コンセプトは「Power of Smile 2019」? “THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops!” 幕張公演DAY1レポート

「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブイベント“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops!”DAY1が2019年9月3日、幕張メッセにて開催された。

ツアーの開幕を告げる千葉公演“Comical Pops!”には関裕美役の会沢紗弥、一ノ瀬志希役の藍原ことみ、白菊ほたる役の天野聡美、双葉杏役の五十嵐裕美、佐々木千枝役の今井麻夏、白坂小梅役の桜咲千依、藤本里奈役の金子真由美、南条光役の神谷早矢佳、橘ありす役の佐藤亜美菜、中野有香役の下地紫野、堀裕子役の鈴木絵理、喜多見柚役の武田羅梨沙多胡、久川凪役の立花日菜、難波笑美役の伊達朱里紗、椎名法子役の都丸ちよ、久川颯役の長江里加、乙倉悠貴役の中島由貴、龍崎薫役の春瀬なつみ、渋谷凛役の福原綾香、佐久間まゆ役の牧野由依、 諸星きらり役の松嵜麗、安部菜々役の三宅麻理恵、鷹富士茄子役の森下来奈、姫川友紀役の杜野まこ、大槻唯役の山下七海、城ヶ崎莉嘉役の山本希望、城ヶ崎美嘉役の佳村はるかが出演した。

異例の平日開催となったツアー開幕日。事務員千川ちひろから語られたライブテーマを示す言葉は“お城から一歩踏み出したアイドルのコミカルでポップな姿”。会場に足を踏み入れたプロデューサーは、その特異な会場構成に驚いたはずだ。

会場奥のメインステージからはYの字の花道が伸び、花道の分かれ目にセンターエリア(ステージ)が設定されている。二股に分かれた花道は会場のサイドまで続き、終点には上手に「スターステージ」、下手に「ハートステージ」のサブステージがある。会場内に都合4つのステージエリアが存在するのである。

ライブは全員で歌う「Vast world」からスタート。昨年の台湾公演 “THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Initial Mess@ge”と結びついたイメージが強い楽曲が、全国を巡るツアーのオープニングとして新生した。4列の隊列を組んでの披露で、ステージに27人のシンデレラたちが並ぶ姿は壮観だ。続いてはこのライブを象徴する楽曲「comic cosmic」。4つのステージと花道をいっぱいに使ってライブが展開されるため、会場のエリアによって、どのアイドルが近くに来るかが変わるドキドキがある。

曲間には「リアル・シンデレラガールズ劇場」として、アイドルたちが生ドラマを演じるコーナーがあった。“Comical Pops!”のタイトルらしく、笑いをテーマにしたコミカルな内容が目立った。

ツアー開幕公演ということで、2日目のセットリストがどの程度変化するか読めない部分もあるので、ここからは初日気になった楽曲や人物、テーマをピックアップしながら紹介していく。

LOVE☆ハズカム(金子真由美)

金子真由美演じる藤本里奈が、初めてソロで楽曲を披露。「LOVE☆ハズカム」はコミック「アイドルマスター シンデレラガールズ WILD WIND GIRL」から生まれた楽曲だ。かわいくポップな楽曲は今回のライブテーマにもぴったり。一曲の中にもはにかむような表情、落ちサビのしっとりとした表現、後半で力強さを増す明るく伸びやかな歌声など、藤本里奈というアイドルの様々な一面を感じることができた。ソロ初体験に金子は「(ソロは)緊張するんだね、びっくりした」と初々しく語っていた。

“久川姉妹”ユニットmiroir(ミロワール)が初登場

久川凪と久川颯の双子ユニット・miroirが「シンデレラガールズ」ライブに初登場。久川凪役の立花日菜と久川颯役の長江里加は、リアル・シンデレラガールズ劇場にコントのような出囃子と共に登場。ステージで明るく大騒ぎするスカート姿が颯(はー)、ローテンションで独特の世界を展開するショートパンツスタイルが凪(なー)だ。2人はコントのようなテンポの良い掛け合いトークを名刺代わりに披露した。

