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REPORT

2019.12.06

10代最後のバースデーイブは涙と絶叫の全力ライブ! “亜咲花 20th Birthday Live ~EVE~”ライブレポート

10代最後のバースデーイブは涙と絶叫の全力ライブ! “亜咲花 20th Birthday Live ~EVE~”ライブレポート

自身の20歳の誕生日当日である10月7日に待望の1stフルアルバム『HEART TOUCH』をリリースしたアニソンシンガー・亜咲花がその前日となる6日、EX THEATER ROPPONGIにて、“亜咲花 20th Birthday Live ~EVE~”を開催した。10代最後に行われたライブの様子をレポートする。

フロアが暗転しスクリーンに映し出されたのは亜咲花の映ったホームビデオだった。そこでは彼女の赤ん坊の頃から、幼稚園、七五三といった生い立ちだけではなく、合唱コンクールのようすやティーンになってからのようすなど、貴重な成長記録が目の前で展開されていった。バースデーイブというライブのコンセプトを強く意識させるオープニングゾーンに続いてバンドメンバー、そして亜咲花本人が登場し、1stフルアルバム「HEART TOUCH」のリード曲の「Raise Your Heart!!」のリフを鳴り響かせた。冒頭にシャウトを入れてアッパーなロックナンバーを軽快に歌い出す亜咲花。この日の時点ではアルバム発売日前日という状況だったが、この歌は先行してMVが公開されていたこともあり、ここに来るファンにはすでに浸透しており、ツカミはバッチリだ。歌のテーマが「ライブのある日の亜咲花の1日」だけあって、それを初披露できる喜びに満ちた表情。「1、2、3、GO!」の掛け合いやシンガロングもオーディエンス側とピッタリと交換し、2番からはさらにテンションを上げハイトーンを駆使し歌い上げた。つづけてリズムよく「Just A Way You Are」のリフが始まると挨拶に続いて「盛り上がって行くよ~!」とシャウト。クラップを交えて軽やかに歌を届けていく。

最初のMCに入るとハイテンションで「明日からハタチだって(笑)」とゴキゲンな彼女。「私の10代の人生、アニソン一筋だったな」と、この日開催の理由を語る。続けて「これから殺人セットリストを用意しています!」と煽り、オーディエンスも望むところだと言わんばかりにヒートアップ。そこに「KILL ME One More Time?」のイントロが流れ出すと地響きのような歓声が沸き上がり、拳が突き上がる。リズミカルなサウンドにニュアンスをたっぷりと込めた歌唱。間奏ではステージ上段の台に座り色っぽいポーズをキメて、落ちサビの繰り返しでは緩急をつけてグルーヴを生み出す。そこからダンスナンバーの「Round of new thing」へ。タイトなビートを刻みスピーディーな楽曲のなかで彼女自身の気持ちの高ぶりがシャウトにも表れていく。Dメロではメロディアスなハイトーンを熱唱すると曲の間にもかかわらず歓声が湧く。タオル曲でもあるこの曲はフロアの熱気もさらに上がり、最後のタオル投げの瞬間はひとつの競技を終えたかのよう。煽りを入れて投下されたのはまたもアタックが強い曲の「Unfulfilled Butterfly」で、ハイスピードに叩き込む。原曲から盛り上がること間違い無しの曲であったが、亜咲花は歌い上げたりキメの前にシャウトを交えて強調したりとライブ映えさせるように演出を施したり、視覚的にもヘドバンをして髪を振り乱したり手を振ったりと全身でこの曲に立ち向かうさまが感じられる。ラストサビでは1音ずつ跳ねて最後に大シャウト。前半のハイライトを見事に締めくくった。

