あらたな挑戦を詰め込んだ4thアルバム『Shake Up!』が完成!鈴木このみインタビュー

圧倒的な歌唱力とパフォーマンス力で、アニメ音楽のシーンにおいてますます存在感を強めるシンガー・鈴木このみが、約2年半ぶりとなるニューアルバム『Shake Up!』を完成させた。吹っ切れた歌詞とサウンドが新鮮なリードトラック「シアワセスパイス」や、アイルランドへの音楽旅行の経験をもとに作り上げたアイリッシュ調のナンバー「Humming Flight!」など、新しい挑戦をたっぷりと盛り込んだ本作。デビュー8年目にして新しい何かを求めて進化を続ける彼女に、今回のアルバムに込めた想いを聞いた。

――今年5月に行われた“鈴木このみ 5th Live Tour ~CurioCity~”の最終公演で、今回のニューアルバムのリリースを告知した際、アルバムのコンセプトは「果たし状」とおっしゃっていましたね。

鈴木鈴木このみ アルバムタイトルが決まる前の裏テーマとして考えていたのが「果たし状」だったんです。それだけ聞くとちょっとおどろおどろしい感じですけど(笑)。私はここ数年、TVアニメ『LOST SONG』で声優をやらせていただいたり、ライブで昔から好きだったタップダンスに挑戦したり、最近は新しいことにチャレンジするのがすごく楽しいんです。なおかつ、今まで8年活動させていただいているなかで、ここで守りに入るのはもったいないし、楽曲的にもより新しい表情を探していきたいという思いがあって、「鈴木さん、もっとできるんじゃない?」という意味を込めて「果たし状」をテーマにしてみました

――自分に対しての「果たし状」なんですね。

鈴木 曲によっては作家さんに対しての「果たし状」でもありますし、お客さんに対して「この曲はコールがたくさんあるから頼んだぞ!」というものもありますけど、やっぱり自分に対しての気持ちがいちばん大きいです。もちろん自分の軸にあるのは歌なんですけど、よりいろんなものに飛び込んでみる姿勢自体を楽しめるようになったので。

――気持ち的にはポジティブに取り組めていると。

鈴木 前のめり感というか欲張りと言いますか。ただ、悩み事がまったくないわけではなくて、常にいろんなものへの葛藤や不安はありますけど、今はそれ以上に「やってやろうぜ!」という気持ちが強いんです。自分を更新していきたいなあと思っていて。

――そんな裏テーマに対して、アルバムタイトルの『Shake Up!』にはどんな想いを込めましたか?

鈴木 今回の『Shake Up!』には個性が強い楽曲が集まっていて、それぞれの振れ幅も大きいので、そういうものを全部混ぜ合わせるという意味もありつつ、「Shake Up!」という言葉には「ハッとさせる」とか「大改革」という意味もあるらしいんです。アルバムを作るにしても、いつも同じようなものばかり作っていても仕方ないし、やるなら中途半端ではなく思い切り新しいことをやりたかったので、意味的にもバッチリ100点だと思って『Shake Up!』というタイトルにしました。

――たしかにアルバムのリード曲でもある1曲目「シアワセスパイス」から、これまでにない新しさが伝わってきます。曲調は鈴木さんらしいロックチューンですが、歌詞の内容が非常にユニークで。

鈴木 歌詞が相当ぶっ飛んでますよね(笑)。楽曲自体は自分が今まで得意としてきたゴリゴリサウンド、力強くて疾走感のあるロックな曲ですけど、今回はそこにシリアスな歌詞を乗せるのではなくて、あえて真逆の方向に行くことで面白いギャップ感が生まれるんじゃないかと思いまして。なので作詞のハジメ☆ファンタジーさんには、あえて「不思議な世界観でお願いします」とお伝えしました。意味のわかりにくい言葉がバーッと並んでいる分いろんな解釈ができるというか。それも果たし状のひとつで、「歌詞の解釈は皆さんにお任せします」という意味もあります。