ユニット曲「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」では立花が独特のトーンでメールを読みながらステージに登場。元気いっぱい! なキュートさと浮遊感のある長江のパフォーマンスと、淡々とした特有のテンポでラップを展開する立花のパフォーマンスは全く色が違うが、ぴったり揃ったダンスや、ラストにふたり揃っておすまししたキメは双子らしくシンクロしているのが面白い。ふたりはこの日のためにたくさん自主練を重ねてきたそうだ。

個人的に印象的だったのが「Orange Sapphire」での立花。久川凪としてのニュートラルな表情と、楽しくて仕方がない笑顔がこぼれてしまう感じを行ったり来たりする感じがくるくるめまぐるしく、記憶に残った。

城ヶ崎姉妹の「Twin☆くるっ☆テール」

一方、山本希望と佳村はるかが演じる「城ヶ崎姉妹」はシンデレラガールズ姉妹界の古参だ。姉妹並んでポップに「Twin☆くるっ☆テール」を披露すると、ハイタッチをかわして一緒にジャンプ! 妹山本が衣装の一部の? カブトムシを見せつけ、姉佳村がカブトムシから逃げ出してセンターステージまですっとんでいく。そのままふたりしてカメラにぐいぐいアピールするコンビネーションが抜群だ。最後はふたり揃って大きなハートを空中に描きだしたのだが、そこからまたカブトムシを巡るわちゃわちゃが再開。本当に仲がよく微笑ましい2人だった。

投手渋谷凛vs打者姫川友紀

メインステージに姫川友紀役の杜野まこがバットを構えて登場。センターステージでスポットを浴びるのはピッチャー・渋谷凛役の福原綾香だ。一打逆転の場面で杜野が放った打球は、快音と共にスタンドに吸い込まれていった……というのは、杜野の「気持ちいいよね 一等賞!」の定番シチュエーションだ。今回は下地紫野と武田羅梨沙多胡がとびっきりキュートなチアガールに扮して登場。チア応援合いの手の中で武田が杜野に抱きついたり、下地が正拳突きで応援したりと個性を見せた。3人がダンサーと一緒になって見せたラインダンスはライブを華やかに彩った。

ウィーアーセクシーギャルズ!

藤本里奈(金子真由美)、大槻唯(山下七海)、城ヶ崎美嘉(佳村はるか)というギャルっぽい個性のアイドル3人によるユニット「セクシーギャルズ」が、完全初披露の新曲「Gossip Club」をサプライズ披露した。スタイリッシュさとセクシーさを前面に出した楽曲で、順番にキメていくパートでぺろっと舌を出して見せる佳村の姿はまさにカリスマという感じ。センターポジションの山下の曲線的にうねるようなソロの歌声も印象的だった。アイドルらしいかわいさの中に、表情、ビジュアル、歌声の全てで真っ向勝負のセクシーを織りこんできたのには驚かされた。「ウィーアー、セクシーギャルズ!」。

橘ありすの背中

今回ライブが行なわれた幕張メッセ9-11ホールは、4年前に“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会 -Power of Smile-”が行なわれた会場だ。4年前のその日、「in fact」をソロで披露した佐藤亜美菜は、今回ふたたび「to you for me」でソロの歌唱を披露した。座席の妙で、前回も今回も彼女の背中を見つめる時間が長くなった。4年前の彼女がふるえながらも強く、何かに立ち向かうように大会場に挑んでいた姿が記憶に残っている。

今回の彼女は、どうだっただろうか。歌い進めるうちにその歌声と表情には、涙の気配が濃くなる。その感情の昂ぶりと揺れをありのままにさらけだしながら、佐藤亜美菜は最後まで踏ん張って歌いきった。全てをさらけだした彼女は、4年前と比べてどう変わったのだろうか。強くなったのか、あるいは弱くなったのか。4年前の佐藤にはたった一人で何かに立ち向かう気高さを感じたが、今日の彼女の向こう側には、彼女を支える人たちの存在が見えた気がした。いずれにしても、2日目は笑顔の佐藤亜美菜と橘ありすが見られたら嬉しいと思う。

