リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2020.02.12

ZARDトリビュートバンド・SARD UNDERGROUND 1stシングル TVアニメ『名探偵コナン』EDテーマシングル「少しづつ 少しづつ」インタビュー

ZARDトリビュートバンド・SARD UNDERGROUND 1stシングル TVアニメ『名探偵コナン』EDテーマシングル「少しづつ 少しづつ」インタビュー

ZARDのトリビュートバンドとして活動中のSARD UNDERGROUNDが、初のオリジナル楽曲「少しづつ 少しづつ」を2月10日にリリース。この楽曲は、ZARDとも縁の深かったアニメ『名探偵コナン』のEDテーマとして放送中。詞は、坂井泉水が生前に書き残していたもの。その詞へ、大野愛果が曲とメロディを付け、それを、数多くのZARDの楽曲を歌い紡いでいるSARD UNDERGROUNDが歌と演奏を担当した。

2月10日は、ZARDが1stシングル「Good-bye My Loneliness/愛は暗闇の中で」を発売した日。その2曲をカップリングに収録したシングルを同じ日に発売するのも運命的。今回、神野友亜(Vo)/赤坂美羽(G)/杉岡泉美(B)/坂本ひろ美(Key)の4人に「少しづつ 少しづつ」の魅力を聞いた。

ZARDのデビュー日である2月10日に、私たちの1stシングルを出せるところにも、運命のルーレットが廻っているようにも感じました。

――まずは、皆さんがZARDを好きになったきっかけや大好きな楽曲から教えてください。

神野友亜 わたしは「マイ フレンド」を初めて聴いたときから、この歌にすごく元気をもらえて、いつも支えられ続けてきました。ZARDさんの楽曲は、いろんな恋愛物語があって表現も幅広いので、聴いてて飽きないどころか、どんどんのめり込んでしまいます。その歌をSARD UNDERGROUNDとして歌えていることが、今はとても幸せです。

赤坂美羽 わたし、ZARDさんの「永遠」のMVの始まりのシーンにすごく引き込まれて、当時見入ってしまったことを覚えています。そのときにZARDさんの世界観に惚れ込み、そこからいろいろ聴くようになりました。わたしも、いつもZARDさんの楽曲に勇気づけられてきました。

杉岡泉美 わたしは音楽番組を観るのが好きなんですけど。とある番組で坂井泉水さんが「負けないで」を歌っている映像が流れ、その姿を観たときに「すごく真っ直ぐに心に響く歌。でも、歌っているこの綺麗な人はとても謎めいてる」と感じたんですね。そこから「ZARDってどんなアーティストなんだろう?」と興味を示し、いろいろと聴き出したら、いつしかわたしもZARDさんの歌に自分を支えられていて。ZARDさんの音楽は今もわたしの側に寄り添っています。

坂本ひろ美  ZARDさんの「負けないで」は24時間テレビなどを通して毎年のように聴いていたので、影響を受けたのもあるんですけど、姉が『名探偵コナン』が大好きで、小さい頃から一緒にテレビを観てたり、映画館にも観に行ってました。当時は、そこまで意識はしていなかったんですけど。改めてZARDさんの楽曲へ触れたとき、「あっ、これ知ってる」「これも小さい頃に好きだった」という歌が多くて、ZARDさんの影響を受けながら育っていたなって感じます。

――今回リリースするシングル「少しづつ 少しづつ」は、坂井泉水さんが残した詞に大野愛果さんが曲をつけ、それをSARD UNDERGROUNDが演奏することで形になりました。最初に聴いたとき、これもZARDさんのカバー曲かと思えたくらい、歌い方や曲調がとてもZARD節していますよね。

神野 ホントですか? うれしい!

――歌うときも、坂井泉水さんらしさを意識していたのでしょうか?

神野 すごく意識していました。私たちはZARDさんの楽曲を演奏したトリビュートアルバム『ZARD tribute』を発売してデビューしました。あのときは、坂井泉水さんの歌っている声を参考にしながら坂井泉水さんに成りきるように歌いましたが、今回はオリジナル曲ということで、歌いまわしなどは自分で考えるしかなかったんですね。だから、わたしなりに坂井泉水さんの歌いまわしなどいろんなことを研究したうえで、どれだけ坂井泉水さんへ近づけるかを心がけながら歌ったので、そう言ってもらえるとすごくうれしいです。

――演奏するときも、いかにZARDの世界観をと意識していたのでしょうか?

