2020年1月18日開催!クリエイタートークセッション「アニソン派!vol.2」公式レポート Part.1

良質なアニソンを作家目線でおすすめしていくために立ち上がったプロジェクト「アニソン派!project」。2020年1月18日にクリエイタートークセッション「アニソン派!vol.2」が開催されました。今回もゲスト作家様からアニソンに対する深い愛を感じることができ、シーンへの鋭い目線から沢山の金言が飛び出しました。ぜひ隅から隅までチェックしてみてください!

「2019年総まとめ!アニソン派!的最新おすすめアニソンアワード」

前回でも対象を過去1年間に絞って行われたこちらの企画、年はじめのキリの良いタイミングで今回もやらせていただきました。前回受賞作品で2019年発売のこちらの8曲は殿堂入りとさせていただきました。

「お願いマッスル」
アーティスト:紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい)、街雄鳴造(CV:石川界人)
作詞:サイドチェスト烏屋
作曲:サイドチェスト烏屋、シックスパック篠崎
編曲:シックスパック篠崎
TVアニメ『ダンベル何キロ持てる?』OPテーマ

「all yours」
アーティスト:伊藤美来
作詞:伊藤美来
作曲・編曲:睦月周平
アルバム『PopSkip』M-11収録

「火炎」
アーティスト:女王蜂
詞・曲:薔薇園アヴ
編曲:女王蜂、塚田耕司
TVアニメ『どろろ』OPテーマ

「Relive」
アーティスト:dubstar[藤原あかね(CV:田口華有)、野田ここみ(CV:秋場悠里)]
作詞・作曲:岸田
編曲:岸田教団&THE明星ロケッツ
『ライブレボルト』コラボレーションミニアルバム『BUDDIES』M-2収録

「クレイジークレイジー(M@STER VERSION)」
アーティスト:一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)、宮本フレデリカ(CV:髙野麻美)
作詞:BNSI (MCTC)
作曲・編曲:BNSI (Taku Inoue)
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 29 「クレイジークレイジー」M-1収録

「星をつなげて」
アーティスト:Gothic×Luck(八木ましろ、菅まどか)
作詞・作曲・編曲:じん
TVアニメ『けものフレンズ2』EDテーマ

「Glow at the Velocity of Light」
アーティスト:安月名莉子
作詞:タナカ零
作曲:ナスカ
編曲:the Third
TVアニメ『彼方のアストラ』EDテーマ

「ファーストプロット」
アーティスト:夏川椎菜
作詞:夏川椎菜
作曲:田中秀典
編曲:川口圭太
アルバム『ログライン』M-13収録

今回アニソン作家の皆様からセレクトされたのはこちらの20曲。おすすめポイントもぜひチェックしてください!

「よいまちカンターレ」
アーティスト:コーロまちカド[シャミ子、桃、リリス、ミカン(CV:小原好美、鬼頭明里、高橋未奈美、高柳知葉)]
作詞:伊藤いづも
作曲・編曲:藤本功一
all instruments:藤本功一
Mixing Engineer:中村 督 (GROUNDRIDDIM)
TVアニメ「まちカドまぞく」EDテーマ

田淵智也:そもそも「アニソン派!」プロジェクトを立ち上げたきっかけは、アニメが増え過ぎたことで、アニメの主題歌が3か月で聴かれなくなることが多くなってしまったことにあって。(毎クールごとに)とてもいい曲が生まれている中でそれが埋もれていってしまうのは悲しい、みたいなことがあって、そんな一つの基準としてこの曲を挙げさせてもらいました。

田淵智也:この曲で面白いのは、作詞しているのは漫画の原作者の方(伊藤いづも)なんです。譜割りが非常に上手で、(音楽的な)出自のある方なのかと思うくらいで。

「ミツバチ」
アーティスト:Le☆S☆Ca [上杉・ウエバス・キョーコ、荒木レナ、西園ホノカ(CV:井上ほの花、飯塚麻結、植田ひかる)]
作詞:SATSUKI-UPDATE
作曲:田淵智也
編曲:田淵智也、やしきん
Guitar:清水哲平
Bass:田淵智也
Piano:今井 隼
Drums:鈴木浩之
Mixing & Recording Engineer:檜谷瞬六
シングル「ミツバチ」M-1収録

