一 Photography by 山本哲也


●今回のSelect Song

★北川’s Select★
「宇宙への記憶」坂本真綾

「プライド」今井美樹

★藤村’s Select★
『ラーメン大好き小泉さん』オリジナルサウンドトラック

●INFORMATION
「リスアニ!」本誌にてボーダーズ連載企画
「がんばれ!ボーダーズ 特訓中」掲載中!

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