――ハジメ☆ファンタジーさんは普段、センチメンタル研究家としても活動されているそうですね。

鈴木 えぇっ!? それは知らなかったです(笑)。まだ直接お会いしたことはないんですけど、最初にいただいた歌詞はもっと意味がわかる感じだったので、「もっとぶっ飛んだ歌詞でお願いします!」とお願いしまして。ワードが面白くて独特の世界観がある歌詞ですよね。

――“報酬はビービーキュー”とか“夜空にはユーエフオー”といったように、普通はアルファベットで書くところをあえて片仮名にしているところも印象的です。最初はノリ優先の歌詞なのかなと思ったのですが、ラスサビの部分はすごく前向きなメッセージにもなっていて。

鈴木 たぶん最後のところで言いたいことがパッとわかると思うんですけど、でも何気ないところにもいろんな意味を散りばめていたりするので、何回も聴くと新しい発見のある楽曲だと思います。コールできるパートもたくさんあって、間奏部分の“エヴィデイ!エヴィナイ…?!”というラップみたいなところもみんなで歌ってもらいたくて作ったところなので、ぜひライブでは歌ってほしいです。

――MVも公開されていますが、これがさらにぶっ飛んだ内容ですね。鈴木さんとネコの身体が無重力のように浮かび上がって、やがて宇宙空間にまで到達して、最後は宇宙が大爆発するという(笑)。

鈴木 MVの監督は「真理の鏡、剣乃ように」のMVを撮ってくださったのと同じ方なんですけど、このあいだの5thライブツアーの打ち上げで「MVに動物を出すのが得意なんです」とおっしゃっていたのが印象に残っていまして。で、この曲のMVならネコとか恐竜も出せるんじゃない?と思ってお願いしました。でも最後に爆発するのは自分も聞いてなかったです(笑)。

――2曲目の「Sparking light」は中国向けアプリゲーム『デジモン:相遇』の主題歌で、「君との出会い」について歌ったストレートなロックチューンです。

鈴木 この曲はライブではすでに歌っていて、今回が初音源化になります。曲調がすごくキャッチーだし、歌詞も『デジモン』ということで絆を感じさせる内容になっていて、誰もが共感できる曲だと思います。未音源化のときからライブでも盛り上がってもらえる曲でした。

――続くアルバム用の新曲「Humming Flight!」はアイリッシュ音楽の要素をふんだんに取り入れたチャレンジングな一曲。作曲は鈴木さんご自身で、この曲を作るためにアイルランド旅行に行かれたそうですね。

鈴木 前回のツアーの息抜きがてら、アイルランドに一週間滞在して、毎日パブに通って演奏を聴いたり、ストリートミュージシャンの方のパフォーマンスを観たりして過ごしました。それと現地のミュージシャンの方にアイルランドの音楽の特徴的なメロディを教わったりもしまして。そういった現地での経験を参考に、帰国後に作ったのがこの曲になります。

――アイルランドの音楽には、タップダンスが縁で興味を持たれたとか。

鈴木 私はタップダンスを10年ぐらいやっていて、そのなかでもいちばん好きなのが、手を使わず足だけで魅せるのが特徴のアイリッシュタップダンスなんです。そこから現地の音楽にも興味を持ち始めたので、思い切って行ってみました。本当は行く前に曲のかけらだけでも作って持っていきたかったんですけど、向こうの音楽となるとフィドルやティンホイッスルといった楽器のイメージが強くて、歌ものになるとどんなメロディが合うのかなかなか想像がつかなくて。でも、現地に行くとそういう音楽に合わせてストリートミュージシャンの方が歌っていたり、向こうの歌手の方にも出会えたので、どういうものかを掴むことができました。

――現地のミュージシャンとの交流はいかがでしたか?

