TVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』OPテーマ「PHOENIX」をリリース!BURNOUT SYNDROMESインタビュー

現在放送中のTVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』のオープニングを飾るのは、BURNOUT SYNDROMESの「PHOENIX」。「FLY HIGH!!」(アニメ『ハイキュー!! セカンドシーズン』第2クールOPテーマ)、「ヒカリアレ」(アニメ『ハイキュー!! 烏野高校VS白鳥沢学園高校』OPテーマ)に続き3期連続OPテーマを担当した彼らに、今回の楽曲について話を聞いた。

――『ハイキュー!!』ファンにとってめちゃくちゃテンションのアガるOPでした!「PHOENIX」!

石川大裕 ありがとうございます。

熊谷和海 光栄です。

――久々の『ハイキュー!!』とのタッグ。制作決定から気持ちとしては「自分たちがやるんだ!」という想いもあったのではないかと思いますが。

熊谷 そうですね。たとえ話が来なかったとしても、(楽曲を作って制作側に)出すつもりでした。

石川 呼ばれなくても県内の優秀な一年生を集めた合宿に行ってしまった日向翔陽のように!(笑)。

熊谷 まさしく(笑)。結局は日向とやっていることが一緒なんでしょうね。本当に一緒なんです。実はこの「PHOENIX」自体、前回のクール(「白鳥沢戦篇)が終わった時点で書き始めていましたし。

――勇み足もいいところですね(笑)。

熊谷 どうしてもあのシリーズが終わったときの感動があって。それって多分、次のクールのド頭で聴きたい「あのときの感動をもう一度」だと思うんです。白鳥沢戦が終わった直後を呼び起こす心の震動だなと思ったんですよね、その瞬間の震えは。だからすぐに書き始めました。そのときから今歌っているサビはもう出来ていて。そこから3年掛けてじっくりやっていった感じです。

――メンバーには話はしていたんですか?

石川 まったく聞いてなかったです。

廣瀬拓哉 制作方法としてはいつも通りですね。

熊谷 基本的に僕は頭の中で書いて、あとはダーッと形にしていくだけなので。しかも本編がこの先あるかないかもわからないですし、選ばれるかもわからない状態で言うのもな、というのがあったので。直前までは誰にも言わなかったです。

――3期が終わってから最初のとっかかりとなったのはどんなことだったんですか?

熊谷 3期が終わった瞬間、この作品に最もふさわしい言葉は「鳥肌」だなって思ったんです。とにかく鳥肌の立つ漫画だなって思っていて。それは多分、ほかの『ハイキュー!!』ファンの皆さんと同じだろうとも思いましたし、皆さんとのシンクロを感じたんです。それをそのまま歌ったら共感してもらえるんじゃないかと思って、サビにしました。

――3期が終わった瞬間、出てきた言葉こそが「鳥肌」。

熊谷 そうですね。僕、「白鳥沢戦篇」が特に好きなシーズンなんです。だから毎週ずっと「うわぁぁぁぁぁ」って声が出るくらいに鳥肌が立ち続けた。その想いを楽曲にしました。

――その「PHOENIX」ですが、完成したのは想起から3年後?

熊谷 やっぱりオーダーがあるんですよね。「こういう曲にしてください」という制作側からの。だから3年かけて作ったというよりも、3年前にこの「PHOENIX」の卵があって、それを置いておいた感じです。勇み足で本当に全編に渡って完成させてしまうと、オーダーと違った場合に調整が効かないので、一度話を聞いてからだな、とも思っていたんですね。だから原型としてはサビの一行目くらいまでの歌詞とメロディにとどめておいて、制作側との協議を重ねながら調整していったという感じだったので。初期衝動から3年、という意味合いですね。とにかくいい曲を仕上げて制作側に「どうでしょう」っていうことに集中しました。いつもOKをもらえるかどうか分からないヒリヒリ感がある。それが「FLY HIGH!!」のときにも「ヒカリアレ」のときにも、この「PHOENIX」のときにもあった。「これでどうだ!」という、いつもの1.5倍、2倍のところまで飛翔させられるというか。それが『ハイキュー!!』というテーマに合っているように思います。

――常に挑む姿勢。

熊谷 それが大事だと思うし、やっぱり『ハイキュー!!』ファンとしてもいちばんいい曲を選んでほしい。

――1回目に出したところから現在までに楽曲に変化はあったんですか?

