NOW ON AIR 1stアルバム『RAINBOW’S BOX』リリース記念 NOW ON AIR×結城アイラスペシャル対談

飯野美紗子、岩淵桃音、片平美那、神戸光歩、鈴木陽斗実、田中有紀の6名からなる声優ユニットのNOW ON AIRが、待望の1stアルバム『RAINBOW’S BOX』を7月17日にリリースした。

2016年に「キミコエ・オーディション」の合格者6名で結成され、劇場アニメ『きみの声をとどけたい』への出演、シングル作品のリリース、ライブやイベント活動、WEB番組の配信など、様々なスタイルでその「声」を届けてきたNOA。そのデビュー曲にあたる1stシングル「この声が届きますように」(2017年)の頃より彼女たちの楽曲の歌詞を一貫して手がけ、3rdシングル「わたし的Progress」(2018年)からはサウンドプロデュースも担当しているのが、自身もアーティスト/作詞家として幅広く活躍する結城アイラだ。

今回はそんな2組の、メディアでは初となる対談を企画。結成3周年を迎えるNOAの成長の軌跡や魅力、アルバムに込めた想いなどについて、たっぷりと語り合ってもらった。
――結城さんはNOAの皆さんをデビュー当時からご覧になってるかと思いますが、彼女たちの魅力はどんなところにあるとお考えですか?

結城アイラ デビューシングルの「この声が届きますように」(2017年)はメンバーが決まる前に書いたものなので、最初は「キミコエ・プロジェクト」のオーディション映像を観させていただいて、2ndシングルの「キボウノカケラ」のレコーディングのときに初めてボーカルディレクションで参加させていただいたんです。そのときのみんなの飲み込みの速さ、歌唱力の高さにビックリして。一人ひとりに個性とスキルがあるし、歌もしっかりと歌えてハモリもできるので、その当時からそこを強みにしていきたいと思っていました。

飯野美紗子 「この声が届きますように」はオーディションの課題曲でもあったので、それほどハモリやソロパートが多いわけではなかったんですけど、活動していくうちに個人の歌の特色や得意な音域を、アイラさんをはじめとしたスタッフの方に理解いただいたことで、ハモリのパートがどんどん増えていきまして。ライブでも基本的に生ハモでやらせていただいてますし、3rdシングルの「わたし的Progress」からはハモリも2声から3声に増えたり、カップリング曲(「君が好きで好きでダメだよ」)では5部合唱にも挑戦したので、今後もっと精度を上げて、自信を持って「ハモれます!」と言えるようになりたいです。

結城 「君が好きで好きでダメだよ」は、私が「この子たちならできる!」と思ったので、試しに録ってみたらできちゃったんです(笑)。私もいろいろな現場でボーカルディレクションをやらせてもらう機会が増えてますけど、NOAのみんなは曲をちゃんと覚えて、作り込んできてくれるんですよね。譜面も読めるし、ハモもきちんと練習してきてくれるので、プロデュースのし甲斐があります。

――デビュー時と比べて成長を感じることも多いのでは?

結城 それはすごく感じますね。私がサウンドプロデュースで参加させていただく前は、ユニゾンで歌うノスタルジーを感じさせるような曲調が多かったのですが、みんなの意見を聞くと、それはそれでひとつの世界観として大事にしつつ、もっといろんなことをやってみたいという話だったんです。なので、3rdシングルや今回のアルバム打ち合わせでは、みんなにどんな曲がいいかをヒアリングして。

飯野 それまでの私たちは、出来上がった曲をいただいて歌うスタイルだったんですけど、3rdシングルでは私たちが今どう思っているのかをアイラさんが一人ひとりに聞いてくださって、みんなの今の気持ちをもとに歌詞を書いてくださったんです。今回のアルバムも表題曲をどんなものにしたいか、というところから話し合いをさせていただいて、本当にうれしかったです。

――たしかに3rdシングルの「わたし的Progress」で曲の印象がガラッと変わりましたものね。1年4か月ぶりのリリースということもあってか、新しい一歩を踏み出すような力強さを感じました。

