大切な女の子の声が聴こえた時、想いはつながる。“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!” ナゴヤドーム公演DAY2レポート

“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!” DAY2が2019年11月10日、愛知・ナゴヤドームにて開催された。

出演キャストはDAY1と共通で、「アイドルマスター シンデレラガールズ」より島村卯月役の大橋彩香、一ノ瀬志希役の藍原ことみ、双葉 杏役の五十嵐裕美、緒方智絵里役の大空直美、三村かな子役の大坪由佳、宮本フレデリカ役の髙野麻美、小早川紗枝役の立花理香、乙倉悠貴役の中島由貴、棟方愛海役の藤本彩花、渋谷 凛役の福原綾香、二宮飛鳥役の青木志貴、速水 奏役の飯田友子、結城 晴役の小市眞琴、新田美波役の洲崎 綾、藤原肇役の鈴木みのり、森久保乃々役の高橋花林、荒木比奈役の田辺留依、上条春菜役の長島光那、三船美優役の原田彩楓、神谷奈緒役の松井恵理子、本田未央役の原 紗友里、高森藍子役の金子有希、堀 裕子役の鈴木絵理、依田芳乃役の高田憂希、及川 雫役ののぐちゆり、喜多日菜子役の深川芹亜、諸星きらり役の松嵜 麗、姫川友紀役の杜野まこ、木村夏樹役の安野希世乃、大槻 唯役の山下七海、城ヶ崎莉嘉役の山本希望、城ヶ崎美嘉役の佳村はるか、片桐早苗役の和氣あず未が出演。ゲストとして、ナターリア役の生田 輝と遊佐こずえ役の花谷麻妃がライブ初出演した。

DAY2もオープニングは、DJぴにゃとオールキャストがMVを再現した「ミラーボール・ラブ」でスタート。ひと言挨拶では高田憂希が「ぶぉぉ~♪」とエア法螺貝でライブの開幕を告げた。立花理香が「でらファンキーな時間すごしましょな~?」と呼びかけたりと、挨拶にご当地名古屋弁を散りばめるメンバーもいた。

“Funky Dancing!”をコンセプトとした巨大ディスコ・ナゴヤドームの本編は、LiPPS + セクシーギルティの「Tulip」でスタート。DAY1にセクシーギルティの“ガチセクシー”パフォーマンスを見た後だとちょっと見方が変わるし、佳村がジャケットの左肩を軽くはだけさせて大人っぽい魅力をアピールしていることも改めて認識した(余談だが、ライブ中こういったジャケットプレイを非常に効果的に使っていたのが山下だった)。

DAY2ソロの切り込み隊長に選ばれたのが野球アイドル・ユッキを演じる杜野まこの「Dear My Dreamers」だったのはドーム球場という会場故だろうか。この曲のイントロには野太い声を揃える球場の観客をイメージした音声が入っているが、ドーム球場で超満員の観衆の生声がそれに代わると、これこそがこの曲の完成形だと感じさせられた。曲が進むにつれて大きくなるラララララの大合唱が、熱波となってパフォーマンスを後押しする。ダンサーたちとシンクロしたダンスで躍動した杜野は、ステージ上で円陣を組んで掛け声を上げると、反転して今度はアリーナの観客に向けて歌声と気迫を届けた。

ドームに微かな探査音が響き。「空想探査計画」ライブ初披露はのぐちゆり、松嵜 麗、安野希世乃が担当した。松嵜はかわいらしく、のぐちは元気いっぱいに、優しく柔らかなボーカルでドームをまぁるくつなぐような歌声だ。「Dear My Dreamers」に続いて響く会場のラララの唱和が、今度はこんなにも優しい。原曲メンバーの安野は抑えた歌唱から、ソロパートで徐々に伸びやさを開放していくと、勢いを増していくサビの三重奏にピークを持ってきた。「みんなで一緒に! SAY!!」「みんなで歌って!」の声のたびに、会場の歌声がより大きく、ひとつになっていった。

