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INTERVIEW

2019.11.07

Zwei 15周年記念アルバム『愛しかない』リリース記念 Zwei×SHOW-YAスペシャル対談

Zwei 15周年記念アルバム『愛しかない』リリース記念 Zwei×SHOW-YAスペシャル対談

今年でデビュー15周年を迎えた音楽ユニットのZweiが、それを記念したニューアルバム『愛しかない』をリリース。TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』のEDテーマ「LAST GAME」をはじめとした近年のタイアップソングをまとめたほか、リードトラックとなる新曲「ツバサナキモノ」では、SHOW-YAのメンバーである角田“mittan”美喜(Dr)と仙波さとみ(Ba)が作曲を担当。さらにもう1曲の新曲「from Now」は筋肉少女帯が楽曲提供するという、アニバーサリーにふさわしい豪華な内容となった。

そこで今回、ニューアルバム『愛しかない』に関する取材を二段構えで敢行。まずはZweiのMegu(Ba)とAyumu(Vo)、そしてSHOW-YAの角田と仙波によるガールズ対談で、両組の繋がりから「ツバサナキモノ」が生まれた経緯までをたっぷりと語ってもらった。そしてZweiのふたりには、15周年を迎えた今の気持ちやニューアルバムに込めた想いなどを直撃。互いの個性をぶつけ合いながら活動してきた二人だからこそ到達できた、愛しかない境地とは?

Part.1 Zwei×SHOW-YA(角田“mittan”美喜&仙波さとみ)スペシャル対談

――そもそも皆さんはどのように知り合ったのですか?

Megu 13年くらい前にZweiのサポートメンバーを探していた時期があって、そのときにスタッフさんの紹介でSHOW-YAさんのライブを観に行かせていただいたんです。そこでmittanさんが銅鑼を叩く姿を初めて見て、この方と一緒に音を奏でたいと思ったので、サポートのお願いをしたところが始まりですね。

Ayumu あれはNHKホールだったね。

角田“mittan”美喜 じゃあ2005年の復活祭(“SHOW-YA大復活祭”)だ。ちょうどSHOW-YAが再結成したときのライブ。私はその頃、いろんな人のサポートドラマーをしていたんですよ。それで声をかけていただいて。

Megu その後、SHOW-YAの皆さんがZweiのライブを観に来てくれたんですよ。もうビックリして。そのときは真横にSHOW-YAのメンバーさんがいる状況で「うわー!」ってなりながらライブしました。

仙波さとみ あたしも行ったっけ?

Megu いましたよ!(笑)。

角田 さとちゃんはめったに外に出ないから。

仙波 引きこもりなんですよ(笑)。

Ayumu 一緒に焼肉に行きましたよね。(寺田)恵子さんもいたのは覚えてます。

仙波 そうか。そのあと飲んだじゃん。(Zweiと角田が)3人で飲んでたところに私が後から呼び出されて、着いたらこの人たち失礼で。笑ってるんですよ(笑)。

Megu あれはいきなり窓越しにいたので(笑)。

Ayumu わざわざ来てくださったことがうれしかったんですよ。

――そして2008年には、SHOW-YAさんがプロデュースする女性ミュージシャンだけのロックフェスティバル“NAONのYAON”に、Meguさんがベーシストとして参加されて。

Megu そこから何度も出演させてもらいました。

角田 ご縁もあったので、ぜひ出てもらいたいなと思って。

――そのように交流を深めてきた両組ですが、SHOW-YAのお二人はZweiというアーティストに対してどのような印象をお持ちですか?

仙波 普段はこんな感じですけど、ステージに立つと大きく見えるし、二人とも個性という武器を持っていて、すごくインパクトがあると思います。歌唱力も演奏テクニックも才能も持っている。黙っていれば素晴らしい(笑)。

角田 あまり日本にいないタイプのユニットですよね。野音(“NAONのYAON”)でも結構破天荒なんだけど、ちゃんと芯がある。舞台映えするんですよ。

仙波 Ayumuの声は個性的だもんね。Meguちゃんもパフォーマンスがかっこいい。

Ayumu  SHOW-YAの皆さんのほうがすごいですよ。このあいだもライブを観させていただきましたけど、さとさん(仙波)のアクロバティックなエビぞり具合がすごくて。恵子さんもですけど、今ああいうパフォーマンスができる人はなかなかいないと思って。

角田 たしかに私もいつも後ろから見ているけど、3人(寺田、仙波、五十嵐☆sun-go☆美貴)のそりはすごい。

Ayumu 私も好きだからよくやるんですけど、さとさんのロングの黒髪がフワッとなると、やっぱり大きく見えるじゃないですか。あとmittanさんがスティックを投げて銅鑼を叩く前に立つ姿とか、すごくかっこいい。見習いたいところがたくさんあります。

仙波 うちらは「見せる屋」なので。ショーを見せるためのパフォーマンスには気をつかって頑張ってます。

――では逆にZweiのおふたりから見た、SHOW-YAの印象は?

