岡田麿里×ヤマコ(HoneyWorks)という新たなタッグでお届けするオリジナルアニメーション『キミだけにモテたいんだ。』が2019年10月25日より全国公開。5人のイケメンとひとりのお嬢様。はたしてその恋の行方は?……と、ちょっと気になる展開もあるのだが、全体的にフィルムを通して感じるのは、男の子たちの青春!キラキラ輝いた彼らの青春の1ページをのぞきに行ってほしい。今回はヒロインである堀ノ宮早紀子=ホリコを演じる石川由依に、作品について語ってもらった。
――タイトルを見たとき、どんなイメージが思い浮かびましたか?
石川由依 モテたいんだと言われると、多数からモテたいんだなと不誠実な感じが出てしまうんですけど、“キミだけに”と言われると一途なイメージになるんだなぁと思いました。
――モテるというワード自体に、インパクトがありますよね。
石川 モテるって、いわゆる好かれるってことだと思うんですけど、何かしらの魅力があるからモテるわけで、そのためには自分磨きも必要です。そしてモテれば自信にも繋がりますよね。今回登場する男の子たちはモテるために「モテメン甲子園」に出場して自分を磨いていて、それはそれで、一生懸命頑張っている姿が素敵だなぁって思いました。
――今回、ヒロインである堀ノ宮早紀子役を演じることになりました。
石川 オーディションだったんですけど、あまり演じることのないタイプのキャラクターだったので驚きました。でも企画書の段階から、岡田麿里さんなど、いろいろなところで活躍されているスタッフの名前があったので、とてもワクワクしていました。
――役作りのアプローチとしては、どんなことを大事にしましたか?
石川 お嬢様感……(笑)。実際演じてみても、お嬢様だからこその世間知らずな部分がちょっとあったりするんです。でもそれは悪気があるわけではなく、素直だからこそ言ってしまう部分なので、言葉に悪意が出ないよう、真っ直ぐ伝えることを意識して演じました。
――キャラクター原案のヤマコさんが描いた、自身のキャラクターを見てどう思いました?
石川 個人的に気になったのが、お金持ちのお嬢様って髪が長いイメージがあったんですけど、ショートカットでスポーティなんですよ。なのでどんなイメージで描かれていたのか気になりました。
――絵から受け取って演技にフィードバックすることもあるんですか?
石川 それはあります。いい意味でさっぱり感というか、執着しない感じは絵からも感じられたので。
――ホリコに共感する部分はありましたか?
石川 どちらかというと自分とはかけ離れているキャラクターかもしれないです。ホリコは詐欺メールに感情移入し過ぎちゃってましたけど、私は絶対に、詐欺メールなんかに引っかからないぞ!って思うくらい、すごく用心深いですし(笑)。自分にはない部分が多い子なので、演じるのはすごく面白かったです。
――ストーリーを読んで、どんな印象を持ちましたか?
石川 単純にモテたいんだと言っている男の子たちを見ていて、大人になると、あのときはバカだったなと思うかもしれないけど、きっとそのときの彼らにとってはすごく大事なことなんですね。努力したり挫折したり、でも仲間がいるから「これからも頑張っていこうぜ」って思えるその感じは、キラキラしていて青春だなと。
――青春感はすごくありますよね!
石川 完成前の映像を観させていただいたんですけど、絵がとてもきれいで、映像からもキラキラした雰囲気が感じられたんです。高校生のときの自分が見ていた世界が広がっているような印象を受けました。
――あの青春感って、女性から見ても共感できるものなんですか?
石川 私はあまり青春らしい青春を送ってなかったかも(笑)。男女別学だったので、男子とあまり関わることがなかったですし。でも、大人になってからだと仕事も忙しいですし、なかなかモテるためだけに一生懸命にはなれないと思うんですよ。その点、高校生は時間も体力もあるから、(モテるために)できることもいろいろあるのかなと思いました。
――あんな青春を送ってみたいとかは?
石川 あんな世界線があるならば、ですね(笑)。私は高校生のときから舞台とかにも出ていたので、部活や学校の行事に打ち込むことがなかったんです。だから、学校の子と一緒にひとつのことを一生懸命やるというのはやってみたかったです。
――そうだったんですね!
石川 夏休みになると舞台の稽古になることが多かったので、みんなでどこか遠いところに行くとかもなかったんです。文化祭も一日だけちょろっと出るみたいなことが多かったので、いわゆる学生らしい学生生活ではなかったんですよ。
――となると、いちばん憧れてたのは部活とかですか?
石川 部活はちゃんとやりたかったです。やろうと思えばできたんだろうけど、器用にいろんなことをできるタイプでもないので、休んで周りに迷惑かけるのもなぁとか考えちゃうんですよね。だから結果弓道部を2ヶ月で辞めちゃって。でもそのあと茶道部に入って、お菓子食べてゆっくりしてたんですけど(笑)。
――今回は岡田麿里さんの脚本構成ですが、気になった部分はありましたか?
石川 やはり「モテメン甲子園」というワードが強いなと。そこからもわかるように、今回の作品は結構ポップなので、岡田さんのいつもの作品を観ていると意外と思われるかもしれないなと思いました。
――ちなみに、石川さんから見て、これはモテないだろうなってキャラクターは誰ですか?
石川 内山昂輝くん演じるアシモ(葦田茂一)とかは、お姉さんから見るとかわいく見えるけど、同年代から見ると、ドン引きされるだろうなって言動が多かったですね(笑)。牛乳を鼻から吸って目から出して、すげーだろって言われても、ちょっとキツいですよね(笑)。今の自分が見たら、それもかわいいんですけど。でもみんなイケメンだし、モテてるんだろうなって思います。逆に後藤田駿は完璧な人間だなって思います。高校生でこんな子がいたらすごいですよ。
――石川さんが個人的に好きなキャラというと?
