メンバーそれぞれの様々な想いと表情が感じられた「Tokyo 7th シスターズ」The QUEEN of PURPLE 1stライブレポート

「Tokyo 7th シスターズ」(「ナナシス」)のライブイベント「The QUEEN of PURPLE 1st Live “I’M THE QUEEN, AND YOU?”」が2019年6月9日にZepp Tokyo、6月14日にToyosu PITにて開催された。

The QUEEN of PURPLEは、「ナナシス」から生まれたロックバンドユニット。越前ムラサキ役の野村麻衣子(Vo.)、瀬戸ファーブ(Ba.)役の広瀬ゆうき、堺屋ユメノ(Gt.)役の山本彩乃、三森マツリ(Dr.)役の巽悠衣子が所属している。

DAY1が行なわれたZepp Tokyoはお台場にあるライブハウスで、(一階フロアが)オールスタンディングのライブハウスとしては都内最大級だ。「ナナシス」にとっては、2015年に最初のライブイベント「Tokyo 7th シスターズ 1st Anniversary Live 15’→34′ ~H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!~」を開催した特別な会場でもある。吹き抜け構造のZepp Tokyoに比べると、DAY2・Toyosu PITはフラットで横の広がりが際立つせいか、客席がより広大な印象を受ける。

フロアを見渡していて、会場のステージ上手側の一角が、眩しく輝いているのが気になった。サイリウムを掲げるライブ、拳を掲げるライブ、いろいろなスタイルがあると思うが、特定のエリアだけが目に見えて光の数が多かったのである。。その疑問は、ライブが始まってしばらくして解消された。山本が「おにゃのこたち~」と呼びかけると、その一帯から黄色い歓声が上がる。上手前方は女性優先エリアだったのである。ステージ上手といえば女の子大好き、ユメノ役の山本彩乃のベースの立ち位置だ。ユメノの前に女性優先エリアを用意するのは粋だし、彼女たちが私たちはここにいるよ!と光を掲げるのは面白いコミュニケーションだと思った。

今回のライブ前アナウンスは、ガールズバンドユニット・4Uの九条ウメ(CV:山下まみ)が担当し、途中から鰐淵エモコ(CV:吉岡茉祐)と佐伯ヒナ(CV:長縄まりあ)が担当する嬉しいサプライズもあった。「ナナシス」発のバンドユニットつながりであり、ゲーム内のエピソードイベント“2大バンド初対面!! ~4U vs QOP VRゲームバトル~の巻”が共演した縁でもある。

DAY1、DAY2ともに、ライブ本編ではQoP楽曲を10曲、アンコールでは「ナナシス」ユニットたちの楽曲をバンドアレンジで披露した。

ボーカル・野村麻衣子は「THUNDERBOLT」の攻撃的なイントロが流れると、テンション上がる客席に「ぶちかませぇぇぇぇ!」とアピール。一方オープニングトークではQoPを代表してしっかりした挨拶をしてメンバーを驚かせたりと、コミュニケーション力が向上したムラサキを表現していた。ムラサキとしてのトークは落ち着いた感じなのだが、その合間に野村自身の謙虚で初々しい感じが時々顔を出すのが微笑ましい。野村のパフォーマンスで新しい面が見えたのが「KID BLUE」で、激しいロックナンバーが多いQoP楽曲の中ではちょっと色の違うつややかな表現が感じられた。フロントの3人が全身でリズムを取りながら音を楽しむ姿が印象的だった。

ベース・広瀬ゆうきは自己紹介の「瀬戸ファーブだよ」の一言にも凛々しさと清潔感があって瀬戸ファーブがそこにいる感がすごい。「Purple Raze」では、広瀬がメインボーカルを担当。両足のスタンスを広く取ってステージを踏みしめ、まっすぐな歌声を届ける姿からは清涼なオーラが立ち上る。ベースの指弾きの表現からも重ねた努力が感じられた。個人的な印象だが、元々ステージで存在感がある広瀬が、瀬戸ファーブという存在のフィルターを通した見せ方を体得しつつあるように感じた。歌い終えた広瀬は「ファーブの内面をあらわしたような曲で、ライブ中は熱いもの見せる子なんだなと思いました」と語っていた。

ギター・山本彩乃は前述の通り、女性優先ゾーンの支配人たちに駆け寄っては本当に楽しそうに「おにゃのこたち~!」と呼びかけていた。MCや、幕間映像の「きゅいーんおぶぱーぷりゅ」での山本とユメノの存在で、ステージの空気がふっと軽くなるのが印象的だ。「R.B.E.」では「次は私のボイスを響かせちゃおうかな?」と山本がメインボーカルを担当、重厚な音に彼女のファニーボイスが軽やかな浮遊感を与え、乱舞する光の洪水と共に観客をトリップさせた。

