早くもセカンドミニアルバムが完成!寺島惇太『JOY source』インタビュー

声優として『KING OF PRISM』の一条シンや『アイドルマスターSide M』の大河タケル、『ツキウタ。』の藤村 衛に『A3!』の御影 密など、数多くの作品でキャラクターソング、そしてアイドルソングを歌ってきた寺島惇太が、ひとりのアーティストとしてデビューしたのが今年3月のこと。アグレッシブなロックンロールを歌い上げたミニアルバム『29+1 -MISo-』に続くセカンドミニアルバム『JOY source』が完成した。ライブ感に満ちたサウンドから響く力強いボーカルが、早くもアーティストとしての“持ち味”となりつつある寺島に、今作に込めた想いを聞いた。

──今年3月にアーティストデビュー。ミニアルバム『29+1 -MISo-』をリリースされましたが、こちらの反響はいかがでしたか?

寺島惇太 寺島惇太を応援してくれる人たちが「聴いてくれ!」と強めの布教活動をしてくれたみたいで、今まで僕を知らなかった人も聴いてくれた、という話を耳にもしましたし、これまでのキャラクターソングとは歌い方も発声も違うこともあって、かわいい歌声のイメージを持っていた人たちからは「こんな歌声もあるんだ」と感じてもらったりもしたみたいです。カッコいい声が好きです、という声も聞こえてきたのが良かったな、と思いました。

──それこそアイドルソングも含めてこれまでキャラソンでは様々なジャンルの楽曲を歌ってこられていますが、ことひとりのアーティスト・寺島惇太として歌うものがロックだったのはどうしてだったんですか?

寺島 単純に好きなんです。普段からだいたいロックしか聴いていなくて、あまりおしゃれな曲とかも聴かなくて。バンドサウンドばかりを聴くのはもうここ20年くらい変わらない部分でもあるので、自分がソロアーティストとして歌うならロックがいいなと思いましたし、普段のキャラソンの仕事ではロックっぽい曲をあまり歌わないんです。ロックじゃない曲はキャラとして歌えるので、自分として歌うのなら今まで歌っていないこともあってロックがいいなって思いました。

──バンドサウンドはどんなところがお好きですか?

寺島 やっぱり、ドラムの音やベースのフレーズが内臓に響く感じがいいですよね。ライブハウスとかで聴いていると、身体の奥からアガってくる感じがたまらないです。

──そうして制作されたデビューミニアルバム『29+1 -MISo-』はご自身の中でどんな1枚でしたか?

寺島 本当にバラエティ豊かになった感じがあります。こういう曲も、こんな曲もできますよ、と届けていく「寺島惇太」のカタログというか。アーティストとしてこういう方向に行きますよ、というのをわかりやすく曲で並べた1枚かなという感じがしています。

──そして、完成したばかりのセカンドミニアルバム『JOY source』はまさにライブハウスで聴いているような雰囲気ですよね。

寺島 そうなんです。1枚目のミニアルバムと今回の新しいミニアルバムと、トータルした12曲でライブをやるときのセットリストを考えたんです。それで1枚目だけでは足りないパーツを付け足していったのが、セカンドミニアルバムですね。1枚目で見せた「寺島惇太」の幅に肉付けをしたり、1枚目でわかりやすく提示した部分をさらに補足するような、「ちなみにこういう曲も出来ます」というのを表現したつもりです。

──『29+1 -MISo-』を作っていたときに『JOY source』の青写真も描いていた?

寺島 それはなんにも!まったくなかったですね(笑)。本当にそこまで考えられてはいなかったです。

──ではセカンドミニアルバムを作りましょう、というお話になったときにはまずどんなことが浮かんでいましたか?

寺島 発売するのが10月というのは決まっていたので、秋っぽさを出したいと思いました。ファーストミニアルバムが春から夏の時期のことを描いた楽曲群なので、今回のミニアルバムでは秋から冬にかけてをイメージしようと。とはいえ、そこまで露骨に季節感を出したものではないんですけれど、そういうものをイメージして制作に入っていった感じですね。

──ファーストミニアルバムでセットリストを組んだどきに足りないパーツが今回の新曲たち、というお話をされていました。「ライブのときにこれが必要」と思ったのはどんな雰囲気だったんですか?

寺島 序盤ではバーッと盛り上がって、中盤でちょっとみんなが緩い気持ちで聞けるものもありつつ、手を振ったりペンライトを振るのを一度やめてじっくり聴き入ってもらえるような曲もあって、終盤に向けてさらに加速して楽しくライブを終えられる。そんなライブがしたかったので、6曲では足りないなと感じていましたし、1枚目で盛り上げるような曲もあるんですが、もっとそのパートの層を厚くできるような曲が欲しいな、とか。「道標」や「re-Play!」があると序盤がきっと盛り上がるけど、あともうひとつ!という部分で「UP↑DAYS!」を入れたり。新曲の「スカーレット」は聴かせる曲ですが、1枚目の「actor(s)」も聴かせる曲ではあるけど、僕の作詞作曲のナンバーでもあるので聴く方も歌う方もカロリーが必要なだけに、「スカーレット」は恋愛の歌詞で、自分を切り売りせずに歌えるんですよね。

──「actor(s)」とは違う?

