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INTERVIEW

2019.07.26

畠中祐 TVアニメ『ナカノヒトゲノム【実況中】』OP主題歌「not GAME」リリースインタビュー

畠中祐 TVアニメ『ナカノヒトゲノム【実況中】』OP主題歌「not GAME」リリースインタビュー

2017年7月にシングル「STAND UP」でデビューを果たして2年。いよいよ待望の1stワンマンライブが迫ってきた畠中 祐が、そんな記念すべき一夜を前にニューシングル「notG AME」をリリースする。自身も格闘ゲームが得意な実況者・駆堂アンヤとして出演するTVアニメ『ナカノヒトゲノム【実況中】』のOP主題歌である本作は、スタイリッシュなダンスチューン。初のアニメタイアップ曲である「not GAME」に加えて、2曲収録されたカップリングも含めて『ナカノヒトゲノム【実況中】』と繋がっていくようなコンセプチュアルなニューシングルについて話を聞いた。

――今回はTVアニメ『ナカノヒトゲノム【実況中】』のOP主題歌である「not GAME」がシングルとしてリリースとなります。初のアニメタイアップはいかがでしたか?

畠中 祐 アニメのオープニング映像を観てびっくりしました。あそこまで楽曲と絵の動きとがマッチした映像になるなんて。観ていて超気持ちが良かったですし、おしゃれな感じもありました。というか、「これはバトルアニメかな?」と思うような構成になっていましたね(笑)。

――たしかに(笑)。スピード感のある曲ですし、絵がどんどん動いていく感じもバトルアニメっぽさがありましたね。

畠中 疾走感があって、オープニング感もあって、あのオープニング映像はたまらなく好きです。僕自身、アニメタイアップは初めてのことですし、どうやって表現していこうか、とすごく考えた1曲です。

――アニメのオープニング曲、というものに対してはどんなイメージを持っていらっしゃったんでしょうか。

畠中 アニメの顔ですよね。今回だったら『ナカノヒトゲノム【実況中】』というタイトルを思い浮かべたときにまず頭の中に流れて来るような存在。どんなアニメでもタイトルを見ただけで曲がかかる、というとやっぱりオープニング曲だと思うんです。今回自分がそのオープニングを歌う、というのは責任重大だなと思いました。

――そんな『ナカノヒトゲノム【実況中】』はすごく今どきな物語ですよね。

畠中 そうですね。実況動画の配信者である登場人物たちの物語。実況者という枠組みはあるんですが、結局集まってやるのはリアルゲームみたいな感じで。ちょっと傷を抱えた実況者たちが、ちょっとずつ誰かの優しさに触れていく、というところが好きです。

――その物語の幕開けを告げるOP主題歌「not GAME」。この曲を最初に聴いたときの印象を教えてください。

畠中 ラップだ!と思いました。ラップで始まるところがまず予想外だったので、「どんな感じに歌おうかな」ということを最初に考えましたね。僕の中でアニメソングというと、小学生の頃に夕方帯に聴いていたオープニング曲のイメージがあるんですね。そのイメージから、サビは歌い上げるオープニングらしさを大事にして歌いたいなと思ったんですが、この曲を作ってくださったfhánaの佐藤純一さんが「そうじゃない」と。

――熱く歌い上げるんじゃない、と。

畠中 そうなんです。もっとスマートに。でも手探りで何かを探しているような緊張感も出していって欲しいから、アニメのオープニングらしく歌い上げるようなイメージは一切排除しましょう、とおっしゃっていたんです。ある一定のところからはみ出し過ぎずに、クールに声を落として歌って下さい、と言われました。

――そういったディレクションがあると、そこに当てはめるべくご自身の中ではこれまでやったことのなかったような表現が出てきそうですね。

畠中 自分だけでやっていたならこの引き出しは開けないんだろうな、という表現の引き出しを開けてくれて。「こういう歌い方もあるのか」という発見になりました。ラップも全部ダウン系で重く歌うラップしか知らなかったんですけど、クールにスマートに、かつアップに、という表現はこれまでやったことがなかったんです。だからこのラップは自分の中にはない表現として新たな発見になりましたし、やっていて楽しかったです。全体的におしゃれでクールでスマートですよね。

――その「not GAME」ですが、歌っているときにはどんな視点を持っていらっしゃったんでしょうか。ご自身も駆堂アンヤとしてこのアニメに出演もされていますが、ことオープニングに関してはアーティスト・畠中祐として歌われています。でもアンヤの気持ちも理解している。

畠中 アンヤの視点ではないんですが、それでも『ナカノヒトゲノム【実況中】』の登場人物たちの視点だなと感じたんです。彼ら一人ひとりの視点を感じさせるようなものがこの歌詞には散りばめられていて。誰かひとりの想いというよりも、全体を俯瞰した歌にしたいというのはあったんです。苦しさの表現、ということでもないんですが、歌っているときにはずっと張り詰めたものを持っていたい、と意識して歌いました。全体を総括したときのみんなの気持ち、みたいなものをどこかに入れられたらな、と思って歌っています。世界観を俯瞰で見つつ、それぞれの主観にも寄り添いたい。それはアンヤだけじゃなく、アカツキやカリン、カイコク、ザクロだったり。キャラクターソングではないですが、それでも無機質な中に人の心があって、そこで手探りで答えを探しているような表現を目指しました。自分が何者なのかもわからなくなるような状況に置かれながらも、どこかで繋がりを求めてしまうような。そういう温度みたいなものを入れたいなと思いましたね。