ドラム・巽悠衣子はキャップのつばを後ろに回してかぶっている姿が少年っぽくてとてもキュート。リズミカルにスティックを捌き、楽しそうにドラムを奏でる姿はマツリそのものだ。「Wake Up Heroine」では巽がメインボーカルを担当。歌いながら激しくドラムを叩く合間に、客席をズバッとスティックで指すアクションが鮮烈だ。バンドサウンドと張りと艶のあるハイトーンボイスの絡み合いが耳に心地よく、ゆったりとした「Come’ on~」のフレーズのリフレインに観客たちが声を揃える様はマツリ流のアンセムだった。

各メンバーのメインボーカル曲中、野村はステージからはけていたのだが、戻ってきた彼女が「めちゃかっこいいね、めちゃかっこいいね! QoPのライブを自分で見る夢が叶った!」と子どものようにはしゃいでいる姿が微笑ましかった。

本編ラストの「DAYS」では、野村がここにいるあなたのことを聞かせてくださいというメッセージを込めた、切実なトーンのロングMCを行なった。幻想的な光の中、どこか遠く響くWohWohの声が響き渡り、会場全体が唱和する。ムラサキの銀河に、叫び声がこだまする。曲中の野村の「もっと、もっと聴かせてください!」の叫びは煽りというよりは、祈りのように響いた。「I AM」で野村がムラサキの存在と想いを叩きつけ、「DAYS」では客席の想いと響き合う、演者とファンのコミュニケーションがあったように感じた。

アンコールでは、「ナナシス」の様々なユニットをQoPがカバーするファンには嬉しい遊びが行なわれた。セブンスシスターズやNI+CORAの楽曲の中でもロックテイストが強いナンバーを、QoPの音にアレンジして生音で奏でるのはとてもぜいたくな時間だ。毛色が違ったのが各日のアンコール一曲目で、DAY1はCi+LUSの「空色スキップ」を山本と巽がカバーした。

椅子に座って歌う2人は頷きをかわしながら「空色スキップ」を披露。キュートな歌声をお互いに追いかけ合うような歌唱が楽しく、このふたりのデュオも見てみたいと思ったぐらいだ。パーカッションのタンバリンのリズムと共に、山本がタンバリンを鳴らすような身振りも。会場と一緒にクラップすると、ほがらかで楽しい空気が流れた。ふたりが奏でる落ちサビの優しいハーモニーが耳に残った。

DAY2のアンコール一曲目はLe☆S☆Caの「ひまわりのストーリー」を野村と広瀬が披露。アコースティックコーナーのような空気感の中、QoP楽曲とは全くテイストの違う歌声と表現を見せた。。イントロが流れると歓喜の叫びと共に、会場いっぱいに一面の黄色のひまわり畑が広がった。ふたりの歌唱がとても抒情的で、想いやニュアンスの情報量が多い歌声でお互いに歌いかける姿が印象的だ。時にハモリに回ったり、ボーカルでも技巧を見せた広瀬。広瀬がソロで歌っている間、野村が嬉しくて幸せで笑みがこぼれるような表情だったのが心に残った。

かつていつかアルバムを出したい、単独ライブをやりたいと言葉にして、ついにそれを実現したQoP。巽が「まだまだ上を目指しますのでついてきてください」、広瀬が「セカンドライブ、セカンドアルバムやりたいと言い続けていきたい」と語った夢の続きを楽しみにしたい。

Text By 中里キリ

The QUEEN of PURPLE 1st Live “I’M THE QUEEN, AND YOU?”
2019.06.09.Zepp Tokyo
<セットリスト>
M01:Majesty
M02:THUNDERBOLT
M03:TRIGGER
M04:KID BLUE ~裸の王様~
M05:Purple Raze
M06:R.B.E.
M07:Wake Up Heroine
M08:Clash!!!
M09:I AM
M10:DAYS
-encore-
EN1:空色スキップ(Ci+LUSカバー・山本彩乃&巽悠衣子)
EN2:WORLD’S END(セブンスシスターズカバー)
EN3:CHECK’MATE(NI+CORAカバー)
EN4:Fire and Rose

The QUEEN of PURPLE 1st Live “I’M THE QUEEN, AND YOU?”
2019.06.14.Toyosu PIT
<セットリスト>
M01:Majesty
M02:THUNDERBOLT
M03:Fire and Rose
M04:KID BLUE ~裸の王様~
M05:Purple Raze
M06:R.B.E.
M07:Wake Up Heroine
M08:Clash!!!
M09:I AM
M10:DAYS
-encore-
EN1:ひまわりのストーリー(Le☆S☆Caカバー・野村麻衣子&広瀬ゆうき)
EN2:WORLD’S END(セブンスシスターズカバー)
EN3:CHECK’MATE(NI+CORAカバー)
EN4:PUNCH’D RANKER(セブンスシスターズカバー)
EN5:TRIGGER

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