神戸光歩 再スタートの気持ちを込めていただいたんです。

飯野 アイラさんには「〈進化〉や〈再出発〉という言葉をテーマにしたいです」とお伝えしました。ほかにも、活動の時間が空いてしまったことで、待ってくれていたファンの方への気持ちもありましたし、私たちももどかしかったので、その想いをマイナスではなく力に変えて「ここから一歩を歩きだすんだよ」という気持ちをガチガチに込めていただいて。私たちの思い入れも強いし、ダンスも今まででいちばん激しくて、すごく強い曲になりました。

――歌詞の“沈黙してちゃ夢は夢のままさ”というフレーズが、当時のNOAの状況と照らし合わせるとグッとくるんですよね。

結城 3rdシングルが決まる前にみんなとお話させていただいたとき、今までのもどかしさだとか、もっといろんなことをやりたいという熱が、その行動や表情からもすごく伝わってきたんです。それで周りの大人たちもみんな「どうにかして彼女たちに次のステージに上がってほしい」という気持ちにさせられて、もう一度走り出そうということで作ったのがあのシングルだったんです。

――メンバーの皆さんのモチベーションが周りの人たちの心を動かしたと。

結城 本当にそうだと思います。

NOA おおー!(どよめく)。

――その当時の皆さんはどんなお気持ちだったのですか?

神戸 ライブの回数が以前よりもグンと減って、歌う機会が少なくなっていたので、「このまま終わりたくない!」という気持ちが強かったです。私たちはみんな歌うことが大好きだし、それぞれのメンバーの歌のこともお互いに好きだったので、この歌を届けたいという気持ちがすごく強くて、「路上ライブでも何でもやろうよ」と話すぐらいでした。

鈴木陽斗実 「曲が出せないのなら自分たちで作っちゃえ!」とも言ってたんです。ちょうどそのときにプロデューサーが「いや、こっちで作るから大丈夫!」と言ってくださって、ギリギリ作らないで済みました(笑)。

結城 こちらとしても、そこまで言われたら「やります!」って動かされますからね。「わたし的Progress」は本当にみんなに書かせていただいた感覚です。

NOA ありがとうございます!

――皆さんは毎回結城さんの歌詞をご覧になって、自分たちのことを理解していただいているように感じますか?

飯野 めちゃめちゃ感じますよ!

神戸 毎回エスパーなのかなと思うぐらい。

田中有紀 なんで私たちの気持ちがここまでわかるのかなと思います。

飯野 3rdシングルの衝撃はすごかったよね。

岩淵桃音 自分たちでも言葉にできていなかった感情や感覚が、言葉になるとこうなるんだと思って。

神戸 そう!これこれ!っていう。

片平美那 自然とストンと落ちてくる言葉ばかりなので、いつも本当にありがとうございます!

結城 遠い将来に曲を思い出したときに、「このときの自分はこうだったなあ」というのを振り返ってもらえるとうれしいですね。「わたし的Progress」も、最近調子に乗ってるなあというときに聴いてもらえると……(笑)。

一同 (笑)。

飯野 たしかに!戒め曲かも。

――NOAの皆さんのその時々の気持ちを切り取りつつ、その先の成長も見据えたものを書かれているわけですね。

結城 私は彼女たちがもっとすごくなると信じているので、そこを踏まえて書かねばいけないと思っていますし、その曲が全部彼女たちの歴史になればと思って歌詞を書いているんです。

――ここからは1stアルバム『RAINBOW’S BOX』についてお聞かせください。こちらのタイトルの由来は?