高田憂希、高橋花林、田辺留依、中島由貴、藤本彩花による「輝く世界の魔法 -Magical Step Forward Remix-」は、カメラ意識が完璧でまっすぐに迷いなく見つめる中島と、伏し目がちでカメラと目が合うことがない高橋花林の対比が面白かった。もちろん高橋のそれは乃々らしさの表現で、サビで「私を好きになあれ」を歌うときは勇気を出してカメラを見つめる表現をこめている。田辺は「この曲が大好きで、私の事好きになぁれって気持ちを込めました」。藤本はFunky Dancing!のテーマを意識して、愛海なりの元気なダンスを目指したそうだ。

小市眞琴、洲崎 綾、鈴木みのり、原田彩楓、松井恵理子の「Nothing but You」では、一塁側、三塁側、ホーム側ステージに分散したパフォーマンスを行ない、スタンド席の一部が最前エリアに早変わりした。取材席は松井の前なのだが、「まっすぐ君に届け」でピンポイントで射貫いたあとに、ぐいーっと身体を回してスタンド全体を撃ち抜いたり、軽やかに反転してアリーナ側を魅了したりと、なるべく多くの観客に想いを届けようとしているようだった。エリアによって見え方が全く違う会場設定と、会場の何処でも(そしてライブビューイングでも)同じ情報を共有できるスクリーン映像の作りこみの両方がこのライブを構成していることを感じた。

競り上がったメインステージが煌びやかなディスコのようにライトアップされ、ジュリアナ扇子を持ったダンサーたちが登場。鈴木絵理、のぐちゆり、和氣あず未のセクシーギルティバージョンで早苗の「Can’t Stop!!」を披露した。円形お立ち台の下段では飯田友子や中島由貴、立花理香、杜野まこらがジュリアナダンサーズとしてステージに花を添えた。MCでは立花が、この曲でずっとサポートダンサーをしているが一度も歌ったことがないことを語っていた。

青木志貴、鈴木みのり、安野希世乃は「未完成の歴史」を披露。安野は歌唱力に優れているのはもちろん、勝負どころの歌声に独特の重層的な響きの良さがあり、複数人数の歌唱に加わるとメリハリが生まれ、全体の歌唱クオリティがさらに底上げされるような感覚がある。そこに、鈴木のまっすぐなボーカルと青木のけれん味のある癖になるボーカルの対比が加わる。歌のうまさの足し算ではなく、タイプの違いから来る面白さ。近くで見た安野のダンスはキレがいいというよりは、キビキビとした気持ちの良い動きという表現がぴったり来た。演者から見ても難易度の高い曲だそうで、「踊りながら歌えるようになって成長したのかなと思いました」(鈴木)。

「Flip Flop ~For SS3A rearrange Mix~」は、最後にアイドルたちがエア楽器のセッションを見せるのがポイントで、五十嵐はフルート、金子はトランペット、大坪は太鼓を演奏。フルート奏者も複数いたと思う。そういった注目ポイントを大坪がDAY1はういろう、DAY2はいちごみるくを飲みながら、笑いを交えて教えてくれた。「みんなで行進してる感じで、プロデューサーさんの顔がたくさん見られて幸せでした」(大坪)。

名古屋公演ではLiPPS組の存在感が強く、特に藍原ことみは八面六臂の活躍だった。のだが、同時にこの構成は髙野麻美進化計画の一環なのでは?という気がしてきたのが髙野麻美、飯田友子による「Hotel Moonside」だった。速水 奏の代表曲中の代表曲のパートナーに髙野を抜擢。髙野と飯田はユニット・French Kissのメンバーでもある。印象的だったのが一塁側、三塁側ステージに分かれ、互いに背を向けてダンサーたちを従える立ち位置だ。デュオというよりは、それぞれの方面を受け持つソロステージを二面展開している感覚だ。ソロとの違いは、パート分けによりボーカルが反対側に渡っている間、もう一方が表情とニュアンスでサイレントに表現をする間があったこと。飯田が「1、2、kiss、kiss」を呟く瞬間の髙野の表情がクールで怖いくらいに魅力的だった。アウトロのダンスの中で見せたあでやかな笑顔といい、新しい一面を示す表現で、髙野が飯田と互角以上の印象を残した、ある意味持って行った感じのステージだった。

