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INTERVIEW

2020.02.25

好評のアニソンカバーアルバム第2弾には“大好き”ばかりを収録!佐咲紗花『SAYAKAVER.2』インタビュー

好評のアニソンカバーアルバム第2弾には“大好き”ばかりを収録!佐咲紗花『SAYAKAVER.2』インタビュー

2020年1月27日にデビュー10周年を迎えたアニソンシンガー・佐咲紗花。そのアニバーサリーイヤーの口火を切るカバーアルバム『SAYAKAVER.2』が1月29日にリリースされた。彼女にとって2枚目となるアニメソング・特撮ソングのカバー曲集だが、アニソンシンガーになるためにシンガーになったという彼女らしい選曲センスは健在。また収録曲に対するコメントを求めたところ、幾度となく“大好き”というワードが飛び出した。『SAYAKAVER.2』に詰め込まれたアニソンへの愛とリスペクトを、彼女の言葉から確認してほしい。

――前作を2015年にリリースしたあとも、カバーアルバムをもう一度作ってみたいという気持ちはずっとお持ちでしたか?

佐咲紗花 前作は「特に海外のアニソンファンにも届くものを」というコンセプトがあったため、また違うコンセプトでもできたらいいなとは思っていました。また私がアニソンに特化したラジオ(「佐咲紗花の花咲キラジオ」)をやっているんですけど、そのリスナーやイベントに来てくれたファンからも第2弾を求める声がありました。そうしたこともあって、プロデューサーが「10周年の最初にまたカバーアルムを作ろう」と言ってくださったんだと思います。

――今作のコンセプトは?

佐咲 今回は、単純に私の大好きなものをチームに30曲くらいプレゼンしていきました。そこからタイミングやCD1枚としてのまとまりを考えて制作チームみんなで選曲していったという流れです。

――アニソン好きが選んだとわかるラインナップですね。例えば、これまでの活動で関連のある曲も多いですか?

佐咲 ほとんどの曲を、この10年の中でワンマンライブの中でだったりイベントのコラボレーション曲だったり何かしらの形でカバーしたことがあります。

――全体を通じて、原曲の雰囲気を壊し過ぎず、佐咲さんの色が出ていると感じました。

佐咲 私もアニソンが大好きな曲ばかりなので、やっぱり「失礼がないだろうか」とか「原曲を好きな人が不快にならないだろうか」といった不安はあります。だから「大好きな曲を私はこう表現するのよ」というよりは「私が違う表現することで、原作や原曲を好きな人が改めて楽しめたらいいな」という思いで歌いました。

――なるほど。それでは収録順に選曲理由やこだわりを伺っていきます。まず「AMAZING BREAK」(『テラフォーマーズ』OPテーマ)ですが、いきなり2010年代の名アニソンからですね。

佐咲 これは放送当時から大好きな曲で、絶対にライブでフルバンドの状態で歌いたかったのもありますね。カラオケでもほぼ毎回歌っています。

――歌い慣れた曲だからレコーディングもスムーズでしたか。

佐咲 ひとりで楽しむときは原曲のボーカル・松山晃太さんの方向に寄っているので、レコーディングではいかに私らしいアレンジを出すか苦戦しました。すごく時間がかかりましたが、結果的には、アレンジャーの山本恭平さんが所属するArteRefactの代表・桑原聖さんにボーカルディレクションしてもらい、原曲っぽいところと私らしいところが融合した、納得いく歌になりました。

――続いて「真赤な誓い」(『武装錬金』OPテーマ)です。

佐咲 『武装錬金』も「真赤な誓い」もずっと大好きなんです。熱量的な気持ちを入れやすい曲でした。

――アレンジは佐咲さんの活動初期からの付き合いとなる鈴木マサキさんですね。

佐咲 マサキさんのカラーで少しデジタル感もチラ見えしつつも原曲の雰囲気を踏襲しながら、全体的に私が好きなテイストでアレンジしていただけました。

――3曲目の「Get Over」(『ヒカルの碁』オープニングテーマ)は意外な選曲でした。

佐咲 『ヒカ碁』はもちろん好きなんですけど、この曲には別の縁もあるんです。原曲は3人時代のdreamが歌われていたんですけど、その3人がdreamになるオーディションを私も受けていたんです。しかも「Get Over」の作詞をした松室麻衣ちゃんとは最終選考の前日に同じホテルの部屋で宿泊して、いろいろ話もしていて。彼女が書いた歌詞を、何年も経って私が歌うというのはすごく感慨深いです。

――アレンジは元電気グルーヴメンバーで、浜崎あゆみさんの曲なども多数手がけられているCMJKさんですね。

佐咲 CMJKさんにお願いしたおかげで、当時のエイベックスサウンドっぽさが出ました。私も当時の流行りのJ-POPも好きだったので、懐かしさがすごくてありがたいです。ノスタルジックな気持ちになりました。

