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INTERVIEW

2019.05.29

TVアニメ『川柳少女』OPテーマ「コトノハノオモイ」で初アニメ主題歌に挑戦!井上苑子インタビュー

TVアニメ『川柳少女』OPテーマ「コトノハノオモイ」で初アニメ主題歌に挑戦!井上苑子インタビュー

TVアニメ『川柳少女』のオープニング。パッと発色するカラフルな映像が印象的で、そこに青春群像劇をそのままいく爽快チューンが流れ出す。このOPテーマ「コトノハノオモイ」は、井上苑子にとって初のアニメタイアップとなったナンバー。中学生の頃から地元・神戸で路上ライブをしてきた彼女が、高校生たちの不器用ながらまっすぐな青春、そして恋に向けて書き下ろした1曲だ。これまでも恋の歌を多く世に届けてきた彼女が、『川柳少女』というモチーフにどんな想いを重ねているのか。今作が収録されたニューアルバム『白と色イロ』を紹介しつつ、「コトノハノオモイ」に迫る!

――リスアニ!はアニメ音楽を紹介するコンテンツなので、まずは井上さんにとって「印象に残っているアニメソング」を教えてください。

井上苑子 私にはお兄ちゃんがいるんですけど、自分ではそれほどアニメを観てはいなかったのですが、お兄ちゃんの影響でよく一緒に観ていたんですね。そんなふうに観ていたアニメの楽曲で印象に残っている曲というとDOESさんの「曇天」です。アニメ『銀魂』の主題歌だったと思うんですが、あの曲はよく聴いていました。あとはアニメ『ドラゴンボール』の「ロマンティックあげるよ」が好きです。ブルマがずっと映ってる曲で、カラオケでもすごく歌います。あとは『タッチ』とか『らんま1/2』とか、昔の、歌謡曲っぽいアニソンは好きで今も歌っています。お兄ちゃんが観ていたのもあるんですけど、ケーブルテレビでアニメを観ていたので、自分の世代より上の作品にずっと触れてきていて、その頃のアニソンは好きですし、印象に残っています。

――そんな井上さんですが、初のアニメOPテーマとなった「コトノハノオモイ」を収録した3rdアルバム『白と色イロ』をリリースされます。今回はその「コトノハノオモイ」のお話も伺わせてください。初めてのアニメタイアップ。どのように楽曲を作っていかれたのでしょうか。

井上 原作となっている『川柳少女』をアニメ化をするということで、まずは原作マンガを読ませていただいたんですけど、今まで読んだことのないような、描き方がすごく独特な作品で。4コマ漫画みたいな感じで流れていく描写になっていて、すごく読みやすかったんです。主人公の雪白七々子ちゃんの不器用さが伝わりやすい描き方だな、という印象を持ちまして。七々子ちゃんは言葉にするのは苦手なのに気持ちを五七五に収める、言葉の使い方がとても上手だな、と感じたんです。そのイメージからどんどん歌詞にしていって、そこに七々子ちゃんの持っている恋心も出そうと思いました。私がこれまでにも恋愛の曲をたくさん作っているので、そういうところで自分らしさを出したいなと思って作りました。

――原作を読んで共感したのはどんなところですか?

井上 やっぱり、好きな人に対して、いちばん素直になりたいのになれない、というのは恋する高校生なら共感できるんじゃないかなって思って。私が今までに書いていた恋の歌も、そういう想いを描いていたりもしたので、その方が書きやすいですし、自分自身も入り込みやすいなとも思ったんですね。等身大の七々子ちゃんの不器用な恋心はあるんですが、ちょっと不思議な子なので、その雰囲気は曲調で出せたらいいなと思いましたね。

――テーマを見つけるのはわりと早かったんですね。

井上 そうですね。でも七々子が想いを寄せる男の子の毒島エイジくんが、また従来の少女マンガとかとは違う感じなんですよね。わたしはよく少女マンガを読むんですけど、今まで読んできた作品の中には出てこないようなヒーローで。少女マンガだとイケメンで、何でも完璧な男の子に恋をする、不器用で何をするにもうまくできない女の子、という図式が多いんですけど、『川柳少女』はイケメンだったり、何でも完璧!っていうタイプではなかったぶん、リアルに感じて。現実でもよく「あの人のどこが好きなの?」とか「理由はわからないけどそれでも好き」という、あの気持ちを描けたらいいなぁ、と思いながら制作に向き合いました。

――これまでにも恋愛の楽曲を作って来られているなかでも、ちょっと違った視点で描くことができた?

井上 そういう部分では現実味のある歌詞にしたいなとも思いましたが、アニメの曲でもあるのでリアルすぎてもよくないなと思い、ちょっと夢見がちなところも出していこうと。

――現実味すぎないように?

井上 私は、ドラマとか映画とかアニメとか、自分たちが経験していないことをテーマに曲を書くときには、現実に寄り添うと夢の部分が薄れてしまう感じがしていて。聴いた人が想像しやすくて、憧れてしまうような曲にしたいと思って、そういう雰囲気で今回も書きました。

――これまでにもドラマや映画とも楽曲でコラボをされていらっしゃいますが、その場合は今お話してくださったような姿勢で楽曲を制作されているんですか?