寺島 「actor(s)」は「俺の歌を聴けーーーーー!」という空気があるんです(笑)。「スカーレット」は僕の気持ちを重ねつつも歌詞に描かれた主人公を演じるように歌う、という感覚もあって、パフォーマンスに集中できますし、聴く方も自分の過去の恋愛と重ね合わせたりして聴けると思うので、そういう意味でもしっとりした2曲ではあるんですが、違ったテイストで作ることができました。

──制作にあたっては打合せの段階で「こういう曲が欲しい」「こういう世界観が必要」といったものは寺島さんの方からご提案を?

寺島 結構、提示もしていただきました。サウンドプロデューサーの赤堀眞之さんと相談をしながら「ライブをやるならこういう曲も欲しいよね」とか話をしていって、ふたりで動画サイトを見たり、僕の普段聴いている楽曲リストの中からテイストを探っていったりして決めていきました。

──そうなるとかなり多くの部分でご自身のアイディアや音楽の嗜好が投影されたものになっているんですね。

寺島 そうですね。楽曲の制作についてはもちろんお任せしていますが、前段階については僕の意見をすごく汲んでくださいました。歌詞の面でも「こういう感じのものを歌いたい」というテイストを伝えたり、出来上がったものを聴いて、歌ってみて、微妙に歌いづらい箇所やなんとなく音のハマりに違和感のあるところを相談してスタジオで変えたり、自分の言葉にしたりもしました。

──非常にクリエイティヴな制作だったんですね。

寺島 いえいえ。美味しいところだけのっかっているような感じです(笑)。8割方作ってもらって、最後にちょいちょい、と七味だけをかけるように。

──実際に完成した楽曲を、ご自身として歌われていかがでしたか?キャラソンとは違う、寺島惇太というひとりのアーティストとして歌われましたが。

寺島 わりと1枚目で歌ったときに、なんとなく、徐々にではあるんですが出来てきていたので、今回は歌い方で悩んだのは「スカーレット」くらいでした。それ以外はイメージ通りに歌えたなと思います。

──最初はやはり悩まれたんですか?

寺島 ファーストミニアルバムを作る前段階では、「寺島惇太」としての歌い方についてはよくわからなかったんですよね。結局、誰かの歌い方の真似をしてしまうんです。ずっといろいろと音楽を聴いてきているから、「この曲ならこういう歌い方」ということを曲のテイストに合せて無意識にやってしまっているところがあって。そこを意識的に弱めていく。「誰かっぽさ」を消していくことでその悩みについては解消していった感じでした。プロデューサーの赤堀さんからは、歌い方のニュアンスとか雰囲気をディレクションで出してもらったんですね。「今は優しく歌っているけど、もうちょっと強めにしようか」とか。それに技術的なことも結構、言ってくださるんです。「今はすごくいいリズムで歌っているけど、今度はちょっとリズムを気にしないで枠の中で歌ってみよう」とか。それはすごく難しかったんですよ。僕の場合は点でリズムを合わせていたので、決められたテンポで「1、2、3、4」とリズムを刻んでいたんですけど、赤堀さんはその1から4までのあいだに収まればいいからその中で好きに歌ってみよう、というか。敢えてズラしてボーカルを際立たせるというアーティストさんが普段からやっているような歌い方を教えてもらいました。逆に機械的な曲はちゃんと合わせた方がよくて。テクノポップはきちんと合わせたら気持ちよく聴こえるけど、僕が歌うロックな楽曲は敢えてリズムを崩して歌うことで力強さや面白さを生むことを教えてもらったことで、セカンドミニアルバムではそれを思いっきり実行することができた気がします。

──それもあってか、人間味のある、泥臭いくらいの楽曲に仕上がっていますね。

寺島 そうですね。そこは意識しました。

──でもその中に於いても「スカーレット」はご苦労をされたということですが。

寺島 今作を作りだして、最初に「UP↑DAYS!」を録って、次に録ったのが「スカーレット」だったんです。「UP↑DAYS!」は元気に勢いよく歌う感じだったんですが、逆に「スカーレット」は技術も必要だし、勢いでごまかすことのできない曲でしたし、こういうタイプの楽曲は1枚目にはなかったのもあって苦労しました。

──でも楽曲のタイプを大きく分ければ「actor(s)」とも通じるように感じます。

寺島 「actor(s)」は自分で作詞作曲をしているから、最初から歌い方にしてもここを盛り上げたいというポイントも自分でわかっているんですけど、「スカーレット」は作詞も作曲も別の方にお願いした曲なので、いちから自分の中で歌い方を作っていかなければいけない。作曲家さんと作詞家さんがこの曲をどういう気持ちで作ったんだろう、という考察から入らなければいけないから「う~~ん」と唸りながら、自分自身の表現を探していきました。最初はすごく感情的に歌っていたんですよ。でもこの曲は受け取った人たちの感情を動かしたい曲だな、とも感じたので、最終的には感情を抑えて、ニュートラルに歌うようにしました。

──その「スカーレット」はMVも制作されていますが、いかがでしたか?