伊藤 翼:開始4秒でわかる神曲オーラと言いますか、イントロもそうですけど、メロディのすっと入る感じが素晴らしくて。あと、サビに入ったときのダカダカダカっていうドラムパターンが大好きなんですよ。僕は元々吹奏楽でマーチング的な音楽をやっていたので、スネアロールの入っているサビが大好きなんです。なので自分の曲でもよくやっています(笑)。

広川恵一:メロディが本当に綺麗ですよね。よく「メロディが息切れしてる」「メロが迷ってる」という言い方をすることがありますけど、そういうところが一切ない曲だと思います。

「もりのくにから」
アーティスト:森久保乃々(CV:高橋花林)
作詞:fumi
作曲・編曲:帆足圭吾(MONACA)
Guitar:後藤貴徳
Violin:室屋光一郎,柳原有弥,沖 祥子,相川麻里子,川口静華,上里はな子
Viola:島岡智子,萩谷金太郎
Cello:奥泉貴圭,西方正輝
Mixing Engineer:白井康裕 (Sound City)
「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 053」M-1収録

田淵智也:これはどこまでが作曲で、どこまでがボーカルディレクションで出来上がったのかがわからない。作曲家の仕業なのか、ディレクターの仕業なのか、シンガーの仕業なのか、あるいは作詞家の仕業なのか。

広川恵一:作曲・編曲は弊社の帆足(圭吾)ということで、軽く話を聞いてきました。この曲はそもそも、「独白のような曲」を作ろうという企画だったらしくて、先に歌詞が出来上がっていたらしいんですね。それに合わせて曲を作ったらしいのですが、Aメロの部分、メロディから結構外れて、語りみたいになるパートも、作曲家側でもある程度の語りがはまる想定をして設計をしたらしいです。

広川恵一:気になるところとしては、この曲は全編に渡って、ハモリみたいなものが入っていないんです。それも企画段階からあった「独白」みたいな曲というコンセプトを実現するための手法で。役者さんの演技力・表現力がすごく際立っているのが、この曲の魅力のひとつだと思います。

「Can now, Can now!」
アーティスト:Study [古橋文乃(CV:白石晴香)、緒方理珠(CV:富田美憂)、武元うるか(CV:鈴代紗弓)、桐須真冬(CV:Lynn)、小美浪あすみ(CV:朝日奈丸佳)]
作詞·作曲:園田健太郎
編曲:鈴木Daichi秀行
Drum:山内”masshoi”優
Bass:Park
Chorus:maimie
Guitar, All Other Instruments & Programming:鈴木Daichi秀行
Mixing Engineer:鈴木Daichi秀行
TVアニメ「ぼくたちは勉強ができない!」OPテーマ

田淵智也:この曲は「いい曲はこうやって作りましょうね」というお手本の曲だと思うんですよ。メロディもそうだし、ミックスから歌のバランスから、すべてがちょうどよくて。アニソンの音圧至上主義みたいなところと全然戦っていない感じもするし。

伊藤 翼:Daichiさんは自分でミックスされる方ですから。(音楽)業界でのお仕事が長い方なので、アニソンのお仕事でもJ-POPの箇所が入っている気がしますね。

田代智一:Daichiさんはアーティストのプロデュースもされていて、総合的に見る目をもってらっしゃいますし、特殊なポジションになりつつありますね。

田淵智也:そしてこの曲のドラムは山内“masshioi”優さんということで。この曲だけでなく本当にたくさんの録音をされまして、きっとまだこれから出る曲にもクレジットされることがあると思いますので、絶対に忘れないでいただければと思います。

「トロイメライ」
アーティスト:坂本真綾
作詞:坂本真綾
作曲・編曲:渡邊 忍 (ASPARAGUS)
guitars:渡邊 忍
drums:一瀬正和
bass:原 直央
keyboards:堀江博久
backing vocals:坂本真綾
mixing engineer:高須寛光 (Victor Studio)
アルバム「今日だけの音楽」M-8収録

田淵智也:イントロが2小節! こんなよくできたイントロあります?