石川 選べないなぁ。みんな平等な目で見てしまう…。
――では、絵的に好きなのは?
石川 時夫(古田時夫)のちょっと前髪長い感じが好きですね。影がある感じがいいです。
――それぞれの残念な部分についてはどう思います?
石川 亜紀くん(佐橋亜紀)の残念な部分(人間そのものに興味が持てない)って、わりと違う方向から見るとかっこいいということに繋がるような気がするんです。高校という閉じた空間ではモテないかもしれないけど、違う場所だったり違う年齢の人が見たら、みんなそれぞれ、残念なところも好きになってもらえるポイントになるんじゃないかなって。
――アフレコでのディレクションでは、どんなことを言われましたか?
石川 お嬢様で世間知らずだから、周りから少し浮いててほしいということで、会話としては掛け合っているけど、どこか噛み合ってないというか。お互い一方通行な感じにしたいとおっしゃってたんです。それが難しくて。普段は人のセリフを聞いて、自分がどうセリフを発するかを考えるんですけど、ホリコは見た目や喋っていることが普通な子なだけに、そのチグハグ感を出すのが難しかったです。
――しかもこの濃いキャスト相手だと、掛け合いたくなりますよね。
石川 そうなんですよ。皆さんもすごく掛けてくださるから聞いちゃうんですけど、それをいかに自分の中で完結させるかっていう。もしかしたら下手に聞こえちゃうのかもしれないなって思う部分もあったりして、どのくらいがいい塩梅なんだろうって探りながら。
――監督のこだわりだったんですね。
石川 掛け合わないというのは最初の頃、何度もディレクションいただいて調整していったので、キャラクター一人ひとりに対する演技のイメージもしっかり持っているんだなって。でも、あえて浮かせるとか、掛け合わないようにするにはどうすればいいのかなって考えることは、すごく楽しかったです。
――アフレコの雰囲気自体はいかがでしたか?
石川 メインキャスト以外の方もほとんど揃ってのアフレコだったので、人数は多かったです。その中で富園力也くんはテレビの企画で選ばれた子で、アフレコ初挑戦だったんです。それ以外の方は共演したことがある方々だったので、私自身もすごくやりやすかったんですけど。
――富園さんはいかがでした?
石川 緊張されてましたね。一生懸命ディレクションに応えようとしていたり、キャストのことを事前にインターネットで調べて、自分との共通点を探して話題を作ってきてくれたり、それがすごくかわいいなと(笑)。松岡さんなんかは富園くんにお芝居のお話をしていたり、私も自分の初めてのアフレコのことを思い出したりしてました。
――何かアドバイスをしたりは?
石川 そんなにできなかったですけど、隣の席だったので、普段はどういうことをしているんですか?って聞いたり。
――そのネットの情報、間違えてるよって言ったり?
石川 あっ!出身地の話を振ってくれたのですが、実は生まれただけで、私はほとんど住んでなくて……全然話が膨らみませんでした(笑)。逆に何が有名なのか教えてって聞いたりしてました。
――ちなみに座長は誰だったんですか?
石川 みんなで譲りあってましたよ。今回はお前だろう!みたいな感じで。斉藤壮馬くんなのか、梅原裕一郎さんなのか、みたいなやり取りをしてましたね。「モテメン甲子園」に向けて、ファイト!オー!みたいな感じのところを、男子みんなでどう言おうかって話し合いをしていたのが面白かったです。ワチャワチャ感が高校生っぽいなぁと思って。
――では最後に、どんなふうにこの映画を観に来てほしいですか?
石川 ライトな気持ちというか、あまり気負わずに、「かっこいい男の子を観に行こう」みたいな軽い気持ちで観にきていただければいいのかなと思います。そしてそんな中にキラキラしたものだったり、男の子たちの成長が見られると思うんです。なのでまずは楽しんで観ていただけたらうれしいです。そしてそれぞれのキャラクターがこのあとどうなったんだろう、と想像しながら楽しく帰っていただけたらうれしいですね。
Interview & Text By 塚越淳一
●作品情報
『キミだけにモテたいんだ。』
10月25日公開
【STAFF】
監督:久藤瞬
脚本構成:岡田麿里
キャラクター原案:ヤマコ(HoneyWorks)
脚本:岡田麿里 和場明子 樋口七海
キャラクターデザイン:まじろ
モニターグラフィックスデザイナー:松根マサト
音楽:深澤恵梨香
美術監督:峯田佳実
色彩設計:田中美穂
3D ディレクター:中島竜生
撮影監督:杉山大樹
編集:本田優規
音響監督:えびなやすのり
アニメーション制作:SIGNAL.MD
企画協力:Vizm
製作:「キミモテ」製作委員会
配給:東宝映像事業部
【CAST】
古田時夫:斉藤壮馬
葦田茂一:内山昂輝
戸島幸太郎:富園力也
佐橋亜紀:松岡禎丞
後藤田駿:梅原裕一郎
堀ノ宮早紀子:石川由依
司会:梶 裕貴
入場者プレゼント決定!
劇場でしか手に入らない、入場特典が決定いたしました。
キャラクター原案 ヤマコ(HoneyWorks)描き下ろしSDキャラクター
シークレット缶バッジ
※サイズ:57mm
※1回のご鑑賞、入場者お一人様につき1つ差し上げます。
※絵柄はお選びいただけません
© 2019「キミモテ」製作委員会
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