熊谷 3カ月あったんですが、そのあいだに修正は入りました。やりとりを通して完成していきましたが、白鳥沢戦のあとに感じた衝動は原型のまま残すことができたので、それは良かったな、と思いました。

――楽曲が決まるまでの話を伺いましたが、改めてこの『ハイキュー!!』と3期もの長い期間向き合うこととなりました。皆さんはどんなところにこの作品の魅力を感じていらっしゃいますか?

石川 人生のいろんなタイミングで、いろんなセリフが出てくるんです。それこそ(青葉城西の)及川くんの言葉に背中を押されることもありますし、「あそこで日向はこんなことを言っていたな」と浮かんできたり、仲間といるときにはこれだな、という言葉とかもあって、常に背中を押してくれる作品です。「ハイキュー!! コトバの結晶展」に行ってきたんですが、メッセージボードみたいなのがあって、そこに僕と同じようなことを来場した皆さんが書いていらっしゃったんです。「あの言葉に背中を押してもらいました」「あのセリフに勇気をもらいました」「助けられました」……。類は友を呼ぶではないですが、同じ気持ちで同じ感動を共有できる人たちと僕らは一緒に観ているんだな、と思います。ライブも含めて、共に在るんだと感じます。

――“ANI-ROCK FES. 2018”での熱く感動的なMCにもそのお気持ちが溢れていましたよね。

石川 あれも「青葉」がいちばん最初に来ている、という僕のエゴも出ていたんですが(笑)、本当に大好きなんです。キャラの名前も好きですし、学校ごとのコンセプトも面白いんですよね。梟にもこんなに種類があるんだ、ということを梟谷のバレー部のメンバーたちの名前で知ることになりましたし、音駒はネコなのに犬もおるんやって思ったり。それに『ハイキュー!!』の良さって、出てくるキャラクターがみんなかっこいいこと。ライバルも好きになっていくんですよね。みんないい奴。バレーに対してみんな真面目。それも魅力かなと思います。

廣瀬 個々のキャラに感情移入ができることはもちろんなんですけど、自分でも知らぬ間に影響を受けているんです。私生活に還元されていくというか。日向が目で見て盗む、というシーンなんて、ドラムや音楽にもそのままだと思いますし、どんな雑用からでも成り上がっていく、ちゃんと吸収して全部自分のモノにしていくぞ、という気持ちもすごく大事なものとして、自分の糧になっているなと感じます。

熊谷 僕はめっちゃ好きなセリフがあって。「どうした五色。御前のその実力で何を焦る必要がある」という牛島のセリフなんです。

石川 ほんまに好きやね。それ。

廣瀬 これだけ話に出るくらい鮮烈ってことだよね。

熊谷 そこで五色を好きになったと思うんです。あの言葉はすんげぇ金言だと思うんです。僕は苦しくなると、その言葉を言い聞かせています。自分の実力で何を焦ることがあるんだって。結構、うまくいっていないときって自分を客観視できないこともあるんです。そういうときにあの言葉というのは、自分の実力について改めて頭を冷やして考えさせてくれる。しかもそれが励ましにもなってくる。「コトバの結晶展」をやるくらい、あの作品は言葉に対してフィーチャーして、大事にしている作品だと思うんです。「バレーは常に上を向くスポーツだ」とか、うまいし、その通りなんだけど応援にもなっている。ダブルミーニングになっていたり。そういう作品自体が好きですし、僕もそういう音楽を書いているので、相性がいいのかなとも思っています。同じく言葉を大事にしている。今まで聴いたことのないような言葉で感動させたい。その姿勢が一緒なんだと思います。

――本当にBURNOUT SYNDROMESの歌は感動があり、パワーをくれる。まさに「ハイキュー!!」という作品に近い力がありますよね。

熊谷 我々の音楽は「聴く栄養ドリンク」なので。

――たしかに!

熊谷 言霊というのはあると思うんです。それを「コトバの結晶展」で改めて思いました。

――今回の「PHOENIX」の歌詞はどのような意識で書かれたのでしょうか。

熊谷 想いは強いです。アニメのことを歌うことだけがアニソンの仕事ではないと僕は思っているんですね。アニメのファンとアニメのフィクションの世界観のあいだに橋を架けるのがオープニング曲だと思っていて。オープニングではたしかにアニメの世界観を彷彿とさせることを歌っているんだけど、聴いている人からしたらアニメは関係なく、実生活にもそのメッセージを持って帰れるような、歌詞を思い出して奮い立たされるようなもの。それがアニメに寄り過ぎてしまうと出来なくなってしまう気がしているんです。アニメの一部に吸収されてしまうというか、アニメに片脚は掛けているんだけど、もう片脚は普通に生きているみんなのために書いている。それが僕の思う理想のオープニングでして。『ハイキュー!!』を読んで感動したことを、僕なりの表現でしている。僕なりの『ハイキュー!!』なんです。でもひとつも劇中の言葉は使っていないと思うんです。意外と『ハイキュー!!』の中で「鳥肌」とは言っていないんです。もしも使っていたら書いていない気がする。「こんな解釈はどうですか」というものをぶつけたいと思うし、そこは原作との勝負でもあるかなと思うんですよね。僕の思う「バレーは上を向くスポーツだ」を、何個も書く曲になったと思います。だからこの曲は「熊谷和海のひとりコトバの結晶展」です。