赤坂 いつも意識しています。わたしで言うなら、坂井泉水さんはギターを弾いて歌ってはいないですけど、「もし、坂井泉水さんがギターを弾きながら歌っていたら、こんな感じで演奏していたのかな?」と想像を膨らませて、ZARD楽曲の特色も細かく分析しながら演奏をしました。

杉岡 わたしもそうですね。「坂井泉水さんがこの曲を歌ったらこんな感じかな?」という想像を巡らせながら、その歌声を活かす演奏を心がけました。

坂本 演奏陣はみんな、そこは同じ気持ちで臨んでいましたね。

――SARD UNDERGROUNDの魅力を知ってくほどに、各メンバーのキャラクターも気になりだしました。良ければ、隣にいるメンバーのことをそれぞれ紹介していただいても良いですか?

神野 わたしからいきますね。隣にいる赤坂さんは笑顔が日常に溢れているように、すごく明るい性格。とてもポジティブだから、一緒にいるだけでまわりの人たちを明るくさせてくれます。あと、笑ったときの顔も可愛いなと思います。ギタリストとしても、笑顔でかっこいい演奏を届けてくれるところが魅力です。

赤坂 ベースの杉ちゃんは、ベースを弾いてるときはクールなんですけど、いつもはすっごいニコニコしている子。じつは天然系で、そのギャップが魅力にもなっているように、それを知るほどに杉ちゃんのギャップにやられ、ファンになっていくとわたしは思ってます。

杉岡 なんか照れる(笑)。というのも、わたしと美羽ちゃんは中学時代からずっと一緒で、ともにバンド活動もしてきた関係なんですね。だけど、こういうことを言ったり言われることってなかったから、今、聞いてて照れました(笑)。

赤坂 わたしだって、言いながら照れちゃうよ(笑)。

神野 この二人、長く一緒にいるせいか、性格もすごく似てるんです。

杉岡 なんかね、ずっと一緒にいるせいか、自然と性格も行動も似てきちゃうよね。ひろ美さんは、みんなを包んでくれるお姉さん的な存在です。演奏するキーボードの音色も、みんなを包み込むような優しい音色です。しかも、女子力が高い!この間も絆創膏をもらったように、困ったときすぐに対応してくれるよう、とても頼りがいのある人です。

坂本 友亜ちゃんは、いつも音楽と真剣に向きあっていて、すごい努力家です。いつもメンバーのことや、SARD UNDERGROUNDのこれからのことを真剣に考えているように、その気持ちは強く伝わってきます。

神野 むしろ、わたしの場合は考え過ぎちゃうので、そこがね……。

坂本 だけど、そこがみんなとのバランス関係を作るうえでも良いところだなと思います。もちろん、歌声も大好きです。友亜ちゃん自身が坂井泉水さんのことをリスペクトしているから、本当に坂井泉水さんの歌い方を日々研究しているんですけど。わたしからしたら、坂井泉水さんも友亜ちゃんも、二人ともリスペクトしているシンガーですからね。

――ここからは、改めて「少しづつ 少しづつ」の魅力を紐解きたいなと思っています。それぞれ、初めて「少しづつ 少しづつ」を聴いたときの印象から聴かせてください。

坂本 まさにZARDの世界観が描き出されていて、すごく感動しました。演奏をするときもキーボードでオルゴールの音色を選ぶなど、その世界観を活かせるようにと意識しながら演奏をしました。

杉岡 聴けば聴くほど歌詞の持つ深みにはまって、どんどん好きになっていくので、そこが坂井泉水さんの書く歌詞らしいなぁと思いました。

赤坂 歌詞とメロディがベストマッチしていて、最初に触れたときからいろんな感情が込み上げてきてとても感動しました。だから演奏をするときも、その感情をしっかり形にできるように、とくにライブで演奏したときにいろんな感情を覚える演奏を届けられるようにと心がけながら、みんなで演奏を作っていきました。

――すでにライブでも披露しているんですよね、皆さんどんな反響を返しています?

赤坂 皆さんじっくりと歌に耳や心を傾けて聴いてくださっていますね。

神野 わたし、初めて聴いたときから頭の中に物語が次々と生まれていました。だからこそわたしも、聴いた人たちの心の中へ物語が広がるような歌い方を心がけました。それと、「この歌を坂井泉水さんが歌ったらどうなるだろう」という意識も大切に持ちながら歌っています。

――「少しづつ 少しづつ」の歌詞には、好きな人との気持ちのすれ違いが生まれる様を描き出しています。しかも女性は、離れなきゃいけないけど、それでもあなた以上の人はいないという気持ちを伝えています。この歌詞についての印象も聞かせてください。