鈴木 脇で空気袋を締めながら吹くイーリアンパイプという楽器とか、今まで見たことないような楽器を演奏されている方がたくさんいました。「演奏教えようか?」と言ってくださるんですけど、やってみても全然音がでなくて(笑)。お話によると習得するのに21年以上かかると言ってました。あとはパブの方に「歌ってみない?」と誘っていただいて、実際に歌う機会もありました。実は向こうに行く前に、アイルランドの人なら誰もが知っている童謡みたいな曲を1曲だけ覚えておいたんです。私は英語を流暢にしゃべれるわけではないので、何かあったときに歌うことで交流できるかなと思って。それで歌ったら「もう1曲」と言ってもらえたので、今度は日本の「ふるさと」を歌いました(笑)。

――その様子がドキュメンタリー番組『鈴木このみ22歳、アイルランドへ』としてBSフジで放送されました。

鈴木 ありがたいことにスタッフの方々がついてきてくださって。アイルランドの様子に密着していただいた映像と日本でのレコーディング風景を元にMVも作っていただきました。

――この曲の歌詞は畑 亜貴さんが作詞されています。

鈴木 畑さんのインスタグラムとかを見てると、よく海外に行かれてるので、きっと世界中のきれいなものをたくさん知ってる方だと思うんです。なので今回は、そういう世界のいろんなものを見に行くときのワクワク感や実際に見たときの昂揚感を、カジュアルな言葉で歌詞にしていただけるようお願いしました。

――たしかに“なんなんなんだか気分が”や“らんらんらん心から”といったように、口にして歌うだけで楽しそうなフレーズがたくさん詰まっています。

鈴木 肩の力が抜けた感じと言いますか、ゴキゲンな感じの曲になったと思います。私も曲を作るときはパブのイメージがすごく強くて。パブには本当に毎日行ってたんですよ。お酒を飲める年齢になったので、ギネスビールを飲みながら演奏を楽しんで(笑)。

――本場のギネスビールはおいしかったですか?

鈴木 私、普段はお酒をほとんど飲まないんですけど、ギネスビールはクリーミーですごくおいしかったです! パブにはステージがなくて、演奏している人とお客さんが同じ目線だし、近いときには本当に隣に座っているぐらいの距離感なんですね。なので曲を書くときは、みんなが同じ目線で輪になって一緒に歌っている雰囲気を出せればなあと思いましたし、言葉もカジュアルなものになったんだと思います。

――そういう楽しい雰囲気もありつつ、例えばAメロの“自分の見方次第で Happy signal”といったフレーズは、畑さんが鈴木さんの気持ちに寄り添って書かれた部分なのかなとも思いました。

鈴木 私も歌詞をいただいいたときに、やっぱり畑さんはすごいなあと思いました。畑さんの歌詞はいつも「どこから私のことを見てくださってるんだろう?」と思うんですよね。こういうハッピーな曲のときも、もう少しシリアスな曲のときも。私の中には、ニコニコ笑っている自分と、ひとりで一息ついていろいろ考える自分の両方がいると思うんですけど、そのどっちにもドンピシャの歌詞を書いてくださるんです。いつも不思議に思います。

――きっとライブでは、パブみたいにお客さんと同じ目線で盛り上がれそうな曲になりましたね。

鈴木 今実施しているアジアツアーの上海公演でライブ初解禁したんですけど、ライブハウスにすごく溶け込む感じがあって、これを歌うことでみんなとひとつになれる感覚はありました。海外公演ではアルバム発売前だったり言葉の問題もあって難しかったですけど、日本の公演ではサビの部分をぜひみんなで合唱できればと思います。

――そこからシングル表題曲の「真理の鏡、剣乃ように」を挿み、5曲目にはこれも初音源化となるアプリゲーム『Witch’s Weapon -魔女兵器-』の主題歌「ANOTHER REAL」を収録。先ほどの「Sparking light」とは対照的なマイナー調のロックナンバーです。

鈴木 この曲は、もがきながらも前に進もうとするようなところがすごくあって、今までの鈴木このみ感を強く感じられる曲だと思います。アプリゲームのシナリオ自体もそういう内容なんです。自分でも歌っていてしっくりきますし、たぶんこういう曲調が私の得意分野なんだと思います。この曲もライブで歌っているんですけど、すごくノリが良い曲なので、初披露でも盛り上がっていただけました。