――アニメでは「89秒」という尺でのオープニング。そこから先の世界をどのように歌に込めたのでしょうか。

熊谷 1コーラス書くことはフルコーラス書くことと同じなんです。曲の印象的な部分を決めながら作るんですが、今回は「PHOENIX」というタイトルからして、もう一回、頭と同じメロディを中間に持っていって蘇った不死鳥感を出したいと思ったので、そこを前提に後を埋めていく。だから構成としては分けてはいないんです。それくらい元になっている『ハイキュー!!』という作品のパワーはすごいし、あそこが感動の源なので、その感動の強さによって曲作りに詰まることもなく書けました。もちろんいろんな人たちのオーダーは聞きましたが、作ることには困らなかったですね。

――「いろんな人たちのオーダー」とおっしゃいましたが、印象に残っているオーダーはありましたか?

熊谷 「鳥肌」というワードですかね。そもそも鳥肌に対しての今回の使い方は誤用で。本当は「寒気がする」とか「気持ち悪い」ということを表す言葉だから、感動とか心が震えることでの「鳥肌」というのはいわゆる新語なんですよね。だから人によっては「え?」となる人もいるかもしれない。『ハイキュー!!』という国民的に愛されるアニメに対しては不適切ではないか、という話があったんです。たしかに危惧はしていたし、悩みもしたんですが、『ハイキュー!!』を通してむしろこの、感動による「鳥肌」を正しい使い方として認めてもらうチャンスだとも思ったんです。それを可能にするくらいの作品だと思いますし、本当に僕としては「鳥肌」がこの作品にはぴったりだし、「どうでしょうか」と熱弁したことで使わせてもらえました。僕の熱弁を信じてくれたチームの方々にも感謝です。

――その楽曲ではアレンジャーとしてプロデューサーであるいしわたり淳治さん、そしてejiさんが入っています。おふたりの手が入ったことで楽曲に変化はありましたか?

熊谷 それはありました。邦楽としてはどうなんだろう、というやり方を僕はしてしまいがちなんです。アニメがAメロ、Bメロ、サビ、とパッパッと絵が変わっていくから、そこに合せてサウンドやビートを変えていきたいと思っているので、そうした手法を取ってしまうんですが、案外聴きづらい曲になってしまう。そこを聴きやすくしてくれるのがアレンジャーのejiさんであり、歌詞でアニメに寄り過ぎてしまうところをジャッジしてくれるのがプロデューサーのいしわたりさん。良くも悪くも偏っている僕の楽曲をフラットにしてくださるおふたりなので、この曲にはおふたりがいなくてはならなかったなと思います。

――アレンジされた楽曲をレコーディングする際にはどのような印象がありましたか?

石川 “撥ねろ心臓”という歌詞があるんです。実は今回は「FLY HIGH!!」「ヒカリアレ」よりもテンポが遅いんですが、あの2曲のテンポを心臓とするとヤバい速度なんです。でも今回のテンポはちょうど“撥ねろ心臓”。高まっているときの心臓くらいのテンポなので、それが新しいなと感じて。今まではずっと全力疾走だったんですけど、ちょっと走りおわって楽しい、ハイなくらいのビート感で。そこが歌詞とマッチしていていいなぁ、と思いました。

廣瀬 ビートはめちゃくちゃ新しいですよね。あと僕が思ったことがあるんですが、僕自身、昔はテニスとかやっていたんですが、スポーツをやっているとゾーンに入る瞬間というのがあって。それをこの曲から感じるんです。音楽でもあるんです。スローモーションに煌めく瞬間というか、自分が無敵になっているような感覚を味わうときがある。なにかに熱中している方にはより刺さる一曲なんじゃないかと感じます。

