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2019.07.14

meg rock ワンマンライブ [ jet setter, jet lag tours ♥ 16 ] レポート

meg rock ワンマンライブ [ jet setter, jet lag tours ♥ 16 ] レポート

「ロックの日」である6月9日、meg rockがShibuya TSUTAYA O-Crestを舞台にワンマンライブ [ jet setter, jet lag tours ♥ 16 ] を行った。開場時間が16時66分(PM5時6分)で開演時間が17時66分(PM6時6分)と、「rock」にこだわった遊び心もしゃれている。

満員の観客たちが詰めかけた場内。ライブは、「帝国のマーチ」に合わせメンバーらが登場する形で始まった。まさに、これから超スペクタクル映画が始まりそうな……と言いたいところだが、楽曲が若干ゆるーく構築されているように、期待を煽りつつも、どこか身近な親しみやすさを感じながらライブの幕開けに胸をワクワクし、期待が高まる。

ライブは、昨年行ったワンマン公演のときと同じようにメロキュアの相棒である岡崎律子が堀江由衣に提供した「Romantic Flight」で幕を開けた。彼女自身のここ数年の心のテーマ曲であるというこの歌をライブのプロローグとして今回もオープニングに持ってきたこと、そしてこの曲を1曲目として歌うことを事前に堀江由衣にも報告していたことを、後のMCで語ってくれた。それだけmeg rockにとってメロキュアの岡崎律子は、今でも大切な心の相棒ということだろう。

心の中でスキップするように「Romantic Flight」を歌いながら軽やかにライブをスタートさせると、そこから勢いづけるように、「レジヘGO!」を披露。「1!2!3!4!GO!ロック!」の掛け合いも印象的な楽曲で、会場は一気にヒートアップ!続く3曲目には、meg rockがデビューを飾った際の”グミ”名義で歌った「Catch You Catch Me」を披露。彼女にとって思い出深い楽曲を序盤に並べた展開もさることながら、どんどん弾ける速度とパワーを上げるポップチューンの連続に、観客たちも熱い声援で高まっていった。

ザクザクと切れ味鋭い音を響かせるギターサウンドに乗せ、meg rockは声を弾ませるように1stシングル曲「ベビーローテンション」を歌いだした。軽快に走るロックな演奏に、彼女の歌声がときめきを塗り重ねてゆく。沸き立つ気持ちへ導く、その感覚が聴いていてとても嬉しい。勢いを加速させながら、たくさんの光を集め、輝きを放つよう届けた「clover」。眩しさを抱きながらも、少しばかりメロウな香りも組み込みながら軽やかに歌った「incl.」と、meg rockは詰めかけたファンたちの心をずっと騒がせ続けていく。

次のブロックでは、メロキュア・ナンバーを次々と披露。メロキュアはmeg rockに……いや、日向めぐみにとって欠かすことのできない存在であり、今後も歌い紡いでゆくことを宣言しているユニット。最近、メロキュアの楽曲が(ほぼ)全世界でサブスクリプション配信された。つまり世界中の人たちが、いつでもメロキュアの歌に触れることのできる環境が生まれたということ。その喜びも加味されたのか、この日歌ったメロキュア・ナンバーの数々は、いつも以上に胸に深く染み渡っていった。

甘い香りも忍ばせながら、ピュアな想いのままとろけるように歌った「Sunday Sundae」。続く「Pop Step Jump!」では、爽やかな中にも、手を伸ばし想いをひとつにはしゃぎあう光景が生まれていく。流れだす岡崎律子の歌声と掛け合う様を観ながら、この場でふたりでのデュエットを聴いているような感覚を覚えたのもうれしかった。そしておなじみ「Agapē」では、楽曲が作り出す美しいドラマへ強く心が惹かれていき、歌の世界へ意識が陶酔し続けていった。

次のブロックでは、『〈物語〉シリーズ』にmeg rockが提供した楽曲たちを集めたセルフカバーメドレーを披露。会場へ訪れた人たちの中には『〈物語〉シリーズ』のファンたちも多く、このコーナーでも、終始熱狂の光景が生まれていた。

選曲はもちろん、メドレー演奏した順番にもmeg rock自身のこだわりを投影しているのを強く感じる。もちろんメドレーだけに、1コーラスで次へ繋げる流れが主になっていたが、ぜひ以下の曲順を並べて聴きながら、あらためて「なぜ、このセットリストだったのか」を自分なりに分析しながら楽しんでもらうのもいいかもしれない。この日披露したのは、「staple stable」「marshmallow justice」「wicked prince」「白金ディスコ」「もうそう♡えくすぷれす」「恋愛サーキュレーション」の6曲。とくに、最後に披露した「恋愛サーキュレーション」での熱い掛け合いは、うれしいくらいに気持ちを滾らせてくれた。

そして終盤のブロックは、ふたたび熱狂へ向けアクセルを踏み込むように「star」からスタート。少しずつ輝きが集まりだし、次第に大きな光として膨らんでゆく様が、観客の胸を踊らせる。続く「play loud」では、フロア中の人たちが沸き立つ想いへ導かれるまま、meg rockの用意したパーティ会場の中、笑顔を浮かべ手を振り上げいく。気持ちをひとつに声を張り上げ騒いだ「笑顔の理由」では、meg rockと一緒に会場中の人たちが「僕らの目指す未来は まだまだ遠く果てしないけど」と歌いながら、それでも一緒に歩み続ける未来へ、互いを笑顔に導く幸せがあることを願っていた。いや、こうやって共に声を張り上げ、フロア中に沸いた熱を共有しているだけで、誰もがくしゃくしゃの笑顔を浮かべてはしゃいでいたように、十分幸せを感じていたはずだ。

そんな熱狂を優しく抱きしめるよう、本編最後に、meg rockは「流星ピクニック」を歌いだした。会場中の人たちと想いをひとつに「君とどこまでも 君といつまでも」と歌ったあの光景が、ずっとずっと胸から離れない。共に心をひとつに強く抱きしめあえたからこそ、本当に心をひとつに歌を交わしたこのひとときを、ずっとずっと忘れたくはない。

アンコールは、ハートウォームな「heart」からスタート。温かさが膨らんでゆくさまに心地好さを覚えれば、続く「この左手は君のもの」では、激しさを増した演奏のうえで、互いの心を結び合いながら一体化した熱を作りあげていった。その熱を、一気に炸裂するように届けたラストナンバーの「slight fever」。タイトル通りの、いや、「僅かな熱狂」どころか、会場中を汗ほとばしる熱狂の空間へ染め上げながら、meg rockは熱いロックなライブをこの日も描き出してくれた。

余談だが、MCのたびにアイスクリームを食べている人を、初めて観た。しかも、アイスクリームを食べている間は、MCを演奏メンバーへ丸投げするという暴君(?)ぶりを笑顔で実行する人も、初めての体験だった。meg rock、なんてロックな人だろう。恐るべし……。

Text By 長澤智典

[ jet setter, jet lag tours ♥ 16 ]
2019年6月9日 Shibuya TSUTAYA O-Crest

<セットリスト>
1.Romantic Flight
2.レジへGO!
3.Catch You Catch Me
4.ベビーローテンション
5.clover
6.incl.
7.Sunday Sundae
8.Pop Step Jump!
9.Agapē
10.〈物語〉シリーズ セルフカバーメドレー
・staple stable
・marshmallow justice
・wicked prince
・白金ディスコ
・もうそう♡えくすぷれす
・恋愛サーキュレーション
11.star
12.play loud
13.笑顔の理由
14.流星ピクニック
アンコール:
15.heart
16.この左手は君のもの
17.slight fever

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