あんずのうた(五十嵐裕美×三宅麻理恵)

双葉杏(五十嵐裕美)と安部菜々(三宅麻理恵)、シンデレラガールズを代表する電波ソングの担い手が、その路線の原点である「あんずのうた」で共演した。五十嵐の持ち歌であるこの楽曲で、フィフティフィフティの存在感で入っていける限られたアイドルのひとりが三宅である。三宅がテンポよく「むりむり!」のような合いの手を入れるたびにカメラが五十嵐から三宅にカシャッと入れ替わるスイッチングが見事の一言。途中で花道を分かれた2人は、スターステージとハートステージに立つと「という、夢を見たんだ」「きゃはっ☆」と息ぴったりのキメ。2日目はウサミンのターンと見るが、どうなるだろうか。

Radio Happy(山下七海)

今回の千葉公演を振り返った時、ギャルアイドルたちの活躍はとても印象的な要素であり、その中でもアイドルとしての山下七海の存在感は特筆すべきものがあったと思う。ダンサーたちを従えてセンターステージに登場した山下は、いわゆる“Choo Choo TRAIN”のぐるぐるムーブを披露。彼女が耳元にぴっと手を添えると、すかさず会場のシンガロングが応えていく。その動き、表情ひとつで万の観衆を魅了しているようだった。ハイ! と声を上げてくるっと回って投げキッス。動き、表情のひとつひとつがあまりに鮮やかなアイドルだった。

楽園(会沢紗弥)

会沢が歌う「楽園」は、1年前に群馬で開催された“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SS3A Live Sound Booth♪”でのライブとセットが見たい表現だった。緊張をたたえて、涙をこらえて、はかなく、強く歌いきった1年前の会沢紗弥。それがこの日は、「プロデューサーさん、私の笑顔、ちゃんと見ててね!」と力強く宣言して、華やかで強い笑顔と共に「楽園」を披露した。その姿は自身と、歌う喜びに満ちあふれていて。「あなたに向けて」のフレーズでは花の咲くような笑顔とともに、ぱちりと音のしそうなウィンクを見せた。「あなたとふたり」では、はにかむような笑顔を見せた。見ている側まで幸せになるような、それは確かに楽園の笑顔と歌声だった。

初ライブの言葉

「ほたるちゃんが見たかった景色はこんなにあったかいんだって知ることができて幸せです」(白菊ほたる役天野聡美)
「なぎとはーちゃんと一緒の初舞台、とても楽しかったです」(久川凪役立花日菜)
「ちょっぴり間違えましたがはーちゃんはめげないと思って、楽しく完走できました」(久川颯役長江里加)

シンデレラの舞踏会 -Power of Smile-

両サイドにサブステージがあり、歌やライブだけでなく、お笑いや、アイドルたちの個性や笑顔を見せることを大切にしたイベント。今回のライブを見て思い出したのは、TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」第25話「Cinderella Girls at the Ball.」で描かれたライブの世界だ。今回の会場となった幕張メッセ9-11ホールは4年前に“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会 -Power of Smile-”が開催された会場だが、今回のライブはアニメ「シンデレラガールズ」の世界でプロデューサーが夢見たステージにより近い内容になっていたと思う。

今回のライブを見る、見た人は、できればアニメ「シンデレラガールズ」第25話を見返してみてほしい。そこには、まだ声がなかった時代の南条光が映し出されている。今回、ヒーロー大好きなアイドルとして「リアル・シンデレラガールズ劇場」で活躍し、「TAKAMARI CLIMAXXX!!!!!」で躍動する神谷の姿は、アニメにちょっとしたサービスとして挿入された夢の光景に、現実のライブが追いついた瞬間だった。そして、4年前の現実の3rdLIVEでは完全に再現するには至らなかった“お笑いを武器に頑張るアイドルたち”の姿をステージで表現していたのが難波笑美役の伊達朱里紗だったと思う。