――そしてPCゲーム『Summer Pockets』の主題歌「アルカテイル」も、今回ご自身のアルバムには初収録となります。

鈴木 この曲も自分の新しい表情を出してくれた曲なので、アルバムに入れさせていただきました。私も『Angel Beats!』とかを好きで観ていたので、Key作品の楽曲を歌わせていただくのは自分の中でもすごく大きなことで、歌うときには歴代の楽曲のイメージを崩してはいけないというプレッシャーをすごく感じていたんです。それこそレコーディングの前にはLiaさんの曲を繰り返し聴いたりして。でも、Liaさんのマネになってはいけないので、自分でいることのバランスを取るのがすごく難しい曲でした。ただ、苦戦した分、自分はこういう綺麗な楽曲も意外と歌えるのかもしれないという発見もありました。今までの自分からすると少しお姉さんな感じというか、同じ爽やかな路線でも「DAYS of DASH」みたいなタイプの曲はたくさん歌ってきましたけど、こういうしっとりした感じのものはあまりなかったので、レコーディングも楽しかったのを覚えています。

――次の「p.u.p.a.」は鈴木さんの作品ではおなじみの白戸佑輔さんが作編曲した、躍動感のあるナンバーです。

鈴木 今回は白戸さんに1曲プロデュースをお願いしたくて。白戸さんは作家さんとしてもすごくお世話になっていますけど、普段からみんなでご飯に行ったり、スタッフさんたちと一緒にキャンプに行ったこともあって、私のパーソナルな部分も知ってくれている方なんです。なので今回は本当に自由に「今の鈴木このみに歌ってもらいたい曲」というテーマでお願いしました。

――いわば白戸さんに向けた「果たし状」だったわけですね。上がってきた音源を聴いたときの印象はいかがでしたか?

鈴木 まずセリフが入っていることにビックリしました(笑)。でも「こうきたか!」という斬新さもありつつ、どこか白戸さんらしさを感じました。自分のなかで白戸さんらしい楽曲というのは、爽快感があるのにどこか切ない印象があるんですけど、この曲にもそういう部分があるなと思って。

――間奏にプログレ風のカオティックな展開が挿まれていて、ユニークな曲調ですよね。

鈴木 間奏の部分は白戸さんからの提案で、私が「うるさい!」とか「ふざけんな!」って葛藤を吐き出すような叫びだとか、唸り声がずーっと入っていたりするんです。でもその上から「あ~~!」というロングトーンを入れることで、葛藤から抜けていく感じを表しているんだと個人的には解釈してます。

――白戸さんから見て鈴木さんは何か葛藤を抱えているように見えたんでしょうかね?

鈴木 どうなんでしょう。でも白戸さんは作家さんの中でも特に身近にいてくれたので、それこそ私はレコーディングとは別の場所でも、白戸さんの前で泣いたことが何回かあるんです。別に普段からそういう葛藤を抱えているわけではないですけど、きっと白戸さんはそういう顔も知ってくださっているので、こういう曲が出来上がったんだと思います。なので自分にとってはすごくリアルな曲がきたなあと思いました。

――歌詞は「Pupa=さなぎ」というタイトルにも表れているように、まださなぎの状態であがいている人のもやもやみたいなものが主観で描かれています。歌詞を書かれたのはhotaruさんですね。

鈴木 歌詞についても白戸さんからhotaruさんにオーダーしてくださりました。初めて受け取ったときは、自分が普段考えていることがそのまま反映されてるような気がして。もちろん常にこういう状態ではないんですけど、時間が経過したがゆえの葛藤というのもあるじゃないですか。8年続けてきたからこそ、続けることの難しさもわかりますし、続けていくなかで、いろんなものを得るけど、いろんなものを失っていったりもして。それに対して別に後悔はないんですけど、でもこの曲は私のそういうところにも触れる曲だなあと思いました。例えば2番の“やさしさだって 甘えだって あっけなく 忘れちゃえば いいかな…”というフレーズが自分は好きで。

――やさしさも甘えも忘れたくなるときがあるのでしょうか?