Megu 私の中では女性ロックアーティストとしての神様なんですよね。ずっと一線を進んでいる方たちが今も活動を続けているのを見て、私たちも頑張れる。「こういう人たちになりたい」と心から尊敬できる人たちがいることが、私にとっては幸せだと感じてます。
心を揺さぶられる程かっこいいと思える人がいることが自分の誇りだし、来年で35周年になるまで続けていらっしゃることも、尊敬のひと言です。

――Zweiは今年でデビュー15周年ですが、それをさらに20年上回っているわけですものね。

Megu それと私たちは元々J-POP、J-ROCKをやっていたところからアニソン業界に来たので、やっぱり自信を失うときがあるんですよ。そういうときにSHOW-YAさんや先輩方の活動を見ると、揺るぎないロック魂がありますし、そうやって突き進んでいる人たちを見ると自分たちも負けていられないなと思えるんです。頑張れる勇気をくれるというのは常にありますね。

角田 ありがとう。でも15周年もすごいことだし、女性グループやユニットはどうしても大変な時期があるんですけど、Zweiはその一番難しい年齢を乗り越えてきたから、私たちからも見ても刺激だしすごいなと思います。

Ayumu  たしかにあまり同期の人たちもいないから。

Megu しかも女性のベーシストは元々少ないので、ある意味、戦友と言えるようなアーティストがいないんですよね。特にアニソン業界は女性ミュージシャンがほとんどいなくて、辛い部分もあるんですけど、逆に自分がアニソン界の女性ベーシストとして前に出ていかなくてはいけないと思いますし、アニソンの中でも女性バンドがどんどん出てきてほしいというのはあります。

――そして今回、Zweiの15周年記念アルバム『愛しかない』に収録の新曲「ツバサナキモノ」を、角田さんと仙波さんのお二人が提供されました(作詞は前田たかひろ、編曲は高橋修平)。どういった経緯で実現したのでしょうか?

Megu 私が以前から持っていた夢のひとつに、SHOW-YAさんと楽曲か何かで一緒に共演したものを残したいという願いがあったんです。なので今回、15周年アルバムを制作するという話になったときに、楽曲提供をお願いしました。

角田 お話をもらったときは単純にすごくうれしかったですね。

仙波 私もうれしかったんだけど、なんでこの二人だったのかなと思って。うちらはSHOW-YAの中でもちょっと特殊な曲を作るから(笑)。

Megu やっぱり自分自身がリズム楽器をやっているというのもありますし、メンバーさんの中では一番よくお話させていただいてると自分の中では思っているので。

――楽曲を書いていただくにあたって、Meguさんから何かリクエストはされたのですか?

Megu イメージになるような楽曲のサンプルはお渡ししましたけど、自分の中では、Zweiとmittanさんとさとさんの音楽が混ざっていくのが理想かなと思っていました。

――お二人はそれを受けてどのような曲にしようと思われた?

角田 リクエストの中に妖艶さとか激しさ、静と動のイメージがあったので、それを踏まえながら作りました。お互いに話していたら、やっぱり海外のイメージがあったんですよね。海外の街で追われていて、そこからいろんな感情を抱きながら脱出していくみたいな。

仙波 この曲はサビから出てきたんですよ。リクエストをもらう前からとりあえずちょっと考えていたら、何かと戦って向かっていくようなイメージからサビが出てきて。そこからいろいろくっつけていった感じで。

角田 そうだね。そのイメージとちょっとオーケストラっぽいものを交えたような。胸にうごめく何かを表現したいっていう。

――先ほど仙波さんは「何かと戦って向かっていくようなイメージ」とおっしゃりましたが、それはZweiのイメージから出たもの?

仙波 そうですね。戦う女と、その中に秘めた優しさみたいな。だからサビはちょっと柔らかい感じになってると思うんですけど。

Megu それはうれしいですね。

仙波 一応間奏もつけて、自分たちなりのアレンジでフルコーラス作ったんですけど、その後に上がってきたアレンジを聴いたら、ガラッと変わっていたのが素晴らしいなと思って。もらってすぐに何度も聴きましたね。

角田 私もすごくいいアレンジだなと思って。最初の歌とベースの掛け合いのところでもう掴んでるし、ベースもかっこよくて、ギターもゴリゴリで。

仙波 行き切ってる感じが素晴らしい。最後の最後まで「まだまだ行くんだぞ!」っていうのが感じられてかっこよかった。

Ayumu mittanさんが「脱出」と言ってくださいましたけど、作詞家さんも「今にもがいて脱出する」という方向性で歌詞を書いてくださったんですよ。デビュー時からお世話になっている方なんですけど、今回久々に書いていただいて。それと今回はMVをPCを使わずにiPhoneだけで作ったんですよ。絵コンテも書いて、編集も全部iPhoneでやっていて。

角田 全部アプリで?

