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INTERVIEW

2019.09.04

最新アルバムにはかわいいゆいにゃんが満載!? 榊原ゆい『Emotion』リリース記念インタビュー

最新アルバムにはかわいいゆいにゃんが満載!? 榊原ゆい『Emotion』リリース記念インタビュー

今年4月にアコースティックアルバム「LOVE×Acoustic Vol.1」を発売。これまでとは異なるアプローチに新鮮さを感じていたのも、つい最近のこと。その余韻が残るなか、榊原ゆいは8月28日に最新アルバム「Emotion」をリリースした。2017年-2019年に制作した楽曲を中心に、最近の榊原ゆいの音楽的な傾向の見える曲たちをセレクト。さらに、書き下ろし曲として「Love☆Emotion」も収録。ワークス的なアルバムでありながら、榊原ゆいの最新のモードもしっかり投影した作品に仕上がっている。自身の誕生日である10月13日(日)には、横浜ランドマークホールを舞台に“Happy★LOVE×Live2019”と題したバースデーライブも行う。ここでは、最新アルバム『Emotion』の話を中心に伺った。

ここ最近はストレートな応援歌が多かったので、久しぶりに「かわいい」に挑戦してみようと

――最新アルバム『Emotion』がリリースされました。前作(『LOVE×Acoustic Vol.1』)から4か月という短いスパンですが、どのようなアルバムになりましたか?

榊原ゆい 今回は、定期的にリリースし続けている作品と同じ流れで、主に2017年から2019年にかけて制作した楽曲を集めたワークスアルバムのような1枚になっています。そこにアルバムの顔となる新曲の「Love☆Emotion」を書き下ろしで収録しました。ただ定期定期にリリースしているぶん、ビジュアル面も含め、どういう見せ方をしていくかは悩んだところでしたね。

――そこで選んだスタイルが、「かわいい」だったわけですね。

榊原 そうです。これまでは攻めた姿勢を見せたアルバムが多かったこともあって、久々に「かわいい」を押し出してみたいなと思って。というのも、新作を制作するにあたり、みんなが榊原ゆいのどういう楽曲を聴いているのかをリサーチしたところ、人それぞれとはいえ「かわいい」楽曲や「甘いラブソング」を好んでいる人たちを多く目にしました。それこそ、数年前の姿なのに「今でも、それを好きで聴いてくれてるんだ」「かわいいゆいにゃん(=榊原)が好きなんだ」という傾向が見えてきて。ここ最近はストレートな応援歌が多かったので、わたしも久しぶりに「かわいい」に挑戦してみようと思いました。ファンたちは受け入れてくれるという確信はありながらも、オリジナル曲では最近かわいい系を表現する機会が少なかったことから、私自身は「大丈夫かな?!」と思いながらの挑戦でもありました(笑)。

――新曲の「Love☆Emotion」では、甘えた感じの歌い方も示していますよね。

榊原 ゲーム関連など、いわゆる作品を絡めたうえでの恋愛ソングは歌い続けていて、二次元の世界を彩るうえでかわいらしい歌い方は今もしています。だけど今回はオリジナルでラブソングを歌うことになるので、三次元寄りと言いますか、リアルな感覚でラブソングを歌おうと思いました。しかも、二次元の恋愛ソングで表現しているような全体的に甘い感じではなく、楽曲も歌い方もちょっとドライなんだけどポイントごとに甘く歌うなど、甘すぎずに爽やかさも示す形を取りました。わたし自身どうしても癖で甘く歌いそうになるんですけど、「ここは甘く歌うところじゃない」など、その辺は気をつけながら表現しています。

――甘さ盛り盛りにはせず、ポイントごとに甘い感じを用いたところが「Love☆Emotion」の聴きどころになっているわけですね。

榊原 そうです。盛り盛りに甘いラブソングは、作品の主題歌などを通して表現しているので、オリジナル曲ではダンサブルな要素も加えるなどアレンジ面でも違いを出しながら、甘さの塩梅を考えて作りました。

――新作アルバムを作るうえでどういう新曲を入れるかは、ゆいさん自身いろいろ考えていることなんですよね。

榊原 そこは、とても大事なことです。だって、それがアルバムの顔になるわけですから。同時に、そこが毎回の悩みどころ。もちろん、自分の表現したい楽曲やビジュアルイメージもありますけど。作品を出す以上、皆さんに喜んでもらいたい。だからこそ、今回はとくにみんなの意見を取り入れて、リサーチしながら想いを汲み取ったうえで「かわいい」を選んだところはありました。ただ、先ほども言ったように、みんなが受け入れてくれる確信はあっても、ここ何年かのわたし自身がオリジナル曲を通してかわいいを表現してこなかったから、反応がどうなるのかちょっとビクビクしながら「Love☆Emotion」を作った面も正直ありました。だから、先にビジュアル面を公開したときに、みんなが予想以上に喜んでくれたときは、素直にホッとしました(笑)。