広川恵一:僕もこの曲は大好きです。2000年代の下北ポストロックみたいな感じで、大好物ですね。

田淵智也:こういう曲は(ソロアーティストとして)地に足が付いていないとできないし、地に足がついているけど落ち着きにいかないっていう。それはアーティスト活動の素敵な形だとおもっていて。この曲は3分20秒程なんですけど、非常に美しい構成なんですよ。2サビがない、間奏やって、最後はサビをやって終わりっていう。

田淵智也:最近よく目にするんですけど、この曲のミキシングエンジニアをやっているVictor Studioの高須(寛光)さんは、ものすごく評判が良くて。

伊藤 翼:高須さんは、坂本真綾さんの楽曲をよくやられているイメージですね。ミュージシャンや作家評判もよくて、僕の周りの方でも良い評判を多く聞きます。

「君はMoon」
アーティスト:22/7 (ナナブンノニジュウニ)
作詞:秋元 康
作曲:安楽謙一、TomoLow、KIKI、Ryo Ito
編曲:TomoLow
Mixing Engineer:松本靖雄 (ZeeQ)
「ナナニジの教えてあげたいセブンネット」 キャンペーンソング

田淵智也:秋元康さんとソニーミュージックグループが手を組んだアニメ・二次元プロジェクトの曲で。22/7はAKBグループではないですが曲を聴いた瞬間に「AKBグループっぽい!」と思って、歌詞も秋元さんそのままのものがきたなと思って、とても素敵な曲です。それとこの曲で気になったことは、作曲家が4人いることで。これはコライトをしているということなんでしょうかね。この先も興味深いユニットです。

「チカっとチカ千花っ♡」
アーティスト:藤原千花(CV:小原好美)
作詞:福島真希 (Ongakushitsu lnc.)
作曲・編曲:福島 節 (Ongakushitsu Inc.)
Guitar:平田 崇
Recorder:坂本 圭
Chorus:横沢ローラ
Mixing Engineer:熊手 徹、甲斐俊野 (Ongakushitsu Inc.)
TVアニメ「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」第3話ED曲

広川恵一:音の使い方がとても面白くて。歌舞伎のような声が入っていたり、編曲の音数としては少な目だけど、別に物足りない感じはなく、充実感がある。

田淵智也:まさに声優さんが歌う楽曲として、とても美しいです。書記の千花ちゃんがクルクル回りながら踊るEDアニメが非常に話題になりました。

「「茶房でわいわい系」おしゃベリタイム♪」
アーティスト:稲葉 郷(CV:古賀 葵)
作詞:Soflan Daichi
作曲・編曲:安岡洋一郎
Guitar:中嶋陽介
Bass:安岡洋一郎
Chorus:森川夏絃
Mixing Engineer:坂 知学
「天華百剣 -斬-」ラヂオテーマソング

田淵智也:作曲の安岡(洋一郎)さんはアイドルの曲をよく書いている方ですよね。この曲ですごくいいなと思ったのが、メロディがめちゃくちゃ上品なんですよ。アニソン的な「音数を詰め込みます!」といった感じではなく、どちらかと言うとハロプロ感のあるメロディで。曲が上品で、歌詞はアニソンに全振りということに、この可能性はめちゃ夢があるなと思いました。

田代智一:安岡さんとは知り合いで。出自としては、城南海さんという奄美大島出身の方の楽曲を作られたり、CHEMISTRYのベースを弾いていたりしていて、音楽的にはJ-POPの流れを汲んでいる方なんですね。

伊藤 翼:(作詞のSoflan Daichiについて)実は『Re:ステージ!』でもよくギターを弾いてくださっている佐々木秀尚さんの、ギタリストとしての弟子だった人なんです。元々ギタリストになりたかった人なんですけど、書いていたブログなどの文章が面白いということで、佐々木さんが「お前は作詞家になれ」と言ったらしくて。それで僕に紹介してくれて、『Re:ステージ!』の曲をお願いした経緯があります。今は作詞家としてインタビューを受けるぐらい売れっ子になってしまって。僕がいちばん最初に仕事を振ったので方方で「俺が育てた!」と言ってます(笑)。