鈴木 う~ん……難しいなあ。でももっともっと先にと思うと、さらに削いでいかないといけない部分もあるじゃないですか。なのでそういうふうに感じることもなくはないです。

――でも最後は“さあ今、その羽を開け”というフレーズで締めくくられていて、さなぎが羽化して広大な世界に飛び立つような終わり方をしていますね。

鈴木 切なさもありつつやっぱり爽やかな曲なので、そういう部分も気に入っている曲です。それこそ“やさしさだって 甘えだって あっけなく 忘れちゃえば いいかな…”と歌っている部分に対して、その直後に“ほんとうに いいのかな…?”と歌っているので、きっとそうじゃないということを言いたい曲だと思うんですね。なので最後は“さあ今、その羽を開け”で終わることに、「私はこれで間違ってないんだ」と思えて、個人的にすごく背中を押してもらえました。

――あとこの曲は男性コーラスとの掛け合い部分が多くて、それも面白いですよね。

鈴木 白戸さんからは、東京事変の「能動的三分間」みたいなイメージと言われました。

――ライブのときはお客さんにこのパートを歌っていただくのもいいかもですね。

鈴木 かなり長いですし、メロディが難しいけど、できる方はぜひ挑戦していただければと思います!

――8曲目の「Relight」は『スロット Re:ゼロから始める異世界生活』からの楽曲ということで、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』のOPテーマだった鈴木さんの代表曲「Redo」と同じミズノゲンキ(作詞)×宮崎 誠(作曲・編曲)コンビが手がけています。

鈴木 これはまさに「Redo」をさらに進化させた曲だと思います。レコーディングしたのは2年ぐらい前のことなので、自分としては「ようやく解禁できたー!」という曲です(笑)。

――歌詞には「Redo」にも繋がるような言葉が使われていますし、歌声もヒロイックでまさに『リゼロ』な曲ですね。サビ終わりの“誓うよ”という部分の吐き捨てるような歌い方も、ちょっと『リゼロ』の主人公のナツキ・スバルみたいな感じがしますし。

鈴木 ちょっとやさぐれ系でいきました(笑)。この曲を歌うと自然と『リゼロ』の作品を背負う自分がいるというか。自分もアニメを楽しんで観ていたので、ついつい出ちゃうんだと思います。そう思うと作品ごとのスイッチがあるんですかね。

――続いての「MOTHER」はTVアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』異世界編OPテーマ。エレクトロニックなビートとシンフォニックなサウンド、荘厳なクワイア、鈴木さんの歌声が一体になって迫り来る、すさまじいエネルギーを内包した楽曲です。

鈴木 この曲は本当に難しかったです! 作品自体がすごく謎が多いので、サウンド的にも浮遊感のあるミステリアスな楽曲だなと思っていて。自分の得意分野のゴリッとした感じとは逆に、引き算が必要な曲というか、抜け感を意識して、熱くなりすぎないように歌いました。それと英語がたくさんあるのが大変でした(笑)。レコーディングのときは英語をネイティブで喋れる方に指導してもらいながら歌って。

――歌うときはどんな視点を意識しましたか?

鈴木 それこそ『リゼロ』の曲を歌うときは、いつも自分の後ろにスバルがいるみたいな感覚で歌っているんですけど、『YU-NO』の曲に関しては、現世編のEDテーマだった「真理の鏡、剣乃ように」も、この異世界編のOPテーマも、物語を読む人みたいに俯瞰する視点で歌っています。

――そして10曲目にはTVアニメ『LOST SONG』のOP主題歌だった「歌えばそこに君がいるから」を置いて、続く11曲目にはこれも初音源化の「My Days」を収録。中国のアプリゲーム『永遠的7日之都』の主題歌で、GARNiDELiAのお二人が楽曲提供されています。

鈴木 仮歌もメイリアさんが歌っていらっしゃったので、プレッシャーがすごかったです(笑)。GARNiDELiAさんに楽曲提供していただくのは初めてだったんですけど、やっぱりメイリアさんの歌とtokuさんのメロディはすごく合っているじゃないですか。その組み合わせのほうが良く聴こえる部分もあるなかで、どう自分らしく歌うかというのがいちばんの課題になりました。ただ、メイリアさんの仮歌を聴いて、説明が難しいですけどウェットじゃない感じ、独特のドライなクールさがこの曲にはすごく映えると思ったので、そういう部分をちょっと参考にさせていただきつつ、自分のパワーでグワッといく持ち味もちゃんと入れていくバランスで録りました。