熊谷 勝負事について戦っている人の高揚感を出したいと思ったんです。戦うことが楽しくてしょうがない。結局アニソンを書くときって、僕は自分のことを書いているんです。アニメのテーマと一致するような、自分の人生観を書かないと体重が乗らない。戦うことが好きなんですよね。戦っているときは一種別の人間になっているような、強戦士になっている感覚がスポーツをしている人たちには強いんだろうな、と思ったし、その想いを書きたいと思っていたんです。それって烏野高校そのものな気がするし、日向や影山の生き様だとも思うし。そういうテーマです。

――ジャケットも素晴らしいですよね。日向に炎の羽が見える姿。

石川 後ろを向いている、というのが最高ですよね。

熊谷 振り向かず、前だけを見ている感がいい。

廣瀬 描き下ろしは何度見てもうれしいですね。

――そんな今作、カップリングには「BREAK DANCER」が収録されています。こちらの曲を「PHOENIX」と共に収録したのはどうしてだったんですか?

熊谷 この先に烏野と音駒の「ゴミ捨て場の決戦」があるとしたら、こういう曲がいい、と思って作ったんです。僕としてはこの曲は音駒をイメージしています。別にそこは関係なくても聴けるようには作っているんですが。

――たしかに都会的だけど個性豊かな音駒のカオスな感じがします。

熊谷 もしもあったなら、と想像して書いた曲で。きっとその戦いも感動するだろうと思ったんです。音駒ってスタープレイヤーのいるチームではない。でもみんなで一丸となって試合に挑む。烏野よりもそんな姿が如実に出ていると思うんです。烏野はそれぞれがめちゃくちゃにやる。日向と影山がとにかくヤバい、というチームですが、対する音駒はすごく堅実な人たちな気がして。そういう人たちの歌があってもいいのかなと思ったんです。地べたを這う者が、それでも彼らが言うように相性を駆使して勝利する人たち。その強さを歌にしました。「深紅の舞」というのは音駒カラーを入れて、彼らを投影しました。

廣瀬 誰もが才能を持っているわけではない。それでも仲間と共に勝利を目指している人たちのことが浮かぶと思うんです。『ハイキュー!!』ファンの人にはこっちも共感できると思います。ぜひ聴いてもらいたいです。

――そして夏には“注文の多い料理店-☆☆☆-”もあります。

石川 コンセプチュアルなライブがBURNOUT SYNDROMESのライブには求められていると思うので、料理店というコンセプトでやりたいと思って、今回開催します。そのライブまでに僕らも日向や影山同様に修行をしてきたいと思っていますので、期待してもらいたいです。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
5th Single
TVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』OPテーマ
「PHOENIX」
2月12日発売

ダウンロード&ストリーミング&CDはこちら

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:ESCL 5333-4
価格:¥1,545+税

<CD>
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX (Instrumental)

<DVD>
01. PHOENIX -Music Video-
02. PHOENIX -Music Video MAKING-

【通常盤(CD)】

品番:ESCL 5335
価格:¥1,091+税

<CD>
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX (Instrumental)

【初回生産限定アニメ盤(CD+DVD)】

品番:ESCL 5336-8
価格:¥1,636+税

<CD>
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX (Anime Size)
05. PHOENIX (Instrumental)

<DVD>
TVアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」 オープニング映像(Non-Credit)

付属特典:TVアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」描き下ろしイラスト缶バッジ2個
封入特典:TVアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」描き下ろしイラストシールステッカー

●ライブ情報
「1,500名限定ワンマンツアー『注文の多い料理店‐☆☆☆-』」
8月21日(金) 大阪・UMEDA CLUB QUATTRO (18:00/19:00)
8月27日(木) 東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO (18:00/19:00)
8月28日(金) 名古屋・ell.FITS ALL (18:00/19:00)
チケット代:4,500円

●作品情報
TVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』

TVアニメ第4期 「ハイキュー‼ TO THE TOP」は、毎週金曜日深夜1時25分から MBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム” 枠にて放送中!!

<BURNOUT SYNDROMES プロフィール>
熊谷和海(Gt&Vo)、石川大裕(Ba&Cho)、廣瀬拓哉(Dr&Cho)
大阪発、青春文學ロックバンド。2005 年結成。
日本語の響き、美しさを大切にした文學的な歌詞やヴォーカル、その世界を彩る緻密に計算されたアレンジ。スリーピースの限界に常に挑戦しているバンド。2010年、TOKYO FM 「SCHOOL OF LOCK!」主催イベント「閃光ライオット」に出演し、準グランプリを獲得。結成10周年となる2016年3月、EPICレコードジャパンからシングル「FLY HIGH!!」でメジャーデビュー。2019年12月からZepp TokyoやなんばHatchを含む自身最大規模となる全国ツアー開催中!!

©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS

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