寺島 これは1日で撮ったんですけど、結構、いろいろな場所に行きました。メリーゴーランドでのロケもあって、楽しかったです。ただ、夏に撮影をしたので、格好自体は暑かったのが思い出です。あとはお芝居をする場面もあって、そこはちょっと恥ずかしかったですね(笑)。

──そして今回もご自身で作られた楽曲も収録されています。

寺島 「JOY」ですね。この曲は苦労をして作った、という感じではなかったんです。作詞は大変だったんですけど、楽曲自体はわりとすんなりと出来ました。アルバムの収録曲を決めていくなかで、楽曲のコンセプトである「軽い気持ちで聴ける、癒しになるような1曲」という部分を自分の曲で担おう、ということでしたし、そんな役割のある曲をコンセプトを元に作ることは初めてだったんです。「actor(s)」は特に何も決まり事のない状態で、なんとなく自分で作って、気づいたら結構壮大な曲になっていた、という状況だったんです。だけど今回はアルバムのコンセプトがあって、その中で自分の作詞作曲の楽曲は軽いノリの曲に、ということが決まって。秋っぽさも入れたいな、と思いながら作っていきました。ただ、作詞は本当に大変だったんです。

──どのような部分が?

寺島 実はレコーディングの日を知らなかった。

──えっ!?

寺島 5日後くらいにレコーディングがあるっていうタイミングで「この日って僕の作詞作曲したものもレコーディングするんでしたっけ?」ってなんとなく聞いたら「そうだよ。作詞は順調?」って声が返って来て。「あー、ちょっと行き詰ってます……」って答えたんですけど、行き詰まるもなにもなにも考えてないって状態だったんです(笑)。まだ先だと思っていたから、大慌てで。「ヤバい!」って仕事の合間にも考えるんですけど、なにも降りてこない。ようやく収録の直前に休みがあったので、朝から考えていたのにやっぱりなにも降りてこなくて。「明日、収録なのにどうするの!? これ」って思ったけど、もう悩んでも仕方ないからしょうがなくパチンコに行って、パチンコしながら降ってくるのを待っていたんです。でも全然当たらなかったので、そのあいだに携帯で作詞のメモをしていって。ひと通り、プロトタイプが出来たところで当たりが来たので(笑)、満足して家路について、家で改めてプロトタイプを見ながら書きあげました。そのときは「JOY」というタイトルではなくて、「グズのうた」だったんです(笑)。実は3、4年前にじょんさんとWAOOONというユニットを組んでいたときに作りたいって言っていたのが、「男なんて実際はカッコいいどころか情けないものだ」みたいな曲で。じょんさんが忙しくて出来なかったその曲のことを思い出して、そのテイストをここで描いたんです。「明日収録なのにパチンコしてる僕って、ダメだな」ってなっている現状をありのまま書きました。なんだったら「actor(s)」よりも等身大かもしれないです(笑)。もう、飾っている暇もなかったですから。

──それはぜひチェックしてもらいたいですね。そんなミニアルバム『JOY source』ですが、どんな寺島惇太さんが詰まっているとお感じになりますか?

寺島 1枚目のときよりも2枚目では制作についても慣れていたこともあって、曲に対してのアプローチもスタジオでセッションしながら、相談をしながら作ることができました。よりどっしりと構えて収録に向き合えたこともあって、ありのままの自分を込められたと思います。歌という手段で発信をすることがアーティストであることを改めて感じましたし、自分の世界観をここからもっと色濃く作っていきたいです。

──これでようやくワンマンのセットリストが組めるようになりました。この先に待つライブではどんなことをしたいですか?

寺島 ショウとして、ライブとしてひとつのエンターテイメントを作っていきたいと思っています。多分、バンドを背負わせてもらうことになると思っていますので、今までカラオケ音源で歌うことも多かったですが、全然違うものになると思います。会場も演者も盛り上がることでのライブならではの楽曲の変化もあると思いますし、それも新たな経験として味わっていきたいです。それとMCでみんなを盛り上げること。人生に於いて先頭に立って盛り上げることをやってこなかったので、寺島惇太のMCを確立していきたいですね。いろんな人のライブステージを観て、勉強したいです。無理しているように映らないように(笑)。アーティストとして様になったパフォーマンスをしたいです。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
ミニアルバム
『JOY source』
【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:NEZA-90030/31
価格:¥2,500+税

【通常盤(CD)】

品番:NECA-30353
価格:¥2,000+税

<CD>
1.名もなき花
2.UP↑DAYS!
3.スカーレット
4.ベル
5.ノイズ
6.JOY

<DVD>
「スカーレット」ミュージックビデオ
ミュージックビデオ撮影メイキング映像

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