「TwinkleStars」
アーティスト:ユイ(CV:種田梨沙)、ヒヨリ(CV:東山奈央)、レイ(CV:早見沙織)
作詞:野村イクミ (Cygames)
作曲・編曲:石濱 翔 (MONACA)
Guitar:堀崎 翔
Drums & Piano:sugarbeans
Bass:小栢伸五
Mixing Engineer:淺野浩伸(Redefine)
「プリンセスコネクト!Re:Dive」挿入歌

田淵智也:この曲はやしきんさんから推薦コメントをいただいています。「ASPARAGUSやthe band apartを彷彿させるアップテンポでお洒落なギターロック。演奏力の高い本格的なバンドサウンドの上で、三者三様のキャラクターがカラフルな歌声を奏でます。導入はかっこよさが際立つぶん、そもそものコンテンツよりも音楽に比重が傾いてしまう印象が少なからずありますが、Bメロからサビでは多幸感のあるメロディが紡がれ、音楽とのコンテンツのバランスがしっかりと保たれている印象です」ということでした。

田淵智也:(作曲・編曲の石濱 翔について)最近いろんなところで名前を見かけますよね。『天華百剣 -斬-』の「パジャマおしゃべリズム」、Run Girls, Run!の「スノウ・グライダー」とか。僕はお会いしたことがないんですけど、何者なんですか?

広川恵一:お酒大好きおじさんです(笑)。

田淵智也:演奏に関しても相当振り切っている印象があって。(広川に向けて)MONACAのブランド感って感じますか?

広川恵一:たぶんいいと思う音楽が似ているんじゃないでしょうかね。クレジットを見ずに聴いても「なんかこれ、うち(MONACA)っぽいな」と感じることがあって。それは主にサビとかのメロディで感じることが多いです。おそらくそういう感性の近い人が(MONACAに)入ってくるんだと思います。

伊藤 翼:MONACAの人たちが作る曲は、「自分はこういう音楽が好きなんです!」という気持ちが曲に表れている感じがしていて。決してお仕事としてではなくて、音楽が好きという気持ちが先にきているところが、音源からありありと伝わってくるというか。

「Virtual to LIVE」
アーティスト:にじさんじ
作詞・作曲・編曲:kz(livetune)
Guitar:かずぺそ
All Other Instruments:kz(livetune)
Mixing Engineer:藤巻兄将
にじさんじ1周年記念楽曲

田淵智也:この曲は元々前回(「アニソン派!vol.1」)でもやしきんが推してくれていまして、今回もコメントをいただきました。「初めて聴いた瞬間、なんて元気玉みたいな曲なんだろうと思いました。曲調は違えど、さながら「We Are the World」のような空気感、VTuber事務所であるところの、にじさんじ周年楽曲として、既存ファンがニヤリとするような仕掛けも含まれつつ、にじさんじに詳しくない人が聴いても、音楽だけでそのコンテンツとファンの熱量が伝わるほどに、感情が乗った楽曲です」とうことでした。

田淵智也:kzさんはダンスミュージックの人というイメージがありますが、コードワークが全然シンプルではなくて。

田代智一:この曲に関しては周年に相応しいアンセム感、スタジアム感がありますよね。

田淵智也:そう。メロはシンプル、みんなで歌える。けど、コード構成にひとひねりがあるんですよね。だから、ただのダンスミュージックに収まらない気がしていて。

田代智一:音楽を知っている人が作っている感じはありますね。ダンスミュージックにもいろいろあるじゃないですか。トラックメイカーの人にはスライスしてくっつけてるだけみたいな人もいますけど、(kzは)音楽的なところがあるんじゃないかなと。