Ayumu そうなんです。タイトルにもある通り人間って翼がないじゃないですか。若い頃は翼を求めて、希望を持って、飛びたくて活動しているけど、今はもう、翼がなくても、地に足付けて踏ん張って生きていけば、そこに「見えない翼」があるんだというテーマを入れていて。万華鏡のような映像も、新宿にある「新宿の目」というオブジェのイメージで、いわゆるチャクラみたいな、もう一つの目みたいなイメージで入れたもので。

角田 (MVを観ながら)曲と歌詞と映像がリンクしててかっこいい。モデルもいいし(笑)。この歌詞もすごいよね。攻めてるなと思って。

仙波 面白い詞だよね。色即是空が入ってて。

Megu 歌詞の内容とか世界観は私たちからはお伝えしないで、作詞の前田さんのイメージで書いていただいたんです。「死という言葉を口に出しにくい世の中になっていることを、あえてZweiに言ってほしい」と言っていただいて。

角田 曲も強いし歌詞も強い。

仙波 強いよね。究極の応援歌。

角田 応援歌だね。“意気地なし”ってあるけど、大体の人が意気地なしだと思うんだよね。「意気地なしじゃない」って言い切れる人はそんなにいないと思うから。それを“愛すべき”と表現しているのがいい。

Ayumu レコーディングのときにこの“意気地なし”という言葉に反発してたんですよ、自分自身が。認めたくなくて嫌がるんです。飛べないってことを認めたくないし、諦めるってことを認めたくないんです。でも、だんだん歌っていくうちに受け入れられるようになってきて。これ面白いですよ、一回自分で歌ってみるといいかも。

――“絶望を喰らいながら歩け!”ですからね。翼なんてなくても進んでいけると。

Ayumu 人間なんだから翼を求めるんじゃないよって感じだと思うんですよ。ないものをねだってるんじゃないってこと。

角田 この曲はメロディがすごい難しかっただろうなって思うんだけど。

Ayumu 他のアーティストさんに「これ、歌える人じゃないと歌えないよ」って言われました。

Megu 感情を入れられないようなメロディなんですよ。それで(Ayumuが)すごく苦戦しているのを見てて。最初は全然歌い方が違っていたんです。

Ayumu 悩みました。歌詞がこういう強い感じだったので、力強く歌っていたら、前田さんに「そうじゃないんだよ、投げるんじゃないんだよ」って言われて。

Megu 「Zweiが助けてあげないといけないんだよ」って。

Ayumu そう、怒るんじゃないんですよね。「色即是空」という言葉も入ってるから、観音さまじゃないですけど、見守ってる感じというか。皆さんのアイデアが加わっていろいろ出来た曲になりました。

――ZweiとSHOW-YAのおふたりのパワーが合わさった、強力な楽曲になったと思います。角田さんと仙波さんは今後のZweiにどのようなことを期待しますか?

仙波 中堅クラスでこのままこの才能を活かして、常に前進して進化していってもらって、これから出てくる若い人たち、アニメでもなんでも音楽シーンを引っ張ってもらえたらいいなと思います。

角田 二人は最初から海外のイメージがずっとあるので、今も行くことは多いと思うけど、海外を含め、唯一無二の存在でいてほしいですね。貴重な二人だと思うので、これからも長くやってってもらって、お互い頑張っていけたらと思います。

――いずれは今回の「ツバサナキモノ」を皆さんでパフォーマンスするところも観てみたいですが。

Ayumu やりたいです!

仙波 いやいや、難しくて。すごいテクニカルなんだもん。

角田 私もあれはドラム叩けない。Zweiの曲って難しいんだもん。

Ayumu そうみたいですね。よく言われます。

Megu 動きが多いんですよね。

Ayumu 私は3人が奏でてるところを見てみたいですね。ツインベースで。

――ちなみにSHOW-YAのお二人の今後の予定などは?

角田 アルバムをずっと作っていて。もう出来上がってあとはミックス作業を残すのみです。今回は海外リリースに向けて全曲英語詞になっていて、来年の35周年に合わせて準備しています。

Megu こないだのライブで新曲聴きましたけど、海外向けに作った曲はやっぱり今までとジャンルが違うなって思いました。ポップというかすごく爽やかで。かっこいいし、めっちゃ好きでした。

角田 いつもはせーので録るけど、今回のアルバムはバラで録っていて。今回はヨーロッパ仕様ということで、そっちの人の耳に合わせて、歌も大きいし、サウンドも結構そちらに寄せた作り方にしてます。ツアーもこの間に終わったばかりなんですけど、また来年に向けての準備とかイベントがいくつかあるので、期待していてください。

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