――ご自身の中で特に聴きどころと感じているのはどの部分でしょうか。

畠中 Dメロですね。急に転調して、少し前向きになっていくようなところなんですが、ずっと地下にいて、やっとそこに日が差し込んでくるような、前向きな希望が湧く感覚がこの部分に滲んでいる気がして。曲調も変わりますし、表現をするのも楽しかったです。このDメロからラスサビまでの勢いと流れはすごく好きです。

――90秒から先の部分ですね。

畠中 そうですね。まだまだ答えは見つかっていないけれど戦っていく、という気持ちが出ていますよね。戦おうとする自分をすごく前向きに鼓舞していく瞬間なので、すごく好きです。

――その「not GAME」ですが、ライブ映えする曲、という印象があります。

畠中 MVでも披露したんですけど、ダンスナンバーですし、非常にライブで映えますね。『ナカノヒトゲノム【実況中】』のゲノムに掛けてDNAの螺旋を意識した振り付けもありますし、ダンスの中でも作品にある“繋がり”というテーマを意識したコンビネーションを表現として入れたので、そこはライブでお見せするのが楽しみです。

――そんなMVも完成しました。ご自身で見られて、いかがでしたか?

畠中 ダンスは決まった振り付けのある部分が多いんですが、クールにラップをしている、という動きに関してはフリーでやらなきゃいけなかったんですね。そこに苦戦をしたことを思い出しました(笑)。そういうところも見られるMVになっています。

――さらにカップリングには2曲を収録。「Greatest Loser」、そして「Victory Holic」。どちらも「勝負」に掛かるナンバーですが、こちらの曲はいかがでしたか?

畠中 そんなに負け続けてきたつもりはないですが、勝ち続けてきた記憶もない僕なので、「Greatest Loser」には親近感が湧きます。これまで歌ってきていないテイストの曲でもあったので、楽しく挑戦できました。「Greatest Loser」は綺麗ごとを並べて負けた自分を鼓舞しようとしていたことさえも曝け出して、負けは負けだから、と認めた上での戦いの歌なので、心にはすごく沁みる曲ですね。それでも戦え、という世界観はマインドとしてすごく「漢(おとこ)」を感じて、泥臭い曲だと感じました。対照的に、「Victory Holic」の方は演じさせてもらいながら歌いました。この曲にあるような、勝ち抜いて高みを見たことはないので、それをイメージしながら。楽曲もジャジーなので自由に伸びやかに歌えたことで、余裕を感じる歌になりましたね。そもそもジャジーな歌をうたいたい、と思っていた時期の制作でもあったので、楽しく挑戦しました。

――カップリングの2曲はどちらも坂井竜二さんの作詞によるものなので、繋がりがありますし、勝負事、という意味でも「not GAME」とも繋がっていく世界観ですよね。

畠中 命を賭けたゲームに挑む「ナカノヒトゲノム【実況中】」の世界観に合わせて、勝ち負けの曲を揃えてコンセプチュアルな一枚にしました。しかも先日リリースしたアルバム「FIGHTER」が“戦う人”という意味でもある。「ナカノヒトゲノム【実況中】」のタイアップでありながら、アルバムのコンセプトの延長線上で制作できたことも大きかったなと感じています。

――そのアルバム「FIGHTER」、そして延長線上の「not GAME」を引っ提げての1stワンマンライブが7月27日に迫ってきております。意気込みをお聞かせください。

畠中 リハをやっているんですが、最後の方が満身創痍になってしまう感じです(笑)。まだ準備期間も、もう少しあるので、どんどん詰めていきたいですし、燃え尽きんばかりの気持ちでライブをしたいと思っています。とにかくやりきってみようと思っています。やり切った先にどんな景色が見えるのか。どんな気持ちになるのか。それを楽しみに初のワンマンライブのステージに向かいたいです。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
3rdシングル
TVアニメ『ナカノヒトゲノム【実況中】』OP主題歌
「not GAME」
7月24日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:LACM-34884
価格:1,800+税

【通常盤(CD Only)】

品番:LACM-14884
価格:¥1,300+税
※アニメ描き下ろしイラストを使用した長帯仕様

<CD>
01.not GAME
作詞:松藤量平 作曲:佐藤純一 (fhana) 編曲:佐藤純一 (fhana) 、守尾 崇
02.Greatest Loser
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:白戸佑輔
03.Victory Holic
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:松下昇平
04.not GAME (Instrumental)
05.Greatest Loser (Instrumental)
06.Victory Holic (Instrumental)

<DVD>
01.not GAME (Music Clip)
02.Making of not GAME

●ライブ情報
TASUKU HATANAKA 1st LIVE -FIGHTER-
7月27日(土) 17:00開場 / 18:00開演
会場:豊洲PIT

●放送情報
「TASUKU HATANAKA 1st LIVE -FIGHTER-」が、エムオン!にて独占生中継が決定!
独占生中継! M-ON! LIVE 畠中 祐「TASUKU HATANAKA 1st LIVE -FIGHTER-」
7月27日(土)18:00~20:30

詳細はこちら

<プロフィール>
1994年生まれ。2006年に映画『ナルニア国物語』の一般公募オーデイションに合格し、エドマンド・ペベンシー役の吹替えで声優デビュー。その後、多数の吹き替え・アニメ作品に出演中。 キャラクターソング等での歌唱力の高さに定評があり、2017年7月に1stシングル「STAND UP」で、ランティスよりアーティストデビュー。2018年には2ndシングル「真夏BEAT」をリリースし、2019年3月27日には1stアルバム「FIGHTER」をリリース。さらに、7月27日には豊洲PITでの1stワンマンライブの開催も決定している。

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