「真っ白」
アーティスト:諸星すみれ
作詞:岩里祐穂
作曲・編曲:白戸佑輔
Acoustic Guitar:遠山哲朗
Bass:白戸佑輔
Strings:室屋光一郎ストリングス
Trumpet:長谷川智之
Chorus:杉並児童合唱団
Backing Vocal:諸星すみれ
Programming & All Other Instruments:白戸佑輔 (Dream Monster)
Mixing Engineer:高須寬光
TVアニメ「本好きの下勉上 司書になるためには手段を選んでいられません」OPテーマ

kz:サビが5拍子、Bメロは6拍子、Aメロは5拍子かな? しかもこれ、アニメのOPですよ。この曲は僕と真逆なんですよ。僕はわりとコードネームとかがわからない人間なので、それっぽいかっこいいコードはつけているけど、それがどういう名前なのかは知らないまま作っているんです。けど、白戸さんに関しては、去年にYouTubeで曲の作り方を紹介する動画(https://www.youtube.com/watch?v=tRqmfZ2T9uc)をあげていましたけど、僕はそれを見て、自分がよく使っているコードの名前を知ったりして(笑)。要は白戸さんって理論がしっかりしてらっしゃる方なので、明確にこうしようと思ってこの曲を作ったと思うんですけど、それでこれを出すのはすごいなと思って。

kz:それと(諸星すみれが)この曲を歌えるのもすごいと思ったんですよね。デビュー曲がこれっていう(笑)。普通生きていて5拍子の曲にはそんなに出会わないじゃないですか。でもそれを歌い切った彼女はすごいなと思っていて。それを含めてシンガーとしての才能はすごくあると思います。

kz:あと僕は原作(「本好きの下剋上」)のファンなので、原作の空気感をここまで再現できていることもすごいなと思いました。

「INDETERMINATE UNIVERSE」
アーティスト:ゆうゆ feat.ケムリクサ
作詞・作曲・編曲:ゆうゆ
Mixing Engineer:藤巻兄将 (studio MSR)
TVアニメ「ケムリクサ」EDテーマ

佐藤純一:僕は『ケムリクサ』のアニメが大好きなんですけど、アニメの主題歌で普通にボカロが流れてきたのが衝撃的だったんですよね。この曲は、キャストの小松未可子さんたちが歌っているバージョンもあるんですけど、それはシングルのカップリングとして入っているんですよ。なのにTVではボカロ版が流れるという。それもアリなんだなと。

田淵智也:構成もかっこいいですよね。イントロがサビのケツにくる感じがゾワゾワってする。

kz:ゆうゆはめちゃくちゃ器用な人間で、ダンスミュージックも作れるし、構成の凝ったロックも作れる。こういう合わせ方をしてくるのは、彼ならではだと思いますね。

「ぴかぴかエモーション」
アーティスト:どうぶつビスケッツ [サーバル(CV:尾崎由香)、フェネック(CV:美坂朱音)、アライグマ(CV:小野早稀)]
作詞・作曲・編曲:瀬名 航
Guitar:瀬名 航
Mixing engineer:金井 亮 (VICTOR STUDIO)
シングル「け・も・の・だ・も・の」M-3収録

田淵智也:『けものフレンズ』の楽曲は、佐藤さんが楽曲を提供したGothic×Luckを含め、音楽的クオリティーが非常に高いなと思っていて。この曲を作っている瀬名 航さんはまだ若い方で、アイドルソングをたくさん作っている方なんですね。そういう作家を引っ張ってきたというのは、「アニソン派!vol.1」でも話しましたけど、アイドル界に才能が流れているなか、そこからアニソン界に引っ張ってくるというのも感動的で。こういう人がアニソン界に来てくれるというのは、とても喜ばしいです。

田淵智也:サビのケツのコード進行は、Ⅳシャープから半音ずつ下っていくんですけど、この方の曲をいろいろ調べていると、このコード進行を結構使っているんですよ。で、彼にも負けず、僕もめちゃくちゃ使う(笑)。

「オウムアムアに幸運を」
アーティスト:一ノ瀬志希(CV:藍原ことみ)、神谷奈緒(CV:松井恵理子)、黒埼ちとせ(CV:佐倉薫)、佐藤 心(CV:花守ゆみり)、的場梨沙(CV:集貝はな)
作詞・作曲・編曲:広川恵一 (MONACA)
Drums:樋口幸佑
Guitar Solo:後藤貴徳
Bass, Guitar, All Other Instruments & Programming:広川恵一 (MONACA)
Mixing Engineer:淺野浩伸 (redefine)
アイドルマスターシンデレラガールズ8周年記念企画 「Spin-off!」 テーマ曲