神野 わたし、こんなにも大人な恋愛を体験したことがなかったから、最初は伝えきれるのかとても不安だったんです。でも、歌詞のあちこちに……というか、どの歌詞も想像を膨らませる表現ばかりなので、わたしなりに「相手のことが好きで好きでたまらない女性」の気持ちの物語を作りあげ、それを届けるようにと歌いました。わたしは、相手のことを好きすぎるあまり、その関係からちょっと離れようともするんだけど。でも、「やっぱり、あなたが好き」という想いを詰め込んだ歌詞と捉えながら歌ってもいます。

赤坂 わたしも歌詞を読んでくうちに、最初のうちは「好きだけど、でもモヤモヤとしていた」気持ちが、どんどん確信する気持ちに変わっていくようで、最後のほうの歌詞では、女性が想いを訴えかけていくようにも聞こえました。

杉岡 わたしは“why 人は何故生まれてくるの 目的は? 何かのために 誰かのために生きるものなの?”という歌詞が好きで。こういう想いって、誰もが想い悩んでいるときに一度や二度考えたことがあると思うんですけど。わたしはこの歌詞を聴きながら、家族など身近な人たちの姿がいろいろ思い浮かんで、改めて自分の目標を再認識しながら「これからも頑張ろう」という気持ちになっていました。

坂本 わたしも同じところが好きなんですけど、そこはとても現実的な内容でもあって、わたし自身も強くなりたいと思っているせいもあるのか、そこの歌詞から勇気をもらっています。

――「少しづつ 少しづつ」は、アニメ『名探偵コナン』のEDテーマとして流れています。

坂本 テレビから「少しづつ 少しづつ」が流れてきたときは、とても不思議な感覚でした。

神野 アニメの映像と楽曲がすごくマッチしているから、とても感動しました。うれしい発見だったのが、『名探偵コナン』の絵に合わせて歌が流れることで、ライブで歌っているときの「少しづつ 少しづつ」とは異なる新たな解釈も生まれたこと。わたし、“いつからこんなにすれちがうようになったんだろう”のときの絵と歌詞がリンクしていくときの映像がすごく好きなんです。まさにそこは、いつもの「少しづつ 少しづつ」とは異なる、『名探偵コナン』の世界観とリンクした新たな解釈の生まれた瞬間でした。

赤坂 わたし、テレビから「少しづつ 少しづつ」が流れてきたときは、もう「感動」や「うれしい!」という言葉しか出てこなかった。

杉岡 わたしも! わたしは家族と一緒に観ていたんだけど、家族みんなで「すごいね、すごいね」と言い合ってたくらい。

神野 わたしも家族みんなで観ながら、泣いて喜んでました。これは、私たちだからこその解釈になるんですけど、今の私たちの環境と「少しづつ 少しづつ」の歌詞が、とてもリンクしていくんですね。私たち自身の環境も少しずつ変化していますし、この歌を通してもっともっとZARDさんの魅力をいろんな人たちに届けられるように成長していきたいとも感じています。

――カップリングには、ZARDさんのデビュー曲「Good-bye My Loneliness」が収録されるのもうれしいことでした。

神野 ZARDさんの1stシングルが「Good-bye My Loneliness」で、そのカバー曲も含んだSARD UNDERGROUNDの1stシングルが、坂井泉水さんの歌詞を元にした「少しづつ 少しづつ」というのもそうだし、ZARDさんのデビュー日である2月10日に私たちの1stシングルを出せるところにも、運命のルーレットが廻っているようにも感じました。

――最後に、皆さんからメッセージをお願いします。

神野  「少しづつ 少しづつ」は、坂井泉水さんと大野愛果さんの作り上げた世界観を大切にしながら、坂井泉水さんの歌いまわしなども自分なりにしっかり研究したうえで歌いました。まずは、歌詞を噛みしめながら「少しづつ 少しづつ」を聴いてほしいなと思っています。「Good-bye My Loneliness」は、わたし自身大好きな歌。この歌では坂井泉水さんの歌い方を大切にしながら、坂井泉水さんが「Good-bye My Loneliness」を通して伝えたかった想いを自分なりに最大限伝えました。「愛は暗闇の中で」は、トリビュートアルバム『ZARD tribute』で一度カバーしていますが、こちらはとくに、音源とライブの違いを楽しんでもらいたい楽曲です。

赤坂 「少しづつ 少しづつ」は、坂井泉水さんと大野愛果さんの作り上げた世界観が素晴らしいからこそ、わたしたちも大切に届けていきたいなと思っています。わたし、心が寂しいときによく「少しづつ 少しづつ」を聴いています。そうすると、「わたしのことを思ってくれている人がきっといるはず」という気持ちにもなれるんですね。ぜひ、その人なりのいろんな聞き方を探ってください。