――あの微笑みで見つめられたら、ドキッとしますからね。

榊原 ありがとうございます。わたし、かっこいいことや世界観バリバリな表現は得意としていますけど。自分で「かわいい」ことをするのはしっくりこないと思っているんですよね。とはいえ、作品のヒロイン役や主題歌を通して表現している「かわいい」を皆さんが期待している気持ちもわかっているからこそ、そこは頑張るしかないと思ってビジュアル面でも表現してみました(笑)。作品をプレイし、「だから、この歌はこうなんだ」というところまで理解してもらえたらめちゃくちゃうれしいなという気持ちもあります。

――アルバム『Emotion』には、多種多様な曲たちを収録しています。以前からそうですが、本当に幅広い表現の切り口を持っていますよね。

榊原 ありがたいことに、いろんな楽曲を歌わせていただいています。こうやって多彩な表情を詰め込もうにも、そもそも、そういう楽曲の依頼を受けないとできないこと。なので、「榊原ゆいなら表現してくれるだろう」と皆さんに依頼していただけるのは本当にうれしいことなんです。おかげで、アルバムでもいろんな角度を持って歌を表現することができました。加えて、今回の選曲に関しても「やっぱ、ゆいにゃんだよね」と言ってもらえるよう、ファンの方々が喜んでくれる曲たちも心がけたうえでアルバムとしてのバリエーションも取っています。

――せっかくですから、何曲か楽曲の聴きどころを上げていただけますか?

榊原 まず、アルバムの表題曲となったオリジナルの「Love☆Emotion」は彼氏と彼女の応援曲というか、ラブソングなので、聴いてキュンキュンしていただければうれしいなという気持ちです。「キミチズ」は、PC ゲーム『君とつながる未来地図』の主題歌として作りました。ゲームは、クラウドファンディングで呼びかけながらもサクセスしなかったことから架空の主題歌にはなってしまいましたが、むちゃくちゃ良い楽曲に仕上がったので、ぜひ皆さんに味わっていただきたくて収録しています。「Einsatz~zugabe~」は、Nintendo Switch『Dies irae~Amantes amentes~』の主題歌で、『Dies irae』シリーズの最初に生まれた曲「Einsatz」が10年以上の時を経て、新たに生まれ変わった楽曲として収録しています。当時は男声で歌っていましたが、今回は女性らしい声で歌っているように、そこの違いを感じて欲しいのと、「Einsatz~zugabe~」はフルバージョンで聴いてこそ良さの伝わる楽曲のように、ようやくフルバージョンで収録できたのもうれしかったです。この曲はとくに、聴き慣れている人ほど新鮮に味わえる楽曲へ仕上がったので、ぜひ楽しんでください。

――PC ゲーム『青い空のカミュ』の主題歌である「完璧な世界」はいかがですか?

榊原 「完璧な世界」は、これまで榊原ゆいが担当してきた主題歌やEDテーマとは全然異なる歌い方をしています。わたしの場合、それがかっこいい曲でもかわいい曲でも、その中にあえて面白い表情を入れるなど、表現盛り盛りで歌うことが多いんですけど、「完璧な世界」は、楽曲と作品の世界観へ完全に身を委ねて、そこで導かれた雰囲気が声へ投影されたような、いつもとは違う榊原ゆいの歌声を楽しめると思います。そしてアルバムの最後に収録した「Shiny」は、山佐パチスロ「Witch Master」の挿入歌に起用されていて、パチスロで当たったときにのみ聴けるレア曲なんです。ほかに耳にしやすい楽曲が多いなか、Twitter上を通して、ファンの方々の「『Shiny』が好き」という書き込みをめちゃくちゃ目にしていたので、わたしも改めて聴き直したら「やっぱめっちゃいい曲じゃん」となり。今年のライブで歌って好評だったこともあって、今回のアルバムに収録を決めました。

――パチスロの当たり曲ということは、本当に聴くことが難しい楽曲じゃないですか!

榊原 そうなんですけど、パチスロ「Witch Master」の楽曲の数々が配信曲として出ていることもあって、そこを通して皆さんに多く聴いていただいているようです。自分の知らないところで楽曲が成長しているのもうれしいことですよね。

――アルバムには「Einsatz~zugabe」「紅の光暁」「燎火のフォルトゥナ」のような壮大な楽曲も収録しています。その世界観にも、聴いていて強く惹かれました。

榊原 作品的にどれも戦う系ですけど、歌い方はけっしてガツガツ激しい感じじゃないのも特徴的といいますか。作品をプレイして物語を知ったうえで楽曲に触れると、歌詞の意味も含め、なぜそういう歌の表情になったのかを理解してもらえると思いますし、それを知ることでより深く楽曲の世界観を噛みしめていただけるなと思っています。

――あくまでも、作品があったうえでの楽曲たちですからね。

榊原 もちろん、最初は「いい曲だな」がきっかけで全然良いんですけど、そ子がきっかけで作品をプレイし、「だから、この歌はこうなんだ」というところまで理解してもらえたらめちゃくちゃうれしいなという気持ちもありますね。そのためのテーマ曲でもあるわけですから。

――完成したアルバム『Emotion』、今の榊原さんにとってどんな意味を持った作品になりましたか?