田淵智也:僕の中で最近ハマってる言葉に「何やってんだ広川」というのがあって(笑)、曲を聴きながらつい言っちゃうという。そんないろいろごちゃまぜにする広川くんの楽曲のなかでも最高峰のものが出てきたなと思って。Aメロ、Bメロ、Cメロが全部違うのに、よくこんなに上手にくっつけたなという印象が僕的にはあって。サビに行った瞬間にちゃんと多幸感のある着陸をするっていう。

田代智一:いわゆるプログレの文脈で言うと、僕はそこまでバラバラには感じないですね。すごくスムーズな流れで。80s感がありますよね。あと気になったのはギターソロのところで。

田淵智也:そう、めちゃくちゃ面白くて。2サビがあって、謎のDメロ、Eメロがあって、そこで終わるのかなと思ったら、ギターソロが始まるんですよ。

kz:あと、よくこの時代にこのシンセをもってきましたね(笑)。

田淵智也:このサウンドなのに古くない感じがするというのはすごい。

「さよならレディーメイド」
アーティスト:AiRBLUE
作詞・作曲・編曲:奈須野新平 (Rebrast)
Chorus:RIRIKO
Bass:原田樹季
Guitar & All Other Instruments:奈須野新平
Mixing Engineer:西沢栄一 (studio Rine)
シングル「Forever Friends」M-2収録

田淵智也:この曲は渡辺翔さんからコメントをいただきました。「サビのメロ、いいですね、サビの入り口で完全に掴みにきていますね。2番以降の展開にもこだわりを感じました」ということです。メロディメイカー渡辺翔が羨むようなメロディ。

佐藤純一:僕もそれはすごく思いましたね。サビの入りがすごくいいです。

kz:サビの入りを3回繰り返すのはびっくりしました。やって2回だと思うので。

「36℃」
アーティスト:斉藤朱夏
作詞:ハヤシケイ (LIVE LAB.)
作曲:にお
編曲:sugarbeans
Drums & Tambourine:岡本啓佑
Bass:安達貴史
Guitar:堀崎 翔
Piano:sugarbeans
Stings:美央ストリングス
1st Violin:美央,伊能 修
2nd Violin:杉野 裕,入江 茜
Viola:舘泉礼一,三木章子
Cello:笠原あやの,増本麻理
Mixing Engineer:渡辺敏広 (Sony Music Artists)
シングル「36℃/パパパ」M-1収録

田淵智也:渡辺翔さんから推薦いただきまして、コメントもいただいております。「アレンジもメロも秀逸、メロの流れも素晴らしいですが、そのなかでも特にメロの16分音符の使い方が最近いなかったタイプだったので耳を惹きました」ということです。

田淵智也:このシングルのカップリングの「パパパ」という曲も、MV再生回数が大変なことになっていて。彼女はSACRA MUSIC所属で、LiSAちゃんとプロデューサーが一緒なんですね。ミックスエンジニアは渡辺敏広さんという方で、僕が本業でやっているバンド(UNISON SQUARE GARDEN)の「シュガーソングとビターステップ」なんかをやってもらった凄腕の方。ギターは堀崎翔さん、ドラムは黒猫チェルシーの岡本啓佑、ベースは安達貴史さんというこれまた凄腕布陣。Aqours勢が続々とソロデビューするなか、華々しいデビューで活躍なさっています。

「ロケット」
アーティスト:月坂紗由(CV:鬼頭明里)
作詞・作曲:渡辺 翔
編曲:伊藤 翼
Strings:大先生室屋ストリングス
Guitar:菰口雄矢
Bass:二家本亮介
Drum:山内”masshoi”優
Mix Engineer:中谷浩平
「Re:ステージ!ドリームデイズ♪SONG SERIES② 」M-2収録

田淵智也:この曲はアレンジがほんとに良くて。イントロ、間奏、アウトロまで一瞬の隙もない天才的なアレンジで。

田淵智也:(曲を聴いていると)絵が浮かぶんですよ。キャラクターボイスを担当されている鬼頭明里さんでMVを撮りたいぐらいです、これ。鬼頭さんが泣きそうな顔になりながら歌っている絵が浮かぶというのも、アレンジが呼ぶものなのかなと思って。メロディメイカーとしてイケイケの渡辺翔さんの曲を(伊藤)翼くんがアレンジする、この極上の組み合わせはもっと見たいですね。