結城 おもちゃ箱みたいな感じにしたかったんです。それでレインボーというと7色ですけど、NOAのメンバーは6人じゃないですか。まずそこで「なんで?」と思って、引っかかってほしかったんです。意味的には「6人+誰か」だったり、彼女たちは今回作詞もしているので、それぞれの才能という意味の「+α」で7色ということですね。

飯野 私たちの周りには、今まで支えてくれたスタッフの皆さん、待っていてくれたファンの方、この世界に入ることを応援してくれた家族や友達がいて、すごく大勢の人たちが太い束になってNOAの横に並んでいるので、実質7色どころではないんです。6人+何百色もの色がバーッと溢れ出る感じが、この『RAINBOW’S BOX』というタイトルには込められていると思っていて、色とりどりのおもちゃ箱というイメージがあります。

――制作はどのように進めていかれたのでしょうか?

結城 まずは表題曲をどんなものにするかをみんなで話し合ったのですが、そのときにみんひと(鈴木)が「みんなと声を重ねられる喜びを表現したい」と意見してくれたので、その世界観で歌詞を作ろうと思って出来上がったのが「RAINBOW’S HIGHWAY」なんです。これまでのNOAには、お客さんと一緒に歌えるタイプの曲がなかったので、キャッチーでわかりやすい曲調、それと夏にリリースされるので元気でアガる曲がいいなあと思って、そういう方向性の曲を選ばせていただきました。

――なるほど。

結城 で、「声を重ねられる喜び」ということで、2人や3人で歌う曲も入れたいよねという話になり、そこでそれぞれどんな曲を歌いたいのかも話し合ったんです。組み合わせはどうやって決めたんだっけ?

飯野 今までのライブで何人かに分かれてカバー曲を歌うことがあったんですけど、今回はそこでもやったことのない組み合わせにしようということで、考えていきました。

――普通ならやったことのある組み合わせを選びそうなものですが、逆なんですね。

神戸 NOAはみんな誰と組んでも絶対に楽しいと思えるので。

片平 そうそう!

田中 なのでまだやったことのない人とやりたかったんです。

結城 誰と組んでも歌えるもんね(笑)。彼女たちは誰ひとりとして個性が重なってないんですよね。なので誰と組んでもそれぞれの感じになるのが不思議で。すごい6人だと思います。

飯野 まだまだやったことのない組み合わせで歌いたいですもん。

神戸 たしかに。全組み合わせを総当たりでやってみたい!

――膨大な曲数になりますよ(笑)。メンバーの皆さんがリード曲「RAINBOW’S HIGHWAY」をいただいたときの印象は?

田中 みんなを巻き込んでいけるような歌詞や曲調だと思いました。3rdシングルまではファンの方が待っていてくれましたけど、アルバムでは逆に私たちが引っ張っていけるといいなと思っていたんです。私は歌詞の“Driving”という部分が好きなんですけど、NOA(ノア)なので私たちが船として、乗り物になって前に進む歌が初めて出来たなと思いながら歌いました。

岩淵 初めて聴いたときは、雲がパッと晴れて青い空が見えたような、明るい道が見えたような感覚がありました。メンバーの希望で楽しい掛け声も入れていただいたので、早くライブで歌ってみたいという気持ちになりましたし、実際に歌ったらすごく盛り上がりました(笑)。

神戸 間奏でお客さんを巻き込んで一緒に振りをやるパートがあるんですけど、皆さん一発で覚えてくださってうれしかったです。結構考えたもんね。

飯野 サプライズ披露だったので、皆さん少し困惑されてましたけど(笑)。ただ、MVを先行公開していたので、曲や踊りはファンの方もわかっていただいてて。MVで演技パートになっているところもライブでは振りが付いているので、また違った楽しみ方をしていただけたと思います。

――そして2人歌唱曲・3人歌唱曲ではメンバーの皆さんがそれぞれ作詞も担当されているので、1曲ずつお話を聞かせてください。まず飯野・片平ペアが歌うマーチ風の華やかなポップス「Starting Station」は飯野さんの作詞曲ですが、どのような想いを込めましたか?