杉岡 坂井泉水さんと大野愛果さんのコラボって素晴らしいじゃないですか。その楽曲を、私たちの演奏を通していろんな人たちの心へ響くように届けます。音源はもちろん、ライブにも触れ、直接楽曲の素晴らしさを感じてください。

坂本 「少しづつ 少しづつ」は、聴く人の心情によっていろんな捉え方のできる楽曲。わたし自身は、自分の気持ちにとても寄り添ってくれる歌として捉えているので、ぜひ、いろんな人たちの心へ寄り添えたらなと思っています。

神野 今は全国キャペーンを通し各地で演奏もしています。ワンマンライブは現状東京と大阪のみですが、いつかは47都道府県すべてをまわりながら、SARD UNDERGROUNDの演奏を通してZARDの魅力を全国各地の人たちへ伝えたいなと思っています。皆さんとお会いできるように、これからも頑張ります!!

Interview & Text By 長澤智典


●リリース情報
SARD UNDERGROUND
1st SINGLE「少しづつ 少しづつ」
2月10日発売

【初回限定盤(CD+DVD+Photoブックレット12P)】

品番:GZCA-7175
価格:¥1800+税

<CD>
1. 少しづつ 少しづつ
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:鶴澤夢人/長戸大幸
2. Good-bye My Loneliness
作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:鶴澤夢人/長戸大幸
3. 少しづつ 少しづつ(off vocal)
4. Good-bye My Loneliness(off vocal)

<DVD>
「少しづつ 少しづつ」Music Video+メイキング

【名探偵コナン盤(CD)】

品番:GZCA-7176
価格:¥1000+税

<CD>
1. 少しづつ 少しづつ
2. 愛は暗闇の中で
作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:鶴澤夢人/長戸大幸
3. 少しづつ 少しづつ(TV size)

【通常盤(CD)】

品番:GZCA-7177
価格:¥1000+税

<CD>
1. 少しづつ 少しづつ
2. Good-bye My Loneliness
3. 少しづつ 少しづつ(off vocal)
4. Good-bye My Loneliness(off vocal)

<SARD UNDERGROUNDプロフィール>
Being Groupの中にある大阪で唯一のメジャーレコード会社“GIZA studio”。
そこで、メジャーデビューを目指して個別にレッスンを受けていた彼女たち。数々のヒットアーティストを創出してきたBeing Groupでの育成環境の中で先輩アーティストの作品やヒストリーに触れていくこととなる。
そんな中、ZARDの作品に共鳴したボーカル・神野友亜、ベース・杉岡泉美、ギター・赤坂美羽、キーボード・坂本ひろ美で、スタジオに入りZARDをカバーする日々が始まる。最初は、ただただ勉強のためとカバーをしていたが、坂井泉水さんの描く歌詞の世界にどんどん引き込まれ、寝る間も惜しんで真剣に向き合っていった。
ZARDのプロデューサーであり、Being Groupの創設者である長戸大幸プロデューサーの耳にスタッフからメンバーの真剣な様子が伝わると、 長戸大幸プロデューサーは、“ZARDの作品を後世に伝えていってくれる存在”として、彼女たちが表舞台に立てるように力を貸していくことに。そしてバンド名は、“ZARD”の“Z”を反転させ、“SARD UNDERGROUND”と名付けられた。
当時のZARD・坂井泉水さんの音楽や歌詞に対する真摯な姿勢やリスナーへの想いを教わることで、改めてZARDの魅力に引き込まれていったSARD UNDERGROUND。2019年2月3日には、ZARDのカバーでの初LIVEを大阪で開催。
厳しい練習を重ねながらLIVEの頻度も増えていくタイミングで、YouTubeに彼女たちがUPしていたLIVE映像を観た 仙台放送のプロデューサーから毎年仙台で開催されている“東北・みやぎ復興マラソン”のイメージソングのオファーが届く。「負けないで」をはじめとするZARDの作品力がまずきっかけではあったが、その楽曲に込められたメッセージを自分たちなりに表現しようと前を向き続ける彼女たちの姿に、次世代を生きる若き世代が、“歌”の持つパワーで、東北をはじめ、日本に元気を取り戻しながら、風化させることなく未来へ繋いでいく可能性を垣間見たという。
デビューもしていない中での大役に驚き、動揺しながらも、長戸大幸プロデューサーをはじめ、実際にZARDの制作にかかわってきたスタッフの後押しを受けた彼女たちは、自分たちが尊敬してやまないZARDの作品に新たな息吹を吹き込むかのごとくレコーディングに臨んだ。
そして、2019年9月18日にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムでメジャーデビュー!
彼女たちの歴史が動き出した…。

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP