ここは星空ドームのダンスフロア。“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!”ナゴヤドーム公演DAY1レポート

“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!” DAY1が2019年11月9日、愛知県・ナゴヤドームにて開催された。

同公演には「アイドルマスター シンデレラガールズ」より島村卯月役の大橋彩香、一ノ瀬志希役の藍原ことみ、双葉 杏役の五十嵐裕美、緒方智絵里役の大空直美、三村かな子役の大坪由佳、宮本フレデリカ役の髙野麻美、小早川紗枝役の立花理香、乙倉悠貴役の中島由貴、棟方愛海役の藤本彩花、渋谷 凛役の福原綾香、二宮飛鳥役の青木志貴、速水 奏役の飯田友子、結城晴役の小市眞琴、新田美波役の洲崎 綾、藤原 肇役の鈴木みのり、森久保乃々役の高橋花林、荒木比奈役の田辺留依、上条春菜役の長島光那、三船美優役の原田彩楓、神谷奈緒役の松井恵理子、本田未央役の原 紗友里、高森藍子役の金子有希、堀 裕子役の鈴木絵理、依田芳乃役の高田憂希、及川 雫役ののぐちゆり、喜多日菜子役の深川芹亜、諸星きらり役の松嵜  麗、姫川友紀役の杜野まこ、木村夏樹役の安野希世乃、大槻 唯役の山下七海、城ヶ崎莉嘉役の山本希望、城ヶ崎美嘉役の佳村はるか、片桐早苗役の和氣あず未が出演。声がついて間もないナターリア役の生田 輝と遊佐こずえ役の花谷麻妃はゲストとして初のシンデレラライブ出演を果たした。

今回のライブは、「シンデレラガールズ」にとって2度目のナゴヤドーム公演。アシスタント・千川ちひろの開幕ナレーションの反響具合に、ドーム球場ならではの感覚を受ける。「Funky Dancing!」という公演コンセプトに合わせてちひろさんもはっちゃけて、ヒップホップ風のDJスタイルで諸注意を行なっていた。

名古屋公演のステージセッティングは、球場中央に360度の全周メインステージを設定。そこから四方に花道が伸び、スタンドの目の前まで行ったところがスクエア状のサブステージになっている。記事中では便宜上、センターの円形ステージをメインステージ、4つのサブステージを一塁側ステージ、二塁側ステージ、三塁側ステージ、ホームステージと呼称する。

オープニングナンバーは「ミラーボール・ラブ」。せり上がっていくメインステージにシンデレラたちが勢揃いすると、その頭上から巨大なミラーボールが出現。ステージの中央、ミラーボールの下で踊るDJぴにゃ(マスコットキャラ・ぴにゃこら太の着ぐるみ)の姿は「ミラーボール・ラブ」MVをそのまま再現したようだ。オープニングのひと言挨拶は「本日は最高に踊りまくる一日にしましょう!(和氣)」「ファンキーでダンシングといえばオレだろ!(小市)」といった感じで、サブタイトルの「Funky Dancing!」のカラーを色濃く出したライブになることを予感させた。

球場を踊りまくるダンスフロアに変えるのであれば、外せない楽曲がLiPPSの「Tulip」だ。名古屋公演にはオリジナルメンバーのうち塩見周子役のルゥティン以外が参加している。ここでスクリーンにのぐちが大写しになることで、セクシー担当として及川 雫が入った構成になったのかと思いきや、続いて堀 裕子役の鈴木絵理が映ったあたりで流石にピンときた。LiPPSとセクシーギルティの混成ユニットだ!そのことが会場にくまなく伝わるタイミングをはかっているかのように、前半はLiPPSをベースにしたベーシックなパート割で、終盤は「なんてね」を含めたメインパートをセクシーギルティに割り振っていた。

ここからはアレンジサウンドコーナー。先陣を切るのは第8代シンデレラガール、本田未央役、原 紗友里の「ミツボシ☆☆★ -Happily Ever After Remix-」だ。少し落ち着いた大人の雰囲気のアレンジで、間奏では原とダンサーが会場にゆったりと大きく手を振る。落ちサビからラストにかけての歌唱には、胸に迫るようなエモーションを感じた。

「ショコラ・ティアラ -Before Sunrise Remix-」を歌うのは大坪由佳、大空直美、五十嵐裕美。TVアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』から生まれたユニット・キャンディアイランドのメンバーだ。二塁側ステージに登場した3人は、順番にくるりくるりと周ったり、軽やかなステップを連ねたりと、間と動きで見せる。リアレンジ曲にトリオならではの動きを盛りこむことで、ダンスの面でもしっかりと見せる表現に落としこんでいた。歌い終えた3人は、笑顔で久しぶりの組み合わせを喜びあっていた。「キャンディアイランドがいちばんかわいいと言い続けてきた」(五十嵐)。

逆光の中にきらめくシルエットが浮かび上がり、始まったのは高田憂希、高橋花林、田辺留依、中島由貴、藤本彩花による「輝く世界の魔法 -Magical Step Forward Remix-」だ。フレッシュなイメージがある5人だが、今や彼女たちもたくさんのリアルステージでの後輩がいる立場になった。せり上がっていくセンターステージにすっくと立つのは藤本で、棟方愛海がお山に登っていくイメージだろうか。

「Nothing but You」は小市眞琴、洲崎 綾、鈴木みのり、原田彩楓、松井恵理子の5人。一塁側と三塁側にふたりずつ、ホームステージに松井ひとりという配分は、広く見ると松井センターという認識で良いだろうか。各サブステージには昇降機のギミックが仕込まれており、5人は競り上がりながらのパフォーマンスを繰り広げた。関係者前の目の前で松井が見せたパフォーマンスはキレッキレで、思わず見入ってしまった。この5人を見ていて認識したのだが、名古屋公演のダンサブルな衣装は、腰にルーズに巻いたベルトで体幹の動きを、同じ色使いのブーツ紐で足元の運びを際立たせて、遠くからも視認しやすくさせていた。目の前で踊っている松井の背後のスクリーンに、彼方で踊っている他のメンバーが大写しになった姿が見える視界は超大会場ならのものだった。

一ノ瀬志希のソロ曲「PROUST EFFECT」は、志希役の藍原ことみ、飯田友子、佳村はるかという組み合わせでの歌唱。名古屋公演のコンセプトを形にする上での“LiPPS的なモノ”に対する信頼度の高さを感じる。名古屋公演の衣装は全員モチーフは共通なのだが、細部のデザインが違う。スカートに黒のエプロン状のパーツが加わるとタイトスカートのようなシルエットになって、立ち姿の美しさがより視覚化される。従来のイメージでは飯田が王子的なポジションになることが多いのだが、「PROUST EFFECT」では藍原が鋭く中性的な役割を担当。凛々しく鋭く「好きだよ」の言葉を放つ藍原の足元に、飯田と佳村、そしてダンサーたちがかしづき、すがりつくラストシーンは絵画のような情景だった。

安野希世乃、青木志貴、鈴木みのりの「未完成の歴史」はライブ初披露で、一塁側を青木、三塁側を鈴木、ホームを安野が担当。それぞれに歌がうまい、かっこいいという形容が当てはまる3人だが、その個性や属性は千差万別であることを改めて実感する。中でも神がかっていたのが安野で、圧倒的な伸びやかさと、重層的と言ってもいいほどの歌声の分厚さに意識を引き寄せられずにはいられない。素晴らしいボーカリストたちの共演だったが、間奏のダンスには動きでも魅せるというはっきりした意志が感じられた。

「Flip Flop ~For SS3A rearrange Mix~」は、その名の通り昨年前橋で開催されたSS3Aに向けて作られたリアレンジ。原曲デュオの田辺留依と長島光那をさらっとメンバーに入れつつ、9人編成の浮遊感のあるステージに仕上げた。全員で作り上げるイメージが強い楽曲だったが、肉眼でギリギリ識別できる距離で、小市の後ろ姿の躍動感と動きのなめらかさが迫ってくるかのように際立って見えたのには驚かされた。

印象的なステージの多い1日だったが、見知ったはずの楽曲を表現と見せ方だけでがらりと化けさせたのがユニット・セクシーギルティの「モーレツ★世直しギルティ!」だった。真っ赤なサイレンがけたたましく鳴り響く中、鈴木絵理、のぐちゆり、和氣あず未の3人が三塁側のダグアウト(プロ野球の試合で選手や監督が座っているベンチエリア)に腰かけて登場。まさかそこから!という、意識の死角からの登場だ。3人はダグアウトから歩いてホームステージに移動した。

さて、セクシーギルティといえばどんなイメージのユニットだろうか。セクシーを掲げるユニットではあるのだが、堀 裕子のサイキックや、片桐早苗のバブリーな警官ギミックといった要素はどこかネタっぽいというか、コミカルでセクシーを中和している面があるように思う。ところがホームステージに上がった3人は、ジャケットを脱ぎ捨てるとその動き、表情、ニュアンスで、直球かつ堂々たるセクシーを表現してみせた。公演を支えているダンサーたちのパフォーマンスを見るとよくわかるが、堂々と見せるハイレベルなセクシーは、純粋にかっこいい。名古屋の衣装は全員ジャケットを着用しているのだが、ジャケットを脱ぐとオフショルダーのちょっとドキッとするビジュアルになるというカードを、このタイミングで切り札として投入してきた。あのセクシーギルティが本当にセクシー!?という驚きと裏切りは、初日を象徴する心地よい衝撃のひとつだった。

前半戦を締めくくるのは10人編成の「イリュージョニスタ!」。一塁側、二塁側、三塁側のステージに分散していたメンバーが、間奏に全力ダッシュでメインステージを目指す。球場全体をダイナミックに使ったステージングは、ドームという大舞台に立った多人数アイドルだからこそ見せられる華やかさだった。

中盤戦は、ダンサーたちによるダンスショーケース“ミラーボール・ラブ MIX”でスタート。ダンサーの人数、内容共に過去最高のもので、彼女たちあってこそ成立したライブだと思う。

ここで登場したのは藍原ことみ、髙野麻美のユニット、レイジー・レイジー。先月のバンダイナムコエンターテインメントフェスティバルにも出演、この短期間に東京ドームとナゴヤドームに立ったユニットとなった。東京ドームでは神がかったふたりのパフォーマンスに吸いこまれるようだったが、名古屋ではふたりの表現がドームの隅々まで広がっていくような不思議な感覚があった。音と歌声と存在の洪水が、空間全体を満たしていく。ダンスナンバーを主体とした音響セッティングも相まって、腹の底までずんと響く音だ。“おかしいよわたし泣いちゃってるんだよ”のフレーズでは、髙野はこみあげる涙をこらえている気配があった。日に日に成長を続ける完成度の高さと、揺れるエモーションの両方が同居しているアンバランスさもまた、今の彼女のステージから目が離せない理由のひとつだと思う。

原田彩楓はホームステージでソロ曲「Last Kiss」を披露。Funky Dancing!を主題にした流れの中で、ありのままの歌声と表情・ニュアンスに特化して聴かせる姿は新鮮に映る。透明な歌声が、ドームにたゆたうように広がっていく。別のサイドの観客に歌声を届けるためにステージを歩く所作とダンスは、動きの激しさではなく美しさとなめらかさで見せる表現だった。

和氣あず未のソロ曲「踊りまくろ☆ダンシング・ナイト」には、田辺留依と杜野まこが参加。ウェディングケーキのようにせり上がるセンターステージをお立ち台に見立てて、真ん中で歌い踊るのはもちろん和氣だ。ゴージャスなダンサーたちと共に、今日のライブコンセプトを体現するようなパフォーマンスを繰り広げた。

千葉公演の「Orange Sapphire」に対応していたのが、大空直美、高田憂希、立花理香、松井恵理子、松嵜 麗による「Nation Blue」だった。ドンドンドン!と身体の芯に響くイントロから5人が登場。松井が奈緒を演じるときのかわいさからかっこよさへの振れ幅の大きさ、表情と指先のニュアンスだけで違いを出せる立花理香、大空が見せたかわいさとセクシーさを併せ持った智絵里の姿。高田はこの曲でにこにこしながら歌う芳乃をイメージしていたら、もう少しどや顔で、とリクエストされたそうだ。それぞれのオリジナルな表現が見えるなかで、なお光って見えたのが松嵜 麗が宿したきらりの存在感だ。クールな楽曲をかっこよく歌うことと、きらりらしさの両立。この繊細な表現は、きらりにずっと寄り添ってきた松嵜ならではのものだろう。ドームにのびやかに、おだやかに広がる「どこまでもー」のフレーズからあふれるきらりらしさ、軸のブレなさはこれぞ声の役者という表現だった。

ナターリア役の生田 輝と遊佐こずえ役の花谷麻妃は、前振りなしに楽曲から入り、一塁側ステージと三塁側ステージ、会場の両端から登場。披露したのは新曲「夢をのぞいたら」だ。ふたりははじまりを象徴する衣装「スターリースカイ・ブライト」を着用。ほかのキャストがダンサブルなコンセプト衣装を着用していたこともあり、シンデレラらしさあふれるプリンセスのような衣装と、ふたりの佇まいのキュートとさが際立つ。

そう、かわいかったのだ。活動的でパッションあふれるナターリアというアイドル、そして演じる生田にもエネルギー溢れるかっこよさのイメージが強かったからこそ、このステージでアイドルらしさとキュートさに全振りした姿に奇襲されてしまった。だが、生田がダンサーとシンクロして見せたダンスのキレと躍動感からは、思い描いてきたナターリアそのものの気配が漂う。キュートな表現の中からもあふれる生命力。演技だけでなく、歌だけでなく。全身で表現する姿がいちばん濃厚にナターリアを表現していたように見えたのは、舞台表現者としての彼女の真骨頂だろう。ステージ後、声がつくずっと前からナターリアが大好きで応援してきた山本希望が、感激で号泣していたのも素敵な光景だった。花谷のこずえらしさについては、DAY2で改めてレポートしたい。

「さよならアンドロメダ」は高田憂希、高橋花林、立花理香、中島由貴、福原綾香、安野希世乃という組み合わせ。ナゴヤドームのドーム屋根をプラネタリウムに見立て、天球に星座を投影。星空の下にはプロデューサーたちのサイリウムの海が広がり、「プロデューサーさんの放つ光がお星さまのようでした」(福原)。印象的だったのが星空を見上げる演者たちの表情。中島の夢見るような表情、まっすぐな眼差しを星座に注ぐ福原、高橋のとろりとした眩し気な様子と、それぞれのアプローチがあった。終盤の「ねえ」の呼びかけを三連する印象的なパートでは、高田、立花、中島のひと言の瞬間がスクリーンに大写しになった。きみに語りかけるたった二音に、それぞれの深い想いとニュアンスが込められていた。

山下七海の「サニードロップ」はライブ初披露。ホームステージに登場した山下が踊る姿は、ダンサーたちを先頭で「率いる」という表現がぴったり来る。おそろしくハイレベルなダンスパフォーマンスと、キャラクターを強く宿したファニーボイスの歌声が、ひとりの役者から同時に奏でられているのはちょっとしたミラクルだ。スタンド席からは彼女の表現を後ろから見ることになったが、本当にハイレベルで美しく躍動するダンスは背中で魅せられるだけの情報量がある。“ここだよ、ダーリン”とカメラをまっすぐ見つめた瞳に、ドームが恋をする。心の底からあふれる“楽しい”の感情を爆発させるような叫び。いたずらっぽい“アイラブユー”のはにかむような表情と台詞のニュアンス。彼女が表現者として積み上げてきたものと天性のきらめきの全てが詰まったような、圧巻のステージだった。「ファンキーダンシングということで、全力で踊ってみました!出しきったって感じです!」(山下)。

鈴木みのり、高田憂希のユニット・山紫水明は「Sunshine See May」を披露。一塁側と三塁側のステージに登場したふたりは童女のように無垢で、聖女のように透明で。澄みきった清浄な存在と歌声にドームが浄化されていくようだ。ふたりの姿を映し出すスクリーン映像も印象的で、ふたりの映像をぱっとスイッチングするのではなく、切り替える前の映像を徐々に透明化させてオーバーラップさせることで、距離は離れていてもお互いが側にいるような、不思議な空気感を表現していた。

どんなステージになるか、個人的にとても気になっていたのが藍原ことみ、大坪由佳、髙野麻美による「とんでいっちゃいたいの」だった。レイジー・レイジーの組み合わせに三村かな子という存在を加えると、こんなにキュートなユニットができあがるのかという驚きがあったからだ。これまで髙野麻美が過ごしてきた数々なステージの中で、緊張でいっぱいだった頃の彼女の傍らで笑顔で物を食べていた大坪、そしてユニットを組むことで、髙野の表現をさらに高い領域へと引き上げていった藍原、という印象がある。

「とんでいっちゃいたいの」のパフォーマンスが始まっておっと思ったのは、藍原と大坪が歌い出しに、ちょっと大人なニュアンスを入れてきたように感じたことだ。ビタースイートなかな子、これもFunky Dancing!要素だろうか。そのぶん、フレデリカとして歌う髙野の天真爛漫さが際立った。様々な舞台と表現を潜り抜けて得た自信を土台にした、天真爛漫さ。彼女がフレデリカという特異な個性にまた一歩近づき、寄り添ったように見えた瞬間だった。

「青空エール」は、「シンデレラガールズ」とJリーグ・サガン鳥栖のコラボ企画「スターライ☆鳥栖☆ステージ」から2015年に生まれた楽曲で、ナンバリングライブでは初めて歌われた。小市が演じる結城晴は当時のコラボビジュアルにも登場していたが、コラボ当時はまだ晴には声がついていなかった。コラボ実施から四年越し、この曲を歌う舞台と、そのセンターに立つ小市というピースがよくやく揃った。チアのポンポンを持って歌うアイドルたちのセンターで、小市は強烈なシュートを決めてみせた。ソロパートをまっすぐに、少し不器用な少女の表現をこめて歌う姿は結城晴そのものだった。

無数のダンサーが入り乱れるアクロバティックな群舞と、光と重低音が作り上げる幻想の中、センターステージから藍原ことみと青木志貴がせり上がる。「バベル」、初披露だ。時に背中合わせで、時に手を差しべあうふたりが、インファイトで個性と個性をぶつけ合うようなパフォーマンス。幻想的な演出の中で浮かび上がる青木の姿はこの世ならざるもののようだ。ふたりはすれちがいざまに、視線をそらしたまま手と手を情熱的に握りあわせる。関係性に強くフォーカスした、妖しいまでに美しいステージだった。

「Secret Daybreak」は洲崎 綾、飯田友子のユニット、デア・アウローラの新曲だ。飯田演じる奏のつややかさと、洲崎演じる新田の清涼な存在感が、ドーム両翼の距離を隔てて対峙する。飯田の低音、洲崎の高音が重なり合い、ひとつになるユニゾン。“世界で一番きれいな秘密”というフレーズが象徴的に耳に残った。強烈にホワイトアウトする光を背負い、まっすぐに立つ洲崎の姿は自らが光輝いているよう。逆光から暗転のコントラストが鮮烈だった。

柱にサイバーな眼鏡が刻印され脈動する。田辺留依と長島光那のユニット・サイバーグラスの「Needle Light」だ。ダンサーとシンクロしたパフォーマンスを繰り広げる中で、眼鏡をかけた田辺が本当に楽しそうな表情で歌い踊っているのが印象的だ。MCで念願の歌を一緒に歌えた喜びを語り合ったふたりは、手元を合わせてハートならぬあわせ眼鏡を作ってみせた。田辺は比奈として、眼鏡をかけてステージに立った感激と感慨を語っていた。
続いて登場は松井恵理子の「Neo Beautiful Pain」。サイバーグラスの「Needle Light」から松井の「Neo Beautiful Pain」という流れは、昨年のナゴヤドームのサイバーグラス「Nation Blue」→「Neo Beautiful Pain」の並びを彷彿とさせる。いずれもAJURIKA=遠山明孝が手がけた、いわゆる“Nの系譜”の楽曲群だ。顔いっぱいを笑顔にするような、ニカッと音がしそうな最高のスマイルを見せた松井は、ダンサーと一体になったダンスと共に、慟哭のような、祈りのような歌声を響かせる。透過スクリーンの御簾ごしに見る松井の姿は、どこか非現実的でありながら、ほとばしる生命力を感じさせる。「どこまでも続いた」のフレーズで魂の絶叫を響かせた松井は、目が覚めるようなハイキックでドームをぶち抜いて見せた。

大橋彩香、原紗友里、福原綾香のnew generationsは「メッセージ -Future PicoPico Remix-」を披露。このツアーで初めて、ニュージェネの3人が(3つのステージにだが)並び立った。ニュージェネ3人による「メッセージ」といえばアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第1話のEDテーマだが、ファミコン的なピコピコ音が楽しい“PicoPico Remix”になったことで、TVアニメの物語とは適度な距離ができたような気がする。アニメの物語から離れた視点で見ても、ニュージェネはとびっきり魅力的な現在進行形のユニットであり、どんな楽曲にも寄り添える対応力と幅広い表現力を持った3人であることを実感した。「ちいさなはじまりのメッセージ」を歌う大橋の歌声の浮遊感が耳に心地よく響いた。

「リトルリドル」は五十嵐裕美、山本希望、青木志貴の原曲メンバーに、高橋花林、中島由貴が加わった5人編成。様々な個性を持ったヤングアイドルたちのとびっきりキュートな側面を切り取った楽曲に、森久保乃々と乙倉悠貴という新しい個性を放り込んだ構成だ。山本希望が莉嘉の中学一年生の子供らしさを全開にすれば、中島も悠貴ののびやかで前向きな元気さを見せる。ライブでは強キャラのポジションが多い飛鳥が(そして演じる青木が)等身大の14歳らしさを見せるのも貴重な姿だ。高橋は、おめめがぐるぐるになっていそうな、やけくそカラ元気のもりくぼのかわいさを表現してみせた。そして五十嵐は、ステージ中央のDJブースで子供たちと会場を煽りながらかわいらしさを爆発させた。ノリノリでDJ役に興じる姿は、「リトルリドル」MVの冒頭で腕組みする杏のヒップホップ感に通じるものがあった。

「スパイスパラダイス」は日野 茜、高森藍子、本田未央のユニット・ポジティブパッションの楽曲で、日清カレーメシとのコラボCMで耳にした人も多いだろう。藍子役の金子有希と未央役の原がいる名古屋公演で、この曲を歌ったのは金子有希、原紗友里、大橋彩香、福原綾香という組み合わせ。ポジティブパッションとnew generationsの混合ユニットだ。福原はnew generationsとトライアドプリムスの両方の所属として活動したが、今回の原はそのパッション版というところだろうか。4人はオリエンタルな楽曲に乗せてコミカルで楽しいパフォーマンスを繰り広げた。

「無重力シャトル」はゆずの北川悠仁が作詞作曲を手がけた楽曲で、五十嵐裕美、大空直美、金子有希、洲崎 綾、立花理香、長島光那、原紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるかの12人がパフォーマンスを担当。ドーム球場のセンターステージを全周からファンが見守る構造だったこともあり、スクリーンに流れるポップな歌詞に合わせて客席全体が一体になって大騒ぎ!ラストスパートにふさわしいハッピーな1曲になった。

ここで3、2、1のカウントダウンから、ド派手な演出と共に登場したのはなんとDJ KOO!伝説的ユニットTRFのDJ担当がシンデレラガールズのライブにサプライズ登場という時点で頭がついていかないが、DJ KOO本人のDJプレイと共にシンデレラたちが名曲「EZ DO DANCE」をカバーしたのには本当に驚かされた。さらにDJ KOOのDJプレイと共にシンデレラガールズの「YES! PARTY TIME!!」を披露。ドームをダンスフロアに変えるというチャレンジのために、生きる伝説を担ぎだしてしまった。ただただ楽しく、演者も観客に無心で笑い歌い踊るような時間。曲中には原が音頭を取って、ドームにウェーブが巻き起こった。なお、「EZ DO DANCE」は翌日に「デレステ」に楽曲として実装されている。

本編ラストは「Stage Bye Stage」。ドーム球場のステージいっぱいに広がったシンデレラたちが、プロデューサーのいちばん近くでドームライブをハッピーに締めくくった。

アンコールでは、レインボー・カラーズ衣装に身を包んだシンデレラたちが「TRUE COLORS」と「お願い!シンデレラ」を披露。ここではゲスト出演の生田 輝と花谷麻妃も同じ衣装でステージに加わった。間奏で満開の笑顔ではしゃいだダンスやハイタッチを見せていた生田が、花谷と手を取り合ってドームの光の中を仲良く駆けていく姿は、忘れえぬ光景として胸に残った。

