REPORT
2020.02.22
豪華声優陣が参加するメディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」が2月9日に“ワンダーフェスティバル2020[冬]”内の特設ステージにて初イベントを開催。作中に登場する星見プロダクションの新人アイドルを演じる10人の若手声優たちが、初めてのライブステージを行った。
「IDOLY PRIDE」とは、サイバーエージェントグループ、ミュージックレイン、ストレートエッジが協力してメディアミックス展開を行う大型アイドルプロジェクト。キャストとしてスフィアとしても活躍中の戸松遥、高垣彩陽、寿美菜子、豊崎愛生やTrySailとしても活躍中の雨宮天、麻倉もも、夏川椎菜に加えて、ミュージックレインのほか、『ラブライブ!』シリーズで知られる脚本家の花田十輝などがシナリオ原案を、人気イラストレーターのQP:flapperがキャラクターデザイン原案を担当。昨年11月にプロジェクトの始動が本格発表され、12月に行われた第1回情報解禁スペシャル生放送で早くもTVアニメの制作が決定するなど、注目のアイドルコンテンツとして期待を集めている。
そんな本作のキャストたちが初めて直接ファンの前に姿を現す機会となった今回のステージ。まずは司会の鷲崎 健、そして星見プロダクションのライバル的な立ち位置のアイドルグループ・LizNoir(リズノワール)を演じる戸松 遥、高垣彩陽、寿 美菜子、豊崎愛生の4名がステージに登壇して挨拶する。この日はちょうど寿が演じるキャラクター・小美山 愛の誕生日ということで、「おめでとう!」とひとしきり盛り上がったのに続き、星見プロダクションの新人アイドルを演じる橘 美來、菅野真衣、結城萌子、夏目ここな、佐々木奈緒、宮沢小春、高尾奏音、相川奏多、日向もか、首藤志奈の10名が、本邦初披露となるライブ衣装を着て登場。それぞれ色とりどりのカラーリングを差し色として使いつつ、統一感のある華やかな衣装の10人がステージに並ぶ姿は壮観そのものだ。
ここで、衣装デザインを手がけた渡 康輔によるコメントを紹介。それによるとデザインの際には「結びと重なり」の表現を心がけたとのことで、多様に編み上げたリボンや幾重にも重ねたフリルを衣装の各部分にあしらうことで、彼女たちの絆や重ねてきた努力を表したという。なおかつそれらが、ステージ上で彼女たちが動くことによってさらなる広がりが生まれるように意識したデザインになっており、メンバーの橘も腰周りのフリルについて、回るとフワフワ感が増すところがお気に入りだと語っていた。
続いては「IDOLY PRIDE」の作品紹介に。本作が他のアイドルコンテンツと一味違うところは、汗、涙、プライドといったような、アイドル活動の華やかな部分だけではない、ある種の泥臭い一面にも焦点が当てられること。それぞれ様々な目的意識や過去を持ちながら、アイドルの最高峰を目指して努力するキャラクターたちが、ライブバトルで競い合いながら成長していく――そんな熱い魅力を持った、青春アイドルプロジェクトになるという。
ということで、今回のステージでも、ライバル関係にあるLizNoirと星見プロダクションのキャスト同士によるバトルが勃発。今年1月に放送された第2回「IDOLY PRIDE」スペシャル生放送に続き、LiNoirの4人と新人声優10人による常識クイズ対決が行われることに。前回、敗北を味わったLizNoir組は、戸松が演じるキャラクター・神崎莉央の決めゼリフ「初めての挫折を、私たちが味わわせてあげる」と啖呵を切って気合いの程を覗かせる。
1回戦は、戸松vs橘・菅野・結城の3人。この日が命日だった漫画家・手塚治虫にちなみ、「手塚治虫さんは、何の国家資格を持っていたでしょうか?」という問題に対し、戸松は鉄腕アトムをイメ―ジしたという画伯風イラストを添えつつ「ロボット」と回答。一方の星見プロダクション組は、結城がマンガ「ブラック・ジャック」での描写の細かさから「医者」と推測して見事に正解。戸松は「最初なので力を抜いてやりました!」と負け惜しみの言葉を残しつつ、次にバトンタッチする。
続く2回戦は、高垣vs夏目・佐々木・宮沢の3人。問題は「2004アテネオリンピックの100m平泳ぎで優勝した北島康介がカメラの前で叫び、その年の流行語大賞の年間大賞に選ばれたセリフは何でしょう?」というもの。星見プロダクション組はまだ学生のメンバーを含め若い子が多く(なんと相川は2004年生まれ!)、これは高垣のほうに分があるかと思いきや、高垣はなぜかローマ字綴りで「KIMOCHEEEE」と書いて正解とも不正解ともとれる微妙な状況に。星見プロダクション組は「ちょうきもちいー!」と答えて正解。ここで高垣が負けると、早くもLizNoir組の敗北が確定するため、高垣もお情けで正解ということになり、決着は最後の3回戦に持ち込まれる。
寿vs高尾・相川・日向・首藤による3回戦の問題は、メキシコインディオの言葉でチョコレートの語源となる「〇〇〇水」の中に入る平仮名3文字を当てるというもの。両者とも見当もつかず頭を悩ませるなか、寿は「いのち水」と回答。そして星見プロダクション組は、司会の鷲崎の「面白いほうが勝つ」という言葉を受けて、メンバーの高尾の名前と「カカオ」にかけて「たかお水」と答える。正解は「にがい水」とのことだったが、面白さ判定の結果、星見プロダクションの勝利となり、意気込んでいたLizNoir組は2度目の挫折を味わわされることとなった。