ここで一旦捌けて、映像の時間。「アサフェッショナル 仕事の流儀」というドキュメンタリー番組の体で作られたインタビュー動画が挟まった。その中でバイオグラフィーが自身の言葉で語られる。中学生になって日本に帰ってきたときに「涼宮ハルヒの憂鬱」を見た衝撃が彼女がアニメにハマったきっかけであり、「マクロスF」のシェリル・ノームの歌を歌うMay’nによってアニソンの魅力を知った。そこからアニソン歌手になる目標を強く意識していったという。そして尊敬する歌手としてJAM Projectの名を挙げ「大先輩の曲を受け継いでいかなければ」と語る。また、彼女がアニメロサマーライブに出演することを心に決めたきっかけであるangelaのKATSUの「このステージは世界一気持ちいいから這い上がって来いよ!」という言葉を紹介した。また、アニサマ初出演の知らせを聞かされた当時に号泣した模様が隠しカメラで撮影されており、そこでの飾らない彼女のようすもファンに向けて公開され、温かい空気が会場を覆った。はじめてのアニサマ出演の経験や家族の支えへの感謝、そして亜咲花のプロ意識である「アサフェッショナル」を口にする。それは「プロオタク」だった。「オタクとしての気持ちが分かるからこそ、いろんな吸収をしてみんなが好きな歌を歌っていきたい」と語った。

そんな映像の直後に流れたイントロが流れ始めた1秒後。会場から「ギャー!」という声援が湧いた。先程のインタビューに挙げていたJAM Projectの「SKILL」だ。言うまでもなくアニサマのアンセム的な存在でこの会場に来たファンの誰もが知っているであろう楽曲。もちろん1人で歌う際のその難度も。原曲の男声の雄々しいコーラス曲に対し亜咲花は彼女の良さを活かす形でカバー。絞り出すように声を上げる彼女を後押しするかのようにサビではファンが声を上げる。煽っているときには思わず笑顔になり胸に手を当てる彼女だった。つづけてシェリル・ノーム starring May’nの「ダイアモンドクレバス」が流れるとこれまた歓声。情感たっぷりに聴かせ、深く一礼をした。これまでのカバー曲コーナーの選曲が先程のインタビュー映像に紐付いていることを悟ったオーディエンスは次の曲のイントロが流れてももはや驚きはしない。替わりに最初からハイテンションで煽っていく。「涼宮ハルヒの憂鬱」の劇中歌「God knows…」に対し原曲リスペクトを最大限に一声一声、丁寧に歌っていく。Dメロのハイトーンのサビをキメて、ラストサビでは歓声を上げる客席に向けて「もっと聞かせて!」とシャウトし熱気を高めていた。

大歓声を受けて迎えたMCでは選曲の思いの丈を語る。なかでも「God knows…」はさまざまなアニソンイベントでカバーのオファーをされていたが、この日に初めて披露するために断り続けていたという秘話が語られると、彼女のこの曲に対するより一層の思いを深めたファンからは嘆息と拍手が湧いた。そしてアニソンシンガーとしてデビューするまでの5年間の道のりを語りだす。「5年で夢を叶えてしまう、こんなシンデレラストーリー」と語る彼女だがその裏には努力の影があったことはファンならずとも歌を聴けば分かるはず。デビューしてからもアニサマでさまざまな出演者から刺激を受けた話を交えつつも、「アニソンシンガーにしか届けられないステージや歌がある」とプライドを隠さない。「今日も私の魂、全部全部受け取って貰えればと思います」と訴え、TVアニメ「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の楽曲へと向かう。現世編前期OP「この世の果てで恋を唄う少女」では世界観を作る複雑な序盤のメロディから伸びやかなサビへ展開し歌い上げ、フロアの熱気を牽引する。続けて異世界編後期ED「神の数式」では力強くじっくりとメロディを聴かせる熱唱ぶり。間奏では赤い上着を早着替えするパフォーマンスも披露した。

開けたMCで、亜咲花はこの日を迎えられたことに感謝を述べつつも、自身に不安が訪れ苦しかったようすを語る。ポジティブさを常に出してきた彼女にとって珍しい告白だ。そんな彼女の不安に救いを差し伸べたのはファンの声と家族の支えだった。「そんな愛に助けられた気持ちを今日来てくれたみんなに、そして今まで支えてくれたスタッフさん、寂しいときに駆けつけてくれる家族、そして愛するあなたへ」と、「Marine SNOW」を歌い始めた。壮大なスケール感のこの歌に先程の彼女のストーリーが加わるとさらに情感に溢れ、大サビではさらに思いを強め、鬼気迫る勢いで歌い上げると温かい拍手が送られた。「CITYSCAPE」は、R&B調でクリアな声で味わうように祈りの歌を聴かせ、「My Love」のアコースティックなイントロが始まると自然と手拍子が沸き起こり、英語詞をリズミカルに歌い体をくねらせ膝のリズムを良く使って一体感を演出してラブソングコーナーをまとめた。

MCの「私の愛が届いたかな?」には大きな歓声が。本編最後のゾーンに向かう「10代最後だから後悔とかやり残しがないように」と、最初にセットリストを決めたという続いての2曲。「私のアニソン歌手人生を切り開いてくれた曲」と表現し、「皆さん飛べますか?」と煽りに煽って突入したのは「Edelweiss」。歓声の大きさも一層高く、オーディエンスが手拍子で背中を押す。亜咲花は歌唱中も常に客席に目を配り、コールの呼吸感もバッチリでライブで育てていった感触が非常に大きい。Dメロではファンに呼びかけて合唱し、その後の大サビの最後ではこの日最高のハイトーンを繰り出すと大歓声が沸き起こった。そこからリズミカルなイントロの「SHINY DAYS」へ。多幸感に溢れたまま熱唱。フェイクを入れたりライブ感たっぷりだ。サビでは合唱状態。さらに間奏後には合唱コーナーが設けられ客席をさまざまな属性に分けてサビを合唱する。そのなかには「亜咲花初のライブに来た最古参100人の人々」という条件もあり、これもかなりの音量だった。熱いファンとの結束を確認し、最後は全員で熱唱したあとジャンプし、ハートマークを手で作って本編を終えた。

アンコールではこれまでのライブを振り返る映像集が流され、再登場した亜咲花の衣装はこれまでのライブTシャツをスカート状にしたメモリアルなもの。バンドメンバー紹介とニューアルバム「HEART TOUCH」からの自作詞曲「終わらない夢」についての解説をし、「これからも一緒にたくさん夢を叶えていこうって歩んでくれると嬉しいです」と言って曲に向かおうとした瞬間、ここでサプライズの誕生日イベントが発生。膝から崩れ落ちる亜咲花に会場中からの「Happy Birthday To You」の歌声が降り注ぐ。そして出てきたのはアメリカの誕生日祝いに登場するピニャータ(馬の形をした、くす玉を割ると中にお菓子が入っている)だった。だが亜咲花はプラスチックバットで挑むもなかなか割れず、悪戦苦闘の末お菓子を取り出し、そのお菓子は抽選で観客にプレゼントされた。さらにスクリーンには彼女の父からのビデオレターが映し出された。家族にしか語れないエピソードや、家族だからこそ言える言葉とそれを受けた亜咲花の感謝の言葉に会場から温かい拍手が送られた。

そして歌い始めた「終わらない夢」で彼女は自ら書いた言葉をファンにしっかりと届けていく。先程の思いが心に残っていたのか、途中で感極まったほど。感動的な空間の中、歌い終えてから照れ隠しのように「ありがとう!」と叫ぶ。そして2020年1月から放送開始のショートアニメ「へやキャン△」主題歌を歌唱すること、更に初解禁情報として二十歳として迎える成人の日(2020.1.13)に彼女のファンクラブがスタートすることと、2020年1月期の新番組ショートアニメ「へやキャン△」で主題歌を歌うことが発表された。そして「最後に私をアニソン歌手にしてくれたこの曲で10代最後を締めくくりたいと思います」と話した。「ブチ上がってイケる人!」と絶叫し、「Open your eyes」をダンサブルなリズムに乗せてパワフルなシャウトを繰り出してファンとともに全力で盛り上げてステージを終えた。さらに最後には送り出しの「終わらない夢」にもボーカルを入れるプレゼント。「最高の10代でした! 大人になった亜咲花もよろしくお願いします!」と投げキスを客席に投げかけ、この夜を締めくくった。

Text By 日詰明嘉

“亜咲花 20th Birthday Live ~EVE~”
2019年10月6日(日)EX THEATER ROPPONGI
セットリスト
M1 Raise Your Heart!!
M2 Just A Way You Are
M3 KILL ME One More Time?
M4 Round of new thing
M5 Unfulfilled Butterfly
M6 SKILL(カバー)
M7 ダイアモンドクレバス(カバー)
M8 God knows…(カバー)
M9 この世の果てで恋を唄う少女
M10 神の数式
M11 Marine SNOW
M12 CITYSCAPE
M13 My Love
M14 Edelweiss
M15 SHINY DAYS
アンコール
M16 終わらない夢
M17 Open your eyes


●リリース情報
亜咲花 7th シングル
「The Sunshower」
1月29日発売

【通常盤(CD)】
品番:USSW-0229
価格:¥1,600(税抜)
※初回生産分限定ランダム封入:亜咲花直筆サイン入り CD(盤面に本人サイン)
※亜咲花撮り下ろしジャケット

<CD>
1.The Sunshower(ショートアニメ『へやキャン△』主題歌)
作詞/作曲:佐々木恵梨 編曲:中村ヒロ
2.Isn’t It Fun?(TVアニメ『ゆるキャン△』シリーズ イメージソング)
作詞:雨野どんぐり 作曲:立山秋航、宮原康平 編曲:立山秋航
3.1000miles
作詞:亜咲花 作曲:Yocke
4.The Sunshower -off vocal-
5.Isn’t It Fun? -off vocal-
6.1000miles -off vocal-

【へやキャン△盤(CD+DVD)】
品番:USSW-0230
価格:¥2,200+税
※ショートアニメ「へやキャン△」描き下ろしジャケット
※ショートアニメ「へやキャン△」オリジナルミニドラマを収録《出演:各務原なでしこ(cv.花守ゆみり)、鳥羽美波(cv.伊藤静)》

<CD>
1.ショートアニメ「へやキャン△」オリジナルミニドラマ「AFTERSCHOOL」《出演:各務原なでしこ(cv.花守ゆみり)、鳥羽美波(cv.伊藤静)》
2.The Sunshower【ショートアニメ『へやキャン△』主題歌】
3.Isn’t It Fun? 【TV アニメ「ゆるキャン△」シリーズ イメージソング】
4.1000miles
5.The Sunshower -off vocal-
6.Isn’t It Fun? -off vocal-
7.1000miles -off vocal-

<DVD>
「The Sunshower」Music Video、メイキング

●イベント情報
亜咲花の THE CATCH 公開生放送&スペシャルライブ
内容:公開生放送+スペシャルミニライブ
1月13日(月・祝)
開場:17:30/開演:18:00/終演:19:30(予定)
場所:文化放送メディアプラスホール(12階)
ゲスト:鈴木みのり(生放送のみ)

チケット発売中
¥3500(税込)※おひとり様2枚まで
チケット購入はこちら
A&Gショップ

●作品情報
ショートアニメ『へやキャン△』

1月より放送開始!
AT-X:2020年1月6日(月)より毎週月曜 20:55~
(※リピート放送:毎週(水)12:55/毎週(金)28:55/毎週(日)23:55)
TOKYO MX:2020年1月6日(月)より毎週月曜 21:54~
BS11:2020年1月6日(月)より毎週月曜 21:54~

<INTRODUCTION>
「次はどこ行こっか?」
2018年1月~3月に放送され好評を博したTVアニメ『ゆるキャン△』がショートアニメ『へやキャン△』となって帰ってきた。メインスタッフは、TVアニメ『ゆるキャン△』に携わったメンバーが再集結。
アニメーション制作は前作に引き続きC-Stationが担当し、繊細な描写や美麗な景色など徹底的に作品を作り上げていきます。
監督は前作でOP演出を務めた神保昌登、シリーズ構成・脚本には伊藤睦美を起用、さらにキャラクターデザイン・総作画監督は前作に引き続き佐々木睦美が担当致します。
そしてスーパーバイザーとして、前作の監督・京極義昭が本作にも参加いたします。
2020年冬は野外活動サークルのメンバーと共に、新たな旅へと出掛けましょう。

【STAFF】
原作:あ f ろ(芳文社「COMIC FUZ」掲載)
監督:神保昌登
シリーズ構成・脚本:伊藤睦美
キャラクターデザイン・総作画監督:佐々木睦美
スーパーバイザー:京極義昭
制作プロデュース:DeNA コンテンツ企画部
アニメーション制作:C-Station
主題歌:亜咲花「The Sunshower」

【CAST】
各務原なでしこ:花守ゆみり
大垣千明:原 紗友里
犬山あおい:豊崎愛生
志摩リン:東山奈央
斉藤恵那:高橋李依
ナレーション:大塚明夫

©あfろ・芳文社/野外活動委員会

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