Text By 中里キリ

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!
DAY1
2019年11月9日(土)ナゴヤドーム

セットリスト
M01:ミラーボール・ラブ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M02:Tulip(藍原ことみ、飯田友子、鈴木絵理、髙野麻美、のぐちゆり、佳村はるか、和氣あず未)
M03:ミツボシ☆☆★ -Happily Ever After Remix-(原 紗友里)
M04:ショコラ・ティアラ -Before Sunrise Remix-(五十嵐裕美、大空直美、大坪由佳)
M05:輝く世界の魔法 -Magical Step Forward Remix-(高田憂希、高橋花林、田辺留依、中島由貴、藤本彩花)
M06:Nothing but You(小市眞琴、洲崎 綾、鈴木みのり、原田彩楓、松井恵理子)
M07:PROUST EFFECT(藍原ことみ、飯田友子、佳村はるか)
M08:未完成の歴史(青木志貴、鈴木みのり、安野希世乃)
M09:Flip Flop ~For SS3A rearrange Mix~(五十嵐裕美、大坪由佳、金子有希、小市眞琴、立花理香、田辺留依、長島光那、深川芹亜、山下七海)
M10:モーレツ★世直しギルティ!(鈴木絵理、のぐちゆり、和氣あず未)
M11:イリュージョニスタ!(大坪由佳、大橋彩香、中島由貴、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、杜野まこ、山下七海、山本希望)
M12: DANCE SHOW CASE《ミラーボール、ラブ MIX》
M13:クレイジークレイジー(藍原ことみ、髙野麻美)
M14:Last Kiss(原田彩楓)
M15:踊りまくろ☆ダンシング・ナイト(田辺留依、杜野まこ、和氣あず未)
M16:Nation Blue(大空直美、高田憂希、立花理香、松井恵理子、松嵜 麗)
M17:夢をのぞいたら(生田 輝、花谷麻妃)
M18:さよならアンドロメダ(高田憂希、高橋花林、立花理香、中島由貴、福原綾香、安野希世乃)
M19:サニードロップ(山下七海)
M20:Sunshine See May(鈴木みのり、高田憂希)
M21:とんでいっちゃいたいの(藍原ことみ、大坪由佳、髙野麻美)
M22:青空エール(大空直美、大橋彩香、小市眞琴、鈴木みのり、原田彩楓、深川芹亜、藤本彩花、松嵜 麗、佳村はるか)
M23:バベル(藍原ことみ、青木志貴)
M24:Secret Daybreak(飯田友子、洲崎 綾)
M25:Needle Light(田辺留依、長島光那)
M26:Neo Beautiful Pain(松井恵理子)
M27:メッセージ -Future PicoPico Remix-(大橋彩香、原 紗友里、福原綾香)
M28:リトルリドル(青木志貴、五十嵐裕美、高橋花林、中島由貴、山本希望)
M29:スパイスパラダイス(大橋彩香、金子有希、原 紗友里、福原綾香)
M30:無重力シャトル(五十嵐裕美、大空直美、金子有希、洲崎 綾、立花理香、長島光那、原 紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるか)
M31:EZ DO DANCE(藍原ことみ、青木志貴、飯田友子、大坪由佳、小市眞琴、鈴木みのり、高田憂希、髙野麻美、田辺留依、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、松井恵理子、山下七海、和氣あず未、DJ KOO)
M32:Yes! Party Time!!(五十嵐裕美、大空直美、大橋彩香、金子有希、鈴木絵理、洲崎 綾、高橋花林、立花理香、長島光那、中島由貴、のぐちゆり、原 紗友里、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山本希望、佳村はるか、DJ KOO)
M33:Stage Bye Stage(藍原ことみ、青木志貴、飯田友子、五十嵐裕美、大空直美、大坪由佳、大橋彩香、金子有希、小市眞琴、洲崎 綾、鈴木絵理、鈴木みのり、高田憂希、髙野麻美、高橋花林、立花理香、田辺留依、長島光那、中島由貴、のぐちゆり、原 紗友里、原田彩楓、深川芹亜、福原綾香、藤本彩花、松井恵理子、松嵜 麗、杜野まこ、安野希世乃、山下七海、山本希望、佳村はるか、和氣あず未)
M34:TRUE COLORS(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M35:お願い!シンデレラ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

関連リンク

この記事を書いた人