飯野 私は高校の頃からずっと大人になりたくないという思いが強くて、今でも高校生に戻りたいと思うんですけど、NOAの活動を始めて学生のときとは違う世界に飛び込んでみたら、責任は増えましたけど、好きなことをやらせてくれる人が周りにたくさんいて、大好きなメンバーと歌をうたうことができて、大人になるのも悪くないことだと思ったんです。でも、大人になる新しい一歩を踏み出すのは勇気のいることじゃないですか。そういうとき、自分の背中を押してくれるのは、過去の自分だと思うんです。私はいつでもどこでもスタートラインという考え方をもっていて、今日も明日も何かの始まりだし、いつまでも始まりの場所だと思うので、過去の自分が歩んできた場所もこれからの自分が歩む場所も全部が最初だけど、進んでみたら悪くなかったよ、という気持ちを書いた歌です。

片平 私も歌っていて「わかるなあ」と思った。みさみさ(飯野)がこんなことを考えてるんだなあということもわかったし、そんなに意外ではなかったと思う。

田中 でも私は、みさみさは大人になりたくなかったことに初めて気づいた。私からするとみさみさってリーダーだし、「大人」というよりかは「しっかりしてる」というイメージだけど、みさみさの中にも大切にしたいものがあるんだなあって思った。

飯野 私はリーダーなので頼られたりすることが多いんですけど、それでも家族に守られていたりするし、高校時代は狭い世界の中で暮らしてる自分がすごく楽しくて、外に出るのがすごく嫌だったんです。今も「大人になってよかった!」とまではまだ思っていないんですけど、案外悪くないなとは思います。

――“踏み出せないわたしの手を引くのは キミだよ!”の「キミ」というのはメンバーやファンのこと?

飯野 そこは聴いていただいた方がそれぞれの誰かを思い浮かべてくればいいなと思うんですけど、私は過去の自分の選択の積み重ねで今の自分がいると思うので、「過去の自分」を「キミ」と例えていて。ただ、これはみなみー(片平)と一緒に歌う曲だし、みなみーは私の3つ年下で、身長的にもNOAの中でいちばん差があるので(飯野は166cm、片平は149cm)、みなみーが私の「過去の自分」として「行けるよ!」って背中を押してくれるイメージで書きました。昔の自分を実際に思い浮かべても「私、昔から背が高いしなあ」ぐらいの感じだったんですけど(笑)、みなみーを思い浮かべると急にやりやすくなったんです。

――そこは組み合わせの妙ですね。結城さんは作詞家として皆さんの歌詞をご覧になっていかがでしたか?

結城 本当に「みんな作詞家になれるんじゃない?」と思うぐらいで(笑)。みんなに歌詞を書いてもらおうと思ったのは、そうすることでそれぞれのパーソナルが出るし、何より本人たちがこのアルバムのことをすごく好きになってくれると思ったんです。私自身もアーティスト活動しているときに、最初はいろんな方に曲を書いていただいたんですけど、初めて作詞をしたときは作品への思い入れがさらに深くなったんですね。その気持ちを今のうちから経験してほしいという想いもあって提案したんです。

田中 私たちは最初、アイラさんが作詞講座みたいなものを開いてくれると思っていたんです。でも、いきなり「じゃあ〇〇日までに」と言われて、「えっ!?ちょっと!」ってなってしまって(笑)。

神戸 「テーマはあるんですか?」って聞いても「自分で決めて」と言われて(笑)。

結城 そこでもし「これは……」という感じだったら講座を開かねばと思っていたんですけど、全然メールのやり取りだけで大丈夫なレベルだったので。提出してもらった歌詞にアドバイスするときも、その人の世界観を壊さないように、押し付けたり代案はあまり書かないで、「ここはもうちょっとこういうふうに考えた方がいいんじゃない?」というぐらいだったので、たぶんみんなも不安だったと思うんです。でもみんなそれぞれの世界観を書けてたと思うので。