「はじめてのかくめい!」
アーティスト:DIALOGUE+
作詞・作曲:田淵智也 (UNISON SQUARE GARDEN)
編曲:田中秀和 (MONACA)
Guitar:堀崎 翔
Bass:田淵智也
Drums:山内”masshoi”優
Piano:伊賀拓郎
Programming:田中秀和 (MONACA)
Mixing Engineer:白井康裕
TVアニメ「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」OPテーマ

田代智一:(前回のイベントでこの曲を推薦した)草野華余子さんからいただいたコメントを読ませていただきます。「とにかく試聴した瞬間に全方向から、めっちゃいいじゃん、なんだこれ!と思った曲です。デビューシングルとしての〈はじめまして、これからよろしくね〉という挨拶の要素も、アニメの超人高校生たちが革命を起こすぞ!という無茶な設定やドタバタ感も包括していて、これぞしっかりした本当の意味でのアニソンです!」という。

kz:今回は俺が選ばせていただいたんですけど、最初に聴いたとき、こんなにいい歌詞が本当にありえるのかな?と思うぐらい、めちゃくちゃいい歌詞だなと思ったんですよ。もちろんメロもいいんですけど、歌詞が良すぎて泣いてしまって。だって、こんなに人生を全肯定する歌ってなかなかないじゃないですか。最近はある種、ネガティブからの音楽みたいなものが、平成の最後あたりからずっと続いている気がするんですけど、そこでとにかく人生が最高!ということを歌にするのは、本当に最高だなと思って、泣いちゃったんですよね。“ありえちゃったベイベー”って本当に最高だと思います(笑)。

kz:ネガティブからのエモはわりと作りやすいというか、ドラマ性が出やすいですけど、ただただポジティブでエモが発生するというのはすごいことだなと思って。(田中)秀和くんの編曲もすごいなと思ったけど、とにかく詞がすごかったです。

佐藤純一:音楽で喜びを表現するのって一番難しいですからね。

「逆境のオリオン」
アーティスト:愛城華恋(CV:小山百代)、神楽ひかり(CV:三森すずこ)、雪代 晶(CV:野本ほたる)
作詞:中村彼方
作曲・編曲:加藤達也
Drums:Taro Yoshida
Guitar:Takayuki Sasaki
Violin I:Jonathan Morton, Martyn Jackson, Raja Halder, Antonia Kesel
Violin II:Hannah Dawson, Jamie Campbell, Alleya Weibell, Ariel Lang
Viola:Max Baillie, Ann Beilby, Polly Witshire
Cello:Ashok Klouda, Emma Denton, Doublebass: Lucy Shaw
All Other Instruments:Tatsuya Kato
Mixing Engineer:Takehiko Niato
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」レヴューアルバム「ラ・レヴュー・エターナル」M-6収録

佐藤純一:僕はこういう感じのコード進行がすごく好きなんです、ちょっと不穏な雰囲気で。ジブリの映画とかで久石(譲)さんのバトルっぽいシーンの劇伴を聴いて、ふいに泣きそうになる瞬間とかがあるんですけど、それと同じようなものをこの曲に感じましたね。

佐藤純一:(『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』について)舞台少女がテーマで、アニメの中にミュージカルみたいなバトルシーンがあるので、だからこそこういう楽曲がある。アニソンというテーマで考えたときに、こういう曲ってJ-POPではありえない音楽なんですよね。物語があって、セリフがあって、しかも声優さんの歌と演技が同時にあるというのは、相当すごいことが起こっているなと。

佐藤純一:劇伴作家の加藤(達也)さんだからこそ書けるというのがありますよね。

kz:ポップスの作家では書けない曲ですよね。加藤さん自身の幅が広くて、オケも書けるし、最近の打ち込みのクラブミュージックも書ける。すべてのキャパシティが広い人じゃないと、絶対にこんな曲を書ききれないですから。