ライブ本編を締めくくった楽曲は「M@GIC」。「シンデレラの舞踏会 -Power of Smile-」を象徴する楽曲だ。だが、「この幸せがずっと続きますように」と祈った森下は、アニメ以後に「シンデレラガールズ」に加わった仲間だし。「がんばりやでしょ!」のフレーズに合わせて、むん! と全身でがんばりを表現する武田羅梨沙多胡という存在もまた、アニメ以後にシンデレラの世界に加わった個性だ。2019年の「シンデレラガールズ」チームが「Power of Smile」というコンセプトを継承して作り出した最新のエンターテイメントが、今回のライブなのではないだろうか。

Text By 中里キリ

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops! DAY1
2019.09.03.幕張メッセ9-11ホール セットリスト

M01:Vast world(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M02:comic cosmic(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
M03:ハイファイ☆デイズ(今井麻夏・神谷早矢佳・伊達朱里紗・都丸ちよ・春瀬なつみ)
M04:サイキック!ぱーりーないと☆(鈴木絵理)
M05:きゅん・きゅん・まっくす(藍原ことみ・会沢紗弥・下地紫野・都丸ちよ・中島由貴)
M06:なつっこ音頭(佐藤亜美菜・伊達朱里紗・春瀬なつみ・森下来奈・杜野まこ・山本希望)
M07:LOVE☆ハズカム(金子真由美)
M08:Halloween♥Code(藍原ことみ・桜咲千依・中島由貴・三宅麻理恵)
M09:ドレミファクトリー!(今井麻夏・神谷早矢佳・佐藤亜美菜・春瀬なつみ)
M10:Twin☆くるっ★テール(山本希望・佳村はるか)
M11:気持ちいいよね 一等賞!(下地紫野・武田羅梨沙多胡・杜野まこ)
M12:あんきら!?狂騒曲(五十嵐裕美・松嵜麗)
M13:O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!(立花日菜・長江里加)
M14:秘密のトワレ(藍原ことみ)
M15:Gossip Club(金子真由美・山下七海・佳村はるか)
M16:to you for me(佐藤亜美菜)
M17:君への詩(会沢紗弥・藍原ことみ・福原綾香・牧野由依)
M18:キミのそばでずっと(天野聡美・森下来奈)
M19:あんずのうた(五十嵐裕美・三宅麻理恵)
M20:Kawaii make MY day!(下地紫野・立花日菜・都丸ちよ・長江里加)
M21:Radio Happy(山下七海)
M22:Blooming Days(今井麻夏・桜咲千依・福原綾香・森下来奈)
M23:楽園(会沢紗弥)
M24:明日また会えるよね(天野聡美・春瀬なつみ・福原綾香)
M25:TAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!(神谷早矢佳・鈴木絵理・武田羅梨沙多胡・杜野まこ・山下七海)
M26:SUN♡FLOWER(会沢紗弥・五十嵐裕美・金子真由美・牧野由依)
M27:秋めいて Ding Dong Dang!(武田羅梨沙多胡・伊達朱里紗・松嵜麗・山下七海)
M28:Orange Sapphire(天野聡美・神谷早矢佳・立花日菜・長江里加・森下来奈)
M29:サマカニ!!(鈴木絵理・武田羅梨沙多胡・伊達朱里紗・中島由貴・福原綾香)
M30:LOVE & PEACH(会沢紗弥・藍原ことみ・五十嵐裕美・佐藤亜美菜・下地紫野・都丸ちよ・春瀬なつみ・福原綾香・松嵜麗・山下七海)
M31:無重力シャトル(五十嵐裕美・今井麻夏・桜咲千依・金子真由美・牧野由依・松嵜麗・三宅麻理恵・杜野まこ・山本希望・佳村はるか)
M32:M@GIC☆(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
-encore-
EN1:TRUE COLORS(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
EN2:お願い!シンデレラ(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

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