――続いて田中・岩淵ペアによる「純情 Phantom thief」はクールで疾走感のあるギターロック。歌詞は田中さんが担当されています。

田中 この曲は……恋愛ソングです(笑)。最初は自分の経験や感情を歌詞にしようと思っていたんですけど、曲を聴いた瞬間に、それだと曲の良さを最大限引き出せないと感じたので、この曲から受ける第一印象を大事にしようと思って聴いていたら、夜を走ってるイメージが沸いてきたんです。それで「夜を走る」のなら「怪盗」かなと思って、主人公を相手の気持ちを奪いたい女の子に見立てた恋愛の歌にしたらかわいくなるかもと思って。それとこの曲はももちゃん(岩淵)と一緒に歌ってるんですけど、私が思うももちゃんのイメージが「小悪魔」なんです(笑)。なのでツンツンというかあまり素直になれない女の子をイメージして、あとは私の想像と妄想でストーリーを作っていきました。

――では、曲調に合わせて物語を紡ぐように歌詞を書かれたと。

田中 でも、Bメロの“踏み出さないと 始まんない”とか“さあ、勇気あつめて”は自分に通じる部分があるのかなと思っていて。私、結構不安になっちゃうタイプなので、お仕事に行くときはすごく勇気をかき集めてから行くんです。あと、私はあまり嘘をつかないで素直に生きようと心がけているんですけど、やっぱり照れ臭くて素直になれないこともあるんです。“素直になるって大切 けど全然簡単じゃない”というのは、そういう気持ちの戒めとして書きました。

飯野 ゆっきー(田中)って入り込むと強いというか、お芝居のときも、撮影のときも、ステージの上でも、「私はNOAで歌う田中有紀!」というモードにパンと変わるんです。いつもふわふわしてるゆっきーが、かっこいい曲になると顔も立ち姿も変わるし、物語を演じる系が強いと思っていたので、この歌詞もゆっきーらしい入り込んだ感じが出てるなと思いました。

岩淵 はっきりとした世界があるのがゆっきーぽい。でもこのキュンとなる歌詞をゆっきーが一生懸命考えて書いてる姿を想像したら、すごくかわいくてにやけちゃいました(笑)。

神戸 ひとりで“初めて味わう感覚”とか書いてるのかと思うと愛しくてたまらなくなる(笑)。

飯野 特に最後の1行(“ねぇ、もうずっと愛してね”)は、みんなで「ゆっき~!」ってなるよね(笑)。

田中 ……!(照れて手で顔を覆う)。でもこれはソロだったら絶対に書けてないです。自分に重ねるんじゃなくて、ももちゃんに重ねたらかわいいなと思って。まあ最後のところはふたりで歌うんですけど(笑)、桃音の存在にはすごく助けられました。

――そして神戸・鈴木ペアが歌う「星影の在り処」はアコースティック系のしっとりとしたバラード。作詞を手がけた神戸さんは、この曲にどんな想いを託したのでしょうか?

神戸 まず、バラードをいつか絶対に歌いたいと思っていたので、この機会に作っていただいたんですけど、すごく素敵な曲だったので、私が歌詞を書くことによって台無しになったらどうしようというプレッシャーを感じてしまって。なので物語を書くというよりも、自分の芯にある気持ちをちゃんと乗せようと思って作詞に取り掛かったんです。私にとっての大事なものはNOAなので、NOAのことを思い浮かべながら作詞しました。

――ということはメンバーに宛てた歌詞なんですね。

神戸 完全にそうです(笑)。でも、私にとっての大事な人はメンバーですけど、聴く人によっていろんな大事な人を思い浮かべてくれたらいいなと思って、いろんなふうに取れるように書きました。

――この曲の主人公は、自分に自信がなくて不安な気持ちを抱いていますが、そこから誰かに引っ張ってもらうような歌詞になっていますよね。それは自分の心情に重ねている部分がある?

神戸 そうですね。私は人前に出ることは好きなんですけど、例えばかわいい服を着て踊ったりすることがすごく苦手で、最初は全然できなかったんですよ。たくさんのファンの人の前で、ちょっと短めのスカートをはいて、自分をかわいく魅せたりすることが恥ずかしくて。自分の「かわいい」とか「素敵」という部分に本当に自信がないんです。そんなときにメンバーが支えてくれて、いつも「大丈夫!かわいいよ!」と言ってくれたり、「私がこんな短いスカートはいたら絶対にダメだよ……」ってなってても「いや、普通だよ!」とか言ってくれて(笑)。私はそういう言葉がすごく支えになっていて、私もみんなのことを信頼してるから、それが嘘とかお世辞とかじゃなく本当にいいと思って言ってくれてることがわかるので、すごくはげまされてるし、今のステージで生き生きとパフォーマンスできるのはみんなのおかげなんです。

――なるほど。神戸さんの気持ちをそのままさらけ出したような歌詞なんですね。

神戸 だからたぶん私がいちばん恥ずかしいです(笑)。

田中 世界観とかないもんね(笑)。

神戸 あまりにも私の気持ちそのままなので、脳内パカッみたいな感じ(笑)。

飯野 いつも溢れてるから大丈夫。

神戸 普段からダダ洩れらしいです(笑)。

飯野 でも、最初は歌詞を読んでもメンバーのことを書いてるとは気づかなくて、スタッフの方から「みっちゃん(神戸)の書いた歌詞がすごくロマンチック」と教えてもらったので「ほんとだ~」と思ってたぐらいだったんです。そこでゆっきーが「でもほら見て、この“君の時計 隠す”って歌詞さあ、思い出して」「……みっちゃんがいつも駅で別れ際にやってるー!」ってなって(笑)。“どちらからともなく手を繋いだ”も「あ~、繋いでる~!」ってなりましたし、みっちゃんかわいいなあと思いました(笑)。

田中 私も最初はすごくロマンチックだなと思っていたら、みっちゃんからLINEで「実はさ……」って教えてもらったんです(笑)。そのときにいつも手を繋いできたり、帰るときに「まだ帰りたくな~い!」って名残惜しがってるみっちゃんの顔が思い浮かんできて、ちょっと面白くなっちゃいました(笑)。でもすごく愛を感じて、うれしかったです。

飯野 みっちゃんはメンバーのことがすごく好きということを常日頃から言ってくれていて、私の舞台だったり、ゆっきーが参加してるユニットのリリースイベントだったり、メンバー個人のお仕事にも普通に来てくれるんですよ。なので普段から愛は感じていたんですけど、改めて歌詞になったのを見たときに、私もみっちゃんのことが大好きだなと思いました。

神戸 恥ずかしい(照)。

――飯野・神戸・岩淵の3人歌唱曲「Light escape」はストリングス&ホーン入りの洒脱なポップチューン。作詞は岩淵さんですね。

岩淵 すごくお洒落で、キラキラしてたり、ムーディーな部分もあって、いろんな面のある曲だと思ったので、歌詞のテーマを「ネオンがキラキラ光る夜の街」にしたんです。その中を女の子がひとりでいろいろ考えながら歩く姿をイメージして書いたんですけど、私はひとりで街を歩くとウキウキするので、そのときの自分は何を考えてるのかを思い出して、ところどころに入れていきました。それと作詞のお話をいただいたときから、メモに書き留めていた言葉たちがあったので、その語録のなかからニュアンスを変えて、パズルのように当てはめていったんです。例えば“初めて見つけた花に 笑おう”は、最初は「無理して空を見てたけど無理だから下を見た、そしたらきれいな花が咲いていた」みたいな感じでした(笑)。

鈴木 表現が小説っぽいよね。

神戸 ももちゃんは本を読むのが好きなんですよ。

鈴木 最近ももちゃんから伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」を借りて読んでたんですけど、そのあとにこの歌詞を見たら、こういう本を読んでるからおしゃれなフレーズが出てくるのかなって思いました。

――たしかに目を惹く言葉遣いが多いんですよね。“どこかノスタルジーな思い出にかけたフィルターは もういらないから”とかすごいなと思いました。

結城 私も歌詞をもらったときにすごいなあと思って。だからももちゃんの歌詞はいっさい直してないんですよ。最初にもらったときからもう完成していたので。

飯野 私も「この曲はこの歌詞を待っていた!」と思っていて。歌っててもすごく楽しかったし、歌割りが決まる前から全部覚えちゃいました。自分が歌うから練習の意味もあって何回も聴いてたんですけど、いくら聴いても飽きない大好きな曲になりました。

神戸 NOAのなかでいちばん女子っぽいものに敏感なのがももちゃんだと思うので、“ピオニーピンク”とか“背伸びしたパープルシャドウ”みたいに、自分なら普段絶対に思いつかないような曲を歌えるのがうれしくて。自分まで女子力がめっちゃ上昇したような気持ちになって、ノリノリになって歌いました。

――そして片平・鈴木・田中トリオがスカのリズムに乗って元気いっぱいに歌う「ツヅクココロハ」は片平さんが作詞。こちらはどんなイメージで歌詞を書いたのですか?

片平 曲をいただいたときにすごく元気でかわいくて、メルヘンな感じにしたいと思ったので、まず曲を聴きながら自分の中で適当に言葉をハメて歌ってみたんです。それと明るい歌詞にしたかったので、例えば“チョコレートはあまあまで”とか“王子様”とか、普段は言わないような言葉を使ってみました。“夢”という言葉もたくさん出てくるんですけど、それを追いかける主人公が神様に「お願いをきいてくれないのはどうして?」と言っているのは、現実でも「なんでこういうふうにできないんだろう?」って悩むことがよくあるなあと思っていて。でも結局は「今の自分でいいんだよ」ということを歌詞の中に入れたかったんです。自分自身を肯定する、やる気を出せる曲になればいいなあって。

鈴木 この曲は全部にみなみーぽさを感じました(笑)。みなみーは“炭酸ソーダ”とか“チョコレート”が好きだし。

片平 食べながら書いてたから(笑)。

飯野 でも、たしかにみなみーっぽい感じは出てるのかもしれない。一定じゃないというか、止まってない感じが曲にも合ってるし。私にはこの世界は書けないなあと思います。

結城 すごく独特な世界観だよね。

神戸 私は“チョコレートはあまあまで美味しすぎて いつも通りだなあ”のところがすごく好きで。まず“チョコレートはあまあまで”という表現がかわいすぎるし、“美味しすぎて”というのもかわいいのに、それを“いつも通りだなあ”と言ってるのがさらにめっちゃかわいい(笑)。刺激を求めてる感じがみなみーっぽいなと思って愛しいです。

――そして鈴木さんは唯一作詞をされていませんが、代わりに演奏で参加されてるんですよね。

鈴木 はい、「星影の在り処」でクラリネットを演奏させていただきました。

結城 すごく上手なんですよ、その日が初めてのレコーディングだったんですけど、本当にきれいな音色で、スタジオミュージシャンとして活躍していけるレベルの演奏でした。

鈴木 いえいえ。

――映画『きみの声をとどけたい』でも演奏をされてたんですよね。

鈴木 そうなんです、ピアノの即興を自分の思ったメロディで弾いたのですが、そのまま私の演じるキャラクターが映画の中で弾いていて。クラリネットの演奏でも何かに関われたらと思っていたので、NOAの楽曲といういちばん素敵な形で実現できて本当にうれしかったです。

――レコーディングはいかがでしたか?

鈴木 まず初見で演奏することになったんです。その日に楽譜を渡されて、その場で見て演奏しました。

結城 本当にプロレベルなんですよ。

飯野 「楽譜、いつ来るんだろう」ってずっと言ってたよね(笑)。

鈴木 本当に吹くのかなあと思って(笑)。

神戸 今後のNOAの楽曲には全部参加しようよ。

鈴木 隠れクラリネット?(笑)。

飯野 すごくロックな曲だけど、なんかクラリネットが鳴ってるみたいな(笑)。

――さて、こうして1stアルバムが完成したわけですが、メンバーの皆さんの今の心境はいかがですか?

飯野 形になったものを見るまでは、まだ信じられないですね。

神戸 たしかに。まだ現物を見てないもんね。

田中 私の中のイメージでは、まだみんなの曲がバラバラなところにあって、それが1枚にまとまって、世に出て、たぶん8月のライブで今回の曲を歌ったときに、またあらたな気持ちになるんじゃないかなと思います。

――その8月4日(日)に行われる3周年記念ワンマンライブは、どんなステージになる予定ですか?

飯野 今回は“1st ‘FULL’ LIVE”というタイトルを付けていまして、今までのライブはカバーコーナーがあったんですけど、初めて私たちのオリジナル曲だけで勝負しようと思っています!

――最後に、せっかくの機会なのでメンバーの皆さんから結城さんに聞いてみたいことがあればどうぞ。

神戸 今回作詞を自分たちでやらせていただいたのは大きな一歩だと思うんですけど、次の一歩はなんでしょう?

結城 今回の作詞は2人曲・3人曲だったから、相手のことを思って助けられたことがたくさんあったと思うんだけど、もしソロ曲となったときは自分だけのパーソナルな部分を書かなくてはいけないし、テーマを自分で自由に決めれるのではなくて、もらったお題やコンセプトに沿って書けるか、というステップもあるよね。曲に関しても、自分たちのアルバムだと基本的にみんな好きなことができるけど、これがタイアップになると、その作品と合うかといった制約もたくさん出てくるから、それも次のステップだと思う。でも今はアーティストとしてめいっぱい歌って歌詞を書くということでいいんじゃないかな。もう何を振ってもやってくれる気持ちがあるし。ねえ?

NOA やります!

結城 彼女たちは声優ユニットですけど、アーティストとしても本格的に走っていけるよう、輝いていけるよう、本気で挑んでいきたいと思います!

Interview & Tesxt By 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
NOW ON AIR 1stアルバム
『RAINBOW’S BOX』
7月17日発売

【限定盤】

品番:LACA-35781
価格:¥4,000+税

【通常盤】

品番:LACA-15781
価格:¥3,000+税

<CD>
1.Overture (Inst)
作曲・編曲:芳賀政哉
2.RAINBOW’S HIGHWAY
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:竹市佳伸
3.Starting Station
歌:飯野美紗子, 片平美那 作詞:飯野美紗子 作曲:森本 練 編曲:森本 練, 黒田賢一
4.純情 Phantom thief
歌:田中有紀, 岩淵桃音 作詞:田中有紀 作曲・編曲:竹市佳伸
5.星影の在り処
歌:神戸光歩, 鈴木陽斗実 作詞:神戸光歩 作曲・編曲:高橋 諒
6.キボウノカケラ(映画「きみの声をとどけたい」ED主題歌)
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:杉山勝彦
7.Light escape
歌:飯野美紗子, 神戸光歩, 岩淵桃音 作詞:岩淵桃音 作曲・編曲:竹市佳伸
8.ツヅクココロハ
歌:片平美那, 鈴木陽斗実, 田中有紀 作詞:片平美那 作曲・編曲:宗田 崇
9.わたし的Progress
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:高橋 諒
10.瞳の勇気(DMM GAMES「装甲娘」主題歌)
作詞:結城アイラ 作曲:芳賀政哉 編曲:高橋 諒
11.この声が届きますように(映画「きみの声をとどけたい」イメージソング)
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:伊藤 賢

<Blu-ray>
・この声が届きますように Music Video
・風が吹いた Music Video
・キボウノカケラ Music Video
・わたし的Progress Music Video
・RAINBOW’S HIGHWAY Music Video
・RAINBOW’S HIGHWAY Making
・RAINBOW’S HIGHWAY DANCE Ver.

●ライブ情報
NOW ON AIR 3周年記念 1st “FULL”LIVE
8月4日(日)吉祥寺CLUB SEATA
出演:NOW ON AIR

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