――その次はTVアニメ『ソラとウミのアイダ』EDテーマだったシングル曲「蒼の彼方」があり、アルバムの最後は鈴木さんが作詞、草野華余子さんが作編曲した新曲「あなたが笑えば」で締めくくられます。ここまで強い曲がズラッと並んでいたところで、ラストはアコースティックギターのみの親密なバラードで終わるところにグッときました。

鈴木 やったー!(パチパチ)。バラードを歌うならいちばん最後にしようと決めていて、さらに言うと、音がたくさん入っているタイプのものではなくて、ギター一本のシンプルなもので最後を飾りたかったんです。この曲は実際に出来上がったのも歌を録ったのもいちばん最後で、そういう曲調のバラードを作るにあたって、スタッフさんとの話し合いで華余子さんに楽曲をお願いすることにしまして。華余子さんとは初めましてだったのですが、お互い大阪出身なので、ギターのレコーディングの日にお会いしたときはバリバリの関西弁でしゃべりました(笑)。今度一緒にご飯に行くお約束もして。

――どんなお話をされたのですか?

鈴木 どのへんに住んでたとか、地元あるあるの話ですね(笑)。それとそのときはまだ歌詞が出来上がっていなかったので、どんな歌詞がいいかを相談させていただいたりもしまして。

――すごく等身大でリアリティのある歌詞ですね。

鈴木 胸を張ってバーンと歌うような曲が多い中、力を抜いて歌える、ステージに立っていないときの、普段過ごしている自分をありのまま書いてみたかったんです。私は基本夜型人間なので、自分の普段の夜の様子とか、何気ない生活で見つけた幸せみたいなものを書いてみました。それこそ日常の中で悩んだりしながらも、自分がなぜステージで笑っていられるのかなとか、何でもっともっとと思ったり、いろいろやってみたいことが増えて前向きな気持ちが沸いてくるのかを考えたときに、普段の生活でも誰かが笑ってくれるだけで、すごく前向きな気持ちになれることに気づいたのがいちばん大きくて。

――普段の鈴木さんはこういうことを考えながら生活しているんだろうな、ということが伝わってきて、ファンもそういう素の一面が見られてうれしいと思います。

鈴木 ステージに上がるときは、ステージモードの自分になるじゃないですか。でも、そういう力強いイメージの自分とは違う部分もあるということを、デビューから8年経つので、そろそろ自分の言葉で伝えてもいいのかなという気持ちもありました。ライブだとガラッと雰囲気が変わりそうな気もするので、歌うのが楽しみです。

――アルバム全体を通してもライブが楽しみになる作品になりました。

鈴木 やっぱりアジアツアーがあることがいちばん大きかったです。ここ最近は、春にナンバリングのあるツアーをやって、秋から冬にかけてアジアツアーをやって、年末にはカウントダウンライブというサイクルで活動していて、ライブ尽くしの日々を送っていたので、楽曲的にも「ライブでこういう曲があったらいいのになあ」と思うようになったんです。そういう意味でも、ライブに向けたアルバムにもなったと思います。

――現在はアジアツアーで各地を回りつつ、12月31日には東京・サンリオピューロランドで“鈴木このみスペシャルライブ!in サンリオピューロランド ~世界一早いCOUNTDOWN~”の開催も決定していますね。

鈴木 なんといってもアルバムの楽曲が増えることが今はいちばん楽しみで、早く皆さんから反応を受け取りたいという気持ちでいっぱいです。最近はタップダンスや新しいことに挑戦する部分が多かったですけど、私の軸はやっぱり歌にあると思うので、今回は新しい楽曲を含め、ストレートに歌を届けに行こうと思っています。なので必然的に盛り上がる楽曲も多くなるので、楽しみにしていてください!

――最後に、このアルバムのフラゲ日がちょうど鈴木さんの23歳の誕生日にあたるので、23歳の抱負をお聞かせください。

鈴木 え~! 何だろう? 難しい……!