その後、3月22日の“AnimeJapan2020”で行われる「IDOLY PRIDE」のステージに、豊崎愛生、戸松 遥、麻倉もも、橘 美來、菅野真衣、宮沢小春、高尾奏音とシークレットゲストが出演すること、同会場にてタペストリーやアクリルスタンドなどのオリジナルグッズが販売されることが発表され、会場に集ったファンは期待に沸く。そして初ステージとなった橘が「最初は緊張していたんですけど、皆さんが盛り上げてくださって、すごく楽しくステージを終えることができました」、菅野も「(ステージに上がる前は緊張で)裏で死んだ魚みたいな顔をしていたんですけど(笑)、皆さんの楽しんでくださってる顔を見て、心がすごく温かくなりました」と感想を述べて、この日のステージの最後のコーナー、星見プロダクションのキャストによる初ライブへ。
一旦ステージからはけて仕切り直し、再度登場した10人のキャストたちは、橘と菅野がセンターに背中を合わせて立ち、そこから全員が両サイドに5人ずつ、斜めに広がる形で背中を向け合って並ぶフォーメーションでスタンバイ。そして、YouTubeの公式チャンネルで公開されている、星見プロダクションの最初の楽曲「Shine Purity~輝きの純度~」のパフォーマンスをスタートさせる。利根川貴之と坂 和也らWicky.Recordingsの面々により制作されたこのナンバーは、アイドルらしいキラキラした輝きと同時に、どこか懐かしさを感じさせる情熱的なメロディが、熱い青春ものである「IDOLY PRIDE」の作品性を見事に体現したもの。10人が常にポジションを移動しながら舞い歌う姿は、まさにアイドルそのものだし、Aメロ、Bメロでは2人一組で歌うパートが多く、そこでメンバー同士の絆の熱さのようなものが表現されていたように思う。
特に見どころだったのはDメロ以降の展開。笑顔を浮かべながらも、感情のこもった生歌で気持ちを熱く迸らせるDメロ部分を経て、落ちサビ部分では、再び橘と菅野が背中合わせでセンターに位置取り、残りの8人がそれを取り囲むかのようなフォーメーションになる。そして橘と菅野が二人で声を合わせて“空を見て 思い出して ここに立つ その理由 君がいる ただそれだけで”と、互いの気持ちを確かめ合うように歌い、全員一丸となって歌うラスサビへ。それぞれが星として、それぞれの輝きを高め合いながら、星見プロダクションというひとつの大きな総体を築き上げていく、その絆の尊さ。それは、それまで背中合わせのポジションで「相反する二人」というイメージを強調していた橘と菅野が、最後の最後にお互い表を向いて体をくっつけるポージングで締めくくったことからも、充分伝わってきた。
歌詞や振り付けも含めて、これから徐々に明かされていくであろう「IDOLY PRIDE」の物語を想像させる、見事なパフォーマンスを見せてくれた、星見プロダクションのキャストたち。まだまだ新人ながらも、そのピュアでひたむきなステージングには目を見張るものがあったし、生歌をしっかりと聴かせる表現ができていたところも素晴らしい。現実では声優の先輩であり、作中ではライバルとなるLizNoirのメンバーや、TRINITYAiLEのキャラクターを演じる雨宮天、麻倉もも、夏川椎菜と、今後どのように絡んでいくのかも楽しみだし、きっとお互いが切磋琢磨し合いながら「アイドルの最高峰」を目指して邁進していくことだろう。その輝きがまだ近くに感じられるうちに、ぜひ目撃してほしい。
TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●イベント情報
「IDOLY PRIDE – VENUS STAGE / BEGINNING -」
2020年5月10日(日) 開場 16:00/開演 17:00
場所:舞浜アンフィシアター
出演:麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜、橘美來、菅野真衣、結城萌子、夏目ここな、佐々木奈緒、宮沢小春、高尾奏音、相川奏多、日向もか、首藤志奈、他
チケット料金
全席指定
〈グッズ付きチケット〉¥9,500(税込)
〈チケットのみ〉¥7,500(税込)
グッズ内容:IDOLY PRIDE – VENUS STAGE / BEGINNING – 限定Tシャツ/SIZE:Lのみ
【スタッフ】
原案:水澄佳希(QualiArts)、安達薫(ストレートエッジ)、花田十輝(SATZ)
原作:Project IDOLY PRIDE
キャラクターデザイン原案:QP:flapper
音楽:ミュージックレイン / QualiArts
楽曲制作:大石昌良、沖井礼二(TWEEDEES)、北川勝利(ROUND TABLE)、さかいゆう、田中秀和(MONACA)、やしきん、kz(livetune)、Q-MHz、Wicky.Recordings
© 2019 Project IDOLY PRIDE
SHARE