榊原 かわいいことに挑戦した自分を、皆さんに評価していただけたのがとてもうれしかったですね。これまでも、アルバムの内容に関してはファンの方々の意見や要望を取り入れてはいましたけど、ビジュアル面は、その都度自分なりの意思を反映してきました。でも今回は、ビジュアル面でも皆さんの意見を反映したというところでは、また違った角度で作品を作って、その成果をみんなが素直に支持してくれたことで、改めて背中を押された感覚も覚えています。実は先日、アルバム『Emotion』の発売イベントがありました。そこでは髪の毛にリボンをつけたジャケットと同じ姿で登場したんです。ファンの皆さんは喜んでくださったんですけど、わたし自身まだ気恥ずかしさがありましたね(笑)。

――本人としては、なかなか恥ずかしい気持ちが消えないということ?

榊原 やっぱり、いまだにかわいいことをやるには勇気がいるので。もちろん、声だけの役としてはぜんぜん出来るんですけど、自分のビジュアルを出してかわいいことをやるのには、ちょっと抵抗を感じてしまいます。

――自身の誕生日である10月13日(日)には、アルバム『Emotion』を手に、横浜ランドマークホールを舞台にしたバースデーライブ“Happy★LOVE×Live2019”が控えています。こちらはどんな内容になりそうでしょうか。

榊原 今回のアルバムコンセプトである「かわいい」を踏襲した形で全体を構成していこうと思っていて、アルバム『Emotion』に収録した楽曲もすべて披露する予定です。なので、ぜひアルバムを予習していただけたらライブはめちゃくちゃ楽しめると思います。バースデーライブは毎年恒例とはいえ、「行かなくて後悔した」「観たかった」と、観れなかった人たちが後悔するような内容になるよういつも心がけています。もちろん今回も、来て絶対に満足していただける内容にしていきます。椅子席なので安心して遊びに来てください!それと、毎月第三金曜日にある舞台「魔界」に、高山ジュスタ役としてボーカルとお芝居でレギュラー出演しています。こちらでは、いつもとは違う榊原ゆいの姿や歌を味わえるので、一度ご覧になってください。舞台は動画や写真の撮影もOKだから、どんどん撮影して持ち帰ったりSNSにアップしていただけます。内容も、歴史上の人物たちをベースにしているので、皆さんハマりやすいかと思います。わたし……の友達(笑)がやっているPHANTASM、FESの世界観が好きな方なら絶対楽しめると思うので、こちらにも足を運んでみてください。クラウドファンディングが達成し、音楽班でアルバム制作する事が決定し、もちろんアルバムにはボーカルとしても参加しますのでチェックしてみてください!

――ライブ以外にも盛りだくさんで、ファンの方も楽しみですね。

榊原 これからも自分が楽しいと思えるいろんな活動を幅広くやっていきたいので、いろんな榊原ゆいを楽しんでいただけるとうれしいです!そして、1度しかないライブは、生声のパワー、生身のパフォーマンスを味わいにぜひ来ていただきたいです!走り続けて20年と数年(笑)、これからもまだまだパワフルに活動していくので、応援よろしくお願いします!

Interview & Text By 長澤智典


●リリース情報
『Emotion』
発売中

品番:GQCS-90742
価格:¥3,000+税

<CD>
1.Love☆Emotion (オリジナル新曲)
2.キミチズ (PC ゲーム『君とつながる未来地図』OP 主題歌)
3.Shining saver (PC ゲーム『イブニクル2』OP 主題歌)
4.Einsatz~zugabe~ (Nintendo Switch『Dies irae~Amantes amentes~』OP 主題歌)
5.紅の光暁 (アニメ『一騎当千 Western Wolves』主題歌)
6.雷火來夜 (Nintendo 3DS『ステラグロウ』挿入歌 サクヤキャラクターソング)
7.Happy Blossom! (PC ゲーム『はぴねす!2』OP 主題歌)
8.ワンダー・リブレット (PC ゲーム『ガールズ・ブック・メイカー』OP 主題歌)
9.或る少女の物語 (PC ゲーム『BLADE×BULLET 金輪のソレイユ』ED 曲)
10.青空アドベンチャー (PC ゲーム『コイカツ!』挿入歌 姫川舞キャラクターソング)
11.燎火のフォルトゥナ (PC ゲーム『真・恋姫†夢想-革命- 孫呉の血脈』OP 主題歌)
12.完璧な世界 (PC ゲーム『青い空のカミュ』OP 主題歌)
13.Shiny (山佐パチスロ『Witch Master』挿入歌)

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