――こないだブログに「潔くて勇気のある、中身の格好良い人になりたいです!」と書かれていましたよね。

鈴木 チェックしていただいてありがとうございます(笑)。それこそ畑さんはそういう方だと思うんですけど、私はデビューのときからすごくかっこいい大人の方に囲まれてきたなと思っていて。やっぱり潔くないと、いざというときに飛び込めないし……あまり具体的な答えになってないですけど(笑)、23歳の目標はそういう人になりたいなあと思います!

Interview & Text By 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
『Shake Up!』
11月6日発売
.
【初回限定盤(CD+BD)】

品番:USSW- 0207
価格:¥4,200+税

【通常盤(CD)】

品番:USSW- 0208
価格:¥3,000(税抜)

<CD>
01.シアワセスパイス
作詞:ハジメ☆ファンタジー 作曲:鶴丸雄太 編曲:井上日徳
02.Sparking light(中国向けアプリゲーム「デジモン:相遇」主題歌)
作詞・作曲・編曲:本田正樹
03.Humming Flight!
作詞:畑 亜貴 作曲:鈴木このみ 編曲:立山秋航
04.真理の鏡、剣乃ように(TVアニメ「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」現世編EDテーマ)
作詞・作曲:志倉千代丸 編曲:白戸佑輔
05.ANOTHER REAL(アプリゲーム「Witch’s Weapon -魔女兵器-」主題歌)
作詞:月丘りあ子 作曲・編曲:高橋修平
06.アルカテイル(PCゲーム「Summer Pockets」主題歌)
作詞:魁 作曲:折戸伸治 編曲:中山真斗
07.p.u.p.a.
作詞:hotaru 作曲・編曲:白戸佑輔
08.Relight(スロット Re:ゼロから始める異世界生活)
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:宮崎 誠
09.MOTHER(TVアニメ「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」異世界編OPテーマ)
作詞・作曲:志倉千代丸 編曲:高木龍一
10.歌えばそこに君がいるから(TVアニメ「LOST SONG」OP主題歌)
作詞:鈴木このみ/畑 亜貴 作曲・編曲:白戸佑輔
11.My Days(中国アプリゲーム「永遠的7日之都」主題歌)
作詞:メイリア 作曲・編曲:toku
12.蒼の彼方(TVアニメ「ソラとウミのアイダ」EDテーマ)
作詞:hotaru 作曲:伊藤和馬 編曲:青木宏憲
13.あなたが笑えば
作詞:鈴木このみ 作曲・編曲:草野華余子

<Blu-ray>
シアワセスパイス-Music Video-
Curiosity(Live Style)-Special Music Video-
Shake Up! -Making Video-

●イベント情報
「Shake Up!」リリース記念イベント

11月17日(日) 会場:東京
11月23日(土) 会場:名古屋
11月24日(日) 会場:大阪
詳細は後日発表いたしますので、鈴木このみオフィシャルサイト・公式twitterをご確認ください。

●ライブ情報
「Konomi Suzuki Asia Tour 2019」
11月10日(日)東京・豊洲PIT 開場17:30 / 開演18:00
11月30日(土)岡山・YEBISU YA PRO 開場16:30 / 開演17:00
12月1日(日)福岡・LIVEHOUSE CB 開場16:30 / 開演17:00
12月15日(日)宮城・仙台MACANA 開場16:30 / 開演17:00
12月21日(土)北海道・KRAPS HALL 開場16:30 / 開演17:00

11月10日(日)東京・豊洲PIT:前売¥5,900 (全席指定)
岡山・福岡・宮城・北海道:前売¥5,400(オールスタンディング)
※チケットは全て税込・別途ドリンク代
企画/制作:MAGES./LIFE

鈴木このみスペシャルライブ!in サンリオピューロランド ~世界一早いCOUNTDOWN~
2019年12月31日(火) 開場 16:15 /開演 17:00
サンリオピューロランド 1Fエンターテイメントホール
料金 5,400円(税込・ピューロランドパスポート付き)※オールスタンディング
出演 鈴木このみ/サンリオキャラクター
チケット受付 2019年9月4日(水)15:00~9月18日(水)18:00まで ファンクラブ先行受付!※お申込みにはファンクラブへの入会が必要となります。

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