「イリュージョニスタ!」は大坪由佳、大橋彩香、中島由貴、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、杜野まこ、山下七海、山本希望のメンバーで披露。個人的には曲中大橋、福原、山下、杜野あたりのボーカルが印象に残った瞬間があった。特定のセンターがいない構成のステージの中で、大橋や福原の歌声が存在感を持って響いてくるとなんだかうれしい気持ちになってしまうのが不思議だ。

ダンサーたちによるパフォーマンスショーケースを挟んで、藍原ことみと髙野麻美の「クレイジークレイジー」へ。前半はゆったりと回転するメインステージの上段に腰かけた2人が、ボーカルに集中して歌声を響かせた。DAY1と同じポイントで髙野の感情の高まりが感じられたが、今度は涙としてアウトプットするのではなく、自分の中で高まる感情を制御して、気持ちを歌声に乗せて放っているように感じた。

ホームステージに登場した青木志貴はソロで「反逆的同一性 -Rebellion Identity-」を披露。ビジュアルと空気感で二次元との境界上の存在を感じさせるのは彼女ならではだろう。歌声でセカイとつながるような表現の中で、「共に在ろう」の高らかな宣言がドームを貫いていく。それでいて、涙をたたえた瞳をきらめかせながら懸命に歌う姿や、指先のふるえからは人間・青木志貴の揺れる心も確かに伝わってくる。オリジナルな世界観と等身大の心の二面性は、とても二宮飛鳥らしい在り方だと感じた。歌いきった青木のささやくようなありがとうは、ドームにたしかに届いていた。「1曲目(「共鳴世界の存在論」)はプロデューサーさんと出会った頃の曲、この曲はプロデューサーさんと出会って成長した曲です。今回はダンサーさんもなしで、少しでも成長した姿を見せられたらと思いました」(青木)。

城ヶ崎美嘉のソロ曲「NUDIE★」は、佳村はるか、山本希望、山下七海のギャルアイドル3人で披露。大人っぽい美嘉を象徴する楽曲に、山下のボーカルの甘々さと山本の跳ね回る少女らしい歌声が新鮮な魅力を与えていた。それにしても、この曲を歌っているときの佳村の息を呑むほどの美しさたるや。それは単に容姿の良さだけでなく、表情や表現、佇まい、身にまとった空気のすべてが醸しだすスペシャルな何かで、ひと言で表現するなら“カリスマ”ということになるのだろうか。この曲を一緒に歌うことに山下は「うれしくて飛び上がりました」、山本は「中学一年生がこの曲をどう表現するか、すごく考えました」と語っていた。

「Nation Blue」では大空直美、高田憂希、立花理香、松井恵理子、松嵜 麗が、クールでかっこいい楽曲に、それぞれのアイドルがどう寄り添っていくか、どんな一面を見せるかに挑戦した。DAY2印象に残ったのが高田憂希。挑発するような笑顔や、眼差しに込められた意味ありげなニュアンスが印象的で、芳乃の少女性の奥にある底知れなさを普段とは違うアプローチで見せていたように思う。五人五様の新鮮な表現について、松嵜とずっと一緒に活動してきた五十嵐の「私のきらりが知らない顔してた」という表現がとてもしっくりと来た。

「シンデレラガールズ」ライブ初登場のナターリア役生田 輝、遊佐こずえ役花谷麻妃はDA1に続き「夢をのぞいたら」を披露。一塁側と三塁側のステージからそれぞれ登場したふたりは、歌いながらゆっくりと花道を渡り、センターのメインステージを目指す。生田の歌と表現が跳ね回るような躍動の華であるのに対し、花谷の歌声はかわいらしくささやくような可憐さ。少し大きめに見えるグローブを身に着けた手を客席にふりながら、ふわふわと幼くも一生懸命なボーカルを響かせた。動きの面でもふたりは対照的で、時に飛び跳ねながら全身のバネを感じさせる生田に対して、花谷は膝を柔らかく使って、ちょこん、という感じに動きでもかわいらしさを表現していた。花谷の「プロデューサー、こずえ、かわいい~?プロデューサーも、かわいいよ~?」というのんびりしたこずえとしての言葉に、ドームの観客たちも癒されている様子だった。

なお、DAY2のMCで、「夢をのぞいたら」が第8回総選挙曲であることが明かされた。これまでの総選挙曲の扱い的に、ツアーファイナルの大阪でもこの曲を聴くことができる可能性が高そうだ。

「さよならアンドロメダ」では、高田憂希、高橋花林、立花理香、中島由貴、福原綾香、安野希世乃が廻るステージに腰かけて星々に想いを歌った。演出でとても印象的だったのが、メインステージを支える柱に設定されたスクリーンの使い方だ。縦長のスクリーンを、繊細で硬質なフォントで紡がれた歌詞が心地よいリズムで流れていく。天井の星と客席の光、流れていく言葉たちが合わさって、とても詩的で美しい情景が広がっていた。効果的に歌詞を見せることが、これほどにも想いの浸透力を強くするのか。初日に比べると歌い手たちの中に少し落ちついた、ウェットな感情が流れていたように感じた。

洲崎 綾の「ヴィーナスシンドローム」。“新田美波”に化身する洲崎を象徴する楽曲だ。彼女の地元石川以来の披露だろうか。歌声の美しさと清冽さ、「恋をさせて」のフレーズの美しい伸ばしの安定感とスパッと断ち切るような切り方の潔さがコンディションの良さを感じさせる。抑えるところは抑え、落ちサビで感情を解き放つ落差がいい。ラストのロングトーン後の洲崎の、なすべきことをやりきったような、すっきりした表情が印象に残った。

鈴木みのりと高田憂希のユニット・山紫水明は「Sunshine See May」を披露。一塁側、三塁側のステージに別れて歌うふたりの手元には絆の指輪が光る。幼さと高らかさ、伸びやかさを持った高田の歌声と、鈴木の優しく抱きしめて包みこむような美しい歌声がひとつの流れとなってドームに注ぐ。アウトロで優雅に舞いながらキラキラの笑顔をかわしたふたりの繋がっている感じは、間にある距離を感じさせないものだった。

山紫水明とは、自然の風景が清浄で美しいさまを指す。日差しと透明なせせらぎをイメージさせるユニットのあとを受けたのは、高橋花林の「もりのくにから」だった。柱スクリーンやメインスクリーンの一部に緑なす木々が映し出され、緑の照明に照らし出されたドームの只中に深い森が現れる。高橋花林の森久保乃々表現のカギになるのが目線の置き方だ。“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!” 石川公演で高橋は、常に落ち着きなく視線を彷徨わせて客席のどことも目線を合わせない、過剰なまでのキャラ表現を徹底して見せた。

「もりのくにから」で高橋は、伏し目がちに、悩み迷いを感じさせる表現からステージに入る。安全な森という居場所の中で、サビでは瞳を半ば閉じるように、おだやかな微笑みも垣間見せる。最初に森久保と目が合ったと感じたのは、顔を隠した指の間から垣間見るような眼差しだ。何かをたしかめるように頷いた彼女がそこから見せたのは、手紙をかわいらしく読みあげるような、弱く儚く、でもとても印象的な言葉の羅列だ。自由で無秩序なリズムは、ある意味無旋律の“乃々ラップ”であるようにも感じた。いつしか色を失っていた木々が太陽を受けて力強く輝くと、高橋の歌声もまた力強く光り輝く。弱いがゆえに強い、それはいのちの賛歌。「だから、えと、その……」とためらったあと、さらに高く透明な、美しい歌声に。高橋が感謝を込めた「ありがとう」と共に浮かべた笑顔は、はかなくも美しい天使のようだった。

そんな森久保の物語と「青空エール」のつながりは緑のフィールドと青空のイメージだろうか。サッカーのフォワードよろしくステージに踊りこんだ小市眞琴の元気さと勢いが、ステージを広大なピッチに変える。9人編成のうち、ホームステージには小市眞琴、大空直美、佳村はるかが登場。佳村と大空は今日、ちょっと大人の表現のステージも多かった分、キラキラした笑顔でステージを楽しんでいる姿が印象に残る。小市のソロパート中、花道まで走っていってはしゃいでいた大空と佳村が、あわてて戻ってくる姿が小市の肩越しに見えて、そのわちゃっと感がとても楽しかった。

藍原ことみと青木志貴の「バベル」はダンサーたちの全力のパフォーマンスと映像演出の粋をこらしたようなステージだ。背中合わせに対峙したふたりは時にすれ違い、時に向き合いながら想いとテンションを交差させる。DAY2でさらに良くなったのがカメラワークで、背中合わせになったふたりのダンスを回り込むように立体的に捉えるアングルがいい。実は初日、指先を絡めあった後、背中合わせになったふたりの手元がどうなっているかすごく気になって「その下! 下を映して!」となったのだが、DAY2は指と指を絡めてつないだ手元をきっちり映像でフォローしていた。

飯田友子、洲崎 綾のユニットデア・アウローラは「Secret Daybreak」を披露。デア・アウローラ、ラテン語で暁の女神というユニット名が示す通り、彼女たちのステージを彩るのは光。清冽な一本の光条のピンスポットを中心に、白い輝きがふたりはこの世ならざる存在に見せる。その分映像は生のビジュアルをそのまま切り取る、素材のままの見せ方で演者に対する信頼を感じる。まさに神々しいまでの姿だったが、歌い終わった洲崎は「(離れた飯田を見ようとしても)霞みがかって見えやしない」と、平常モードの彼女らしいコメント。飯田はその光の眩しさについて「すごい光の向こうに女神(洲崎)がいる」と形容していた。

田辺留依と長島光那のユニット、サイバーグラスは前日に続き眼鏡姿で「Needle Light」を披露した。ふたりは共にユニット・ブルーナポレオンのメンバーであり、CDでは「Flip Flop ~For SS3A rearrange Mix~」の歌唱を担当。昨年のナゴヤドームではサイバーグラスとして「Nation Blue」を歌唱したりと、一緒に活動することが多いいわば戦友だ。まだソロ曲がないふたりにとってこの曲は、春菜と比奈のために作られた初めての特別な楽曲でもある。前日のステージを経験したDAY2の「Needle Light」は、よりソリッドなパフォーマンスに見えた。激しくてキレがあるパフォーマンスの中で、オッオッオ、のコールを呼びこんでいく長島の煽りが印象に残る。曲が後半になるほど、そして2回目のこの日はさらに、会場のコールが高まっていく様は、楽曲が育っていくことを感じる瞬間だ。ライブでは眼鏡の“フレーム担当”のプロデューサーもまた、サイバーグラスと楽曲の一員なのかもしれない。田辺は、眼鏡を外してステージに立つことで変われた比奈を演じる自分が、今度は眼鏡をかけてステージに立つことができた感慨を語っていた。

new generationsの大橋彩香、原 紗友里、福原綾香は「メッセージ -Future PicoPico Remix-」を披露。ドームでまばゆいライトを歌う3人、特にオレンジを背負った原は後光が輝いているようで強い存在感がある。難易度が高い楽曲でしかもアレンジ違いだが、3人のパフォーマンスは盤石。「ちーーさな」「はーーじまり」の高く跳ねるような1音目にぴったりついていく歌唱に安心感がある。仲間たちが歌っている間、オフマイクにした大橋がにこにこしながら一緒に口ずさんでいる姿がなんだかとても良かった。ドームならではの要素としては、振付やダンサーたちのパフォーマンスにフィットネスビデオのような雰囲気があり、アウトロではエクササイズや行進を連想する動きも。3人もこの曲できれいさよりも明るさや元気さをイメージした演出に驚いたそうだが、本番の会場の盛り上がりを見てその意味がわかったようだった。

神谷奈緒の「2nd Side」を、今回は金子有希、小市眞琴、鈴木絵理、長島光那、深川芹亜、藤本彩花、松井恵理子が歌唱。「2nd Side」といえば歌詞にある“虹色橋”のフレーズに合わせて会場が一斉に色とりどりのサイリウムを点灯する客席からの演出が印象的だ。今回は七色のアイドルでも虹を表現する意図だろうか。ドームという会場に虹色橋という客席演出がどれぐらい浸透しているのかと思ったが、松井の「いっしょにー!」に応えて数万人が「ほ・し・い・の!」を大合唱するシーンでこれなら大丈夫だと確信した。演出にも虹色のライトやレーザーのエフェクトが用いられ、会場と一緒にその瞬間を作り出していた。これに松井も最高の笑顔で「虹色橋~!ありがと~!」。演者と演出側、観客の信頼関係が伝わるステージだった。

青木志貴、五十嵐裕美、高橋花林、中島由貴、山本希望は「リトルリドル」を披露。ステージ最上段の五十嵐がノリノリでDJをやる周りで、子供たちが会場と一緒に音楽を楽しむステージだ。アッパー系のテンションで会場を煽りまくる五十嵐の姿に、流石双葉杏、やる気になったらなんでもできると感心していたのだが、間奏の「Make Some Noise! SA! WA! GE!」の煽りは山本からの提案だったそうだ。流石ラップ好き声優の第一人者というところか。山本はラップパートに12歳らしい弾けるかわいさとフレッシュさをこれでもかとつめこんでいて、声優だから歌えるラップの境地を感じさせた。

ニュージェネ+ポジパの「スパイスパラダイス」は前日に続きラストスパートに登場。名古屋公演がツアーラストとなる金子有希一番の見せどころだ。べらぼうにハッピーで楽しいステージだが、スパイスがテーマの楽曲ということもあり、コミカルでオリエンタルなテイストのダンスは楽しく、実は運動量がある。ライブからの帰宅後、当日発表された「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 8周年特別企画 Spin-off!」の映像を見ると、ファーストカットで佐藤心が(「スパイスパラダイス」がCMソングになった)日清カレーメシを食べているのも、体験として繋がっているようで面白かった。

五十嵐裕美、大空直美、金子有希、洲崎 綾、立花理香、長島光那、原紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるかの「無重力シャトル」。「空想探査計画」や「さよならアンドロメダ」で宇宙を感じさせたライブのクライマックスにふさわしい楽曲だ。このライブでの宇宙曲における安野希世乃の参加率と存在感は特筆すべきものがある。同時に、ゆず・北川悠仁作曲の「無重力シャトル」から「EZ DO DANCE」というコラボ楽曲並びでもあった。

前日にはTRFのDJ KOOがサプライズ登場した「EZ DO DANCE」。DAY2の今日は来るか、来るのか……?というドキドキと期待感の中、やはりDJ KOOが登場すると会場は大歓声に包まれた。そしてそれだけにとどまらず、2日目のDJ KOOは「Yes! Party Time!!」にもDJとして参加。アンコール中には「シンデレラガールズ」楽曲と「CRAZY GONNA CRAZY」「Overnight Sensation」「survival dAnce -no no cry more-」といったTRF楽曲を交えたDJタイムを見せつけたのである。この時間の会場のテンションがねじ切れたような盛り上がりにはすさまじいものがあった。DAY1はDJタイムをDJぴにゃが担当していたが、だからこそDAY2、本物のDJはここまでの空間を作り出せるのかという驚きがあった。

その空間を作り出したのは、まずは当然ながらDJ KOOのレジェンドクラスのDJプレイの素晴らしさだ。会場を煽り盛り上げるムーブの中で、ナゴヤドームという規模の観衆とコミュニケーションをしている呼吸が感じられた。DJぴにゃのイラストと共にドーム天井に乱舞するDJ KOOのレーザー文字や、会場のコールにタイミングを合わせたスモークなどの演出も盛り上がりを後押しした。

盛り上がりの要因としてもうひとつ、DAY1のDJ KOOは“サプライズで登場したビッグネーム”だったのに対して、DAY2は前日にシンデレラのライブを一緒に盛り上げてくれたレジェンドを待ち受ける空気が会場側にできあがっていたこともあると思う。「シンデレラガールズ」楽曲をしっかり研究して最高のDJプレイを作り上げ、自身のスマホにインストールされた「デレステ」の画面を見せつける。DJ KOOが好意とリスペクトを示してくれたからこそ、ドームの観衆も最高のテンションでこれに応えたのだと思う。DJ KOOに「令和イチぶっ飛んだ!アイマス最KOO!」と言わしめたことを、プロデューサーたちは誇っていい。

この日のアンコールでは、「アイドルマスター シンデレラガールズ」8周年記念Sレア大槻唯の配布や、「デジモンアドベンチャー」×「デレステ」のコラボなど、頭が追いつかないほどたくさんの新情報が公開された。中でも「CINDERELLA MASTER」シリーズ第13弾として、藤原肇、夢見りあむ、早坂美玲のソロがリリースされるのはビッグニュースだろう。発売は2020年春頃を予定。夢見りあむは佐城雪美と共に、“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR”大阪公演に出演することが告知されている。

そして、会場の歓喜が爆発したのが新曲「オウムアムアに幸運を」を彩るプロモーションショートアニメ「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 8周年特別企画 Spin-off!」の配信発表だった。ダイジェストで上映された映像の中には、これまで声がついていなかった的場梨沙の姿もあった。的場梨沙とユニット・ビートシューターを組んでいる結城晴役の小市は「晴の大切な女の子の声が聞こえてきて…」と呟くと、涙で声を詰まらせた。ナターリアと生田の関係でも感じたが、声がなかった時代に重ねてきたアイドルとプロデューサーたちの時間、想い、絆が、やがて出会う演者に受け継がれる瞬間の不思議な感動は、「シンデレラガールズ」ならではの感覚だろう。

余談だが、「オウムアムアに祝福を」のオウムアムアとは2017年に発見された、太陽系外から飛来した恒星間天体のこと。「スパイスパラダイス」とカレーメシがつながったように、DAY2の宇宙を連想させる楽曲の多さもこの作品への伏線だったのかもしれない。

「レインボー・カラーズ」衣装に着替えて、ゲストアイドルの2人も含めた全員で「TRUE COLORS」を披露したシンデレラたち。最後の挨拶では、初舞台を踏んだアイドルたちの「プロデューサーだった私にこれ以上の幸せはないです」(花谷)、「シンデレラガールズ」が8周年と聞いて、ナターリアの声を8年間待っていてくれた人がいるんだと実感しました」(生田)といった言葉が印象に残った。

ラストナンバーははじまりの曲「お願い!シンデレラ」。シンデレラたちはナゴヤドームという広大な舞台で、“Funky Dancing!”というテーマを貫いた最高のコンセプトライブを成し遂げてみせた。

Text by 中里キリ

「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!」DAY2
2019年11月10日(日)ナゴヤドーム

セットリスト
M01:ミラーボール・ラブ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M02:Tulip(藍原ことみ、飯田友子、鈴木絵理、髙野麻美、のぐちゆり、佳村はるか、和氣あず未)
M03:Dear My Dreamers(杜野まこ)
M04:空想探査計画(のぐちゆり、松嵜 麗、安野希世乃)
M05:輝く世界の魔法 -Magical Step Forward Remix-(高田憂希、高橋花林、田辺留依、中島由貴、藤本彩花)
M06:Nothing but You(小市眞琴、洲崎 綾、鈴木みのり、原田彩楓、松井恵理子)
M07:Can’t Stop!!(鈴木絵理、のぐちゆり、和氣あず未)
M08:未完成の歴史(青木志貴、鈴木みのり、安野希世乃)
M09:Flip Flop ~For SS3A rearrange Mix~(五十嵐裕美、大坪由佳、金子有希、小市眞琴、立花理香、田辺留依、長島光那、深川芹亜、山下七海)
M10:Hotel Moonside(飯田友子、髙野麻美)
M11:イリュージョニスタ!(大坪由佳、大橋彩香、中島由貴、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、杜野まこ、山下七海、山本希望)
M12:DANCE SHOW CASE《ミラーボール・ラブ MIX》
M13:クレイジークレイジー(藍原ことみ、髙野麻美)
M14:反逆的同一性 -Rebellion Identity-(青木志貴)
M15:NUDIE★(山下七海、山本希望、佳村はるか)
M16:Nation Blue(大空直美、高田憂希、立花理香、松井恵理子、松嵜 麗)
M17:夢をのぞいたら(生田 輝、花谷麻妃)
M18:さよならアンドロメダ(高田憂希、高橋花林、立花理香、中島由貴、福原綾香、安野希世乃)
M19:ヴィーナスシンドローム(洲崎 綾)
M20:Sunshine See May(鈴木みのり、高田憂希)
M21:もりのくにから(高橋花林)
M22:青空エール(大空直美、大橋彩香、小市眞琴、鈴木みのり、原田彩楓、深川芹亜、藤本彩花、松嵜 麗、佳村はるか)
M23:バベル(藍原ことみ、青木志貴)
M24:Secret Daybreak(飯田友子、洲崎 綾)
M25:Needle Light(田辺留依、長島光那)
M26:メッセージ-Future PicoPico Remix-(大橋彩香、原紗友里、福原綾香)
M27:2nd SIDE(金子有希、小市眞琴、鈴木絵理、長島光那、深川芹亜、藤本彩花、松井恵理子)
M28:リトルリドル(青木志貴、五十嵐裕美、高橋花林、中島由貴、山本希望)
M29:スパイスパラダイス(大橋彩香、金子有希、原紗友里、福原綾香)
M30:無重力シャトル(五十嵐裕美、大空直美、金子有希、洲崎 綾、立花理香、長島光那、原 紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるか)
M31:EZ DO DANCE(藍原ことみ、青木志貴、飯田友子、大坪由佳、小市眞琴、鈴木みのり、高田憂希、髙野麻美、田辺留依、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、松井恵理子、山下七海、和氣あず未、DJ KOO)
M32:Yes! Party Time!!(五十嵐裕美、大空直美、大橋彩香、金子有希、洲崎 綾、鈴木絵理、高橋花林、立花理香、長島光那、中島由貴、のぐちゆり、原 紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるか、DJ KOO)
M33:Stage Bye Stage(藍原ことみ、青木志貴、飯田友子、五十嵐裕美、大空直美、大坪由佳、大橋彩香、金子有希、小市眞琴、鈴木絵理、鈴木みのり、洲崎 綾、高田憂希、髙野麻美、高橋花林、立花理香、田辺留依、長島光那、中島由貴、のぐちゆり、原 紗友里、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、松井恵理子、松嵜  麗、杜野まこ、安野希世乃、山下七海、山本希望、佳村はるか、和氣あず未)
-encore DJタイム(DJ KOO)
EC1:TRUE COLORS(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
EC2:お願い!シンデレラ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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