田淵智也:劇伴をやっている人の中から、歌の乗るようなメロも書ける作曲家が出てくるのが、アニソンの驚異的なところというか。

佐藤純一:『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』という作品の雰囲気を伝えるうえでは、この曲が一番面白いかなと思ったんですけど、人が感動するコンテンツというのは、曲が単体でいいとか、ストーリーや演技がいいとかいった、個別の要素だけでは、そこまで大きなパワーを持たないと思うんですね。この作品に関しては、物語や映像、役者さんたちの演技、音楽制作陣の熱量の混ざり具合がすごくて。想いと想いが相乗効果で掛け算になっているところに感動しました。

「Share the light」
アーティスト:Run Girls, Run!(林 鼓子、森嶋優花、厚木那奈美)
作詞:只野菜摘
作曲・編曲:田中秀和 (MONACA)
Violin:室屋光一郎,野口わかな,沖 祥子,小寺里奈
Viola:馬渕昌子
Cello:遠藤益民
Guitar:堀崎 翔
Programming:田中秀和 (MONACA)
Mixing Engineer:前田和哉
TVアニメ「アサシンズプライド」OPテーマ

田代智一:ギターがまた堀崎翔くん、いったい何曲弾いてるんだろう(笑)。

田淵智也:この曲はkzさんがオススメしてくれたのもさることながら、渡辺翔さんも推してました。そしてebaくんからもコメントを預かっています。「2019年に出た声優ユニット曲のなかでいちばんかっこいい曲だと思います。フューチャーベース×アニソンの最上級ソング」。

kz:基本、アニソンやポップスの作家の人がクラブミュージックを取り入れたときには、どうしても時代性があまり一致しないパターンが多いんですよ。例えばワブルが10年前の音だったりとか。この曲に関しては、フューチャーベースというよりもフューチャーコアの要素が強くて。2~3年遅れになっているフューチャーベースを今取り入れるというよりも、YUC’eとかが作っているような、時代性にピンポイントにマッチしたものを、アレンジャーを入れずに(作家が)自分で作っていて。「ちょっと止めてくれよ……」と思いましたね(笑)。

kz:(田中)秀和くんの仕事で言うと、『アズールレーン』のEDテーマのシングル(鹿乃「光の道標」)に、Aireが編曲で参加している楽曲(「CAFUNE」)が収録されていて。Aireもフューチャーベース界隈のトラックメイカーなので、(編曲にトラックメイカーを)取り入れてああいう音になるのなら我々もわかるんですけど、(田中秀和が)ひとりでやられたら「いやあ、帰ってくれないかな……」ってなるんですよ(笑)。でも、俺はこの曲が大好きだし、もう抗えないから、拍手です。

【ちょっと待った枠】
登壇した佐藤純一さんから開催前日に「どうしても紹介したい曲がある」と提言があり急遽追加したこのコーナー。主催者の独断では選考から漏らしてしまったこちらの曲、アニソンユーザーに聞いてもらいたいその理由とは…?

「Drown」
アーティスト:milet
作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai
作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai
Produced by Ryosuke”Dr.R”Sakai
liixed by Ryosuke “Dr.R”Sakai
TVアニメ 「ヴィンランド・ サガ」 EDテーマ

佐藤純一:アニソンは「アニソン的なるもの」のイメージが固定されがちだと思うんですよね。この曲は、miletさんが元々J-POP由来のアーティストでもあるから、(「アニソン的なるもの」とは)違う方向性から来ていて。そういう音の曲も挙がったほうがいいんじゃないかなと思うし、純粋にボーカルの力がすごくて、トラックかっこいいというのが、今回推薦した理由です。

佐藤純一:(この曲を書いた)Ryosuke“Dr.R”Sakaiさんは、海外でもコライトをやっているトラックメイカー/プロデューサーの方で。音作りもアニソンや日本といった部分を超えて、もっとワールドワイドなところを見て作っている印象です。でも、それがアニメというコンテンツと一緒になっていくところが面白いなと思いますね。

田淵智也:アニメは世界観の強いものが多いから、ワールドワイド的なもののほうがハマりの良い場合がたくさんあるんですよね。それこそ『キャロル&チューズデイ』だったり。いわゆるアニソンシンガーや声優さん、普段アニソンを書いている作家さん以外の人じゃないと書けない、アニメに合う曲も当然あると思うんですね。

Part.2へ続く!

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