――次の「ウィッチ☆アクティビティ」(『ウィッチクラフトワークス』ED主題歌)ですが、これは既存のカバーですよね。

佐咲 はい。前作「SAYAKAVER.」をリリースしたころ、雑誌「GetNavi」の企画で録ったものです。セルフリアレンジという形となったTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさん御本人達のコーラスがまた萌えポイントなカバーなんですよ。

――そして30年以上の時をさかのぼって「ダンバイン とぶ」(『聖戦士ダンバイン』OPテーマ)です。

佐咲 尊敬するMIQさんの歌で、特に今回「私が歌って大丈夫だろうか」という思いが強かった曲です。MIQさんのあのグルーヴ感を表現できるか。ただ編曲とボーカルディレクションしてくださった須藤賢一さんに、私が原曲寄りになりすぎないように、うまく導いてくださいました。

――アラフォー世代には懐かしい曲が続きます。「空へ…」(『ロミオの青い空』オープニングテーマ)は、佐咲さんはモロにストライクの世代ですよね。

佐咲 はい。世界名作劇場シリーズは大好きで、今でも再放送があると喜んで観ていますし、『ロミオの青い空』ももちろん観ていました。私のタイアップ曲は大体速くて激しくて高い曲が多くて、バラードやゆったりした曲があまりないので、この機会にカバーで歌わせてもらいました。

――アレンジは、前作で「炎のたからもの」(『劇場版アニメ「ルパン三世カリオストロの城』主題歌)をアレンジされた安瀬聖さんです。

佐咲 ギターとマンドリン、ヴィオラとヴァイオリンの楽器ひとつひとつの音色がすごく際立っていて、ボーカルもその楽器のひとつみたいな感じに仕上げていただきました。

――懐かしい曲のラストは「こころはタマゴ」(『鳥人戦隊ジェットマン』EDテーマ)。こうした名曲中の名曲が歌い継がれるのは、いちアニソン/特撮ファンとしてうれしいです。

佐咲 この曲はとにかく歌詞が印象深く、言葉一つひとつに溢れる優しさ、包み込むような愛を感じます。また、小さい頃はただ真似して歌ってましたけど、これはぜひライブで女性キーで歌いたい思い、カバーさせてもらいました。

――次は一気に時代が進んで「シュガーソングとビターステップ」(『血界戦線』EDテーマ)です。2010年代を代表するアニソンのひとつです。

佐咲 前作『SAYAKAVER.』を出してすぐの頃にリリースされた曲で、「次にカバーアルバム出すせる機会があるなら絶対に入れよう」と思っていました。今回、普段私の歌を録っていない方の意見や指南が欲しくて、できるだけ編曲をお願いした方にボーカルディレクションもお願いしました。収録前に想定していた歌い方と全然変わることも多くて、すごくいい勉強になりました。

――そして次が「THE HERO !! ~怒れる拳に火をつけろ~」(『ワンパンマン』OPテーマ)です。なぜJAM Projectでも屈指の激しい曲を選ばれたのでしょう?

佐咲 前作にも通づる理由での国内だけでなく海外での爆発的な人気とインパクト、そして自分自身への挑戦の意味も込めてです。

――アレンジはJAM Pojectと関係の近いIKUOさんです。

佐咲 そうなんです。原曲がアレンジを含めて完成されている曲なのでどう違いを出すか考え、大好きなIKUOさんにIKUOさんらしさで突き抜けてもらおうとお願いしました。

――激しい曲が続いて、次は「Super Driver」(『涼宮ハルヒの憂鬱』OPテーマ)です。

佐咲 アレンジは前作で「Can Do」を編曲していただいたエンドウ.さんにお願いし、とにかく前に突き進むパワーのある元気楽しいパンクに仕上げてもらいました。

――そして11曲目は佐咲さんにとって思い出深い「Hands」(『ウルトラマンR/B』OPテーマ)です(ウルトラマン愛溢れる佐咲の『ウルトラマンタイガ』ED「ヒトツボシ」インタビューはこちら

佐咲 これは2018年から2019年の私にすごくパワーをくれた曲だし、どうしても入れたかった1曲です。

――どの辺りが特にお好きですか?