井上 そうです。でも元々恋の歌を書くときにはほぼ妄想で書くので。自分が経験したこともちょっとは入れたりもするんですけど、たとえば10代の子が恋をしたときに気持ちがアガる曲って、憧れだったり「こうなればいいな」「自分もこうなれたらいいな」って思えるものだと思うし、自分の楽曲がそうなってほしいなって思うんですね。そういうものを映画やドラマの曲では目指してもいたんです。だけど恋ってうまくいかないことの方が多い。そういう部分にも寄り添えたらいいな、とも思いました。

――そんな「コトノハノオモイ」。入りは静かで、そこからバーッとドラマティックに広がっていく感じがとても印象的な曲ですが、アニメサイドからのオーダーはあったんでしょうか。

井上 ないです。言葉に関しても特に「この言葉を使って下さい」というのもなくて。でも五七五っぽい言葉選びは意識しましたが、なかなか難しくて。それもあって冒頭の部分では言葉が舞っている感じのイメージで始めたい、と思ったんです。言葉に意味を持たせるよりも“言葉”自体を大事にしたくて。だからいちばん最初は、曲の中でメロディと一緒に言葉が動いている感じを出したいな、と思って、歌い方もずっと裏声で、メロディに混ざるような歌い方をしました。あとはアレンジにあたっては「アニメソングである」ということがすごく大きかったです。疾走感を大事にしたいなって思って。

――オープニングですもんね。

井上 そうなんです!(放送が)始まったときにワクワクしたいなって思ったので。エンディングはわたしのイメージとしてしっとりと、余韻のある楽曲、というものがあったんですけど、アニメの最初、しかも第一話の放送のときにはワクワクしたいですから。それで、ずっと一緒にやらせていただいているアレンジャーさんに「疾走感が欲しい」とお願いしたんです。そうしたらピアノの入りがすごくよくて。カッコよくキメてくださったのでうれしかったです。

――実際にアニメーションになっているのをご覧になっていかがでしたか?

井上 めっちゃうれしかったです。自分自身も、すっごくワクワクしました。まず最初に作品告知のVTRを観せていただいたときにも、花澤香菜さんのかわいい声から始まって、その時点でワクワクしていたんですけど、自分の歌がアニメーションの後ろに入ってきたときには「うわ!いいんじゃない!?」って興奮しました。あとオープニング映像って、その本編とは別の、オープニング曲のためだけの映像になっていて。予告編と違って、オープニングは曲に合わせて絵を作ってくださっていることに感動しました。いつもなら曲を作って、それがMVになるだけだったのが、プラスして新しい表現の仕方で、曲が皆さんの目に、耳に届くということにすごくワクワクしてうれしかったですね。

――『川柳少女』をとおして井上さんに出会うリスナーも多いと思います。そんな方たちに今回のアルバム『白と色イロ』をどう聴いてもらいたいですか?

井上 アルバムは12曲入れられるので、いろんな曲調のものを入れたくて。自分にはまだまだいける部分があると思っているので、そこをいかに出せるかに挑戦したんです。だからバラバラの曲調で、1本のライブを観ているような緩急のある12曲にしたいなと思ったんです。タイトルも早めに決めましたし、井上苑子のこれまでを知ってくださっている方にも、これまで出してきた白っぽい色の楽曲カラーだけじゃない、様々なカラーの曲で聴いてもらいたいと思ったので、『白と色イロ』と名付けてカラフルな1枚にしようと思ったんですね。激しい曲もあれば、しっとりとした曲もあって、なんだったら12曲目の「わっしょしょいしょい」なんてお祭り騒ぎの曲ですし。「コトノハノオモイ」で知ってくださった方にも、いろいろな曲があるんだって感じて、ライブに行きたいと思ってもらえたらいいなって。ライブ感もあるアルバムになったと思います。

――そのアルバム『白と色イロ』を引っ提げて夏には「いのうえ夏祭り」があります。こちらはどんなライブになりそうですか?

井上 さっきもお話した「わっしょしょいしょい」はこの夏祭りに向けて作りましたし、お客さんに歌ってほしいところも私やスタッフさんみんなで歌ったので、一緒に楽しんでもらいたいです。アルバムの曲もライブの定番曲も多いですし、夏のお祭りライブを一緒に楽しんでもらいたいです。ぜひ遊びに来て下さい。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
3rdフルアルバム
『白と色イロ』
5月29日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番: UPCH-29326
価格:¥3,900(税込)
※井上苑子 手描き全曲コード譜付きブックレット

【通常盤(CD)】

品番:UPCH-20512
価格:¥3,000(税込)

<CD>
1.はじまり
2.コトノハノオモイ
3.踏み出す一歩が僕になる
4.My Friend
5.くれたもの
6.何でもない
7.点描の唄(井上苑子ソロver.)
8.はなたば
9.キミマミレ
10.ファンタジック
11.リメンバー
12.わっしょしょいしょい

<DVD>
「ファンタジック」「コトノハノオモイ」メイキング映像、「Inoue Sonoko Winter Tour ~ファンタジック~」ドキュメント(2018.12.11&2019.3.6)

●ライブ情報
いのうえ夏祭り2019
7月24日(水)梅田・CLUB QUATTRO
7月26日(金)名古屋・ReNY limited
8月10日(土)新木場・Studio Coast

詳細はコチラ

<井上苑子 プロフィール>
神戸出身の21歳シンガーソングライター。小6より作詞作曲と路上ライブを始め、高校入学と共に上京。
動画配信サービスのツイキャスで人気を集め、視聴者数が200万人を突破しメジャーデビュー。
1stシングル「だいすき。」はYouTubeで2,000万再生を超え、女子中高生を中心にスマッシュヒット。
これまでのミュージックビデオの総再生回数は6,500万回を突破。LINE MUSICなどの定額制音楽聞き放題サービスでは毎回の1位を獲得するなど、SNS新世代のアーティストならではのヒットを生み出している。5月29日に3rdフルアルバム「白と色イロ」をリリースする。また、歌手としてだけでなく、映画・ドラマ・CMなどへもマルチに出演する次世代のシンガーソングライター。

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