佐咲 『ウルトラマンR/B』という作品は家族がテーマなんですけど、それを踏まえると2番の歌詞が本当に沁みるんです。ヒーローとの絆だけではなく、それが家族との絆になるところが……今の歳だからこそ刺さります。もっと若い頃だと軽んじていた気もするんですけど、家族の大切さが身に沁みた頃に出会えて、すごく大事な曲になりました。

――ラストトラックは「Over The Future」(『絶対可憐チルドレン』OPテーマ)です。これはMVも作られていて、本作の顔的な存在ですね。

佐咲 元々大好きな曲なのですが、かっこよくやりたいのに、私の声が幼くかわいくなってしまうんじゃないかという懸念もあって。でもAstroNoteSさんにアレンジをお願いしたらその不安を吹き飛ばすくらい滅茶苦茶かっこいいアレンジが上がってきて、「これはぜひバンドで表現したい!」という思いが強まったのでバンドスタイルで撮影していただきました。

――アルバム全体の楽しい感じが伝わってきて、いいMVでした。

佐咲 今回のアルバムの中でも、一番ストレートに私らしい歌い方を出せる曲になりました。

――各楽曲に対する解説、ありがとうございました。とにかく佐咲紗花さんの大好きな曲が詰まっていることがわかりました。7月18日(土)にはこのアルバムのリリースライブ“SAYAKAVER. LIVE 02”がありますが、その意気込みをお聞かせください。前作『SAYAKAVER.』の曲も歌われるんですよね?

佐咲 1枚目と2枚目の“いいとこどり”なセットリストになるのではないかと思います。今回はライブで歌いたいから選んだ曲も多いし、前作よりライブで表現することを意識しながら作りました。しかも前回のライブに“SAYAKAVER. LIVE 01”というタイトルを付けたおかげで、この5年間「02はいつやるんですか?」と言われ続けたので、やっと、みなさんとまた大好きなアニソンで楽しめるなとワクワクしています。

――その前に、2月からは10周年企画の一環として一年を通してのマンスリーアコースティックライブ“佐咲紗花 ACOUSTIC LIVE passege”がスタートしました。

佐咲 イベントの一部ではなくしっかりと私の歌声を届けられる場を増やしたいという話から決まったライブシリーズです。ピアノと私だけという編成なので、普段の激しい曲が多いライブやイベントとはまた違った大人の魅力を出せたらなと思っています。中にはライブハウスは怖いという方もいるかもしれませんが、こういう着席のゆったりしたライブで「佐咲紗花の歌はやっぱりいいな」とか「もっと体感したい」とか思ってもらえたら嬉しいです。毎月あるので、都合が合ったときに気軽に来て、私がこの10年で歌でどんな表現ができるようになったか堪能してほしいです。

Interview & Text by はるのおと


●リリース情報
『SAYAKAVER.2』
発売中

品番:LACA-15813
価格:¥3,000+税

<CD>
Tr.01 AMAZING BREAK(『テラフォーマーズ』OPテーマ)
作詞:松山晃太、堀江晶太 作曲:堀江晶太 編曲:山本恭平 (ArteRefact)
Tr.02 真赤な誓い(『武装錬金』OPテーマ)
作詞:福山恭子 作曲:福山芳樹 編曲:鈴木マサキ
Tr.03 Get Over(『ヒカルの碁』OPテーマ)
作詞:松室麻衣 作曲:BOUNCEBACK 編曲:CMJK
Tr.04 ウィッチ☆アクティビティ(『ウィッチクラフトワークス』ED主題歌)
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
Tr.05 ダンバイン とぶ(『聖戦士ダンバイン』OPテーマ)
作詞:井荻 麟 作曲:網倉一也 編曲:須藤賢一
Tr.06 空へ…(『ロミオの青い空』OPテーマ)
作詞:佐藤ありす 作曲:岩崎 琢 編曲:安瀬 聖
Tr.07 こころはタマゴ(『鳥人戦隊ジェットマン』EDテーマ)
作詞:荒木とよひさ 作曲:つのごうじ 編曲:中土智博
Tr.08 シュガーソングとビターステップ(『血界戦線』EDテーマ)
作詞・作曲:田淵智也 編曲:三宅博文
Tr.09 THE HERO !! ~怒れる拳に火をつけろ~(『ワンパンマン』OPテーマ)
作詞・作曲:影山ヒロノブ 編曲:IKUO
Tr.10 Super Driver(『涼宮ハルヒの憂鬱』OPテーマ)
作詞:畑 亜貴 作曲:神前 暁 編曲:エンドウ.
Tr.11 Hands(『ウルトラマンルーブ』OPテーマ)
作詞:園田健太郎 作曲:伊藤翼、園田健太郎 編曲:宮崎京一 (KEYTONE)、出口 遼、飯田涼太
Tr.12 Over The Future(『絶対可憐チルドレン』OPテーマ)
作詞:六ツ見純代 作曲:佐伯高志 編曲:AstroNoteS

●ライブ情報
SAYAKAVER.LIVE 02
7月18日(土)
OPEN 17:45 / START 18:30
会場:代官山UNIT
料金:スタンディング ¥5,000(税込)
※ドリンク代別途 600円 ※整理券番号順入場 ※未就学児入場不可

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